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聖なる怪物たち 第3話

 第3話



食道がんの妊婦が入院!両方の命を救うべく
立ち上がる健吾!圭子は子供への気持ちが強くなり、
衝撃の行動へ!女達の恐ろしい計画は
戻れないところまで来ていた…


「妊娠反応は確認されました。

 間違いなく 着床していますよ。」


三恵と圭子、ならんで医師からきき
妊娠証明書も日向圭子名でもらい
姉のところへ走って行って
母子手帳をみせる圭子。

圭子をだきしめる姉。

「おめでとう。」

「私… 赤ちゃんに会えるの。」


患者の糸川は軽い捻挫。
病院抜け出してラーメン食べにいったらしく
瑶子が注意をするとお尻をさわって
また怒られました。
それをみていた優佳。

『僕には見えないところで

 女たちは計画を進めていた。

 そのゆがんだ欲望はやがて

 僕の人生に火の粉をふりかける。

 医師としての 僕の人生に。』


患者の木嶋美保は夫がつきそって受診。
この病院の産婦人科に通っていて
今 21週目。
検査結果は頸部食道がん。進行ステージは挟。

「おなかの子供が22週目に入ったところだ。」

「そっちは諦めてもらうしかねえな。」

「先に帝王切開しても無理ですか?」

「今 取り出しても赤ん坊が助かる事は極めて難しい。

 がん治療を優先するのが教科書どおりだ。」

「決まり。 即刻 手術だ。ぐずぐずしてると

 がん細胞がどんどん増えちゃうよ。」

三恵のおなかの子を超音波で
みせてもらう圭子。
優佳と敏雄も同席。

「圭子 あなたの赤ちゃんよ。」

超音波をのぞく圭子に

「圭子さん 赤ちゃん 大切に育てますから。」

という三恵。

「あともう少しすれば

 男の子か 女の子か わかりますよ。」

「えっ?」

「知りたいですか?」

「君が決めていいよ。」

と敏雄もやさしい。

「ああ 私は敏雄さん似の男の子が欲しいんだけど…。

 ああ… どうしよう…。」

「このエコーで見れば お姉さんにもわかる事だ。

 しかし お姉さんが助産師の資格を持っていたのは

 幸いでしたね。」

「ドクター 駅まで送るよ。」

「検診データを 定期的にメールでください。」

「承知しました。」

「あの…もう普通に生活して構わないと

 おっしゃってましたけど。」

「ええ 大丈夫。」

「でも 運動はしない方がいいですよね?」

「いいえ。 動いた方がいい。適度な運動はした方が。」

「でも 食事などで気をつける事は…。」

「神経質にならないで。病気じゃないんだ。」

「お母さんらしく ゆったりと構えて生活しなさい。」

質問したのは圭子なのに

「はい。」

と笑顔で答えたのは三恵。

医師をおくる敏雄。

「フッ…。石橋をたたいて渡るお前が

 よく こんな大胆な事を思いついたものだ。

 この俺を使って代理出産だと?

 もし 事が公になったら…。」

「日向一族の名声は地に落ちる。」

「わかってりゃいいさ。」

「だが その時は村澤 お前も…。」

「俺は漏らさんよ。

 たっぷりもらったからなぁ 研究費を。」

三恵に誓約書を差し出す優佳。

「サインって どういう事ですか?」

「生まれてくる子に 迅速に

 日向家の跡継ぎとしての人生を

 開始させるための手続きです。

 1 出産後 子供に関する全ての権利を

   速やかに 日向家に譲り渡す。

 2 出産を代行した事を 決して 第三者に他言しない。」

「姉さん?」

「私が信用出来ないって言うんですか?」

「これは あなたにとっても 生涯にわたり

 日向家から十分な支援が約束される 重要な事。」

「私は お金のために圭子さんの子供を産む事を

 引き受けたわけじゃありません。

 愛する人の子供を産みたいっていう

 圭子さんの気持ちが

 痛いほど伝わって それで…。」

「子宮を貸したって言うの?

