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ハングリー!第3話

第3話



『ROCKHEAD』を脱退した拓(三浦翔平)は、
加入するはずだったバンドが警察に捕まったことで
行き場を失い、なんとか『ル・プティシュ』に
辿り着いたものの、疲れと空腹で倒れてしまう。
英介(向井理)は、そんな拓を店で休ませるが、
一方で、彼女のまりあ(国仲涼子)から
「なんだか英介を遠くに感じる」と告げられ、
ショックを受ける。さらに、そんな英介とまりあの姿を
偶然目撃してしまった千絵(瀧本美織)もまた、
動揺を隠せずにいた。
店では、太朗(大杉漣)が英介に、お客様をもてなすのに
ふさわしい笑顔を作るよう指導をしていた。しかし、
人に愛想を振りまくことが苦手な英介は、上手く笑えない。
すると、その様子を見ていた拓が「俺、
ココで働いてやってもいいよ」と一言。だが、かつて
拓に苦い思いをさせられた英介は、その申し入れを断る。
やがて、チラシやビラが効果を発揮し、店には少しずつ
客が入るように。これまでのメニューを見直し、
値段も手ごろで誰にでも分かりやすい新メニューを
考案した英介は、店のキーワードに“笑顔"を掲げ、
賢太(塚本高史)や剛(川畑要)に自分も少しずつ
変わる努力をすると誓う。
翌日、店に女優の高嶺薫(かたせ梨乃)がやって来る。
入ってくるなり店内を見渡し、スタッフの言葉遣いにも
厳しい反応を見せる高嶺に、怪訝な顔をする英介。
さらに、まりあが同僚の川和(丸山智己)を連れて来店すると、
英介の表情は凍りつき…。




お店にしのびこんでいた拓は
おなかがすいて倒れてしまい
拓を警察へつれていった英介。

「てめぇ ふざけんなよな!

 人が目の前で倒れたら

 病院に連れていくの普通だろうよ。」

「不審者は 警察に届けんのが市民の義務だろ!」

「はぁ? お前 仲間だったじゃねぇかよ。

 裏切ったのは どっちだ!てめぇが…。」

「うるせぇんだ この野郎!

 俺は 腹が減ってんだよ!

 2人そろってムショ送りにすんぞこの野郎。」

とおまわりさんに怒られてしまいました。

「腹減ってんだったら余りもんあるよ。」

というとそれを奪ってかじりつく拓。

「うっ うっ… うめぇ〜〜!!

