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セクシーボイスアンドロボ  Voice #09プッチーニ後編

Voice #09プッチーニ後編
 何もかわらない

ニコの家のいつもの食卓から。
ささいなことでいいあらそう家族のいつものケンカ。

 このどうでもいい家族のもめ事も

 いつもとかわらない。

 なんで何もかわらないんだろう。

 あんなにいろんなことがあったのに。

 すべてを、プッチーニが。

 死の間近の人間の願い事を

 なんでもかなえてくれるという三人組。

 ロボがそのうちのひとりと恋におちて

 あたしの前からいなくなった。
 
 そしてプッチーニは、

 今度は地蔵堂の社長を殺すという。

 ロボと地蔵堂がいっぺんになくなった私は

 私じゃないみたいだ


神社へいった帰りのパパとニコ。
なんで拝まないんだというパパに

「だって信じられないくらいたくさんの人が拝んでんだよ。

 あたしの願いごとなんてきいてくれるわけないじゃない。」

「お前って案外マイナス思考なのな」

「合理的なの。」

「あのね、神様が願い事

 かなえてくれるんじゃないんだよ」


「嘘!かなえてくれないの?

 じゃなんでお父さんおがんでんの」

「まあ言ってみりゃ、神様との約束みたいなもんだな。

 俺家族のごたごたがんばって解決しますんで

 ひとつよろしく!みたいな」

「そうなんだあ」

「だってさあ、なんかするときに

 一人じゃ心もとないじゃん。

 誰かと、いっしょじゃないとさ」


ロボのことを思い出すニコはよっちゃんをみつけて
そちらに走って行きます。

「よっ」

賽銭を投げて神様にもう神様に祈るよっちゃん。

「もう、神様に頼るぐらいしかできなくってな。

 どうか!社長の考えがかわりますように!」


「社長、プッチーニに殺されても仕方がないって、本気なんだ」

「俺だってよう、いざとなったら

 社長の命まもるぐらいのことできるよ。

 でもさあ、本人があれじゃこっちがお手上げじゃん」


「目赤いよ。泣いた?」

「はあ。花粉症かな」

ああ、よっちゃんも好きだ!

ニコもお賽銭をいれて神に祈ります。

『神様、約束です。私なんでもします。

 なんでもしますからまた、

 みんなの笑顔、見せてください』


ロボは昭子さんの部屋にいっしょにすんで まるで新婚さん。
昭子さんが洗濯ものを干している姿を幸せそうにながめます。

「いいなあと思って。

 そうやって誰かがそうやって働いてるとこみるのって

 いいなあって。

 永遠にみてたいなあって。」

「会社は?」

「いきたくないなあ。」

「いきなさい」

「はい」

「あーーーー!!

 見送ってくれる人がいるーーーーー!!」



ロボ。。。!!

玄関にかさねてたてかけてある靴に気づくロボ。
何か大きなことがあるまえにする癖だそうで
今日は月一回の院長回診の日だという昭子。
「いってらっしゃい」「いってきます」も
まんま新婚さん。

ニコとよっちゃん。

「社長さ、昔、世界的に名を馳せた、スパイだったんだよね。ほら」

とよっちゃんは大きなパネルをみせました。

「うわ」

「生きるか死ぬかの修羅場で、仲間を見捨てたっていうか

 自分だけ生き残っちゃったんだな」

「でも仕方ないんじゃない?

