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聖なる怪物たち 第4話

 第4話



『残酷な真実と 

それを包み隠す嘘があったら

 どちらを選ぶだろうか?

 嘘は ひとつつくと 

 それを塗り固める別の嘘が必要になる。

 人はやがて 嘘の重みに苦しみ

 真実を嘘に変えてしまおうとすらする。

 しかし 女たちには 

初めから嘘など存在しなかった。
 
 真実を作ろうとしていたからだ。

 彼女たちにとって

 現実の方が都合の悪い嘘だったのだ。』


ベッドにねそべってテレビをみて笑う三恵。

下では、義母からのおつかいの家政婦が
圭子をたずねてきていて、上の笑い声が
下まできこえ、2階のテレビが
つけっぱなしだったみたいで、と
苦しいいいわけをする圭子。

「三恵さん!

 人が来た時は 静かにしてって

 お願いしてあるわよね。」

「ごめんなさい。でも お母さんが笑うと

 赤ちゃんの胎教にもいいんですよ。」

義母からのおくりものをみせると

「高級なものばかり。

 子供に贅沢すぎませんか?」

という三恵。

「ありがたいじゃない。

 それだけ望まれてるっていう事なんだから。

 もうすぐ8か月なんだし。」

「いい天気ですねえ。

 私も たまには外に出たいなあ。」

「やめてよ。 誰かに見られたらどうするの?

 もう少し自覚を持ってちょうだい。」

「あ 蹴った。」

「えっ?」

「どうしたの? ご機嫌悪いの?

 叱られちゃったからね。」

うわー三恵・・。

「私は この子に言ったわけじゃ…!」

「私と この子は へその緒で繋がってるんです。

 だから 私への気持ちも この子に伝わっちゃうの。」

「違うわ。 私は あなたに言ったわけじゃないのよ。」

とおなかにむかってあわてて声をかける
圭子ですが立ちあがって避ける三恵。

「ごめんね〜 驚いちゃったね。
 
 マ ナ ト…。」

「マナト?」

「私の愛する赤ちゃんだから 

 愛する人と書いて 愛人。」

「愛する人…?それじゃ 愛人じゃない!」

「いいじゃないですか。

 母の子供への愛がこもってて。」

「勝手に名前つけないで!

 あなたの子供じゃないのよ!」

「赤ちゃんは 私のおなかの中で育ってるんです。

 あなたのおなかじゃない。」

そういって部屋をでていく三恵。

内科から、糸川の胃の画像を
みてほしいといわれ
みてみると、精密検査をする必要があり
それを糸川さんが嫌がってるらしい。

糸川は病院が危ないと患者相手に噂話。
そこへ優佳とともにいって診察する健吾。

「やっぱり 問題がある。」

「問題?」

「胃炎… いや 胃潰瘍じゃ済まないかもしれない。」

幼稚園での発表会?のあと
ママたちと話す圭子。

「ところで 赤ちゃん順調ですの?」

「ええ。 おかげさまで 母子ともに。」

「すっかりママの顔ね 圭子先生。」

「そうですか?」

「初産ですのよね?」

「ええ。ちょっと運動された方がよろしいかしら。」

「そうね 太りすぎかも。特におなかが。」

「圭子先生!遊ぼう!」ととびついてきた
園児たちが、圭子のおなかに赤ちゃんがいるときいて
おなかをさすり、それをごまかして
ケーキをとったときにおなかのつめものが
すとんと下のほうにおちた・・!
あわててうわぎでおなかをかくす敏雄。

「どうなさいました?」

「きっと冷えたんでしょう。」

「誰か 救急車を呼びなさい。」

「いえ 大丈夫です!」

と圭子と敏雄が同時。

敏雄が圭子を連れ出しましたが
園児2人にはみられた・・!

