2009.04.12 Sunday
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第2話「はじまりの日」
錬金術は物質を理解分解再構築する科学なり
されど 万能の技には あらず
無から有を生ずること あたわず
何かを得ようと欲すれば
必ず同等の代価を支払うものなり
これ すなわち 錬金術師の基本 等価交換なり
錬金術師に禁忌あり
そは人体錬成なり
これ 何人も犯すことなかれ
OP
汽車にのっているエドとアル。
「兄さん」
「ん?」
「リオールの教主の噂、どう思う?」
「奇跡の業なあ。
何もない空間から花を錬成するってんだろ?
単なる手品かもしれないが」
「もし、そうでなければ・・」
「ああ・・、ひょっとするとひょっとするかもしれないな」
過去の回想。
本を読むエドたち。
「クセルクセスを一夜で滅ぼした天上の石。
東の賢者によって封印された大エリクシル
呼び名はいろいろあるけど つまりは
錬金術を強化してくれるもの
それが賢者の石。
これがあればアルの身体をとりもどせるかもしれないのに。
くそっ!もっと詳しく書いとけよ!!」
暴れるエドは車いす。そばにはエド。
回想おわり。
「アル」
「何?」
「今度こそはあたりだといいな」
「うん。そうだね」
10年前 リゼンブール
「エド アル どこ?」と母の声。
「あらま。また父さんの書斎を散らかして。
あらだめよ、そんなところに落書きしちゃ」
「落書きじゃないよ。見てて」
エドが描いていたのは錬成陣。
錬成して木の小鳥をつくりだしました。
「それ 錬金術ね。父さんにならったの?」
「いない人にどうやって習うのさ」
「本よんだら書いてあったよ」とアル。
「書いてあったって・・」
「うぅ・・」としょんぼりする二人。
「やっちゃいけないことだった?」
「そんなことないわ。
すご〜い!さすが父さんの子ね。
母さんみんなに自慢しちゃおう!」
「ああ〜」
『母さんが誉めてくれる・・・
それが嬉しくて
おれたちは錬金術にのめりこんだ。
でも その年の夏、流行病にみまわれて
母さんは逝ってしまった』
お墓のまえにすわるふたり。
「お兄ちゃん。おなかすいた。
寒いし・・帰ろうよ。
お父さんが帰ってくれば・・」
「あいつのことは言うな!
あんなやつ、父さんじゃない!
お母さんのお葬式にも帰って来なかったんだぞ」
お墓に刻まれた名は Trisha Elric 1878〜1904
「お母さんを元に戻せないかな」
「でも 人間をつくるのは
やっちゃいけないことだって
本に書いてあったよ」
「だから 二人だけの秘密な」
「またここにきて」とウィンリィがやってきました。
「なんだよ。ウィンリィ」
「ばっちゃんが言ってたよ。
死んだ人のことを思って泣くと
その涙の分だけあの世で死んだ人も悲しむって」
「泣いてなんかねえよ!
おまえこそ お父さんとお母さん
しょっちゅうでかけてるからさみしくて泣いてるくせに」
「なっ泣いてなんかないわよ!」
「へ〜ほんとかな〜」
「何よ!あんたなんか心配して損した!
あたしより遅かったら飯抜きだからね〜!」
「なんだよ、そりゃ。待てよ!
もう〜待てよ!」
ウィンリィの家。
「いっただきま〜す!」
「ほら、エドも牛乳のんじまいな」
「牛乳・・嫌い」
「飲まないとチビのまんまだよ」
「誰がチビだ!寸足らずババア!」
「なんだって?!この豆粒チビ!」
「ミニマムババア!」
「マイクロチビ!」
「ありんこサイズ!」
「ミジンコサイズ!」
学校からの帰り道。
「また関係ない本学校で読んで。
授業ちゃんときかなきゃ」
「うるせえなあ」
「ねえ。何の本読んでるの?」
「秘密。ウィンリィには関係ねえよ」
「ずるい!いつも二人で秘密にして」
「ふっふふ。じゃあね!」
「エド!アル!今日の晩御飯シチューだってさ!」
「やったあ!」
「お〜、またあとでなあ」
夜。自宅にいるふたり。
「それにしてもシチューを発明した人は偉大だ。
牛乳が入ってるのにあんなにうまい!」
「なんだよ。それ」
「野菜スープに牛乳を突っ込むっつー考えがすげえよ。
科学者にもそういう発想の転換が必要だな」
「そんなもんかなあ」
「そうさあ!
