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聖なる怪物たち 第5話

第5話



何も知らない健吾は、妊婦を死なせてしまい、
父親も誰なのかわからない赤ん坊を
残してしまったことで、激しい自責の念にかられる。
「なぜ妊婦は亡くなってしまったのか」
「この赤ん坊は誰の子なのか」
健吾はその真実を突き止めるため、周囲の静止を聞かず、
ひとりで調べ始める。そこで健吾を待っていた衝撃の事実とは?



出ていこうとして階段で転んでしまった三恵。

当直中の健吾。

『その夜 僕は 母の夢を見ていた。

 写真でしかその顔を知らない母。』

「あ… 母さん…。」


雷が健吾の顔を照らします。

優佳に電話をかけてきた圭子。

「もしもし。どうしたの? こんな時間に。」

「えっ? 何?

 もっと ゆっくりしゃべって。

 何言ってるのか わからないわ。」

「だから 三恵さんが…。

 三恵さんが 階段から落ちて…血が止まらないの…!

「ああっ! ああーっ!」

「三恵さん! 三恵さん!」

「とにかく落ち着いて。

 どの辺りを打ったか わかる?

 三恵さんは 話せる?」

「めまいがするって言って

 気持ち悪いって言って 吐いたわ。」

「呼吸は? 脈は確認した?」

「わからないわ そんなの!

 ねえ 姉さん どうしよう!

 敏雄さんも… 村澤先生も連絡が取れないの。

 ああー!三恵さん? 三恵さん?

 ねえ もうすぐ救急車 呼ぶわ。」

「だめよ 圭子。」

「でも 三恵さんが…!」

「彼女をこっちに運びなさい。

 私がどうにかする。

 あなたの車で運ぶの。 いい?」

「どうしよう…。無理よ! 出来ないわ そんなの!

「落ち着きなさい 圭子!

 大丈夫だから。私の言うとおりにして。

 冷蔵庫に輸血用の血液が保存してある。

 それを一緒に持ってきて。

 病院にある血液では対応出来ないから。

 病院に着いたら三恵さんと血液を

 その場で降ろして 圭子は すぐに帰りなさい。

 くれぐれも誰にも見られないようにするのよ。」

車で三恵をはこぶ圭子。

「出来るわね?あなた お母さんなんだから。」

お母さんという声でおちつきました。

敏雄は留守電。

「夜食 買ってきました。

 雨 降ってきましたよ。」

と戻ってきた瑤子は巡回へ。
外はひどい雨。

『夢の中の母は なぜだか

 とても悲しそうな顔をしていて

 思えば それは

 何かの予兆だったのかもしれない。』


雨の中、病院についた車。
三恵をその場において
苦しそうな三恵に

「頑張って…。」

と声をかけて車を出す圭子。

一話目にここから続くのか。

それを窓からみていた優佳は外へでて
さけびました。

「誰か! 手を貸して!」

「助けて…。」

「大丈夫。 必ず助ける。

 誰に 何を聞かれても黙っていて。」

「師長 どうしたんですか?」

「ストレッチャー! 早く!」

「はい!」

「飛び込み出産の妊婦です。急いでください。」

「どうするんですか?産婦人科医もいないのに…。」

「受け入れ先を見つけます。」

「マスクつけますよ。」

「患者さんを処置室へお願いします。」

三恵は中へはこびこまれました。
糸川ものぞきに。

いっしょにあった血液を
院内の血液パックと
いれかえる優佳。

「大丈夫ですか?お名前 言えますか?

 ここは病院です。 わかりますか?」

「どうしましょう?」

「オペになるかもしれない。血液型を確認しよう。」

「はい。」

「採血して。」

「ちょっとチクッとしますよ。」

敏雄は優佳に電話。

「あっ 先ほどは すいません。

 会議中だったもので。

 彼女が?」

「ええ。 三恵さんはこちらで受け入れました。

 敏雄さんは圭子についていてください。

 だいぶ取り乱しているようなので。

 処置が終わったら連絡します。」

と電話をきったそばに糸川が。

「あっ 見つかっちゃった〜。」

「院内は禁煙です。

 明日は 検査の予定ですよね?