 じゃないと死んじゃうんでしょう」

「でも、見捨てられたほうの身になって考えてみ?」

ロボとスパイ活動中、見捨てられるのを想像するニコ。

「許せない!!」

「だろう?その仲間っていうのが、

 社長の恋人らしいんだわ。

 命は助かったらしいんだけど、今も意識が戻らず

 何十年もずっと眠ったまま。

 その人がそろそろ危ないらしいんだわ」

「これ、プッチーニが落としてったんだけどさ。

 たぶんその人が書いた、最後の願い事だと思うんだけど」

「でもそれ、社長の字だ」

「えっ?!えっ、え、じゃあ自分で自分を殺すように頼んだってこと?」

「今度こそ、その人といっしょに死のうと思ったんじゃねえの?」

「なんで?だって何十年も昔の話でしょ」

「そんなこと本人じゃないとわかんねえよ」

「なんで」

「だから許せねえんだよ。恋人をおいて逃げた自分が」

「だって」

「俺だって許せねえよ。

 このまま社長が死んじゃったらさあ。」

宅配便業者のふりしてロボをたずねていくよっちゃん。
いきなりロボをなぐりつけるよっちゃん。

「どうしたのー?よっちゃん」

「気安くよっちゃんてよぶんじゃねえよ」

「だってー!友だちでしょう!」

「おまえなんか友達でもなんでもねえよ」

「ひどい!ひどすぎる!」

「ひどいのは、おめえじゃねえかよ。

 ここに住んでる女、うちの社長殺そうとしてんだよ」

「まさかあ。そんなのありえないよ!」

「だといいんですけどねえ!」

室内をさがしまわるよっちゃん。カレンダーのしるしをみて

「決行は五日か」

「まさか」

「じゃなんだよ、この印は」

「その日は、雷寿司かなんかから出前取る日だよ!」

「そんなのいちいち書き込むわけねえだろうがよ。

 社長をやる日だよ。」

「そういえば、ニコもそんなこと言ってたな」

「おまえ、ニコの言うこと信じなかったんだってなあ」

「いや、だって。。ちょっとほんとなの、その話」

「今証拠みしてやるよ。」

「何探してるの!?」

「何でやるかしっとかないとこっちも手のうちようがねえからな。

 ショッガンかライフルか○?か、吹き矢じゃないだろうな」

「そんなのあるわけないでしょ。」

「おまえってやつは!

 歯ブラシおそろいじゃねえかよ!!」


歯ブラシを投げつけるよっちゃん。
そして乾燥機の中に拳銃が隠してありました。
よっちゃんはまたそれを戻し、これは知らなかったことにするようと
自分がきたことを言うなといって帰ろうとします。

「あ、こないだ、神社でニコにあった。

 なんか必死で拝んでたよ」

看護師姿のプッチーニ。

「ほんとに殺すの?」

「どんな願いでもかなえることになってるからね。」

「人殺すんだよ、できる?」

「何?」

銃をわたされる絵美理。

「何これ、どうしたの」

「さきやまさんが持ってるのパチった」

ロッカーに隠してあったのをもってきたらしく
やだという絵美理にもたせます。

「重い」

「そう、重いのよ」

ロボは、ぼ〜っとして昭子をながめていて、不思議がられます。

「いや、ずっとこういうことが続けばいいのになあって。」

「あたしは時間が止まればいいのになあって思う。

 続けるのって難しいからさ。

 ってか、続かないのを知ってるから」


「俺達続かないの?」

「写真とろうか、そうしよそうしよ」

と「せーの」で写真をとるふたり。
でもロボはすごく不安な顔。

高架下で銃をうつ練習をするプッチーニ。

「ねえおぼえてる?ベツコといっしょに

 コンサートの帰りに写真撮ったこと。

 あんときベツコ言ったんだよね。

 あたしが死んだら、みんなあたしのこと

 忘れちゃうんだろうなって。

 そのとき、あたし忘れるわけないって言ったんだよね。

 でもあたしさあ、ベツコの顔、思い出さないときがある」

「あたしも。なんでだろ。

 死んだときあんなに泣いたのに」


真夜中に帰宅する昭子。ソファで眠るロボに近づくと
ロボは目をあけました。

「なんだ、起きてたんだ」

昭子の手をとって匂いをかぐロボ。

「何?」

「悲しい。悲しい匂いがする」

「やだ。何言ってんの」

考え込むロボ。

ニコはマキのもとへ。

「死のうだなんて思わないでください!