 なんの見返りも求めずに子宮を貸したって…。」

「いけませんか?」

「いけないわ。」

「姉さん…。」

「見返りのない善意ほど 
 
 信じられないものはない。」


「ひどい。」

「そうよ 姉さん。 言い過ぎだわ。」

「善意で子宮を貸したのなら サインだって出来るはず。」

「嫌です。

 産むのは私です。このおなかで育てた子供を

 品物みたいに取引するなんて絶対に嫌!」

「サインするの。」

「だったら…。

 おなかの子を堕ろします。」

「三恵さん ごめんなさい。

 ねえ 姉さん どうしたの?謝ってよ!

 姉さん!」

「フフッ ごめんなさい。

 三恵さんの本心 知りたかっただけなの。

 でも これでわかったわ 十分。」

誓約書をやぶく優佳。

「ふう…。やめてよね 姉さん。」

「フフフ…。」

「すいません 私も…。」

「三恵さんが謝る必要ないわ。

 仲良くしましょう。あっ 今 お茶入れるわね。

 驚かさないで。」

と姉に言って席をはずす圭子。

「三恵さん。

 私ね 人を裏切る事って 人を殺めるより

 罪深い事だと思って生きてるの。

 これからも ずっと。」


優佳の顔が怖い。

木嶋さん夫婦に説明する健吾。
食道がんで、子どもをあきらめて
がんの治療に専念するよういいますが
それを拒否する木嶋美保。

「おなかに赤ちゃんがいると 手術も治療も…。」

「私は 平気です。」

「しかし このまま放置してしまうと…。」

「諦めません。」

「美保。」

「元気になれば また赤ちゃんを

産める可能性があります。」

「私は もう母親なんです。

 この子は 私と主人の 長年の願いがかなって

 ようやく授かる事が出来た命なんです。

 私の事は結構です。

 この子を産ませてください。」

そのあと、夫のほうから

「先生。妻は ああ言っていますが

 がんの手術 進めてください。

 妻の命に危険があるなら

 そっちが先に決まってる。」

といわれる健吾。

「ごめんね…。

 ママ 病気になっちゃって。

 でも 大丈夫。

 絶対にあなたを産んであげるから。」

と泣いている美保の声がきこえて
きて切ない・・。

三恵の部屋をノックする圭子。
圭子は何かかいている最中。

「三恵さん。

 夕食の準備が出来たわ。

 三恵さんの好きなものばかり作ったから。」

食卓には・・お子様ランチのような
メニュー、そして海老フライが山盛り。

「さあ 遠慮しないでどんどん食べてね。

 三恵さんには 元気な赤ちゃんを

 産んでもらわなきゃならないんだから。

 どうしたの?」

口をおさえてはなれていく三恵。

「三恵さん?三恵さん…。大丈夫?」

「ごめんなさい。

 なんか 妊娠したら 

好み変わっちゃったみたいで。」

「つわり?」

どうみてもつわり。

育英会の報告会。

「ところで 皆様に1つ ご報告を。

 私の妻 日向圭子が妊娠致しました。

 もちろん 圭子にはこれからも 

 副理事長として 運営に関わらせますが

 今後 皆様の協力を賜る事も

 あるかと存じますので 

どうぞよろしくお願い致します。」

拍手。
そして顔をそらす元妻。

義母にお祝いの席ももうけてもらいました。
しかしなぜ前妻とその息子が・・?

「すみません。私のために こんな…。」

「いいのよ。

 こんな時にお祝いしないで

いつ お祝いするって言うの?