人体錬成もきっと そういう発想が必要なんだよ」
『それからおれたちは
母さんをよみがえらせるために
人体錬成について調べ
錬金術の先生のもとで 腕をみがいた。
(イズミさんのもとで修行するエドとアル)
何年も何年もかかったけど
母さんの笑顔を見たい
母さんとまた楽しく暮らしたい
その思いで おれたちは・・』
「できた」
カラスが不吉。
「水35リットル 炭素50キログラム
アンモニア4リットル 石灰1、5キログラム
リン800グラム 塩分250グラム
硝石100グラム 硫黄80グラム
フッ素7、5グラム 鉄5グラム ケイ素3グラム」
「よし。構築式を描くぞ。
あとは 魂の情報だ」
指を傷つけ血をたらします。
錬成陣に手をつくふたり。
「いくぞ。アル」
「うん」
錬成陣がひかります。
「わ〜」
すると黒いものがたちのぼってきました。
「兄さん。なんか変だよ」
巨大な目があらわれました。
アルの身体が、エドの足がもっていかれます。
「まさか リバウンド?!」
「兄さん!兄さん!兄さん!!わ〜!兄さ〜ん!
兄さ〜〜〜ん!!」
アルが黒いものにつかまってひっぱっていかれました。
白い空間、巨大な扉の前に立つエド。
「アル。
あれ?俺 何してたんだっけ?」
「よお!」
目の前に白い存在 心理君がいました。
「誰?!」
「おお!よくぞきいてくれました!
おれはお前たちが世界と呼ぶ存在。
あるいは宇宙。あるいは神。あるいは真理。
あるいは全。あるいは一。
そしておれは・・おまえだ!」
扉が開き巨大な目がみていました。
「ようこそ。身の程知らずのバカ野郎」
そこから伸びてきた黒い無数の腕にひっぱられるエド。
「うわ〜〜!!」
「うるさいなあ。
おまえがほしがってたものだろ」
扉の中にひきずりこまれるエド。
「みせてやるよ。真理をな」
扉がしまります。
「うわ〜〜〜〜〜!」
エドが黒い空間にほうりこまれ次々にみえる映像。
母や師匠の姿も。
『ものすごい量の情報を
直接頭にぶちこまれたみたいだった』
「やめろ!」
足が、腕がくずれていきます。
『頭が割れそうだった。
だけど 唐突に理解した。
これが 真理』
「母さん・・アル・・」
扉から外にだされました。
「ああ・・」
「どうだった?」
「そうだ。おれの人体錬成理論は
間違ってはいなかった」
扉にむかうエド。
「でも、足りないんだ。
もう少し先におれの求めているものが
人体錬成の心理があった。
お願いだ!もう一度みせてくれ!」
「ダメだね。これだけの通行料だと
ここまでしかみせられない」
「通行料?」
「通行料」
エドの左足が消えます。
「ああ・・ああ!!」
「等価交換だろ?錬 金 術 師」
「わ〜〜〜〜〜!!」
両足のない状態で元の錬成陣の前に戻りました。
「くそ!こんなことがあって たまるか!!
こんな こんなはずじゃ・・・!!
ちきしょう〜〜!!!
持っていかれた〜〜〜〜〜!!
助けて・・誰か・・父さん 母さん・・
はっ」
錬成陣の中に化け物がうごめいています。
「ああ・・嘘だ
違う、こんなの。
こんなのを望んだんじゃない!」
アルの服だけ落ちていて中身は抜けがら。
「アル・・アルフォンス!アルフォンス!!
アルフォンス!!
おれのせいで・・!アルフォンス!!
ちきしょう!ちきしょう〜!
返せよ。弟なんだ。
足だろうが腕だろうが
心臓だろうがくれてやる!!
だから 返せよ!
たったひとりの弟なんだよぉ!!」
近くにあった鎧に血で錬成陣を描き
手を合わせて錬成するエド。
マスタング大佐とヒューズ。
「よっ!まだセントラルにいたのか」
「めでたく東方司令部に帰れることになった」
「そりゃごくろうさん。
次にくるときは准将くらいになっとけよ。大佐」
「簡単にいう」
「ははは。ああ、そうだ。
帰るんなら先にわたしとこう」
「なんだ?」
「アイザック・マクドゥーガルに関する最終報告書だ。
まだおまえさんのところには届いてないだろう」
「ああ。
あ、シン国の錬丹術?」
「そういうものがあるらしい。
正直おれにはさっぱりだが。知ってるか?」
「いや。初耳だ」
「ところで エルリック兄弟はどうしてる?」
「おれはあいつらの保護者じゃない」
「なあ、なんだってエドを国家錬金術師にしたんだ?