 ううっ… ううっ…。」

「まあ 何があったか知らんが許してやれよ。

 食いもん食べながら泣くやつに

 悪いやつはいない。」


「拓とは最初から反りが合わなかった。

 ただ 思ったよりも実力はあり

 バンドの人気は上がった。

 拓が加入して2年後初めて俺たちは…。

 レコード会社からデビューの話が来た。

 しかし 折からの音楽不況で

 その話は立ち消え何も変わらないまま

 俺たちは どんどん年を取り…。

 拓は 俺らのバンドを辞め

 人気ビジュアル系バンドインジェクションに

 加入することになった。」


しかしそのメンバーが麻薬をすっていて
自分も逮捕されそうに。

「そして ようやく誤解が解けて釈放され…。

 白山さんの紹介でホストを始めたものの

 持ち前の女扱いのうまさで

 そこのナンバーワンの顧客を奪ってしまい…。

 ルール違反だとホスト仲間にボコられ…。」


拓を寝かせてやる英介。

「で 逮捕の一件で

 ファンも女もいなくなって 

 行くとこもなくて 

うちに転がり込んできたらしい。」


「何だか 目くるめく人生ね。

 まあ 英介もだけど。」

テーブルの上にあった帳簿に目がいくまりあ。
もう帰るというのをひきとめますが
まりあは断りました。

「…っていうか 何か最近 疎遠よね。

 英介と私。

 何だか 英介を遠く感じる。」

もらったキャベツのマスコットをながめながら

「やっぱり 恋なのかな…。

 あぁ〜 おなか すいた。」

と歩いていた千絵は
まりあと歩く英介を目撃。

「待てよ。疎遠って そんなことねぇだろう。」

「いいの。 マーマレードがおいしかったって

 直接 言いたかっただけなのよ。特に用は なかったし。」

「あぁ… うまかった?それはまあ 良かったけどさ。」

「困るのよ おいしくて。いつもより食べ過ぎちゃって。

 それじゃなくてもダイエット中なのに。」

「いや べつに痩せる必要ねぇだろ。」

「あるよ。

 最近 私の体 見てないから知らないだけでしょ。」

隠れてきいていた千絵、ショック。

「うっ…。」

「何か大人のカップルって感じだった。」

朝いっしょにいたというところが
やっぱり彼女だったのかと奈々と話す千絵。

「何だろ? この人生の違い。

 朝から彼氏と出勤してるOLさんと

 朝から たまねぎ掘ったり

 乳酸菌 培養させてる農業女子って…。」

千絵は食欲がないらしい。

材料を配達にきた千絵は
賢太の包丁さばきをみて感動。
英介はもっとうまいと睦子からききました。

「英介さんはもっとすごいんですよ。

 元ミュージシャンだなんて

 とても信じられないぐらい。」

「えっ? 元ミュージシャン?」

「おい!はしゃいでんじゃねぇぞこの野郎。」

とそこへ入ってきた英介が
いつも以上に機嫌が悪い。
すると、この店の問題点は英介の顔だという太朗。

「味は好み。店員が無愛想の店。」

「味はなかなか。店員が笑顔で気分のいい店。」

客はどっちを選ぶか。
英介は絶対前者だといいますが
気分のいい店がいいというスタッフ。

「いいか? 英介。

 日本人は味覚にうるさい。

 しかし 食事の場は

 いい気分で過ごしたいという

傾向が強いのも事実だ。

  それはうんこ味のカレーを食べるか
 
 カレー味のうんこを食べるか

 それと同じぐらい大きな問題なんだよ。」


「店で うんこの話 すんなよ。」

「英介。笑ってみようか。」

「笑う?」

「そう 笑顔だ。

 賢太君も剛君も 慣れない包丁の練習をしてるだろ。

 お前も店のために笑顔の練習をしてみろ。」

「何で 俺が んなこと。」

拓もおきてきました。
みんなに注目される英介。

「さあ 英介 笑ってみよう。」

英介の笑顔、へんw

「だめだ!もっと本気で笑え!」

「もっとだ!歯を見せろ。」

「だめだ。笑顔に爽やかさも癒やしもない。」

「あぁ!? 何だよ。

こっ恥ずかしいこと さしといて。」

「そういえば 拓が入るまで

 俺ら ライブのMCとかも 

ぐだぐだだったもんな。」

それをきいて

「あっ よし わかった。

 俺 やってやろうか?

 俺が ここで働いてやってもいいよ。」

と拓が言いだしました。

「はぁ!?」

「はさ ムショん中でも考えてたんだよね。

 やっぱり 俺の仲間はお前らしかいねぇんだなって。」

「ムショ?」と驚く千絵。

「だからさ また仲良くしようよ〜

 もう逃げないから。あぁ でも あくまで

 バイトとして よろしくね。ほら 俺ってさ

 お前らと違って まだ若いし

 将来有望なミュージシャンっていうの?

 だから 次のバンドが見つかるまでの

 つなぎってことで よろしく!」

「あの方 一体 どなたですか?」

「いや 知らんが…

 ひどく自己中心的な人物のようだ。

 この場の空気が凍っていることに 

全く気付いていない。」


「あっ ねえ でさでさ でさ何で 3人で

 レストランなんかやってんの?

 それってモテんの?」

「ふざけんなよ てめぇ。」

「待って 待って 何で? えっ?

 今 そういう流れだったじゃん。

 ほら 困ってるお前らの前に救世主のように現れる俺!

 みたいな。」

「あほか。 元はといえば お前が抜けたせいで

 俺ら解散するはめになったんだぞ。」

「そうだ。 裏切り者は地獄に落ちろ。」

「そうだ。 てめぇを雇う金なんか1円もねぇ。

 ミンチにされたくなかったらさっさと出てけ!」

みんなに「出てけ」といわれて
「まいっか」とでていってしまう拓。

麻生と柏木。

「しかし君と あのミュージシャン崩れが

 同じ料理専門学校に通っていたとはね。

 確かに 腕はいいようだ。

 子供の頃から何度もクッキングコンテストで優勝してるし

 19のときには 調理師育成施設調理技術コンテスト

 通称 グルメカップで内閣総理大臣賞を受賞。

 しかし それが何だ。ガキの頃の話じゃないか。」

「でも…。」

「彼は10年 料理と離れている。

 しかも ロックなんていうくだらない自己表現のためにだ。

 そんな男をなぜ今更 恐れる必要がある?