 早く部屋に戻って寝てください。」

「まあ そう堅い事 言わないでさ。」

「救急の患者さんがいるので失礼します。」

寝ていた健吾を起こしす優佳。

「先生。起きてください。 先生!」

「師長…。」

「急いで来てください。 急患です。」

「飛び込みで妊婦が?」

「はい。」

「状態は?」

「出血多量 脈弱く 意識レベルも低下。

 腹部が異常に張っています。」

「そんな状態なら一刻も早く 他の病院で…。」

「見つからないんです。」

「周産期医療センターは?」

「手術中ですぐには無理だそうです。

 院長も水原先生も連絡がつきません。

 先生に診て頂くしか。」

「そんな…。

 胎盤が剥離してる…。

 早期胎盤剥離だ。」

「心拍はどうですか? 赤ちゃんの。」

「今のところは。」

「内診しますね。」

「はい。失礼します。 足を上げますね。」

「胎盤が子宮口にかかっています。

 通常の分娩は無理だと思います。」

「早く帝王切開しないと 母体も胎児も危ないって事ですか?

 師長 僕には無理です。

 帝王切開なんて経験ないし なんとか他の病院へ…。」

「到着するまで母体と胎児はもちますか?」

苦しそうな三恵。

「先生。」

「帝王切開します。」

三恵に顔を近づけて

「帝王切開するから 気をしっかり持って。」

という優佳の腕をガシっとつかむ三恵。

家に戻った敏雄。

「一体 何があった?

 おい 圭子。」

「三恵さんが… 階段から落ちて…。

 血が… 血がいっぱい出て…。

 どうしよう… 赤ちゃんが…。

 ねえ 私の赤ちゃんが死んじゃう!ねえ!

 私 どうすればいいの!」

「大丈夫だ 圭子!」

帝王切開で男の子を出産。
赤ちゃんの産声がきこえました。

「胎盤の剥離は完了。

 これで あとは縫合すれば…。」

「先生 持針器です。」

「ありがとう。」

そのときアラームがなりました。

「血圧39。」

「出血量が増えています。」

「ドーパミン ノルアド追加してください。」

「追加した。」

「くそ… なんでだ!」

「血圧 上がらない。輸血全開で!」

「持針器です。」「輸血全開!」

「出血量 1000超えてます。」

しかし血圧はさがりつづけ
真相マッサージをするも脈が戻らない。

「戻れ!

 赤ちゃんを一人にする気か!

 逝くんじゃない!

 戻ってくれ!」


心拍停止の音と赤ちゃんの泣き声・・。

「くそ… なんでだ!」

「諦めないで 続けて!」

と叫ぶ優佳。

院長もよびだされました。

「こんな時間に申し訳ありません。」

「身元不明の妊婦だって?」

「はい。持ち物を調べましたが

 身分を証明するようなものは 

 何も持っていませんでした。」

「師長がついていながら

 なんで 飛び込み出産なんて受け入れたんですか?」

「他の受け入れ先を探したんですが

 どこもいっぱいで…。」

「それで 患者の容体は?」

「今 司馬先生が蘇生を試みています。」

「蘇生だって?」

心臓マッサージをつづける健吾。

「戻れ! 戻ってくれ!」

そこへ院長もはいってきました。

「司馬先生 もう十分です。

 その手を止めなさい。

 聞こえないのか!やめろと言ってんだ!」

「院長…。」

「これ以上はご遺体を傷つけるだけです。」

「司馬先生 宣刻を。」

「午前2時49分…死亡を確認しました。」

「では 皆さんあとの処置をお願いします。

 私は これから 警察に連絡してきます。」

とでていく院長。

つったったままの健吾。

「先生?」

ものにあたりちらす健吾。

「なんでだよ!」

院長も苦悩・・。

「なんで こう 次から次へと…。」

電話の受話器をとろうとしたのを
とめる優佳。

「師長。」

「あまり早まらない方が いいかと思いますが。

 警察へ連絡するのは待つべきです。」

「しかし 身元不明の遺体を

 そのまま放っておくわけにはいかないでしょう。

 それに 解剖の必要だって…。」

「院長は そんなにこの病院を潰したいんですか?」

「何を言ってる…。」

「もし 下手に騒ぎたてて 医療ミスでも見つかれば

 今度こそ この病院は おしまいです!