まだ子どもなんだぜ。
軍にいる以上、いつか地獄をみる羽目になる。
おれたちみたいにな」
ヒューズと別れてでていく大佐。
『地獄か。
地獄ならみたさ。二人とも。
もう充分にな』
4年前
エドたちの家をたずね錬成陣のあとをみた
大佐(当時は中佐)とホークアイさん。
「ああ・・」
「中佐、裏にもいませ・・これは?」
「どこだ?エルリック兄弟とやらは どこにいる?!」
ウィンリィの家。
犬が大佐(当時は中佐)にほえ、ピナコばっちゃんがでてきました。
「うるさいよ、ベン。お客さんには・・」
大佐、勝手に家の中にはいります。
「ちょっと、あんた!軍人がいきなりなんだい」
車いすにすわったうつろな目をしたエドと鎧のアル。
エドの首をつかむ大佐。
「君たちの家にいったぞ。
なんだ?あのあり様は!
何をつくった!」
うつむくエド。アルが大佐の手をとめます。
「ごめんなさい。許してください。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
「きみは・・」
ピナコばっちゃんと向かい合って話す大佐。
「驚きました。
すぐれた錬金術師がいるときいて
たずねてきたのですが
まさか こんな子どもが 不完全とはいえ
人体錬成を行い、魂の定着までなしとげるとは。
国家錬金術師になる資質が充分あります。
国家錬金術師になると、
有事の際は兵士として働くことになりますが
同時に さまざまな特権や
最高レベルの研究が可能となるのです。
この子たちが元の身体に戻る方法も
あるいは」
「この子が血まみれで転がり込んできたあとにね
あたしはこの子たちの家にいったのさ。
あれは・・あれは人間なんかじゃなかった!
あんなおそろしいものをつくるのが錬金術なのかい?
あたしゃ反対だね。
また地獄をみろってのかい?!
この子たちに」
部屋の外待っていホークアイさんにお茶をだすウィンリィ。
「どうぞ」
「ありがとう」
「あの 少尉さん」
「リザでいいわ。リザ・ホークアイ。よろしくね」
ウィンリィに握手の手をさしだすホークアイさん。
その手をとらないウィンリィ。
「リザさんは 人を撃ったことがあるの?」
「あるわ」
「軍人さんは嫌い。
父さんも母さんも 戦場につれていかれて殺されたから。
そのうえ エドとアルもつれていこうとしてる」
「行くかどうかは
あの子たちが自分で決めることよ。
そう。自分で決めること」
「強制はしない。
ただ私は可能性を提示する」 とマスタング。
「進むのかとどまるのか」 とホークアイさん。
「絶望のまま一生を終えるか
可能性を求めて軍にこうべをたれるか」
「それを決めるのは あの子たち自身」
「そこに可能性があるなら
元の身体に戻るために 前に進むべきだろう。
たとえそれが 泥の河だったとしても」
エドのうつろな目。
うつむくウィンリィ。
「リザさんは なぜ軍人になったの?」
「まもるべき人がいるから」
そのときマスタングがでてきてホークアイさんもたちあがります。
「帰るぞ」
「はい」
ウィンリィがみおくります。
「じゃあ さよならね。お嬢さん」
「ウィンリィです」
ウィンリィ、手をさしだし
笑顔で握手するホークアイさん。
「そう。ウィンリィちゃん。
また会えるといいわね」
マスタングとホークアイさんが帰って行きました。
「くるでしょうか?」
「くるさ」
「あの少年、無気力な目をしてましたけど」
「そうかね。あれは 火のついた目だ」
エドの目から無気力さが消えていました。
また汽車に乗っているエド。
エドの回想。
「後悔しないかい?」
「うん。もうきめたことだから」
ばっちゃんにオートメイルをつけてもらうらしい。
「手術とリハビリでどれくらいかかる?」
「だいたい3年てとこだね」
「1年だ」
「っ!!」
「血へどを吐くことになるよ」
「アル。もう少し我慢してくれな。
おれが元の身体に戻してやる」
「うん。そのときは兄さんの身体もいっしょだよ」
「うん」とうなづくエド。
その後、オートメイルをつけてもらって
アルと組み手稽古をするエド。
「もう 身体は完璧だね」
「おう!あとは錬金術だ。
あれ以来 つかってないからなあ」
「そうか、僕の魂を錬成した時以来なんだ」
手をあわせるエド。
腕が武器になりました。
「兄さん」
「おお〜ばっちりばっちり」
「すごいよ!兄さん。
錬成陣もなしに!