 君は僕が選んだ男なんだぞ。」

「すみません。」

「自分の力を信じろ。

 そして それ以上に僕を信じるんだ。

 このレストランで君は人生の勝者になる。」

とはげます麻生。

今日は 女優の高嶺薫さんが来ることになっていて
食通で有名、女性誌でグルメエッセーも書いている彼女に
是非 この店を気に入ってもらってマスコミに紹介してほしいと
抜かりない接客を頼むという麻生。

CDを拓にみせてもらう千絵。

「ロックバンド?」

「そうそう。ほんで

 この真ん中に写ってる一番かっこいいのが俺。」

「うわっ。ちゅう房の人たちが楽器持ってる。」

「まあ インディーズなんだけどね

 けっこうファンもいたのよ。」

「へぇ〜 ファンも。私 何も知らなくて…。」

「で 君は ところで誰?あいつらと どういう関係?」

「私? 私は その…私もファンです。この人のお料理の。」

「英介の 料理の?」

「そう。英介さんの料理初めて食べたとき

 何か もう びっくりしたの。

 こう 胸がドキドキ ドキドキして

 もっと もっと食べたくてしかたなくて。

 食べるって こんなにドキドキするもんなんだなぁ〜 って。」

「あぁ〜 ヤベ。

 何か あんた見てるとさ腹減ってくんね。」

「そうですか? 私も ふだんなら

 こんな空想してるだけでおなかが すいてくるんだけど。」

「じゃあ 今夜 一緒に行こうよあの店。」

「えっ? いえいえ そんなムショ帰りの方と食事なんて…。

 それに… もっかい食べたら 私

 ほんとに英介さんのこと好きになっちゃう…。」

「えっ?」

「あぁ〜 いいえ!何か最近 食欲がなくて。

 でも 皆さんとまた仲直りできるといいですね。

 では 失礼します。」

わかれたあとくしゃみする千絵。

『開店して2週間

 毎日配った ちらしやびらの効果もあってか…。

 ようやく少しずつ客が入ってくるようになってきた。

  しかし 俺たちの接客も俺の笑顔もなかなか

 うまくはいかず…。』


「へい。ほら メニューだ。」と

メニューをつきだすだけの剛に
客は帰ってしまいました。

ためいきをついて母を思い出す英介。

「どうやって

  あんなでかい店経営してたんだよ

母さん。」


白山さんと歩く英介。

「そっか。 ホストもだめだったのか 拓らしい。」

「で そこから連絡もなくて。」

「何? 心配してんの?」

「心配なんかしてないですよ。

 他に心配しなきゃなんねぇこと山ほどあるし。

 店のこととか 金のこととか。」

「ふ〜ん。私 好きだったんだけどなぁ〜

 あんたたち 4人のバランス。

 ねえ 再結成する気ないの?

 どうせ レストランもうかってないんでしょう?」

「なんてこと言うんすか。まあ そのとおりだけど。」

近くから歌がきこえてきました。
のど自慢大会に出て歌っている拓。

だけど鐘はひとつだけ。

「はぁ〜 情けない。

 私が目をかけたボーカリストが

 こんなとこで予選落ちなんて…。

 英介?

 英介 声かけていかないの?」

歩きだした英介をよびとめる白山さん。

「ええ まあ…。

 男には ひとに

 見られたくねぇ

瞬間っつうのが あるんすよ。

 特に男同士には。」


「まあ 夢を追うのはどの道も楽じゃないわね。」

手に持ったCDをみつめてから
たちあがって歩きだす拓。

英介は千絵やまりあや英介が
おいしそうに料理を食べる姿を
思い浮かべます。

麻生のお店にやってきた女優の高嶺薫。

「ずいぶんかわったなあ。」

「あなたここにあったお店 ご存じ?