 そんな昔のこといいじゃないですか。

 もう誰も覚えてない話なんだし」

「そうね。あたしも時々忘れてる」

「だったら!」

「でも忘れたからって、なかったことにはならないわ。

 これはあなたが言った言葉よ」


三日坊主のときのセリフ、

『全部忘れたからって

 なかったことになんかならないんだからね!』


「あのときのセリフ、あたしにはとってもこたえたわ」

「そんな。そういうつもりじゃ」

「そうなのよ。なかったことにはならないのよ。

 あなたのいうとおりよ」

さきやまさんはリハビリで桜の花をきっていました。

「いさぎいいやろう。全部散らしてまた来年や」

ホラー番組をみながら昭子の後ろに隠れるロボ。
実写版は人殺しのシーンは見ないというロボ。

「あたしが人殺しだったらどうする?」

「その答ちょっと考えさせてもらっていいですか」

「いいよ。ちょっとぉ、例えばの話なんだからさあ

 そんな真剣に考えなくっていいってば」

そのとき昭子に今夜決行のメール。

「その答なんですけど、僕は昭子さんが人殺しでも

 好きだと思います。」


「なに、そんな悲しそうな顔して」

「正義感よりも、好きのほうが勝ってしまった自分が

 悲しいだけです。」


「やだもう、単なるたとえ話でしょう!」

「自分としては!

 昭子さんがラスボスだとしても!好きです!」


「何?ラスボス?」

「ラストのボスです!

 映画とか一番最後にでてくる一番悪いやつです。

 巨悪です!」


「ああ」

「巨悪・・昭子さんが巨悪!悲しい。

 でも、好きだーっ!」


「さてと行くかな」

昭子さんは夜勤をかわってあげたと
大きな荷物をもってでかけようとします。
中身はライフルだけど預かりものだといい
玄関には例の癖の靴がたてかけてあり
気がついたロボは、部屋にもどってカレンダーを手に。

「今日だ?!」

ニコに電話するロボ。
ニコは「ロボ?」とうれしそう。

「今夜だ」

「え」

「地蔵堂の社長、今夜だと思う」

「プッチーニが今夜殺しにくるってこと?」

「地蔵堂にそう伝えといて」

「ねえ、どうしたらいい?

 どうしたらいいの?

 ロボきてくれるよね」

「いや」

「じゃあどうしたらいいのよ」

「だから、社長を隠すとか」

「隠すってどこに?」

「普通考え付かないような意外な場所とか。」

「意外な場所?そんなこと急に言われても」

「そうだ、学校、ニコの中学は?

 そこなら、まさか誰も地蔵堂の社長がいると思わないだろ」

「学校か、わかった」

「学校ね。それは意外な場所だわ」

昭子が後ろに立っていました。

「プッチーニにばれたって電話したほうがいいんじゃない?
 
 そうしないと、その女の子、ニコ裏切ることになるわよ。

そして携帯で仲間に電話。

「もしもし、場所は中学校変更。

 詳しいことはあってから話します。じゃ」

「私のこと、人殺しでも好きっていったよね。

 あれってほんと?信じていいのかな?

 いいよ、言わないで」

「信じていいです!」

携帯をさしだすロボ。

「いいの、電話しないで」

携帯をうけとり

「ちゃんと殺すから」

とでていく昭子。

中学校にいこうというニコ。

「学校?学校でしんだりすると迷惑じゃない?」

「死にません」

「わかったわ。

 どこで死のうと私はかまわないわよ」

駅にしゃがむロボ。
酔っ払いがマックスロボの歌を歌っていました。

「勇気の心〜」

「だから、そこは勇気の心じゃないんだって」

「じゃ、なんの心よ〜」

「それは、それは、正義の心です。」

よっぱらい納得していってしまいます。

「ダメに決まってるじゃないか。

 人を殺すなんて。

 どんなときでもダメに決まってるじゃないかー!!」


マックスロボのポーズをとるロボ。

教室に隠れるマキたち。
教室の後ろの壁には習字で書いた「生きる」の文字がびっしり。

「よっちゃん、みて」

机の上、あいあいがさの下に刻まれた名前。

「ああ、なつかしいなあ。まだこんなことやってるんだ」

「誰かの生きてきた証。

 あたしの生きてきた証も、言ったとおり

 全部きれいに処分してよ」

「わかってます。言わないでください」

ニコ、いきなり窓をあけます。

「どした?」

「ロボの声がきこえたよ」

「え?」

「気のせいかな」

「ニコー!ニコー、おまえ耳がいいんだろ!