先生とおなじことが出来るようになったんだね!」
「アルも、できるだろ?」
「できないよ。兄さん」
扉と扉の中と真理くんを思い出すエド。
「あれをみなかったのか?」
「あれって?」
「いや・・なんでもない」
そのときエドの頭にウィンリィの投げた
工具が直撃。魂でてます。
「うわー!」
「こらあ!あたしのオートメイル 変形させたわね!」
「おれの頭は変形してもいいのかよ?
「つ〜〜ったく。かわいげのない機械ヲタだぜ」
「かわいげなくてけっこう!
機械ヲタでけっこう!
あたし!あんたが元の身体に戻るまで
サポートするってきめたんだから」
「はあ〜〜」
アルがにこにこ。
大総統と部下。
「試験を見学されるとはおめずらしい」
「なあに。12歳の子どもがきたというのでな。
話の種にみておこうとおもったのだよ。
ほお。鋼の義肢か」
「東部の 内乱で」とエド。
「イシュバールには 手を焼いたな うん」
「誰?」
「バカ!キング・ブラッドレイ大総統閣下だ」
と隣の軍人が教えてくれました。
「ふう〜ん」
「さ、試験をはじめたまえ」
上にはマスタングの姿も。
「錬成陣を描く道具は持っているか?」
「いらないよ。そんなもん」
手をあわせるエド。
床から槍が出現。
「錬成陣もなしに」と驚く大佐。
「これはなかなか」
「ふっ」
その槍を大総統につきつけるエド。
「ていうふうに要人暗殺があるかもしれないからさ
この試験方法見直した方がいいんじゃない?」
エドを囲む兵士たちをとめる大総統。
「ふむ。なかなか肝がすわっておる。
だが 世界の広さをしらん」
大総統、いってしまいました。
「ん?」
槍がいつのまにかきらえていました。
「うわっ!」
「残りの試験もがんばりたまえ。
若すぎる錬金術師よ」
はっはっはっはっ
という文字とともにさっていきました。
「いつのまに抜いたんだよ?」
ウィンリィとアル。
「兄さん 試験大丈夫かなあ」
「ねえ アル」
「何?」
「エドが国家錬金術師になったら
この村 でていっちゃうの?」
「うん」
東方司令部 イーストシティ
マスタングとエド。
「これが国家資格のあかし 銀時計。
拝命証と細かい規約はこれ・・と
大総統もずいぶんとまた皮肉な銘を」
「何?」
「いや、おめでとう。
これで君も晴れて軍の狗だ」
「大総統 キング・ブラッドレイの名において」
途中から大総統の声にかわります。
「汝エドワード・エルリックを
国家錬金術師に任命し
銘 鋼をさずける」
「鋼?」
「そう。国家錬金術師に与えられる二つ名。
君が背負うその名は 鋼の錬金術師!」
ニッと笑うエド。
「いいねえ。そのおもっ苦しいかんじ。
背負ってやろうじゃねえの」
回想終わり。
「兄さん、そろそろつくよ」
『リオールか。
あの町に アルの身体を元に戻す手掛かりが』
「賢者の石」
2話目で二人の過去を描いていました。
禁忌の人体錬成を行って身体を失った理由と
国家錬金術師になった経緯。
そして二人の身体をとりもどすという目的と
真理についてもちょこっと。
ウィンリィの家族事情と
機械ヲタクなのもばっちり言われてました。
人体錬成のシーンはそこまでおどろおどろしい
かんじではなかったかな。
真理くんもさっそく登場ですし。
そうそう。
アイザックがシン国の錬丹術とかかわっていたという
情報もあったので今度はそちらもしっかりでてきそうで
楽しみです。
第1話「鋼の錬金術師」 に詳細レビュー追加しておきました。
関連記事 鋼の錬金術師 22巻感想
エドワード・エルリック 朴ろ美
アルフォンス・エルリック 釘宮理恵
ウィンリイ・ロックベル 高本めぐみ
ロイ・マスタング 三木眞一郎
リザ・ホークアイ 折笠富美子
アレックス・ルイ・アームストロング 内海賢ニ
マース・ヒューズ 藤原啓治
ジャン・ハボック うえだゆうじ
ハイマンス・ブレダ 佐藤美一
ケイン・フュリー 柿原徹也
ヴァトー・ファルマン 浜田賢二
マリア・ロス 名塚佳織
キング・ブラッドレイ 柴田秀勝
スカー 三宅健太
ラスト 井上喜久子
グラトニー 白鳥哲
エンヴィー 高山みなみ
ゾルフ・J・キンブリー 吉野裕行

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そは人体錬成なり
これ 何人も犯すことなかれ
OP
汽車にのっているエドとアル。
「兄さん」
「ん?」
「リオールの教主の噂、どう思う?」
「奇跡の業なあ。
何もない空間から花を錬成するってんだろ?