 ばらの門が あって…。」

「あぁ いいえ。私は

 こちらのお店になってから就職したもので。」

「そう…。」

ル・プティシュのビラをみつけました。

まりあと電話する英介。

「メニューをみなおしてみたんだ。

 まで 俺は俺らの音が嫌いなやつは

 どうでもいいし 

 俺らは 自分たちの音を

貫きゃいいって そう思ってた。

 でも それじゃあ アマチュアだ。

 今度こそ俺は…ちゃんとプロになりてぇ。」


まりあにも早く安心してもらいたいと
今夜店にさそいまりあも了承。

新しいメニューは庶民的で
リーズナブル。

「メニューもだけど…

俺も少し変わろうと思う。」


笑顔をつくってみせる英介。

「どうした?悪いもんでも食ったか?」

「ふざけんなよ。 いいか 集まれ。」

また円陣。

「俺は 客の笑顔が

 見たくて この店を始めた。

 だから俺たちも これからは笑顔でいこう。

 頭にきても 悲しくても

 とりあえずは店の中では笑うんだ。

 これからのこの店のキーワードは笑顔だ。」


「うっす!」

「よし みんな 悪くねぇな。

 じゃあ いくぞ〜!」

「おぉ〜!」

千絵を食事にさそう奈々。
千絵はかりたCDをきいていました。

「あぁ 何か すごい爆音で

 ますます頭痛くなってきた。」

「まだ食欲ないの?

 千絵がこんな長い間 食欲がないなんて。」

「うん。 苦しいんだよ。寝ながら考えたんだけどさ

 こんな知らない過去があって

 あんな大人な彼女もいて

 最初から世界の違う人だったんだなぁって。

 もう何も食べたくない。

 ていうか もう忘れたい。

 あの人のこともあのレストランの味も…。」

恋煩いか。

かわりに弟君が配達。
千絵が風邪だときいて

「あんな元気そうなやつでも

 風邪ひくのか」という英介。

客は2組。ZZトップはじいさんペア。
そしてOLさんの4人組。

拓もきますが、所持金241円。

「ははっ ウケる。じゃ とりあえず水。」

「てめぇ!…ったくどういう ずうずうしさだよ。」

「英介。 笑顔だろ? 笑顔。」

そしてさっきの高峰薫も・・。

「懐かしい絵」

と太朗の描いた絵にまっしぐら。

「いらっしゃいませ。 あの…。」

「とりあえず 何か食べるもの出して。

 おなかすいてるの。」

「あぁ はい。

 あっ 了解!」

「ちょっと待って。

 かしこまりました お客様でしょ?」

「かしこまりました お客様。」

このお客は女優の高嶺薫だという睦子。

「何で女優なんかが うちの店に。」

「坊ちゃん!眉間に しわが。笑顔 笑顔。」

「ああ。」

そのあとまりあもやってきますが
いっしょに同僚の川和も・・。
とたんに英介の笑顔がきえました。

英介、上の空。

「ねえねえ  ねえ…ちょっと こりゃ まずくねぇか?」

「ですね。坊ちゃんの顔から

完全に笑顔が消えました。」

「なあ 英介。 お水 もらえる?」

「うるせぇな。水なんかで

粘ってんじゃねぇぞ この野郎。」

「まあまあ まあ…。

  あっ ちなみにあそこのOLさんたちも

 お水 ないんだけど。あぁ 後 あれ。

 あそこに若い女の子が4人 入った。」

「くそっ!誰だ あの男。スーツなんか着やがって。

 しかも注文が豚肉のローストって。

 最初にメーン注文する客になろくなやつなんか

 いねぇんだよ!」

英介はカリカリ。

「スーツは しかたないだろ。会社勤めなんだから。」

「そうですよ。今どきの女性は男友達の1人や2人。」

「まりあも案外 あばずれだな。」

「まりあは あばずれじゃねぇよ!

 でも あの男 どっかで…。 あっ!」

銀行で融資を頼んだ相手でした。

英介が融資の相談にきたとまりあに話す川和。
帳簿をまりあもみたと話しますが
そこへ拓が水をつぎにきました。

「失礼しま〜す。あっ お水 足しますね。

 あっ そうだ。まりあさん こないだ ごめんね。

 何か けんかしたって?」

「あぁ いいのよ。拓君こそ 仲直りできたのね。」

「へぇ〜 けんか?」

「いつの間にあんなかっこいい店員が?」と奈々。

薫に料理をはこぶ賢太。

「へい まいど」

「へい まいどは やめろ つったろ。」

「いや わかってっけど

 バイトの癖が抜けねぇんだよ。」

「抜けよ。」

サラダアロマ おいしそう〜。

すると拓が勝手に接客をはじめますが
女の子たちの扱いはうまく薫にもうけがいい。
川和にも愛想良し。

店内に笑顔をふりまく拓につられて
お客も笑顔に。

拓にはこういう才能があるらしい。

「あいつ いつのまに。」

「まあ おにいさんたちはさ

 安心して バックで料理でもしててよ。

 フロアは俺が盛り上げてやっから!」

「そういえば あいつ 

 バンド名とか間違えたりしてたけど

 トークとファンサービスだけは優秀だったもんな。」

「高校んときからホストクラブでバイトしてたしな。」

「くそっ!あいつに負けてたまるか」

と英介もやる気をだしました。

若鶏のグランメールもおいしそう。
すると薫がいきなりフォークをおき

「シェフ よんでいただける?」

とよびつけました。

「あなた 何者?