糸川は検査から逃げそれを説得する健吾たち。

三恵の血液をとりにきた姉。

「それで 保護者には気づかれていないのね?」

「見られてないと思う。」

「圭子 もう産休取りなさい。

 いくら三恵さんを隠したって

 あなたがボロを出せばおしまいじゃない。」

「あと ひとパックぐらい 貯めておきたいわね。

 万が一に備えて。

 出産を確実なものにしたいから。」

下のリビングにおりた圭子と優佳。

「姉さん。 三恵さんの事が気になるの。」

「また何かあったの?」

「おなかの中の赤ちゃんに

 また勝手に名前つけて 呼びかけるの。

 それも ホストみたいな下品な名前。」

「放っておきなさい。」

「でも 我慢出来ないわ。」

「おなかに赤ちゃんいるんだから

 母性が芽生えても仕方ない。

 子供は100パーセントあなたのもの。

 生まれてしまえば

赤ちゃんを母として抱くのは あなた。

 三恵さんの手には触れる事すらないんだから。」

「…そうね。

 ねえ 姉さん。一緒に食事してって。

 敏雄さんももうすぐ帰ってくるの。」

そして4人で夕食をいっしょにとることに。

「楽しいわ。 久しぶりにみんなで食事が出来て。

 ここのところ 三恵さんと

ずっと2人きりだったから。」

塩を手にした三恵に

「あ 三恵さん。ドレッシング使って。

 私が作ったの。」と圭子。

「大丈夫です。」

といって塩をふりかける三恵。

「ちょっと 塩分取りすぎじゃない?」

無視してこしょうもかけました。

「ねえ 三恵さん。

 あなたが口にするものは 

私の赤ちゃんの体の中に入るの。」

「大丈夫。 この子も私の味覚になってるから。」

塩と胡椒をかけたサラダの皿を
とりあげる圭子。

「圭子は 少し神経質になりすぎだ。

 おいしく食べた方がストレスがたまらない。」

お皿をもとに戻す敏雄と笑顔をみせる三恵。

「音楽でもかけましょうか。」

「モーツァルトならやめてください。」

「どうして?胎教にいいのよ?」

「同じ曲 何度も聞かされると 

 ストレスになるんで。」

「音楽なんかなくてもいいじゃないか 圭子。」

場の空気がこわい・・。

ナイフをおとしてしまう三恵。
敏雄が拾いました。

「…ナイフ 取ってくるわね。」

「いいです。

もうおなかいっぱいになっちゃった。」

院長のところへやってきた健吾。
内視鏡の調子が悪く診断に支障が
あるそうで、
「もう限界かな。なんとかしないとね。」
と答える院長。
健吾のまわりで、この病院で

「うん やっぱりいいや。

 内視鏡は なんとかするからね。」

「院長。

 少しは寝てくださいね。」

と心配する健吾に
「寝てる 寝てる。」と笑ってみせる院長は
金策に・・。

こには敏雄もいました。

「分野は違っても 同じ地域同士ですから。」

「日向さん。大久保さんは病院の経営者なんです。

 おっしゃるとおり 分野は違うが

 日向さんとともに 

社会的貢献度の高い事業をなさっている。」

「そうですね。」

「そして ともに2代目。

 大久保さんは お父上の

起こされた病院を守る事に 懸命だ。」

「地域医療の充実を継続させないといけないと 

 今も その維持に…。」

「今日は あくまで 

大久保さんのご紹介という事で…。」

「どうか ご支援を。

 いえ ご貢献を賜れないかと思いまして。

 今 地域医療は…。」

「大久保さん。年下の私が 不遜かもしれないが

 同じ聖職者として申し上げたい。

 誰かの懐に頼るのではなく 自分で道を切り開く事。

 それが 将来のためになるんじゃないですか?

 そして 同じ2代目として。

 家業を守るのは金ではない。誇りと 高い志。

 私は そう思って生きている。失礼します。」

冷たい敏雄の対応。
院長だけがのこされました。

三恵の部屋にいった圭子。

「はい。 プレゼント。」

「またですか?義理のお母さんから?」

「いいえ。それは姉さんからよ。

 赤ちゃんにじゃなくてあなたにって。」

ぬいぐるみでした。

「アハハ… かわいい!