単なる手品かもしれないが」
「もし、そうでなければ・・」
「ああ・・、ひょっとするとひょっとするかもしれないな」
過去の回想。
本を読むエドたち。
「クセルクセスを一夜で滅ぼした天上の石。
東の賢者によって封印された大エリクシル
呼び名はいろいろあるけど つまりは
錬金術を強化してくれるもの
それが賢者の石。
これがあればアルの身体をとりもどせるかもしれないのに。
くそっ!もっと詳しく書いとけよ!!」
暴れるエドは車いす。そばにはエド。
回想おわり。
「アル」
「何?」
「今度こそはあたりだといいな」
「うん。そうだね」
10年前 リゼンブール
「エド アル どこ?」と母の声。
「あらま。また父さんの書斎を散らかして。
あらだめよ、そんなところに落書きしちゃ」
「落書きじゃないよ。見てて」
エドが描いていたのは錬成陣。
錬成して木の小鳥をつくりだしました。
「それ 錬金術ね。父さんにならったの?」
「いない人にどうやって習うのさ」
「本よんだら書いてあったよ」とアル。
「書いてあったって・・」
「うぅ・・」としょんぼりする二人。
「やっちゃいけないことだった?」
「そんなことないわ。
すご〜い!さすが父さんの子ね。
母さんみんなに自慢しちゃおう!」
「ああ〜」
『母さんが誉めてくれる・・・
それが嬉しくて
おれたちは錬金術にのめりこんだ。
でも その年の夏、流行病にみまわれて
母さんは逝ってしまった』
お墓のまえにすわるふたり。
「お兄ちゃん。おなかすいた。
寒いし・・帰ろうよ。
お父さんが帰ってくれば・・」
「あいつのことは言うな!
あんなやつ、父さんじゃない!
お母さんのお葬式にも帰って来なかったんだぞ」
お墓に刻まれた名は Trisha Elric 1878〜1904
「お母さんを元に戻せないかな」
「でも 人間をつくるのは
やっちゃいけないことだって
本に書いてあったよ」
「だから 二人だけの秘密な」
「またここにきて」とウィンリィがやってきました。
「なんだよ。ウィンリィ」
「ばっちゃんが言ってたよ。
死んだ人のことを思って泣くと
その涙の分だけあの世で死んだ人も悲しむって」
「泣いてなんかねえよ!
おまえこそ お父さんとお母さん
しょっちゅうでかけてるからさみしくて泣いてるくせに」
「なっ泣いてなんかないわよ!」
「へ〜ほんとかな〜」
「何よ!あんたなんか心配して損した!
あたしより遅かったら飯抜きだからね〜!」
「なんだよ、そりゃ。待てよ!
もう〜待てよ!」
ウィンリィの家。
「いっただきま〜す!」
「ほら、エドも牛乳のんじまいな」
「牛乳・・嫌い」
「飲まないとチビのまんまだよ」
「誰がチビだ!寸足らずババア!」
「なんだって?!この豆粒チビ!」
「ミニマムババア!」
「マイクロチビ!」
「ありんこサイズ!」
「ミジンコサイズ!」
学校からの帰り道。
「また関係ない本学校で読んで。
授業ちゃんときかなきゃ」
「うるせえなあ」
「ねえ。何の本読んでるの?」
「秘密。ウィンリィには関係ねえよ」
「ずるい!いつも二人で秘密にして」
「ふっふふ。じゃあね!」
「エド!アル!今日の晩御飯シチューだってさ!」
「やったあ!」
「お〜、またあとでなあ」
夜。自宅にいるふたり。
「それにしてもシチューを発明した人は偉大だ。
牛乳が入ってるのにあんなにうまい!」
「なんだよ。それ」
「野菜スープに牛乳を突っ込むっつー考えがすげえよ。
科学者にもそういう発想の転換が必要だな」
「そんなもんかなあ」
「そうさあ!