 未熟な味ね。

 ソースも もたついてる。

 鶏は 火 入れ過ぎだし 

ポーションは 私には多すぎるわ。

 盛りつけだって…繊細さに欠ける…。

 うっ… ううっ…。

 嫌 やだ…。 ううっ…。」

泣きだす薫。

「み…未熟で… 未熟で全然違うのに…。

 華子さんの味思い出しちゃう。 ううっ…。」


「えっ?」

そこへ太朗がやってきました。

「あっ 高嶺さんじゃないですか!」

「あぁ。ていうことはあなた 例のばか息子?」

「ばか息子?」

「高嶺さんはな 英介 

 華子さんがホテルのレストランで

 勤めていた頃からの親しいお友達なんだよ。」

「あのころ 私は新人女優で

 マスコミも料理の世界も男社会でしょ?

 2人で よく悩み 語り合ったわ。

 あなたの話も よく聞いた。

 ル・プティシュにも よく通ったのよ。

 あの華子さんの味がもう食べられないなんて…。

 あなたのせいよ。あなたが…

 ばか息子が心配ばっかりかけるから。
 
 ううっ…。

 華子さん。

 ううっ…。

 これが舌の記憶なのかしら…。」


泣きながら料理をたべる薫を
みつめる英介。
さっきは心配そうにみていたまりあも
英介を笑顔でみつめます。

店の外にでた薫を見送る英介。

「大丈夫なの? この店。

 料理も未熟だけどサービス悪すぎでしょ。
 
 学園祭の喫茶店じゃないんだから。

 今日の及第点はフロアの あの男の子だけね。」

「えっ… それって 拓ですか?」

「笑顔がいいわ。その点 あなた 落第よ。」

「すいません。」

「華子さんもね お店出したばかりの頃よく悩んでた。

 レストラン 経営するのと

 お客様に おいしいお食事をお出しするのとは

 全く別の次元のことだって。」

「母さんも…。」

「ええ。しっかりしてよね。

 もし いつか もう一度

 華子さんの味に出合えるとしたら

 どうやらここしかないようだから。」

「また来てください。」

「ふふふふっ… 変な笑顔。

 あっ そうだ。華子さん

 あなたのために 

レシピノート作ってるって言ってたわ。

 あれがあれば何かの参考になるんじゃない?」

「レシピノート?

 あっ… ありがとうございました。」

お礼をいう英介。
店に戻るとまりあも帰るところ。

「今日の英介みてたら

 英介がシェフっていう新しい夢を

 一生懸命 追いかけてるってことがよくわかった。」

「そっか…でも あんま食ってなかったけど。」

「知らないの? 彼女 最近マクロビやってるんだよ。」

「マクロビ?」

「ええ。あの マクロビって…。」

「あぁ 聞いたことあるよ。

 あの〜肉とか食わねぇ あれだろ?

 でもこないだは普通に食ってたけど。」

「だから それは君に悪いと思ったからだろ。」

「そんなんじゃないけど。

 でも 太ったのは ほんとなの。」

「気にすることないよ。

 それ以上痩せて どうすんの?ねぇ。」

「何言ってるの。余計なこと言わないでくれる?

 じゃあ また連絡するね。」

「あぁ… じゃあな。」

「うん。ごちそうさま。」

まりあは帰っていき
英介は機嫌が悪い。

「くそ!あいつら何だ? マクロビって!」

そしてじゃんけんにまけた英介が
まかないを食べる拓に声をかけました。

「ここは裏通りですげぇ立地も悪ぃんだよ。

 それでも客に来てもらうためには

 もう一度 来たくなるような

 うまい飯と

 何度でも来たくなるような…

 接客が どうしても必要なんだよ。」


「ん?」

「あぁ〜 働いてもいいぞ ここで。」

「マジで? えっ? マジで!?