 俺の声をきけー!ニコー!」


「どこ?」

「プッチーニにばれたーー!

 学校にいるってばれたーーー!」


と叫びながら走るロボ。
ニコに伝わりました。

「プッチーニにばれた。

 学校にいるってばれた!」

しかしそこにプッチーニがはいってきました。

「おのいちろうさんからの依頼です。

 真境名マキさんですよね」

「素人のおまえらにはほんとに殺せんのか」

「即死できる場所はだいたいわかりますから

 安心してください」

「どうして死ぬ人の願い事、かなえようとするんですか」

「あれ見える?うちの病院よ」

「もうすぐ消灯の時間だわ」

「みてて。灯りが一斉に消えるから」

きえました。

「ほんとだ」

「眠れない患者さんが、暗い病室から明るい夜の街をみているの。

 自分もまた、あの街に戻れるのかなあって思いながら」

「もう戻れないって知ってる人もいる。」

「あんな小さな窓から、

 そんな思いで見ている人たちがいるなんて

 外の人たちは思ってもみないでしょうね」

「あたしたち、

 看護師だから人が死ぬのは慣れてんだろうと
 
 思われてんのよね。

 でも全然慣れないの。

 いつもスイッチ切って悲しくないようにして

 なんであたしたちだけが死に立ち会わなきゃなんないの。

 なんでみんな死ぬなんて何もないみたいにくらせるの」


「私たち、あの窓を無視して暮らしてる人たちを

 許せないの」


「人の命がなくなっても、

 何ひとつかわらないこの世の中がいやなの」


黙って聞いていたニコが前にでます。

「何ひとつかわらないなんてことないと思う」

「あたしのかわりだっていくらでもいるわよ。

 だからあたしが死んでも何もかわらない」

「もしあなたが死んだら

 ロボは悲しんで、

 もう誰ともしゃべらなくなるかもしれない。

 そしたらあたしは、

 学校の友達とだけしゃべるようになって

 それって何も変わってないようにみえるかもしれないけど

 でも、それはもうあたしの知ってる世界じゃなくて

 もとに戻そうとしても、もう戻らなくて

 死ぬっていうのは、自分だけがいなくなって
 
 それでおわるわけじゃない。

 池に石を投げた時みたいに

 次から次へと波紋がひろがって

 いつまでも静まってくれなくて。」


マキのほうをふりむくニコ。

「誰かがいなくなるって、そういうことでしょ」

「そうね。あたしも、

 ひとりで生きてるんじゃないのよね。
 
 この世界にあたしもかかわってるのよね。」


「どうしようもなくかかわっている。

 そうですよね」


ほほ笑むマキ。

そこへロボがとびこんできました。

「あの、みなさん、きいてください。

 えーとですね。

 奇跡がおこりましたーーー!!」

「奇跡って?もしかしておのさんの意識がもどったとか」

「そう、それです!」

驚くマキ。

病院の廊下に並んですわるロボとよっちゃん。

「なんであんな嘘つくんだよ」

「だってしょうがないでしょ。

 銃つきつけられてたんだよ。

 なんか言わないと撃たれると思ってとっさに」

「社長がかわいそうだろ」

「すみません」

おのさんにつきそうマキ。

プッチーニは看護師姿に。

「もうこんなことやめたい。
 
 でもやめたらベツコのこと忘れそうで怖い」

4人で撮った写真の裏に書いてある文字に気づく昭子。

「私のことなんか忘れていいからね。
 
 それぞれの道を歩いてください。別子」


「そんなこと、いつ、書いたんだろ」

「私のことなんか忘れていいからね、だって」