人体錬成もきっと そういう発想が必要なんだよ」
『それからおれたちは
母さんをよみがえらせるために
人体錬成について調べ
錬金術の先生のもとで 腕をみがいた。
(イズミさんのもとで修行するエドとアル)
何年も何年もかかったけど
母さんの笑顔を見たい
母さんとまた楽しく暮らしたい
その思いで おれたちは・・』
「できた」
カラスが不吉。
「水35リットル 炭素50キログラム
アンモニア4リットル 石灰1、5キログラム
リン800グラム 塩分250グラム
硝石100グラム 硫黄80グラム
フッ素7、5グラム 鉄5グラム ケイ素3グラム」
「よし。構築式を描くぞ。
あとは 魂の情報だ」
指を傷つけ血をたらします。
錬成陣に手をつくふたり。
「いくぞ。アル」
「うん」
錬成陣がひかります。
「わ〜」
すると黒いものがたちのぼってきました。
「兄さん。なんか変だよ」
巨大な目があらわれました。
アルの身体が、エドの足がもっていかれます。
「まさか リバウンド?!」
「兄さん!兄さん!兄さん!!わ〜!兄さ〜ん!
兄さ〜〜〜ん!!」
アルが黒いものにつかまってひっぱっていかれました。
白い空間、巨大な扉の前に立つエド。
「アル。
あれ?俺 何してたんだっけ?」
「よお!」
目の前に白い存在 心理君がいました。
「誰?!」
「おお!よくぞきいてくれました!
おれはお前たちが世界と呼ぶ存在。
あるいは宇宙。あるいは神。あるいは真理。
あるいは全。あるいは一。
そしておれは・・おまえだ!」
扉が開き巨大な目がみていました。
「ようこそ。身の程知らずのバカ野郎」
そこから伸びてきた黒い無数の腕にひっぱられるエド。
「うわ〜〜!!」
「うるさいなあ。
おまえがほしがってたものだろ」
扉の中にひきずりこまれるエド。
「みせてやるよ。真理をな」
扉がしまります。
「うわ〜〜〜〜〜!」
エドが黒い空間にほうりこまれ次々にみえる映像。
母や師匠の姿も。
『ものすごい量の情報を
直接頭にぶちこまれたみたいだった』
「やめろ!」
足が、腕がくずれていきます。
『頭が割れそうだった。
だけど 唐突に理解した。
これが 真理』
「母さん・・アル・・」
扉から外にだされました。
「ああ・・」
「どうだった?」
「そうだ。おれの人体錬成理論は
間違ってはいなかった」
扉にむかうエド。
「でも、足りないんだ。
もう少し先におれの求めているものが
人体錬成の心理があった。
お願いだ!もう一度みせてくれ!」
「ダメだね。これだけの通行料だと
ここまでしかみせられない」
「通行料?」
「通行料」
エドの左足が消えます。
「ああ・・ああ!!」
「等価交換だろ?錬 金 術 師」
「わ〜〜〜〜〜!!」
両足のない状態で元の錬成陣の前に戻りました。
「くそ!こんなことがあって たまるか!!
こんな こんなはずじゃ・・・!!
ちきしょう〜〜!!!
持っていかれた〜〜〜〜〜!!
助けて・・誰か・・父さん 母さん・・
はっ」
錬成陣の中に化け物がうごめいています。
「ああ・・嘘だ
違う、こんなの。
こんなのを望んだんじゃない!」
アルの服だけ落ちていて中身は抜けがら。
「アル・・アルフォンス!アルフォンス!!
アルフォンス!!
おれのせいで・・!アルフォンス!!
ちきしょう!ちきしょう〜!
返せよ。弟なんだ。
足だろうが腕だろうが
心臓だろうがくれてやる!!
だから 返せよ!
たったひとりの弟なんだよぉ!!」
近くにあった鎧に血で錬成陣を描き
手を合わせて錬成するエド。
マスタング大佐とヒューズ。
「よっ!まだセントラルにいたのか」
「めでたく東方司令部に帰れることになった」
「そりゃごくろうさん。
次にくるときは准将くらいになっとけよ。大佐」
「簡単にいう」
「ははは。ああ、そうだ。
帰るんなら先にわたしとこう」
「なんだ?」
「アイザック・マクドゥーガルに関する最終報告書だ。
まだおまえさんのところには届いてないだろう」
「ああ。
あ、シン国の錬丹術?」
「そういうものがあるらしい。
正直おれにはさっぱりだが。知ってるか?」
「いや。初耳だ」
「ところで エルリック兄弟はどうしてる?」
「おれはあいつらの保護者じゃない」
「なあ、なんだってエドを国家錬金術師にしたんだ?