 この歳になって またもう一人

 孫が持てるなんて思わなかったわ。

 さあ 圭子さんから 遠慮しないで

箸つけてちょうだい。」

「あ… はい。 では 失礼して…。」

しかし箸がとまって口をおさえます。

「どうかした?」

「菊川から取り寄せた昆布巻き

 圭子さん 大好きだったでしょ?」

「すみません。

 妊娠したら なんだか味覚が変わったみたいで…。

 ごめんなさい。せっかくのお料理なのに。」

「ううん いいのよ。 仕方ないわ。」

「圭子さん 思い違いじゃないわよね?」

と前妻の希実代。

「えっ?」

「おめでたって。」

「何を言い出すんだ。」

「昨日 慶林大病院の塩野教授に

お会いしたんですけど

 圭子さんの事 何もご存じない

ご様子だったものですから。」

「敏雄さん?」

「ああ あの病院には 行かせてないんだ。」

「どういう事だ?」

「あそこは圭子にとって

 あまり いい思い出のある場所じゃ

ありませんから。

 実は 僕の同期生に 

産婦人科を開業してるのがいて

 そこで診てもらっています。」

「それならいいんだが。

 何しろ 日向家の 跡継ぎに関わる事だから。」

「そうそう。」

「これ 圭子さんにと思って。」

と指輪をみせる義母。

「これは?」

「日向家で 受け継いでもらいたいと思ってるの。

 希実代さんに つけてもらってたんだけど

 こんな事になっちゃったでしょ。

 だから これを機に あなたに。日向家の嫁として。」

それを希実代の前で渡すのもどうかと思うけど、、

「あ… ありがとうございます。」

帰り道の敏雄と圭子。

「希実代さん どういうつもりかしら?

 大学病院になんか行って…。

 探るような目で見てた。」

「気にするな。 結婚式の日の

 手術内容を知ってる者は少ない。」

「そうね… そうよね。

 いくら疑っても生まれてしまえば

 たとえDNA鑑定をしたとしても

 私とあなたの子供に間違いないんだわ。
 
 希実代さんが どう騒ごうと…。」

笑う圭子。

「君は強くなった。」

「そう?

 私 母親になったの。

 日向家の 跡継ぎの母親になったのよ。」

と指輪をはめた手を眺めます。

優佳に仕事のことでよびとめられた健吾。

「師長だったら どうします?」

「は?」

「母体か 胎児か命の選択を迫られたら…。

 すいません。 聞き流してください。」

「司馬先生。

 どっちにもいい顔しようとしていませんか?」

「えっ?」

「どっちにもほほ笑んでもらいたいと。

 医者は神様ではありません。

 全ての命を救う事は出来ません。」

という優佳。

美保の病室へいった健吾。

「起こしてしまいましたね。」

「いいえ。今 話していたんです 育美と。」

「いく…?」

「女の子ってわかってたから

 赤ちゃん もう名前を決めていたんです。

 先生。」

「はい。」

「私 もう十分 生きました。

 私のこれからの時間は

 育美に分け与えさせてください。」

敏雄が帰宅すると
圭子が鏡の前でおなかに
クッションをいれてチェックしていました。

「何をやってるんだ?」

「これから赤ちゃんが育っていくのに

 おなか平たいままじゃ 変に思われるでしょ。

 だから 用意しておこうと思って。」

「その格好で 外を出歩くつもりか?」

「みんなに見てもらわないと 意味がないでしょ。」

「必要以上に出歩くな。万が一 ばれたら…。」

「大丈夫。 万全よ。」

しかし敏雄の反応はクール。

健吾の病院にやってきた父。
怪我をしたシゲさんをつれてきました。

「早く診てもらわないと」

「あっ 司馬先生いましたよ。」

「おう 健ちゃん。」

「おう。」

「えっ!?」

「こんなところまで連れてきて

 感染症起こしたらどうするんだよ?

 近くに病院あったろ。」

「せがれが医者やってんのになんで

 他の病院行かなきゃならないんだよ。」

「けど ここは西と東。東京の反対側。

 シゲさんの迷惑も考えろよ。

 血のついたタオル 頭に当てて

 1時間も電車乗ってきたのかよ。」

「女子高生が… なんだ?携帯で 俺の写真撮ってた。

 なあ?