 あぁ〜 もう…。ほら 言ったじゃん。

 ほら 俺 絶対必要になるよってお前らにも。」

「とりあえず今のところはしかたねぇな。」

「ただ 今度 逃げたらほんとにミンチにしてやる。

 あぁ〜 1つ 問題があるんだ。

 お前に払う金はほんとに1円もねぇんだよ。」

「はっ?」

「…で お前に1つ 提案があるんだ。」

太朗の新しいアトリエへ引っ越しすることに。
ここで太朗と英介と拓がいっしょに
住むことに。

今日は薫は麻生の店へ。

「麻生さん
 
 あそこのお店いらしたことある?

 ル・プティシュ。華子さんの息子さんのお店。」

「いいえ。」

「あっ そう。一度 召し上がったほうがいいわ

 彼のお料理。すごく荒削りなんだけど

 何か とても可能性 感じるの。」

「そうですか。 いつも

 貴重な情報をありがとうございます。

 失礼いたします。」


麻生、壁をたたいてやつあたり。

千絵はまだ熱がさがらず。
いい匂いがすると目がさめました。

「う〜ん 何か いい匂いする。」

英介がいました。

「ん〜 だいぶ痩せたな。」

「うわぁ〜!

 なっ… 何で?ななな… 何で ここに?」

「弟が入れてくれたよ。ご両親 旅行中なんだろ?」

「信じられない。 佐助のばか!

 襲われたら どうすんの?」

「ふっ!心配すんなよ。

 お前にはそういう魅力は少しもない。

 ほれ 口開けろ。」

「はっ? 何? それ。」

「何? それって 見りゃわかんだろ?

 おかゆだよ。 今 そこで作った。」

「うそ… いいです そんな。」

「寝込んで もう1週間だろ?

栄養とんなきゃ治んねぇぞ。

 これはな 俺がガキの頃から

 母親に食わされた特製のおかゆだ。

 じゃがいものピューレとコンソメが入ってる。」

「せっかくお店に行かないようにしてたのに。」

「何だ? それ。」

「あっ… じゃあ 自分で食べます。」

おかゆをうけとって
自分でたべる千絵。

「あっ お店は最近 どうですか?

 お客さん 来てますか?」

「うん… でも やっぱ俺は笑顔が だめだな。」

「えっ?」

「まあ でも… 俺より

うまく笑ってくれるやつを見つけた。」

「へぇ… そうですか。」

「うん。」

枕もとのたまねぎに目がいく英介。

「ねえ これ 何?」

「あぁ たまねぎには

 いい眠気を誘う作用があるんです。

 何か寝苦しかったもんで。」

「へぇ〜。」

「あっち!」

「…ったく もう。 ほら 貸せ。

 俺は昔から病気の犬とか猫に

 もの食わせんのが うまいんだよ。」

結局たべさせてもらいました。

「おいしい。」

「あたりまえだ。」

もらったキャベツのマスコットを
みつめて

「ほら やっぱり好きになっちゃった。」

とつぶやく千絵。

『今日のおすすめは

 オニオングラタンスープにした。

 生のたまねぎには辛みがあるが

 あめ色に煮込みスープにすると

 とろけるような甘みが出るのが特徴だ。』


川和といたまりあを思い出す英介。

『でも この日のたまねぎは
 
 なぜか どうしようもなく…涙の予感がした。』





接客要員、拓が仲間になりました。
さすが元ホスト。
チャラくて自分中心かもしれないけど
お店の中のことはよく見てるし気がきくし
動きもいい。
英介の腕もたしかだし
ブランクあったぶんはこれから
とりもどせばOK。
心配なのは麻生の妨害と
まりあとの関係だけか。

向井理におかゆをふうふうして
たべさせてもらった千絵が
ほれるのは当然。












山手英介  向井 理 
大楠千絵  瀧本美織 
橘まりあ  国仲涼子 
住吉賢太  塚本高史 
平塚 拓  三浦翔平 
藤沢 剛  川畑要(CHEMISTRY)
白山祐希  鈴木砂羽 
海老名睦子 片桐はいり
和泉佳奈  宮地真緒
柏木一平  石黒英雄
東 則夫  田山涼成 
戸塚 杏  林丹丹 
高木奈々  山下リオ 
大楠佐助  佐藤勝利(SEXY ZONE)
大楠義明  橋本じゅん
山手華子  片平なぎさ 
山手太朗  大杉漣 
麻生時男  稲垣吾郎













2012.01.25 Wednesday 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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