まだ子どもなんだぜ。
軍にいる以上、いつか地獄をみる羽目になる。
おれたちみたいにな」
ヒューズと別れてでていく大佐。
『地獄か。
地獄ならみたさ。二人とも。
もう充分にな』
4年前
エドたちの家をたずね錬成陣のあとをみた
大佐(当時は中佐)とホークアイさん。
「ああ・・」
「中佐、裏にもいませ・・これは?」
「どこだ?エルリック兄弟とやらは どこにいる?!」
ウィンリィの家。
犬が大佐(当時は中佐)にほえ、ピナコばっちゃんがでてきました。
「うるさいよ、ベン。お客さんには・・」
大佐、勝手に家の中にはいります。
「ちょっと、あんた!軍人がいきなりなんだい」
車いすにすわったうつろな目をしたエドと鎧のアル。
エドの首をつかむ大佐。
「君たちの家にいったぞ。
なんだ?あのあり様は!
何をつくった!」
うつむくエド。アルが大佐の手をとめます。
「ごめんなさい。許してください。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
「きみは・・」
ピナコばっちゃんと向かい合って話す大佐。
「驚きました。
すぐれた錬金術師がいるときいて
たずねてきたのですが
まさか こんな子どもが 不完全とはいえ
人体錬成を行い、魂の定着までなしとげるとは。
国家錬金術師になる資質が充分あります。
国家錬金術師になると、
有事の際は兵士として働くことになりますが
同時に さまざまな特権や
最高レベルの研究が可能となるのです。
この子たちが元の身体に戻る方法も
あるいは」
「この子が血まみれで転がり込んできたあとにね
あたしはこの子たちの家にいったのさ。
あれは・・あれは人間なんかじゃなかった!
あんなおそろしいものをつくるのが錬金術なのかい?
あたしゃ反対だね。
また地獄をみろってのかい?!
この子たちに」
部屋の外待っていホークアイさんにお茶をだすウィンリィ。
「どうぞ」
「ありがとう」
「あの 少尉さん」
「リザでいいわ。リザ・ホークアイ。よろしくね」
ウィンリィに握手の手をさしだすホークアイさん。
その手をとらないウィンリィ。
「リザさんは 人を撃ったことがあるの?」
「あるわ」
「軍人さんは嫌い。
父さんも母さんも 戦場につれていかれて殺されたから。
そのうえ エドとアルもつれていこうとしてる」
「行くかどうかは
あの子たちが自分で決めることよ。
そう。自分で決めること」
「強制はしない。
ただ私は可能性を提示する」 とマスタング。
「進むのかとどまるのか」 とホークアイさん。
「絶望のまま一生を終えるか
可能性を求めて軍にこうべをたれるか」
「それを決めるのは あの子たち自身」
「そこに可能性があるなら
元の身体に戻るために 前に進むべきだろう。
たとえそれが 泥の河だったとしても」
エドのうつろな目。
うつむくウィンリィ。
「リザさんは なぜ軍人になったの?」
「まもるべき人がいるから」
そのときマスタングがでてきてホークアイさんもたちあがります。
「帰るぞ」
「はい」
ウィンリィがみおくります。
「じゃあ さよならね。お嬢さん」
「ウィンリィです」
ウィンリィ、手をさしだし
笑顔で握手するホークアイさん。
「そう。ウィンリィちゃん。
また会えるといいわね」
マスタングとホークアイさんが帰って行きました。
「くるでしょうか?」
「くるさ」
「あの少年、無気力な目をしてましたけど」
「そうかね。あれは 火のついた目だ」
エドの目から無気力さが消えていました。
また汽車に乗っているエド。
エドの回想。
「後悔しないかい?」
「うん。もうきめたことだから」
ばっちゃんにオートメイルをつけてもらうらしい。
「手術とリハビリでどれくらいかかる?」
「だいたい3年てとこだね」
「1年だ」
「っ!!」
「血へどを吐くことになるよ」
「アル。もう少し我慢してくれな。
おれが元の身体に戻してやる」
「うん。そのときは兄さんの身体もいっしょだよ」
「うん」とうなづくエド。
その後、オートメイルをつけてもらって
アルと組み手稽古をするエド。
「もう 身体は完璧だね」
「おう!あとは錬金術だ。
あれ以来 つかってないからなあ」
「そうか、僕の魂を錬成した時以来なんだ」
手をあわせるエド。
腕が武器になりました。
「兄さん」
「おお〜ばっちりばっちり」
「すごいよ!兄さん。
錬成陣もなしに!