「バカだなあ、ベツコ。ほんっとにバカ」

そこへさきやまさんがなくなったからといわれる三人。
残された箱に「プッチーニへ」とかかれていて
中には黒いツルが。

「さきやまさんの最後のお願い」

「なんだかハードそう」

「なんたってさきやまさんだもんねえ」

「うん」

「これで最後にしようか」

「最後って、プッチーニの仕事?」

「うん。いいよね」

「うん」

「これが、本当の最後のお願い」

ツルをひらくと、

「あんたら しあわせになりや」

とリハビリしてかけるようになった文字で
書いてありました。

「これが、最後のお願い?」

「さきやまさん、リハビリがんばったんだね。

 ちゃんと字になってるよ」

「全部散らしてまた来年や〜!」

と桜をまく理恵。

「これさきやまさんの口癖」

「あんたらしあわせになりや」

「今までで一番難しいお願いかもね」

マキ。

「ごめんなさいね。
 
 あなたのこと忘れて

 おいしいもの食べたり

 笑ったり、幸せだなあって思ったりしたこと

 いっぱいあった。

 それから、いい気になってお金もうけしたり

 人の悪口いったり。
 
 ほんとはね、そんなことまだまだ続けたいって

 心のどこかで思ってるの。
 
 最低でしょう。許せないでしょう」


窓の外に散る桜をみて驚くマキ。

「桜?ねえみて。桜」

マキの握った手をにぎりかえす元恋人。
目をあけます。
耳を近づけて言葉をきくマキ。

「許す?許すってあたしを許してくれるの?

 どうして」


また耳をよせるマキ。

「友達だから。

 それだけ?

 それだけいいにきてくれたの。
 
 次もまた、友達だといいわね」


元恋人の額に手をあてるマキ。

ロボが部屋にかえると、別人がすんでいて
部屋から追い出されました。

昭子とばったりであうニコ。

「あー」

「お」

「あの。遠くへいくんですか?」

「うん」

「旅行?」

「より長いかな。仕事は?」

「やめた」

「すんでいた部屋は」

「荷物ごと人に貸しちゃった」

「ロボ」同時に言うふたり。

「ロボには何も言ってないんですか」

「うん」

「かわいそう」

「あのね、あたし今日の夕方の6時くらいまでここにいるから

 いっしょにいきたかったらきてって、伝えて」

「あたしがですか。いやです」

「風船に手紙つけてとばすようなもんだから。

 とどかなかったらそれまでだから。」

とニコの指にメモをしばりつける昭子。

「あたし風船ですかあ」

「そ、よろしくね」

「絶対に一緒にいくって思わないんだ」

「何がなんでもっていう生き方は、疲れちゃったから」

ニコはそのメモをはずしえゴミ箱へ。

 あたしはロボに昭子さんのメモを渡さなかった。

 生まれて初めて 魔がさすという言葉の意味を知った


「どうせロボは家にいないんだし。

 あえるわけないんだから、捨てて正解だよ」

しかしそこでロボにばったり。

「なんで家にもどんないの」

「いやだって、浮気して帰ったみたいで

 気がひけるというか」

「誰に」

「だからロボットたちに対して」

「ああ」

「あのさ」

「ん?」

「一番たいへんなときに、いれなくてごめんね。」

「別に」

「許してくれるの?

 そう簡単に許してくれるわけないよね。
 
 俺ひどいことしちゃったもんなあ」

「ロボ」

「ん?」

「今何時?」

「今?6時10分前」

「きて!」

「何?ちょっと!」

ゴミ箱のところへ走るニコ。

「昭子さんが待ってる場所!