 やさしいんですね お姉さん。

 私も妹にしてもらおうかな。」

大学病院にやってきた健吾。

「なんで お前がスタッフ探しまでしてんだ?」

「うちの院長 今 大変そうだから 力になりたくて。」

「そんなの放っといて

こっちへ戻ってくる算段つけろよ。

 お前までつぶれるぞ。」

「うん…。」

「お前 医者の本分忘れてないか?」

「医者の本分?」

「医局で上に行く事だ。それが医者として大切な事。」

「そんな事ない。」

「…なあ。」

「うん?」

「俺 平井瑶子ってナースの事聞いたよな?」

「その事なんだけど…。」

「一緒に住んでるんだって?」

「なんで知ってるんだよ?」

「俺 昔 瑶子と付き合ってたんだよ。」

「へえ…。」

ショックだけど平静を装いました。

「ショックだった?」

「…べつに。 昔の事だろ?」

「この前 あいつ 俺に金借りに来た。」

「…金?」

「200万。貸してはいないけど。」

そのことを思いだしていると
瑤子が帰宅。

「ただいま。健吾と久しぶりにご飯だから

 すき焼きのお肉 高いのにしちゃった。」

「ありがとう。」

「じゃ すぐ作るね。」

「あのな 瑶子。」

「ん?」

そこへ平井から電話。

「金は用意出来たか?」

「何? どうした?」

「ううん。 なんでもないよ。

 よし。 すき焼き すき焼き…。」

宗吾の床屋にいた平井!!

「親父さん 一人でやってるんですか?」

「ええ。息子は成人しちまったんで。」

「この人の息子はね お医者様なんですよ。」

とシゲさん。

「ほお〜 そりゃすごい。」

「余計な事言うんじゃねえ。」

「兄さん あなた 何やってる人だい?」

「公務員です 安月給の。」

「公務員か…。 今の時代 お役所勤めが一番ですよ。」

「いやいや いやいや。 こっちの方。」

「警察の人?」

「因果な商売ですよ。縁遠くて まだ独身。
 
 息子さんは?」

「独身 独身。

 でもね 美人ナースと同棲中でね。」

とまたシゲさんが勝手に。

「黙ってろ もう!ヘヘヘ… もう そろそろね

 身を固めてくれると安心なんですが…。」

病院。隠れる糸川。

「一体 いつまで 逃げ回ってるつもりですか?「」

「いいだろ! 本人が検査しねえって言ってんだ!

 ったく…! 医者ってのは無神経野郎の集まりか!?」

「心配だから言ってるんですよ。」

「お前ら…病人作りたがってるだけだろ?

 患者なんかいい金づるだと思って!」

「糸川さん。」

「もう放っといてくれよ!」

圭子の家に義母がやってきました。

「大変!日向のお義母様が見えたわ!

 何してるの? 早く隠れて!」

「あっ 圭子さんも。」

「ん?」

おなかがぺったんこ。

「あっ…。」

あわてておなかにクッションをいれました。

義母と前妻の子と前妻 希実代まで!!

「突然で ごめんなさいね。

 圭子さんが 幼稚園で具合悪くなって倒れたって

 希実代さんが知らせてくれたもんだから。」

「倒れただなんて 大げさです。

ちょっと冷えただけで…。」

「いけませんよ。 冷えただけなんて。

 この子は大切な赤ちゃんなんですから。」

「すみません。 気をつけます。」

階段の上からみていた三恵がくしゃみをし
あわてて自分もくしゃみをする圭子。

「あら… 大丈夫?

