2007.07.06 Friday
DARKER THAN BLACK 黒の契約者 第13話 「銀色の夜、心は水面に揺れることなく… 後編」
飛行機墜落現場。
その知らせの電話をうけるママ。
「はい、はい。えっ・・」
起きてきたキルシー。
ママは床に手と膝をついていました。
「どうしたの?ママ」
「飛行機・・パパの飛行機・・・」
黒とマオ。
「ほんとに、銀をみつけたら殺せるんだろうな」
「しょせんドールだ」と黒。
「だったらなんであのとき助けた」
何も答えない黒。
イツァークの車に乗り込むベルタ。
「糸がついた。遠くへ逃げるつもりらしい。」
「まかせるよ」
「ああいう派手なやりかたしかできないのか、あんたの力」
「スペクタクルはおもしろいだろ。椿姫よりアイーダだよ」
「まじめな話だ」
「ならまじめに言ってあげるよ。
物体ってのはそれぞれが震動しててさ。
その震動の、ほら周波数がおんなじものをぶつけると共振して
ようするに震動が大きくなって壊れるんだ。わかるかい?」
「微妙だな」
「とにかく、それが私の能力だそうだよ。
だから壊す対象はなんでもいい。地味なもんでもね」
車出発。
駅に停車中の電車。
売店で駅弁を買う久良沢。
「ああ、それと、元祖栗おこわと豊年万作米こけし、それから」
「ボス、お金かしてください」とキコ、ビールをやまほど。
「それとつまみも買わないと」
「おまえ仕事中だろ。そんなもん飲んで酔っ払ったらどうする?」
「大丈夫ですよ。酔ったらすぐ寝ちゃいますから」
「いや、そうじゃないだろ」
電車の中のエーリスとキルシー。窓ぎわにはみかん。
「どうして帰らないなんて言うんだい?キルシー」
キルシー(銀)無言。
「嬉しくないのかい?自分の国に帰るんだよ?」
「帰らない」
「なぜ?」
「知らない」
「キルシー。どう言っていいか。君は昔の君と違っている。
ある時期を境にして、君のようになった人たちが増えたのは聞いている。
心を病んだ、そう病気なんだよ。
だから僕のいうことをきいて僕と一緒に」
「帰らない」
「キルシー」
「帰らな・・」
またキルシーの唇に指を当てて黙らせるエーリス。
「演奏旅行で海外をまわるたびに、
君を探していたんだ、ずっと。」
「どうして?」
「どうしてって・・」
そのとき窓ガラスをどんどんたたく音。
久良沢とガラス窓に顔をおしつけ鼻と頬がつぶれたキコ。
「あー、ミスター・カスティネン。
弁当代ちょっと貸してィネン!」
「どこかで言うと思ってましたよ、サイテーですよ」
イツァークたちの乗った車は検問の列に。
「見ろ、検問してる警官の横。
こちらがとばしてる糸から逆探知しているらしい。」
「契約者さがしてるっての。すぐ糸をきって」
「もう切ってる。だが遅かったようだ」
イツァークが車をすすめ、ベルタの目が赤く光ると
捜査員が苦しみだしました。
「おい、どうした?」「大丈夫か?しっかりしろ」
そのすきに車は検問をとおりすぎます。
「これもあんたの力か」
「期待通り地味なやつさ。
心臓を共振させて鼓動をとめた。
地味でも派手でも対価はかわらないけどね」
たばこの束をとりだすベルタ。
黄からの連絡をきく黒。
「今わかってるのはその時点までだ。
逐次上から連絡がくる。」
「つかんでるのか、銀の動きを」
「そういうこった。
組織からは逃げられねえってことよ。
ま、おまえらみたいやつが組織にいなけりゃ
ただの殺人鬼か犯罪者の集団でしかねえ。
おいてもらえるだけありがたいって話だ。
こっちはケツに火がついてんだ、さっさと追え」
マオと黒、走りだします。
むせるベルタのために、車は路肩に停車中。
「糸は?」
「切れたままだ、水が近くになければ
しかし、きつい対価だな。」
「ほんというとさ、たばこじゃなくてもいいんだよ。
異物を口にいれてはきだすっていう行為であれば。
入れるもんはなんでも」
「人間だったときの癖ってやつか」
雨がふりだしました。
「ツキがまわってきた」とつぶやくイツァーク。
電車の中。
赤い顔で眠りこけるキコ。。。
電車は一度停車。
「のぼり列車の通過になります。
5分ほどの停車になります」
キルシーは窓からみえる水たまりに青い影をみつけます。
電車をおりて走りだすキルシーとエーリス。
「キルシー、本当に誰かが」
「くる。追ってる」
久良沢がトイレから戻ってくるとそこにはキコだけ。
「おい、ふたりは?