 あたしここに捨てちゃったの。

 6時までそこにいるから伝えてって」

「そうなんだ」

「どうしよう。

 あたしとりかえしのつかないことしちゃった」

「もういいよ」

「でもまだ間に合うかもしれないじゃん!」

「だって、もう6時だし。」

一生懸命探すニコ、でもみつからず。

 どうしても伝えたかったらさ、

 別の方法とったって。」

「ごめんねえ、あたしどうかしてた。ほんとにごめん」

「もういいよ」

「よくない」

「いいって。俺がいいって言ってんだから気にすんなよ」

ロボは二人で撮った写真を真中でやぶいて捨てました、

「ちょっとロボ、何してんの。いいの?」

「うん、いい」

「写真まで捨てることないじゃん。

 あたしのせいだ。自分で自分が許せない」

「俺は許してる」

「どうして?」

「だって俺達、友達だろ」

 ロボが帰ってきた

 痛みと懐かしさと

 許してもらった安堵感といっしょに


マキとよっちゃん。

「よっちゃん、ごめんね。

 あたしまた、いきることにしました。

 よろしくおねがいします」


「こちらこそ」

頭をさげるよっちゃん。

 あなたがいなくなると

 世界がかわる

 あなたがいなくなると

 あたしの知ってる世界じゃなくなる

 それはとてもさみしいことだから


部屋にもどったロボはマックスロボにむかって
大きな声で

「ただいま!」

 だから

 死なないで




マキと恋人のシーン、
さきやまさんの花びらの中からでてきた
最後のお願いのあたりは
ちょっとうるうるきました。
うまいですよねえ。。。。

結局、別子は単に病死だったのか。
理不尽な目にあって死んだ恨みでも
あるのかと思っていましたがそうではなかったです。
でも人は忘れない限り生きていると思いますが
そんなに鮮明に、おぼえておかなきゃ、と
チカラをいれておぼえておくようなものではないのでは。
忘れられないくらい大事な人だったら
いつまでも悲しみは深いけど
だんだん薄れていくからこそ、人間は生きていけるのであって
今日も死んでいく人がいると知っていながらも
普通に生活できないと、生きていけません。
身内、知りあい以外のすべての悲しみに
むきあっていたら悲しくて生きていけないから
見知らぬ人の悲しみにはみんなある程度鈍感に
なっているんじゃないでしょうか。

それから自分がいなくなってもかわらないと
思っている(たくさんの)人にむけられたメッセージ。
本当に誰ともかかわらずひとりで生きている人は
いないはず。
今の時代にぴったりのメッセージだなと思いました。

それから、正義よりも好きが勝ち
ラスボスでも好きだと叫ぶロボも大好きです。
恋ってそんなもの。

世界中の悲しみを悲しみ続ける女の人の話を
どこかで読んだことがあるとおもってさがしたら
この本の中のメイでした。

リリィ、はちみつ色の夏
リリィ、はちみつ色の夏
スー・モンク・キッド, 小川 高義


キャスト

須藤威一郎(ロボ) 松山ケンイチ
林 二湖(ニコ)大後寿々花
林 一海(ニコの姉) 村川絵梨
林 竹男(ニコの父) 塚本晋也
林 雪江(ニコの母) 片桐はいり
名梨秀吉 岡田義徳
真境名マキ 浅丘ルリ子
プッチーニ
昭子 小林聡美
絵美理 ともさかりえ
恵 もたいまさこ

セクシーボイスアンドロボ 各話レビュー

「セクシーボイスアンドロボ」オリジナル・サウンドトラック
「セクシーボイスアンドロボ」オリジナル・サウンドトラック
TVサントラ



2007.06.06 Wednesday 08:38 | comments(2) | trackbacks(24) | 
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Eureka (2007/06/07 1:16 AM)
おままごとのようなロボと昭子さんの生活。
昭子さんサイドでみてると
何もかもが切なく思えてしまって・・・
大人の女の気持ちって複雑。
なのでロボの相手はニコの方が自然(笑)
後編のよっちゃんは格好良かったです♪
あんなに想われて
マキが羨ましくなってしまいました。
あと崎山さんのシーンあれにはやられました・・(涙)
honey (2007/06/07 8:43 AM)
Eurekaさん、こんにちは。