 圭子さん風邪じゃないでしょうね?」

「あ… 本当に大丈夫ですから。」

「あと ふた月もしないうちに産まれてくるのね。」

「ええ。もう 本当に待ち遠しくて。」

「子供の名前は もう考えてあるから 

楽しみにしてて。」

「え?」

「敏雄さんの名前も

 先代のお母様が名付けてくれたの。

 だから 今度は 私が。」

「お義母様が…。」

「それから 子供が産まれたら 

 本家で一緒に暮らしましょうね。」

「御本家で?」

「この子は日向家の大切な跡取りなの。

 だから 私が ちゃんと

目配りしてないといけないでしょう?

 あなたには お仕事もあるし。」

「お気遣い ありがとうございます。でも…。」

「日向家の跡取りを産める事を 

 名誉に思ってくれるでしょ?」

「もちろんです。」

「そうだわ!

 お友達のデザイナーが新作を発表したの。

 気に入ったものがあったら言ってちょうだい。」

「素敵!」と希実代。

「気が早いけど これは私からの出産祝いにさせて。」

「あ… こんな高価なもの…。」

三恵が部屋にいく足音がきこえる
前妻の息子。
たまたまた読んでいた本と内容がかさなって
上が気になります。

「昭輔君。 お二階には行かないでね。」

「いいじゃないですか。

 以前は 2階に 

昭輔の部屋があったんですもの。」

階段を上って二階にいく昭輔。
二階が気になってしかたない圭子。
昭輔はドアをあけました。
ベッドの上にはぬいぐるみ。
クローゼットがぎぎ〜っと勝手にあいて
そちらに近づいて、息をはいてから
絵本の内容を思い出しながら
うんと間をとって視聴者をひきつけてから
あけたところ・・・何もなし。

三恵、ベッドの下にかくれていました。
が、床におちていたものを拾おうとして
かがんでベッドの下をみた・・!

「もう結構です!

 私 お義母様が選んでくださったものを

 ありがたく頂きますから。」

ときりあげようとする圭子。
義母たちが帰っていきました。

「ばあば…。」

「何?」

「2階のお部屋ね…ベッドの下に 

  お化けがいた。」

「そう…。

 昭輔。そういう事は他の人には

 言っちゃダメよ。」

三恵の部屋にいく圭子。

「ああ… 疲れた…。」

「圭子さん。」

「何?」

「この子… 生まれたら 

日向家で暮らすんですか?」

「あ… 聞こえてたの?

 わからないけど 日向家の意向なら…。」

「日向家 日向家って なんですか?

 この子 圭子さんの子じゃないんですか?

 これじゃ 自分の子だなんて あなたには言えない。

 あなたにとって この子は なんですか?

 日向家で 自分の立場を守るための道具?」

「違うわ!

 私は…敏雄さんの子供が欲しいだけ。

 あなたに何がわかるって言うの!」

圭子は姉の病院へいき
健吾に声をかけられました。

「師長の妹さんだったんですね。」

「…どこかで お会いしましたか?」

「あっ 以前 師長といらっしゃるところを。」

「あ…。 日向と言います。

 結婚して 姉と姓は違いますが 姉妹なんです。」

「外科の司馬です。

 お姉さんには いつもお世話になっています。

 おめでたですか?」

「あ… 8か月なんです。

 初めての出産で 不安もあるんですけど

 とっても楽しみ。

 奇跡が見られるんですから。」

「奇跡…?」

「この子が来て そう思えるようになったんです。

 愛する人と巡り合って  結婚して

 そして来た命が この子。

 奇跡としか思えないでしょ?」

「元気な赤ちゃんを産んでくださいね。」

「ありがとうございます。」

隠れて見ていた姉。

「フラフラこんなところに来ちゃダメよ。

 どうせ今夜は 三恵さんの採血に行くんだから。」

「それで…。

 これから理事の奥様方との食事会なの。」

「いいじゃない。息抜きしてらっしゃいよ。」

「三恵さんが心配なの。

 一人に させられない気が…。」

「わかった。

 あなたが帰ってくるまで見張っておくわ。」

健吾は瑤子にこの間のことをたずねました。

「200万円も 何に必要なんだよ。」

「言わなきゃ… いけない?」

「竹内には言ったんだろ?