寝てる場合じゃねえだろ!
人がトイレいってる間くらいみはってろ!
くそ!次の駅でおりるぞ。起きろ」
「だめです、そんなとこさわらないで。
どこからとってるんですか。盗撮ですよぉ」
キコの寝言に乗客の視線が集まってます、、、
「あはははは」と笑ってごまかす久良沢。
キルシーとエーリスは廃校になったらしい小学校へ。
ストーブのある教室へはいります。
「もやせるものを探してくる。中で待ってて。
キルシー?」
キルシーの視線はカバーをかぶったグランドピアノに。
ストーブに薪をいれてもやします。
ピアノの前にすわるキルシー。
「弾いてごらん」
キルシーはピアノを弾き始めます。
車の中のイツァークとベルタ。
「娘がいたんだよ、小さなあかんぼう。
すぐ別れたろくでなしの種だったけどね。
うそみたいにかわいかった。
それこそ天使のようにさ。
歌い手のくせにヘビースモーカでさ。
最悪だろ。おなかにいたときはさすがにやめてたけど
そのままやめてりゃいいものを
うっかりおいてたのをね、あの子、口にいれて
気付いた時には喉をつまらせた。
あっけないもんだったよ。
ずっと泣きはらした夜が続いて
いつのまにか夜空までかわっちまってた。」
電車の中から外をみつめる黒。
『なんであのとき助けた』
という言葉と青い銀の影を思い出します。
ピアノを弾きながら、キルシーの過去が明らかに。
飛行機事故で亡くなった父の葬儀中、ママが倒れ
傷心のママは、エーリスとみつめいあい
それを目撃したキルシーははだしで外へ。
そこを通りかかったトラック。
ママがキルシーをかばって亡くなります。
ママの遺体のそばで、エーリスに手をつながれて
泣いているキルシー。
ピアノを弾く手がとまりました。
「キルシー?」
「ママ」
「キルシー。思い出していたんだね、あの夜を。
なぜ帰らないといったのか、わかった気がする。
悲しい記憶が残っているから。故郷には」
「悲しい」
「ん?」
「違う」
「そういうことじゃないのかい?キルシー」
「悲しい。悲しくないのが。
覚えてる、みんな覚えてる。
私が、あのとき
飛び出さなければママは死ななかった」
「キルシー、それは」
「あれからきえた、銀の光」
再びベルタ。
「地にすむ子らの罪をいだき、
月は光をむしばまれ」
「誰の詩だ」
「誰だったかねえ。アリアの一節だったかねえ。
月食は贖罪の象徴ってね。」
「だったら、月の失われた今は、
永遠の贖罪の期間というわけか」
「へんな契約者だよ、あんたもね」
また廃校。
「キルシー、あのとき、僕と君のお母さんの間に
何かあったというわけじゃないんだ。
ただ、あのとき、君は感じたんだ。
僕がいつも心にひそめていた本当の気持ちを。
君のお母さんを奪いたいとさえ思っていたやましい心を。
いいたかった。一言あって言いたかった。
キルシー、君が罪を感じる必要はないって」
山道をあるく久良沢の前を通りかかる黒。
「うわぁ」
仮面をかぶっていたものだから久良沢は腰をぬかします。
「誰だおまえ。あやしいぞ」
黒はそのままいこうとします。
「おい待て。おまえ、見たことがあるぞ。
そうだ。あの崩落した建設現場だ。
おまえがあの子を追ってるストーカーか。」
「消えろ」
「え?」
「ここから消えろ。おまえがかかわることじゃない」
「なんだと、ふざけるな!