 なんだかんだ言っても 息子の顔 見たかったのよ。

 俺の怪我が ちょうどいい口実だ。」

「ああ〜!いらねえ事 言うんじゃねえよ。」

健吾の部屋でいっしょに鍋をたべる父。

それをきいて健吾も笑顔。

「それにしても 前の病院と比べて

 随分 味のあるとこだな。」

「はっきり言えよ ボロって。」

「でも 飛ばされちまって

 しょげ返ってるかと思ったけど

 ちゃんと 医者はやってるようじゃねえか。

 看護師さん そう言ってたぜ。」

「だから飛ばされたわけじゃないって。」

「よかった よかった。」

「ねえ 父さん。」

「ん?」

「母さん死んだ時 悲しかった?」

「なんだよ いきなり…。

 うん…。

 そりゃあ とってもな。」

「そうか…。でもな 今は 
 
 母さんの顔を思い浮かべると うれしくなる。」

「うれしい?」

「お前って形見を 残していってくれた人だから。」

「でも 母さんは 後悔してないのかな?」

「そりゃあ してるだろうよ。

 お前が先生様になった姿を

 見られなかったんだからな。

 なんかあったか?」

「別に。それはそうと 老けたな 親父。」

「何?」

「白髪 増えてる。」

「バカ野郎。 当たり前だろ。

 この歳で髪が黒々で フサフサだったら

 俺は妖怪人間だよ。」

そこへやってきた瑤子。

「あっ いたいた!やっぱり いるよね〜。

 ねえねえ もしかして 待っててくれた?

 一緒に ご飯食べよ。」

瑤子と父が顔をみあわせてびっくり。

そのあと、酒を飲んでねてしまった父に
毛布をかけてあげました。

「いいお父さんだね。」

「うん。瑶子は?」

「何?」

「親。」

「ああ… うん 元気だよ。

 でも 田舎が遠いからあんまり会ってないけど。」

「ふーん。 兄弟は?」

「ううん 私 一人っ子。」

「そう。」

「あっ そういえば 師長からの預かりもの忘れてた。」

「春日井師長が なんで 君に?」

「病院出がけに 師長に

 『司馬先生に会うでしょ?これ渡して』

 って 封筒出されて 

 私 つい『はい』って受け取っちゃって…。

 怒った?」

「怒ってないけど… 参ったなあ。」

「何? これ。」

「超低出生体重児の育成記録…?」

その後、水原先生に、胎児と母体 両方を助けたいと
くいさがる健吾。

「おいおい… がんなんだぜ?それも 若年性の。

 がん細胞は日ごと増えていく。

 お前のお勉強を がんは待ってくれないんだよ!」

「そうなんですが…全てが 教科書どおりの

 答えしかないものなんでしょうか?」

「患者の旦那だって 

 早く手術してくれって言ってるんだろ?」

「でも 胎児も人の命には違いありません!

 だから簡単に判断を下せないんです。」

「そんな事 俺に言うな。

 お前に言われなくてもわかってる。

 のんびりと胎児の成長を待ってたら

 他の臓器も取らなきゃいけなくなるんだよ。

 それが がんの現実。

 赤ん坊の声を聞いた時には
 
 その赤ん坊を抱くお母さんはな…。

 お前に説明しても時間の無駄だ。」

大学病院にやってきた健吾は
同期の竹内にあいました。

「何 嗅ぎ回ってんだ?新生児科なんかで。

 頸部食道がんの妊婦と23週の胎児か…。

 そりゃあ 厄介だな。」

「ああ。」

「ハハハ…。」

「なんだよ?」

「列一の貧乏病院に飛ばされてどれだけ

 腐ってるかと思ったら…。」

「俺は 飛ばされても 弾かれてもいない。」

「まあ 頑張れよ。

 そうだ お前のところに 

平井瑶子って看護師いるだろ?」

「ああ… いるよ。 どうして?