 確かに 俺に言われても 

 200万円なんて無理だけど 

心配になるじゃない。」

「心配しないで。」

「でも 瑤子の問題は俺の問題だと…。」

「ごめんなさい。

 健吾にだって…言えない事もあるの。」

瑤子は去って行き、そこへ呼び出し。
糸川が苦しそう。

「病院抜け出してこんなに飲んだくれちゃって。

 この人の脱走はしょっちゅうだけど

 ここまで荒れたの俺が知る限り 初めてだよ。」

「何やってんだよ。

 ご家族交えて 相談してみます。」

「家族なんていないよ。」

「え?いえ いつも奥さんの話…。」

「嘘だよ。嘘?いたのは昔の話。

 一家離散したらしい…事業の失敗で。

 今はその場しのぎに生きてるだけ。

 ちょっとしたケガや病気こさえちゃあ ここに来て。」

「どうして…。」

「ここしか居場所がないからです。」と優佳。

「だったらどうして逃げ回るんですか?」

「怖いんです。」

「怖い…。」

「病気を知ると 自分の命と向き合う事になる。

 支えてくれる家族もいない。

 一人で立ち向かう覚悟もない。

 だから逃げるんです。」

つきそっていた健吾がうとうとして
目をあけると糸川がいない。
はっとするとカーテンのかげのいました。

「ここにいると…色んな患者を見る。

 末期がんだって告知されて

 それだけで 自分から死んじまった奴がいたよ。

 その時はバカだねえって思ったけど…。

 病気のレッテル あちこちに貼って

 病人演じてた奴が 本当の病気になっちまった。」

「糸川さん。」

「ん?」

「今日 命が奇跡だって 

思い出させてくれた人がいました。」

「随分と大げさだなあ。」

「そうですか?