おまえあのこにいったい何をした?!
あの子、ほんと無口で無表情で
まるで人形みたいだったぞ!
こら待て!おい、聞け!」
黒のえりもとをつかむ久良沢。
「顔や言葉にだせなくたって
あの子、心の中じゃ泣いてんだ!
わかるか?!
人形扱いしていい人間なんざ、
この世のどこにもいねえんだ!」
久良沢はこういうための役か・・。
「?」なんかつぶやく黒。
「何ぃ?!」
久良沢、力が抜けてそのばにくずれおち
道の端にすわらせ傘をさしてやって黒は行きました。
廃校。
「くる」
「こんなところに?いったい誰が」
「ヘイ・・」
足音が近づきます。
エーリスは廊下で黒と対面。
「君は誰だ」
「なぜ銀をつれだした」
「銀?キルシーのことか?君たちは何を」
「違う」
「キルシー」
「違う」
「自分から逃げようとしたのか?なぜ」
「心が、動くとおもったから」
「彼女がおわれているのは君のせいなのか。
仲間なのか、何かあやしい仕事の?」
「仲間?そうだ」
突然耳をふさいで苦しみだす銀。
「キルシー!」
天井から震動が。
「にげろ!」と黒。
外にはベルタがいて廃校にむかって力をおくっていました。
崩れ落ちる校舎の中を逃げるエーリスとキルシー。
黒も外へ。
「この間のやつじゃないか。
どうする?これでも情報集めが優先かい?」
「ドールは残せ。くる」
黒があらわれました。
ベルタの力をうけて倒れる黒。
力をだそうとして力尽きたようにみえますが
隙ができたベルタの首にロープを巻き付けます。
「ど、どうして」
黒が力をだしベルタは倒れます。
「で、電撃で、心臓をっ」
電撃で自ら心臓マッサージ?
イツァークも黄の銃で撃たれます
続いて銀をねらう黄。
「用済みだ、おまえも。ん?」
撃たれたイツァークが青い光につつまれベルタのもとへ近寄ります。
その体から離れ立ち上る青い光。
空にむかって手を広げる銀。
よこたわるベルタ。
「イツァーク。なんの光だい・・
もう、見えないんだよ。
まるで・・・」
「月の、光さ。ベルタ。
求め、黒き夜 悲しみを弔い
ひとり 深き帳に沈む
されど よりそう月は 白銀に満ちし
贖いの夜は 静かに 去り・・」
「悪か・・ないよ」
星がふたつ流れます。
空にむかって手をひろげたままの銀の目から涙が。
「バカな。ドールが、涙なんぞ」
引き金を弾こうと迷う黄。
その後。
飲み屋のカウンターにすわる黄の横に男がすわります。
「ドールでとらぶったそうだな。
いいよ、安心しろ。
今回はおおごとにはしない。
実害はなかったようだしな。
倒した契約者はSFBのラインとふんだ。
情報がもれてりゃ今ごろはあんたも首だ」
「ドールはひきわたせ、リセットする」
「いや。やっと使い勝手がなじんできたところだ」
「まあ、いいが」
お金をおいて席をたつ黄。
「情に流されるなよ」
店からでる黄。
「情だと?バカめ」
すれ違った金髪の人は誰でしたっけ?