 あっ そうか… ここの病院で

 働いてたって言ってたっけ。

 何か伝えとく?」

「いや… いい。

 今度 ゆっくりメシでも。」

竹内はいってしまいました。

今度は院長にたのむ健吾。

「つまりあと1週間待つという事ですか?

 食道がんの摘出を。」

「24週目に入ってから帝王切開で取り出せば

 胎児が助かる可能性が高まります。」

「がんも あと1週間のさばる事になる。」

「茂田先生は どう考えますか?」

「確かに 24週に入れば帝王切開は可能だ。

 しかし 脳性麻痺や 知能障害が起きる可能性は

 否定出来ない。」

「慶林大学の新生児科に 24週で生まれた

 新生児の育成記録があります。

 それと同じ手法をとれば かなりの確率で

 障害のリスクを軽減出来るはずです。」

「取り出した赤ん坊の管理はここでは保証出来ない。」

「新生児科のある近くの病院に協力を頼んでみました。

 そうしたら 出産後 緊急搬送も NICUでの育成も

 引き受けてくれると内諾を得ました。」

「お前 無断で そんなとこまで話を進めてたのか?」

「すみません… でも これは

 患者さんの希望を第一に考えた結果です。」

「俺の立場からは賛成出来ない。

 でも 患者の希望を優先する事には反対しない。」

「そう あくまで患者さんの希望というのなら それが…。

 司馬先生 患者さんとご主人に

 リスクを含め しっかり説明してください。」

と院長。
健吾は木嶋夫妻に説明。

「1週間待てば 赤ちゃんは助かるんですか?」

「生存率が高まります。しかし リスクがあります。」

「リスク?」

「その1週間の間に

 食道がんの症状が進む可能性があります。」

「進むって どれぐらい?」

「一概に言えません。」

「だったらダメだ。俺は認められない。」

「私は待ちます。

 いえ… 40週になるまで

 私が赤ちゃんを抱っこしていたい。」

「それで取り返しのつかない事になったら どうするんだ!?

 俺は… お前のいない人生なんて考えられない…。」

「私と あなたのところに 赤ちゃんが来てくれてるの。

 奇跡でしょう?

 この子を あなたも愛してあげて。」

一週間待って手術をすることに。

「お母さんの温い体の中にもっといたかったろうにな。

 育ってくれよ。」

「大丈夫 育ちますよ。

 奇跡なんですから…。」

赤ちゃんははこばれていきました。

「水原先生 病理検査の結果がきました。」

「水原です。

「段端部からがん細胞が見つかりました」

「わかりました。

 気管まで切り込んだのに まだ切りきれてないぞ。」

「これ以上 切ると

 声帯にメスが入る事になりますが…。」

「これが子供のために 

 お前が待たせた1週間だ。

 でもな 声が出なくても 赤ちゃんは抱ける。

 よし あと3ミリ切ってくぞ。」

「はい。」

手術は終了。

圭子と敏雄。

「不思議よね… 最近ね 感じるの。」

「何を?」

「赤ちゃん。ここにね

 いるみたいに思う事があるの。」

「バカな事 言うなよ。」

「それに 体も準備を始めたみたいなの…。

 お母さんになる。

 きっと 私の赤ちゃんが 成長してるせいね。

 胸もね 張ってきたのよ。」

「そんなわけないだろう。」

「本当なんだから。

 触ってみて。」

圭子の手をふりはらう敏雄。

「よせよ。

 悪いが 今日は別で寝る。」

別室にいった敏雄が視線を感じて
ふりむくと、三恵がいました。
じっとみつめてドアをしめるのが不気味。

木嶋の夫からせめられる健吾。

「あんた 女房の声が出なくなる手術だなんて

 そんな事 一言も言ってなかったじゃないか!」

院長と話す健吾。

「リスクについては ちゃんと説明しましたよね?」

「はい そのつもりです。」

「つもり…?困りますね それは。

 もし 今医療訴訟など起こされたら 

 この病院は終わりです。」

「院長 私は当院を辞めさせて頂きます。」

「茂田先生 あんたが責任とる事じゃないでしょ。」

「そうじゃありませんよ。院長に嫌気がさしたんですよ。

 のらりくらりと話をはぐらかす院長に。

 あんたは いつだって そうだ!