 僕が今 ここにいるの…

 母が 自分の命と引き換えに

産んでくれたからなんです。

 この地球に産まれてくるだけで

 十分 奇跡なんですよね… 僕たち。

 この頃 医者の仕事って治すんじゃなくて

 患者さんと一緒に…

 命と向き合う仕事なんだって思えてきたんです。

 糸川さん…。

 僕が向き合いますから… 一緒に。」


三恵の採血のためにたずねてきた優佳。
でも三恵がいない。
ベッドの上には優佳があげたぬいぐるみ。

「もしもし。三恵さんが?逃げた!?」

圭子に連絡をいれたあと
部屋の電話の発信履歴をみてリダイヤル。

「はい 南野タクシーです。もしもし?」

「もしもし」

ホテルにいた三恵が
あっさりみつかりました。

「ありがとうございました。

 妹は無事なようなので あとは2人で解決します。

 さあ 戻りましょうか。」

いっしょにきた運転手は先に帰ります。

「なんで…?」

「タクシーの運転手さんが教えてくれたの。

 ここで あなたを降ろしたって。

 遺書を残して妹が出て行ったって言ったら
 
 みんな 協力してくれたわ。」

ベッドの上にあったかばんを
優佳がひっくりかえすと
現金の束がはいっていました。

とりあえず優佳の家に。

「私 もう戻りませんから。あの家には 絶対。」

「どうしちゃったの?何が不満なの?」

「圭子さんのお説教 もう こりごりなんです。

 息が詰まって このままじゃ 私 変になりそう。」

「みんな あなたの事を心配してるのよ。

 敏雄さんも とてもあなたの事 気にかけてるわね。

 それは そうよね。

 あなたのおなかにいるの

 圭子と敏雄さんの子なんだから。

 そうでしょ?」

「ええ。」

「この子のおなかの中にもいるの。

 可哀想に 置いてかれて。

 あなたの部屋から連れてきたわ。

 あなたの口から全てを聞かせてくれないかしら。」

「なんの事ですか?」

「あなたと敏雄さんどういう関係?」

「そんな…決まってるじゃないですか。」

「言って。

 この子のおなかから 盗聴器が出てくる前に。

 私 前に言ったわよね。

 人を裏切る事って

 人を殺めるより 

罪深い事だと思ってるって。」


りんごをむいていたナイフで
ぬいぐるみのおなかを斬り裂きました。

「誘ってきたのは

理事長の方です。

 出来た子を

代理出産に見せかけようっていう話も

 理事長が…。」


ぬいぐるみをうばって中をみる三恵。
でも中には何もはいっていない。

「だましたんですか?」

圭子も家に戻りました。

「一体 どこにいたの?」

「そんなに慌てて帰ってこなくてもよかったのに。」

「すいません。

 私 外出出来なくて イライラして つい…。」

仕事中の敏雄の元へやってきた優佳。

「どうされましたか?」

「敏雄さんのように 

 将来 人の上に立つ事を約束された方は

 小さい頃から帝王学を学ばれるんでしょう?」

「ええ。父から教えられました。

 組織作り 人の動かし方 目標の持たせ方。」

「嘘のつき方も?」

「そうかもしれません。

 プラトンも言っています。

 『時に 人の上に立つ者は

 高貴な嘘をつく必要がある』と。」

「あなたがついた嘘も その高貴な嘘?」

「僕は嘘なんかつかない。」

「逃亡資金にされたら困るので 

 三恵さんから回収しました。

 あなたが渡した手付金。」

札束を敏雄のほうへ投げつけました。

「三恵さん 全てを話してくれました。

 あなたと出会い…。」

『元気な人だ。』

「誘われ…。」

『現場の声を聞かせてほしいんだ。』

『今夜ですか?』

「そして ベッドをともにした。」

「たった一度だけの事だ。」

「その一度に 三恵さんは妊娠してしまった。

 皮肉ですね。

 望むところには出来ず 望まれないところに出来た。

 三恵さんは絶対に中絶しないと頑なだった。

 それで困っていたあなたは…。」

「あなたと圭子が持ちかけてきた代理出産話にのった。

 村澤を抱き込んで。」

「あなたの傲慢さが作り出した子供を
 
 圭子との子に見せかけて産ませようとした。

 初めから代理出産なんて

 代理母すら存在しなかったんじゃないですか。」

「そう。 これが最良の策だ。

 これは 圭子への愛ですよ。

 もし 真実をさらしていたら 

 圭子はボロボロになっていた。

 とにかく 僕の血が入っていれば 

 僕の跡取りには違いない。」


「聖職者が聞いて呆れます。」

「フッ…。話しましょうか? 圭子に。」

「いいえ。

 始めた時から戻れない運命。

 DNA鑑定さえしなければ 

誰にも気づかれない事です。」


「嘘をついていて 

申し訳ありませんでした。」


「私は 嘘に貴いも卑しいもないと思います。

 でも あなたは 一生

 その高貴な嘘をつきとおしてください。

 それがあなたに科せられた罰です。」


敏雄を待っていた院長は
敏雄のあとから優佳がでてくるのをみて
驚きをかくせないようす。

糸川さんが検査を受けることに。

「面倒くせえが 若様の頼みじゃ しゃあねえや!

 晩飯は早く済ませろってよ。」

「糸川さん 戦いましょう。」

「もう戦闘体勢か?