久良沢探偵事務所。
「カスティネンに?」
「どうみても本人だから声かけたんですよ。
でもまるっきり覚えてないみたいな顔されて」
「暗にそっちも忘れてくれってサインなんじゃないのか。
変にスキャンダルにされんの恐れてんだろ」
「でもなんか変なかんじだったんですよ。
記憶消されちゃったみたいな」
「んなわけないだろ。
あ、そういやあの子」
「キルシーちゃんですか?」
「そうそう、まだ煙草屋にいたぜ、あのまま。」
「うまくいかなったんですかね、あのふたり」
「ま、これ以上プライバシーを詮索してもな。
報酬はちゃんとちゃんと振り込まれてたし
おまえはちゃっかり温泉までいきやがって」
「だっておいてかれちゃしょうがないですよ」
「な〜にがしょうがないだ。
普通おいてかれたと知ったら戻るだろ!」
「だってみんな期待してたんですよ」
「だから何をだよ!」
黒御一行様なら見たいかも?
煙草屋にすわる銀の回想。
「帰ろう、キルシー、帰ろう。
もう過去にとらわれることはない」
「ヘイ」
「あ・・」
後ろに黒がたっていました。
「仲間・・なの」
「キルシー」
「おまえがきめろ。銀としてここに残るか
それとも・・」
「きめる?私が?」
「帰ろう、キルシー。キルシ・・」
エーリスの唇をおさえる銀。
首をふります。
「銀。銀。」
「キルシー!」
黒が近づき、エーリスの気を失わせます。
「これでいいんだな」
ちいさくうなづき、
片手で片方の唇をあげて笑顔をつくる銀。
最後の演出が最高にいいですね。
銀の過去話。
何をどうしたらドールになるのかは
はっきりわからなかったけど
空が消えたころに増えたということですか。
銀にしても黒にしても、感情がないという
ドールも契約者もしっかり感情があるようにみえます。
今回の契約者のベルタも悲しみと後悔のみで
生きているようにみえたし、そのベルタを
心配するイツァークもちゃんと人間らしい心をもっていますし。
黄の気持ちまで動きましたね。
根っから冷たい人ではなさそう。
黄とすれ違った金髪の子は来週の予告にでてきました。
たばこ撲滅キャンペーン展開中のこのアニメ。
今回のエピソードはかわいそうだったな。
煙草は乳幼児の手のとどかないところに!

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DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Vol.2
その知らせの電話をうけるママ。
「はい、はい。えっ・・」
起きてきたキルシー。
ママは床に手と膝をついていました。
「どうしたの?ママ」
「飛行機・・パパの飛行機・・・」
黒とマオ。
「ほんとに、銀をみつけたら殺せるんだろうな」
「しょせんドールだ」と黒。
「だったらなんであのとき助けた」
何も答えない黒。
イツァークの車に乗り込むベルタ。
「糸がついた。遠くへ逃げるつもりらしい。」
「まかせるよ」
「ああいう派手なやりかたしかできないのか、あんたの力」
「スペクタクルはおもしろいだろ。椿姫よりアイーダだよ」
「まじめな話だ」
「ならまじめに言ってあげるよ。
物体ってのはそれぞれが震動しててさ。
その震動の、ほら周波数がおんなじものをぶつけると共振して
ようするに震動が大きくなって壊れるんだ。わかるかい?」
「微妙だな」