 自分には責任のないふりをして逃げ回る。

 こっちが どんなに戦ってもこれじゃ報われないよ!」

「いいんですか?」

「止めませんよ 私は。」

「止められても気持ちは動かない。」

茂田先生がでていきました。

木嶋さんにあやまる健吾。

「すいませんでした!」

「謝るなら 美保を元に戻してくれ。」

「奥様の 大切な声を奪ってしまいました。

 しかし これからも戦わせてください。

 奥さんも お子さんも 

今 生きようと戦っています。

 まだ終わっていません。

 どうか お願いです。

 一緒に戦わせてください!」


と頭をさげる健吾。
そのとき看護師ガラスをたたきました。

「奥様がお目覚めになられましたよ。」

「美保…。」

健吾にむかって手を伸ばす美保。
健吾も部屋に入りその手を
つかむと、健吾の手をにぎって
微笑む美保。健吾、涙をこらえます。

三恵の部屋をのぞく圭子。

「三恵さん?」

三恵は寝ていました。
そのそばに寝転んで
おなかに手をあてて話しかける圭子。

「もうすぐね…。

 ママ 早く あなたに会いたいな。」

圭子はおなかにつめものをして
外へでてきました。

瑤子は誰かに電話。

「お願い 50万でいいの。

 そう… ちゃんと返す。本当だから。

 大学病院の先生ならなんとかなるでしょ?

 もしもし? もし…。」

電話はきられてしまい
そこへ糸川があらわれました。

「最近 お困りのようじゃない。」

「糸川さん…。」

「また こんなところで…。病室に戻らないと。」

「ごまかしてもダメだよ。

 病院中にばれたら 大事だよ。

 もっとうまくやらないと。」

患者からもらったお金を
ねこばばしているのもお見通し。

「何を言ってるんですか?なんの事だか…。」

「とぼけるんじゃないよ。

 まあ 話次第じゃこのお口に鍵かかるけど?」

「お金ならないわよ。」

「知ってるよ。

 はてな… さてな…どうしようか?

