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読書の時間 メタボラ

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メタボラ 桐野夏生 
少々ネタばれありにつき未読の方はご注意。

メタボラ
メタボラ

桐野夏生にしてはめずらしく明るい・・・
思ったけど、内容は決して明るくないので
残忍なところがないというべきか。

沖縄という地がもつイメージと、
底抜けに明るく軽いアキンツのキャラが
そうみせるのか。
アキンツの使う宮古の言葉も
心地よいです。
「〜さいが」とかつい使ってしまいそう。

最初のほうはギンジの身元など、謎はありつつも
この二人がどうやって、日々の生活をきりぬけていくのかが
実におもしろくて、いっきに読みました。

舞台が沖縄なのに、でてくる人はほぼ全員ナイチャーか
離島出身だというのも興味深いところでした。。

アキンツ=ジェイクとギンジ、その二人をひろってくれたミカと
ルームメイトにその彼氏。
ギンジはともかく、みんな明日のことなんか考えてなくて
こういう人はいっぱいいそうです。

石材店にいったギンジがあった専務だけは
ちょっといいかんじでしたが
この人も胸に大きな塊をかかえているようだし
安楽ハウスに滞在する旅人たちのひとり、リンコも
ミカとたいしてかわらないというか
自分の居場所をさがしているのか
何をしたらいいのかわからないのか
さまよっていて依存したい人にみえます。

うさんくさいけどカリスマ性のあるイズムに
釜田さんもでてきて
沖縄の抱える問題にもふれつつ
アキンツの愛ちゃんへの想いや本物の銀次との関係、
ホスト業界のシビアな現実までみせられました。

アキンツには銀次の気持ちなんか生涯わからないだろうし
銀次みたいな男に惚れてしまう女がいるのもよくあることだし
デリヘルをさせられても別れられないくらい
女をひきつける魅力があるんでしょうね。

ギンジが過去を思い出していく過程は
先が気になってやめられない状態。
これまた救いがない現実(実際にあるんですか?)で
溜息をつきたくなりましたが
あれ?残りページ数少なくない?
これ前後編だっけ?第一部だっけ?と思わず
残ったページをみてしまうくらい、
おわりのほうが急ぎ足だったというか
読み足りなかったというか。

あのままジェイクは死んでしまい
そうしたらギンジが、もう一度自殺するとは思えないし
そのまま捕まるのでしょうか。
生き残って立派に人生をやり直した
という話になるわけでもなく
ひたすら今の世の中の見たくない部分をみせつけられたような
救いのない終わり方。。。

やってることは的外れだけど釜田さんみたいに
やる気に満ちあふれているひともでてくるし
見たくないものからにげだして気楽になった母親など
絶望的な人ばっかりじゃないけど
この世で生きて、ささやかな幸せを手にするのことは
そんなにたいへんなことなのかなあと
読み終わったあとしばらく気分が沈みました。


メタボラとはメタボリズム(METABOLISM)からの造語だそうです。
2007.06.14 Thursday 14:37 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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