昭子さんは落ち着いてましたね。
それでもお揃いの歯ブラシで束の間の
新婚さん気分を楽しめたでしょうか。

よっちゃんは毎回いいですね。
社長のためにうきうきと料理にいそしむのもわかります。

桜吹雪といい、素晴らしい演出でした。









セクシーボイスアンドロボ 【第9話】 みんな死なないで
セクシーボイスアンドロボ (日本テレビ系) ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」第9話・プッチーニ後編。 ゲスト出演者は前編に引き続き、小林聡美、ともさかりえ、もたいまさこ。 ■セクシーボイスアンドロボ 「第9話」 あらすじ  ロボ(松山ケンイチ)は
| THE有頂天ブログ | 2007/06/06 10:14 AM |
「セクシーボイスアンドロボ 第9話」ともだちだから
あんたらしあわせになれや
| バスタイムTV(お風呂テレビでドラマに浸る) | 2007/06/06 10:21 AM |
セクシーボイスアンドロボ 第9回 感想
『みんな死なないで』
| ぐ〜たらにっき | 2007/06/06 10:42 AM |
セクシーボイスアンドロボ VOICE 9:プッチーニ・後編
おかえり、ロボ!☆・:.,;*(*´∀`*)ノオカエリ 友達だから許す。ニコもマキさんも、この言葉に救われましたね〜{/onpu/} それにしても別子!!!私の事なんて忘れていいからね。って・・・ 早く言ってよぉ〜〜〜{/face_z/}つか、プッチーニも早く気付けよっ!!!(笑
| あるがまま・・・ | 2007/06/06 11:29 AM |
セクシーボイスアンドロボ VOICE9「みんな死なないで」
前回のタイトルが「恋愛と死・前編」だったから今回もてっきり「恋愛と死・後編」だと思っていたら……。 「みんな死なないで」か……これはニコの本音だよねえ。
| TV雑記 | 2007/06/06 3:11 PM |
セクシーボイス アンド ロボ 第9話
プッチーニ後編 ― ロボと昭子の歯ブラシお揃い♪のラブラブな生活〜 幸せなロボの顔を見ているとこっちも笑顔になってしまいましたが こんなに変わっちゃっていいの?ってくらいロボは 変わっちゃって…(^^ゞ さて、
| 塩ひとつまみ | 2007/06/06 5:34 PM |
セクシーボイスアンドロボ 第9話 「みんな死なないで」
ロボ(松山ケンイチ)「一番大変なときに、いれなくてごめんね。」 ニコ(大後寿々花)「別に。」
| テレビお気楽日記 | 2007/06/06 5:34 PM |
「セクシーボイスアンドロボ」第九回
 ニコ(大後寿々花)の家ではいつも通りのもめごと勃発・・ 『いつもと変わらない・・何で何も変わらないんだろう・・ あんなにいろんなことがあったのに。 全てはプッチーニが・・』  殺人予告を受けたマキ(浅丘ルリ子)は地蔵堂も閉めて死ぬ覚悟を決めたようだ
| トリ猫家族 | 2007/06/06 5:35 PM |
セクシーボイスアンドロボ 第9話 プッチーニ後編
「あたしのこと人殺しでも好きって言ったよね。あれってほんと?信じていいかな?」 「信じていいですっ!」
| くつろぎ日記 | 2007/06/06 5:39 PM |
セクシーボイスアンドロボ 第9話 世界は変わる
内容ロボは昭子と暮らしはじめる。そんなとき、マキのことが心配なニコは、名梨から意外なことを聞く。プッチーニへ依頼を出したと言う患者小野一朗は、マキの恋人。昔、スパイの作戦中に、事故で眠ったままになった。そして、マキ自身が依頼文を書いたのだった。一方ロ
| レベル999のマニアな講義 | 2007/06/06 5:44 PM |
「セクシーボイスアンドロボ」第9話
ヤングマキ様、ステキ… …ってのは置いといて、自分から死にたがってるんじゃ、 よっちゃんも切ないよね。 昭子を暮らしはじめて、まるで夢の中のような 現実感のない時間を過ごすロボと、 神社で懸命に祈るよっちゃんの姿が対照的なオープニング。 ロボもマキ
| fool's aspirin | 2007/06/06 5:44 PM |
セクシーボイスアンドロボ−第9話−
セクシーボイスアンドロボ−第9話 プッチーニ 後編−を見た。ややご都合主義の感はまぬがれないけれど,おさまる所におさまった,のかな?(笑)今回はおさまり具合をいくつかのブロックに分けて書いていく。地蔵堂「最後の願い」は,真境名マキが書いたものだった!