「とにかく、それが私の能力だそうだよ。
だから壊す対象はなんでもいい。地味なもんでもね」
車出発。
駅に停車中の電車。
売店で駅弁を買う久良沢。
「ああ、それと、元祖栗おこわと豊年万作米こけし、それから」
「ボス、お金かしてください」とキコ、ビールをやまほど。
「それとつまみも買わないと」
「おまえ仕事中だろ。そんなもん飲んで酔っ払ったらどうする?」
「大丈夫ですよ。酔ったらすぐ寝ちゃいますから」
「いや、そうじゃないだろ」
電車の中のエーリスとキルシー。窓ぎわにはみかん。
「どうして帰らないなんて言うんだい?キルシー」
キルシー(銀)無言。
「嬉しくないのかい?自分の国に帰るんだよ?」
「帰らない」
「なぜ?」
「知らない」
「キルシー。どう言っていいか。君は昔の君と違っている。
ある時期を境にして、君のようになった人たちが増えたのは聞いている。
心を病んだ、そう病気なんだよ。
だから僕のいうことをきいて僕と一緒に」
「帰らない」
「キルシー」
「帰らな・・」
またキルシーの唇に指を当てて黙らせるエーリス。
「演奏旅行で海外をまわるたびに、
君を探していたんだ、ずっと。」
「どうして?」
「どうしてって・・」
そのとき窓ガラスをどんどんたたく音。
久良沢とガラス窓に顔をおしつけ鼻と頬がつぶれたキコ。
「あー、ミスター・カスティネン。
弁当代ちょっと貸してィネン!」
「どこかで言うと思ってましたよ、サイテーですよ」
イツァークたちの乗った車は検問の列に。
「見ろ、検問してる警官の横。
こちらがとばしてる糸から逆探知しているらしい。」
「契約者さがしてるっての。すぐ糸をきって」
「もう切ってる。だが遅かったようだ」
イツァークが車をすすめ、ベルタの目が赤く光ると
捜査員が苦しみだしました。
「おい、どうした?」「大丈夫か?しっかりしろ」
そのすきに車は検問をとおりすぎます。
「これもあんたの力か」
「期待通り地味なやつさ。
心臓を共振させて鼓動をとめた。
地味でも派手でも対価はかわらないけどね」
たばこの束をとりだすベルタ。
黄からの連絡をきく黒。
「今わかってるのはその時点までだ。
逐次上から連絡がくる。」
「つかんでるのか、銀の動きを」
「そういうこった。
組織からは逃げられねえってことよ。
ま、おまえらみたいやつが組織にいなけりゃ
ただの殺人鬼か犯罪者の集団でしかねえ。
おいてもらえるだけありがたいって話だ。
こっちはケツに火がついてんだ、さっさと追え」
マオと黒、走りだします。
むせるベルタのために、車は路肩に停車中。
「糸は?」
「切れたままだ、水が近くになければ
しかし、きつい対価だな。」
「ほんというとさ、たばこじゃなくてもいいんだよ。
異物を口にいれてはきだすっていう行為であれば。
入れるもんはなんでも」
「人間だったときの癖ってやつか」
雨がふりだしました。
「ツキがまわってきた」とつぶやくイツァーク。
電車の中。
赤い顔で眠りこけるキコ。。。
電車は一度停車。
「のぼり列車の通過になります。
5分ほどの停車になります」
キルシーは窓からみえる水たまりに青い影をみつけます。
電車をおりて走りだすキルシーとエーリス。
「キルシー、本当に誰かが」
「くる。追ってる」
久良沢がトイレから戻ってくるとそこにはキコだけ。
「おい、ふたりは?
寝てる場合じゃねえだろ!
人がトイレいってる間くらいみはってろ!