 肩でも揉んでもらおうかな。」

公園で赤ちゃん連れのママに
声をかける圭子。

「こんにちは。」

「こんにちは。」

「まあ かわいい!」

「あなたも もうすぐみたいね。」

「ええ。 もう今から待ち遠しくて。」

「ねえ どちら?」

「男の子です。 この子は…?」

「こっちもね 男の子。」

「あの… 抱かせてもらってもいいですか?」

赤ちゃんを抱かせてもらう圭子。

家に戻ると三恵がいない。
敏雄の車が戻り外へおりていく圭子、

「あなた 大変なの!三恵さんが…!」

「どうしたんだ? 血相変えて。」

「三恵さんの姿が…見当たらないの。」

すると車から三恵がおりてきました。

「三恵さん…。」

「散歩してもらったんだ下の公園で。」

「心配したのよ。

 本当に心配したんだから…。」

三恵をだきしめる圭子。
三恵は無表情。
圭子のお腹のクッションが
つぶれているのをみる敏雄。

敏雄と優佳。

「敏雄さん 圭子は 今母親としての

 喜びを味わっているだけです。

 わかってあげてください。」

「しかし このままじゃ 圭子が

 出産まで持たないんじゃないですか?」

「敏雄さんが 温かく見守ってくだされば…。」

「この前は 胸が張ってきたなんて言い出した。」

「それは典型的な想像妊娠。

おかしい事ではありません。」

「しかし…毎晩 腹の膨らんだ姿を鏡に映して

 その姿にうっとりした目をしたりして…。」

「まさか 計画を中止したいと

 おっしゃるんじゃないですよね?」

「いや そんな事は言ってない。

 今さら出来るわけがない。」

「安心しました。では 私は これで。

 それで うまくやっていますか?」

「何がですか?」

「三恵さん。」

一瞬の間。

「…ええ うまくやってますよ。」

ベッドの下にかくしてあった
ノートを見つけた圭子。

優佳に電話。

「はい 春日井ですが。」

「村澤です。

 三恵さんの事なんですが 

ちょっとした問題が。」

ノートをみた圭子。
中は妊娠日記というか
赤ちゃんにかたりかける言葉や
候補の名前が・・。

「何これ…?」

後ろに三恵がいました!!

村澤と優佳の会話。

「疑問があって 

 三恵さんの血液を精密検査に

出したんですよ。」

「わかりました。緊急の場合に備えて
 
 三恵さんの血液を少しずつ ためておく…。

 そういう事ですね?」

健吾に声をかける優佳。

「司馬先生。」

「はい。」

「質問に答えていませんでしたね。」

「質問?」

「母体と胎児 どちらを選ぶか。」

「師長なら どちらを?」

「私が母親なら 迷う事なく 胎児を選びます。」

「母親なら そうですよね。」

「いいえ。 胎児はもう一人の

自分になるからです。」


「自分…?」

圭子に声をかける三恵。

「どれも かわいいでしょう?

 もう3つに絞り込んだの この子の名前。」

「どういう事?」

「なんで?

 決めちゃいけないの?私が産むのに。

 ねえ 変よね? 芳幸。

 いや… 啓太君かな?

 それとも 敏雄パパのお名前 

ひとつ頂いて…。」


「やめて!」




三恵、最初は本当に圭子のための
つもりで途中で豹変したのか
それとも最初からその気で?
予告をみると、体外受精じゃないの?
でも圭子ひとりだったら三恵に
まんまとしてやられそうだけど
優佳がついてるしね。

健吾は熱血医者道を順調にいってますが
女を見る目はないです。
瑤子がたかっていたのは
あの同期の医者?

母体と胎児、母親なら
自分の命はなくとも
赤ちゃんを選びそうですが
夫は子どもよりも妻か。
(実際育ててくれる人がいなければだし・・)

あれで母が助かればいいけど
結局手遅れで命をおとしたあげく
新生児にも障害が残ったりしようものなら
妻の遺志は無視して提訴くらいされそうです。
妻の想いをしっかりうけとめてくれる
夫じゃないと。
命が助かって、赤ちゃんも無事なら
声が出ないリスクくらいは安いものですが。

三恵がこの調子だと出産まで
どうやってもっていくのか謎。
血液に問題があるというのは?
冒頭で出産後死んでたのは
三恵じゃないのかな〜。
しかしそうすると、周囲に話した
圭子の出産時期がずれてくるし・・。
ああ 先が気になる。




司馬健吾  岡田将生 
春日井優佳 中谷美紀
日向圭子  加藤あい
日向敏雄  長谷川博己
平井瑤子  大政絢
有馬三恵  鈴木杏
糸川要次郎 渡辺いっけい
水原良二  勝村政信
司馬宗吾  平田 満 
大久保志郎 小日向文世









2012.02.04 Saturday 08:13 | comments(0) | trackbacks(1) | 
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「聖なる怪物たち」第3話〜瑶子(大政絢)は泥棒!?
「聖なる怪物たち」第3話 濃厚すぎて、疲弊しちゃいそう・・・。 代理母・有馬三恵(鈴木杏)が、赤ちゃんの名前案をいくつも考えてノートに書き記していて、それを見つけた偽妊婦・圭子(加藤あい)。 不気味で怖い目をした三恵!! ドロドロやぁ!!! −
| 世事熟視〜コソダチP | 2012/02/04 2:48 PM |