 若様 俺から一つ忠告だ。」

「なんですか?」

「危ないぜ…ああいうタイプの女は。」

そばを通った瑤子。

「あの…用意出来ました お金。」

と患者さん。

「これで 最新の治療をして頂けますよ。」

院長によばれた優佳。

「お話というのはなんでしょうか?」

「あっ じゃあ… 単刀直入に。

 聖応育英会の日向さんと 知り合いなの?」

「そうですが。」

「あの どんな?」

「日向さんは 妹の夫です。」

「そう! 妹さんの。」

「それで?」

「いや… ちょっとお願い出来ないかと思ってね。

 融資の件で。 一度手ひどく断られてしまってね。」

「お引き受け出来ません。」

「そこをなんとか…。」

「無理です。」

三恵と圭子。
何事もなかったかのように食事。

「無事でよかったわ。

 本当 三恵さんが帰ってきてくれて…。」

「心配かけて すみませんでした。」

「もう全部 忘れましょう。

 2人で赤ちゃんの事 楽しみに待ちましょう。

 もう少しなんだから。」

「これからは 元気な赤ちゃんを産む事だけ考えます。

 この子は 圭子さんから預かった 大切な命ですから。」

「ありがとう。」

「赤ちゃんの名前は圭子さんがつけてくださいね。」

「三恵さん…。」

「ハハッ…。

 もう あなたのママは泣き虫でちゅね〜。」

「ごめんなさい。」

涙をふくために席をたつ圭子。

仕事中の健吾。

「そういえば先日

師長の妹さんにお目にかかりました。」

「そうですか。」

「もうすぐ出産なんだそうですね。」

「ええ。」

「妹さんに お礼言いたいです。

 妹さんに 命との向き合い方 教わったんです。

 赤ちゃん どちらかわかってるんですか?」

「男の子です。私の甥になります。」

「初産ですか?」

「難産になると思います。

 でも 必ず 無事に産ませてみせます。

 どんな事をしても…。」


「今日は静かですね。」

「珍しく急患もないですから。」

圭子がもどってくると
また三恵がおらず
でていく準備をして立っていた三恵。

「どうしたの?

 だましたのね…。」

「この子は 私の子。

 誰にも渡さない。」

「三恵さん…。

 三恵さん 待って!

 三恵さん!三恵さん!」

追いかけて外へ出ると
階段の途中で倒れている三恵!

「赤ちゃん… 赤ちゃんが…。

 私の赤ちゃん…。

 三恵さん!三恵さん! 三恵さん!」




三恵のおなかの子は敏雄と三恵の子・・!
敏雄も悪そうなところもあるけど
まだ優佳のほうがその上行ってるように
みえるし、そこまで大胆なことをするとは
思わなかった。
自分の職場の幼稚園教諭に手をつけるとか。
(遊ぶならもっと違うタイプにすりゃいいのに。)

前妻を妊娠させ、圭子も妊娠させ、
三恵も一回で・・って
子孫繁栄に向いたタイプではあるなw

でもほんとのことを知ったら
圭子は今度こそ精神崩壊しかねないので
言えないだろうというのもわかってて
強気にでるところとか本当に嫌なやつ・・。
それをのむしかない優佳も
できたらこんなこんな男、殺ってしまいたい
と思うくらいでは・・。
大事な妹を結婚させるなら
健吾みたいな男がいいのにねえ。

健吾はまだ騙されてますが
糸川を味方につけたから
引き返せないようになる前に
なんとかならないのかなあ。

予告をみていると
もしかして階段からおちて
そのまま出産へ・・・?
生まれた後もいろいろありそう。





司馬健吾  岡田将生 
春日井優佳 中谷美紀
日向圭子  加藤あい
日向敏雄  長谷川博己
平井瑤子  大政絢
有馬三恵  鈴木杏
糸川要次郎 渡辺いっけい
水原良二  勝村政信
司馬宗吾  平田 満 
大久保志郎 小日向文世









2012.02.10 Friday 19:13 | comments(0) | trackbacks(2) | 
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【聖なる怪物たち】第4話
残酷な真実とそれを包み隠す嘘があったら、どちらを選ぶだろうか? 嘘は一つつくとそれを塗り固める別の嘘が必要になる。 人は、やがて嘘の重みに苦しみ、真実を嘘に変えてしまおうとすらする。 しかし...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2012/02/10 10:10 PM |
《聖なる怪物たち》#04
(健吾)
| まぁ、お茶でも | 2012/02/11 11:49 PM |