先生とおなじことが出来るようになったんだね!」
「アルも、できるだろ?」
「できないよ。兄さん」
扉と扉の中と真理くんを思い出すエド。
「あれをみなかったのか?」
「あれって?」
「いや・・なんでもない」
そのときエドの頭にウィンリィの投げた
工具が直撃。魂でてます。
「うわー!」
「こらあ!あたしのオートメイル 変形させたわね!」
「おれの頭は変形してもいいのかよ?
「つ〜〜ったく。かわいげのない機械ヲタだぜ」
「かわいげなくてけっこう!
機械ヲタでけっこう!
あたし!あんたが元の身体に戻るまで
サポートするってきめたんだから」
「はあ〜〜」
アルがにこにこ。
大総統と部下。
「試験を見学されるとはおめずらしい」
「なあに。12歳の子どもがきたというのでな。
話の種にみておこうとおもったのだよ。
ほお。鋼の義肢か」
「東部の 内乱で」とエド。
「イシュバールには 手を焼いたな うん」
「誰?」
「バカ!キング・ブラッドレイ大総統閣下だ」
と隣の軍人が教えてくれました。
「ふう〜ん」
「さ、試験をはじめたまえ」
上にはマスタングの姿も。
「錬成陣を描く道具は持っているか?」
「いらないよ。そんなもん」
手をあわせるエド。
床から槍が出現。
「錬成陣もなしに」と驚く大佐。
「これはなかなか」
「ふっ」
その槍を大総統につきつけるエド。
「ていうふうに要人暗殺があるかもしれないからさ
この試験方法見直した方がいいんじゃない?」
エドを囲む兵士たちをとめる大総統。
「ふむ。なかなか肝がすわっておる。
だが 世界の広さをしらん」
大総統、いってしまいました。
「ん?」
槍がいつのまにかきらえていました。
「うわっ!」
「残りの試験もがんばりたまえ。
若すぎる錬金術師よ」
はっはっはっはっ
という文字とともにさっていきました。
「いつのまに抜いたんだよ?」
ウィンリィとアル。
「兄さん 試験大丈夫かなあ」
「ねえ アル」
「何?」
「エドが国家錬金術師になったら
この村 でていっちゃうの?」
「うん」
東方司令部 イーストシティ
マスタングとエド。
「これが国家資格のあかし 銀時計。
拝命証と細かい規約はこれ・・と
大総統もずいぶんとまた皮肉な銘を」
「何?」
「いや、おめでとう。
これで君も晴れて軍の狗だ」
「大総統 キング・ブラッドレイの名において」
途中から大総統の声にかわります。
「汝エドワード・エルリックを
国家錬金術師に任命し
銘 鋼をさずける」
「鋼?」
「そう。国家錬金術師に与えられる二つ名。
君が背負うその名は 鋼の錬金術師!」
ニッと笑うエド。
「いいねえ。そのおもっ苦しいかんじ。
背負ってやろうじゃねえの」
回想終わり。
「兄さん、そろそろつくよ」
『リオールか。
あの町に アルの身体を元に戻す手掛かりが』
「賢者の石」
2話目で二人の過去を描いていました。
禁忌の人体錬成を行って身体を失った理由と
国家錬金術師になった経緯。
そして二人の身体をとりもどすという目的と
真理についてもちょこっと。
ウィンリィの家族事情と
機械ヲタクなのもばっちり言われてました。
人体錬成のシーンはそこまでおどろおどろしい
かんじではなかったかな。
真理くんもさっそく登場ですし。
そうそう。
アイザックがシン国の錬丹術とかかわっていたという
情報もあったので今度はそちらもしっかりでてきそうで
楽しみです。
第1話「鋼の錬金術師」 に詳細レビュー追加しておきました。
関連記事 鋼の錬金術師 22巻感想
エドワード・エルリック 朴ろ美
アルフォンス・エルリック 釘宮理恵
ウィンリイ・ロックベル 高本めぐみ
ロイ・マスタング 三木眞一郎
リザ・ホークアイ 折笠富美子
アレックス・ルイ・アームストロング 内海賢ニ
マース・ヒューズ 藤原啓治
ジャン・ハボック うえだゆうじ
ハイマンス・ブレダ 佐藤美一
ケイン・フュリー 柿原徹也
ヴァトー・ファルマン 浜田賢二
マリア・ロス 名塚佳織
キング・ブラッドレイ 柴田秀勝
スカー 三宅健太
ラスト 井上喜久子
グラトニー 白鳥哲
エンヴィー 高山みなみ
ゾルフ・J・キンブリー 吉野裕行

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