くそ!次の駅でおりるぞ。起きろ」
「だめです、そんなとこさわらないで。
どこからとってるんですか。盗撮ですよぉ」
キコの寝言に乗客の視線が集まってます、、、
「あはははは」と笑ってごまかす久良沢。
キルシーとエーリスは廃校になったらしい小学校へ。
ストーブのある教室へはいります。
「もやせるものを探してくる。中で待ってて。
キルシー?」
キルシーの視線はカバーをかぶったグランドピアノに。
ストーブに薪をいれてもやします。
ピアノの前にすわるキルシー。
「弾いてごらん」
キルシーはピアノを弾き始めます。
車の中のイツァークとベルタ。
「娘がいたんだよ、小さなあかんぼう。
すぐ別れたろくでなしの種だったけどね。
うそみたいにかわいかった。
それこそ天使のようにさ。
歌い手のくせにヘビースモーカでさ。
最悪だろ。おなかにいたときはさすがにやめてたけど
そのままやめてりゃいいものを
うっかりおいてたのをね、あの子、口にいれて
気付いた時には喉をつまらせた。
あっけないもんだったよ。
ずっと泣きはらした夜が続いて
いつのまにか夜空までかわっちまってた。」
電車の中から外をみつめる黒。
『なんであのとき助けた』
という言葉と青い銀の影を思い出します。
ピアノを弾きながら、キルシーの過去が明らかに。
飛行機事故で亡くなった父の葬儀中、ママが倒れ
傷心のママは、エーリスとみつめいあい
それを目撃したキルシーははだしで外へ。
そこを通りかかったトラック。
ママがキルシーをかばって亡くなります。
ママの遺体のそばで、エーリスに手をつながれて
泣いているキルシー。
ピアノを弾く手がとまりました。
「キルシー?」
「ママ」
「キルシー。思い出していたんだね、あの夜を。
なぜ帰らないといったのか、わかった気がする。
悲しい記憶が残っているから。故郷には」
「悲しい」
「ん?」
「違う」
「そういうことじゃないのかい?キルシー」
「悲しい。悲しくないのが。
覚えてる、みんな覚えてる。
私が、あのとき
飛び出さなければママは死ななかった」
「キルシー、それは」
「あれからきえた、銀の光」
再びベルタ。
「地にすむ子らの罪をいだき、
月は光をむしばまれ」
「誰の詩だ」
「誰だったかねえ。アリアの一節だったかねえ。
月食は贖罪の象徴ってね。」
「だったら、月の失われた今は、
永遠の贖罪の期間というわけか」
「へんな契約者だよ、あんたもね」
また廃校。
「キルシー、あのとき、僕と君のお母さんの間に
何かあったというわけじゃないんだ。
ただ、あのとき、君は感じたんだ。
僕がいつも心にひそめていた本当の気持ちを。
君のお母さんを奪いたいとさえ思っていたやましい心を。
いいたかった。一言あって言いたかった。
キルシー、君が罪を感じる必要はないって」
山道をあるく久良沢の前を通りかかる黒。
「うわぁ」
仮面をかぶっていたものだから久良沢は腰をぬかします。
「誰だおまえ。あやしいぞ」
黒はそのままいこうとします。
「おい待て。おまえ、見たことがあるぞ。
そうだ。あの崩落した建設現場だ。
おまえがあの子を追ってるストーカーか。」
「消えろ」
「え?」
「ここから消えろ。おまえがかかわることじゃない」
「なんだと、ふざけるな!
おまえあのこにいったい何をした?!
あの子、ほんと無口で無表情で
まるで人形みたいだったぞ!
こら待て!おい、聞け!」
黒のえりもとをつかむ久良沢。
「顔や言葉にだせなくたって
あの子、心の中じゃ泣いてんだ!
わかるか?!
人形扱いしていい人間なんざ、
この世のどこにもいねえんだ!」
久良沢はこういうための役か・・。
「?」なんかつぶやく黒。
「何ぃ?!」
久良沢、力が抜けてそのばにくずれおち
道の端にすわらせ傘をさしてやって黒は行きました。
廃校。
「くる」
「こんなところに?いったい誰が」
「ヘイ・・」
足音が近づきます。
エーリスは廊下で黒と対面。
「君は誰だ」
「なぜ銀をつれだした」
「銀?キルシーのことか?君たちは何を」
「違う」
「キルシー」
「違う」
「自分から逃げようとしたのか?なぜ」
「心が、動くとおもったから」
「彼女がおわれているのは君のせいなのか。
仲間なのか、何かあやしい仕事の?」
「仲間?そうだ」
突然耳をふさいで苦しみだす銀。
「キルシー!」
天井から震動が。
「にげろ!」と黒。
外にはベルタがいて廃校にむかって力をおくっていました。
崩れ落ちる校舎の中を逃げるエーリスとキルシー。
黒も外へ。
「この間のやつじゃないか。
どうする?これでも情報集めが優先かい?」
「ドールは残せ。くる」
黒があらわれました。
ベルタの力をうけて倒れる黒。
力をだそうとして力尽きたようにみえますが
隙ができたベルタの首にロープを巻き付けます。
「ど、どうして」
黒が力をだしベルタは倒れます。
「で、電撃で、心臓をっ」
電撃で自ら心臓マッサージ?