| まあぼの交差点 | 2007/06/06 7:05 PM |
セクシーボイスアンドロボ Voice9
「何も変わらない」
| 似合わないクツを脱ぎ捨てて | 2007/06/06 7:36 PM |
人殺しだって愛してる・・・だけど硝煙の残り香は悲しい香り。(松山ケントチ)
あなたの隣にスパイがいるのだが・・・人はそれをどこか信じない。実際に知り合った大
| キッドのブログinココログ | 2007/06/06 9:33 PM |
鴎+15&マレーシア&セクシーボイス
セクシーボイスはプッチーニの後編だったけど凄く良い内容で終わったし マレーシア戦は3対1で日本が勝利し2次予選を全勝もミスが多い試合で は小林宏が7勝目でサブロー9打席連続安打で兎に9連勝だよ 8時前に起床して背中の消毒のために出掛けに帰って来て
| 別館ヒガシ日記 | 2007/06/06 9:36 PM |
『セクシーボイスアンドロボ』Voice9「みんな死なないで」(プッチーニ・後編)
最終回でなかって本当によかった。。。のか? あとがつかえてるので、短めに。
| つれづれなる・・・日記? | 2007/06/06 10:28 PM |
《セクシーボイスアンドロボ》VOICE.9
お父さんも、よっちゃんも神社で必死に拝んでいた。そして、ニコもお父さんが教えてくれた、神様と道連れで願い事をした。 
| まぁ、お茶でも | 2007/06/07 12:13 AM |
『セクシーボイスアンドロボ 第9話』
あんなにいろいろなことがあったのに何も変わっていない・・・・地蔵堂が、ロボが、ニコの前から姿を消してしまった・・・なのに、学校での日常はいつもどおりで・・・けど違うんだよね、何かが違う。    「恋」を描いていた前編と変わって「死」と「生」をとりあげ
| *+*ぱらいそ・かぷりちょそ*+* | 2007/06/07 12:45 AM |
【ドラマ感想】 セクシーボイスアンドロボ「Voice9 プッチーニ...
この1週間、不穏な事件は起きるな〜起きるな〜と念を送っていたセクロボファンは私一人じゃないはず。第7話の悪夢は1回きりで充分です。っていうかそもそもそんな事態が起きなくてもいいんだってば!(←切実)何はともあれ、無事に視聴できて何よりでした。今、セク
| 読書とジャンプ | 2007/06/07 7:37 AM |
【セクシーボイス アンド ロボ】第9話
プッチーニの仕事は果たされなかった。彼女たちが仕事を始めたワケ。夜、病院の窓から明かりが一斉に消える。暗い病室から外を見ている人たちがいる。消えそうな命を抱えて。。。私たちは、あの窓を無視して暮らしている人たちが許せない。人の命が無くなっても、何一つ
| 見取り八段・実0段 | 2007/06/07 10:23 PM |
セクシーボイスアンドロボ 第8・9話
「セクシーボイスアンドロボ」第8・9話「プッチーニ」(前・後編)のレビューです。原則として第9話にTBさせていただきます。
| あいりぶろぐ | 2007/06/08 7:36 PM |
『セクシーボイスアンドロボ』“Voice9 プッチーニ・後編”の感想。
♪TBさせていただきます♪ 『セクシーボイスアンドロボ』“Voice9 プッチーニ・後編”の感想です〜。 ルリ子さんの あのパネル、何処から仕入れたんやろう?・・本人の提供(笑)?
| まぜこぜてみよ〜う。by青いパン | 2007/06/09 1:46 PM |
セクシーボイスアンドロボ 第9話
セクシーボイスアンドロボ 第9話 日本テレビ? 2007/06/05 (火) 22:00〜 「プッチーニ後編 」 原作 黒田硫黄 小学館スピリッツ増刊IKKI連載作品 ★はじめに やっとココに載せることができる・・ 主演の大後寿々花さんが、「読売ウイークリー」07年6月17日号
| シャブリの気になったもの | 2007/06/11 9:45 PM |
セクシーボイスアンドロボ 第9話
今回は泣けました! プッチーニへの最後の依頼「あんたら幸せになりや」 これは、本当にいい言葉だ! 絶対幸せになってほしい。 「看護師は人に死に慣れてるってみんな思ってるけど、全然慣れない」っていうセリフはずしーんときました。 確かにそう思ってる部分
| 空色☆きゃんでぃ | 2007/06/12 7:26 AM |