イツァークも黄の銃で撃たれます
続いて銀をねらう黄。
「用済みだ、おまえも。ん?」
撃たれたイツァークが青い光につつまれベルタのもとへ近寄ります。
その体から離れ立ち上る青い光。
空にむかって手を広げる銀。
よこたわるベルタ。
「イツァーク。なんの光だい・・
もう、見えないんだよ。
まるで・・・」
「月の、光さ。ベルタ。
求め、黒き夜 悲しみを弔い
ひとり 深き帳に沈む
されど よりそう月は 白銀に満ちし
贖いの夜は 静かに 去り・・」
「悪か・・ないよ」
星がふたつ流れます。
空にむかって手をひろげたままの銀の目から涙が。
「バカな。ドールが、涙なんぞ」
引き金を弾こうと迷う黄。
その後。
飲み屋のカウンターにすわる黄の横に男がすわります。
「ドールでとらぶったそうだな。
いいよ、安心しろ。
今回はおおごとにはしない。
実害はなかったようだしな。
倒した契約者はSFBのラインとふんだ。
情報がもれてりゃ今ごろはあんたも首だ」
「ドールはひきわたせ、リセットする」
「いや。やっと使い勝手がなじんできたところだ」
「まあ、いいが」
お金をおいて席をたつ黄。
「情に流されるなよ」
店からでる黄。
「情だと?バカめ」
すれ違った金髪の人は誰でしたっけ?
久良沢探偵事務所。
「カスティネンに?」
「どうみても本人だから声かけたんですよ。
でもまるっきり覚えてないみたいな顔されて」
「暗にそっちも忘れてくれってサインなんじゃないのか。
変にスキャンダルにされんの恐れてんだろ」
「でもなんか変なかんじだったんですよ。
記憶消されちゃったみたいな」
「んなわけないだろ。
あ、そういやあの子」
「キルシーちゃんですか?」
「そうそう、まだ煙草屋にいたぜ、あのまま。」
「うまくいかなったんですかね、あのふたり」
「ま、これ以上プライバシーを詮索してもな。
報酬はちゃんとちゃんと振り込まれてたし
おまえはちゃっかり温泉までいきやがって」
「だっておいてかれちゃしょうがないですよ」
「な〜にがしょうがないだ。
普通おいてかれたと知ったら戻るだろ!」
「だってみんな期待してたんですよ」
「だから何をだよ!」
黒御一行様なら見たいかも?
煙草屋にすわる銀の回想。
「帰ろう、キルシー、帰ろう。
もう過去にとらわれることはない」
「ヘイ」
「あ・・」
後ろに黒がたっていました。
「仲間・・なの」
「キルシー」
「おまえがきめろ。銀としてここに残るか
それとも・・」
「きめる?私が?」
「帰ろう、キルシー。キルシ・・」
エーリスの唇をおさえる銀。
首をふります。
「銀。銀。」
「キルシー!」
黒が近づき、エーリスの気を失わせます。
「これでいいんだな」
ちいさくうなづき、
片手で片方の唇をあげて笑顔をつくる銀。
最後の演出が最高にいいですね。
銀の過去話。
何をどうしたらドールになるのかは
はっきりわからなかったけど
空が消えたころに増えたということですか。
銀にしても黒にしても、感情がないという
ドールも契約者もしっかり感情があるようにみえます。
今回の契約者のベルタも悲しみと後悔のみで
生きているようにみえたし、そのベルタを
心配するイツァークもちゃんと人間らしい心をもっていますし。
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