 ここは病院です。

 遺族が患者の死になんの疑問を抱かないとすれば

 どうして わざわざ解剖する必要があるんです?」

「春日井君…君 何を言ってるんだ?」

優佳に着信。

「もしもし。

 いいえ 残念ながら…。

 ええ。こちらにいらっしゃいます。

 院長 あなたとお話ししたいそうです。」

「私と? 誰が?」

「ご遺族です。」

と微笑む優佳。

「よろしくお願いします。」と電話をきる敏雄。

「私が殺したの…。私が三恵さん殺したの…。」

「落ち着け 圭子。」

「あの時… あの時 無理に追いかけたりしなければ…。」

「やめないか!」

「姉さん…。」

「おい 圭子!」

「姉さん!圭子!」

「だって…。」

「聞いてくれ!

 あれは事故だ。 事故だったんだ。」

「だって… だって…!」

「母親の君が そんなにうろたえてどうする!?」

「母親…?」

「赤ちゃんは 無事に生まれた。

 間違いなく 僕と圭子の子供だ。

 君は母親になったんだ。

 だから しっかりしてくれ。

 生まれてきた赤ちゃんのためにも。」

「これから… どうするの?」

「僕に任せておきなさい。

 必ず 君に赤ちゃんを抱かせてやるから。」

圭子をだきしめる敏雄。

三恵の遺体に布をかける瑤子。
放心状態の健吾に声をかける優佳。

「司馬先生。

 先生… 大丈夫ですか?」

「何か?」

「院長がお呼びです。」

「わかりました。」

そのあと優佳は瑤子に声をかけました。

「ちょっとお話があるの。」

糸川がかくれてきいていました!

「出来ません そんな事!」

「なぜ?」

「だって 病院の規則じゃ…。」

「あなたに 規則を どうこう言う資格があるのかしら?」

「どういう意味ですか?」

「あなたのやっている事…私が知らないとでも思って?」

「でも…。」

「これは司馬先生のためでもあるの。

 もし万が一  さっきの処置にミスがあったとしたら…。

 そこまで言えば わかるわね?」

瑤子の手をとって微笑みかける優佳。

院長室にいった健吾。

「どうぞ かけて。

 ほら! 遠慮しないでかけなさいってば。

 さっきは 大きな声出してすまなかったね。

 こっちも 突然の事にびっくりしちゃったものだから。」

「院長。すいません。」

「おいおい どうしたんだよ。

 いきなりそんな風に頭なんか下げて。」

「僕のせいです。

 僕が 不慣れな帝王切開なんてしたから

 だから あの患者さんは…。」

「それはどうかな?

 春日井師長から聞いたんだけど

 受け入れてくれる病院 なかったそうじゃない。

 もし あのまま何もせず手をこまねいて 見ていたら

 君は 今よりも もっと後悔してたんじゃないのか?

 それとも君は 自分のしたオペに 何かミスでもあったと?」

「いや それは…。」

「確かに今回の事は残念だ。

 でも医師として 患者の死は 避けて通れない事でもある。

 肝心な事は 今日の経験をこの先 どう生かすか。

 そうじゃないかい?

 さあ 今日は帰って 休みなさい。」

「しかし…。」

「あとは私が代わります。

 1人で よく頑張ってくれたね。

 司馬先生。

 いや… ご苦労様でした。」

帰宅した健吾。
瑤子が声をかけました。

「健吾?」

台所にすわりこんでビールを飲んでいる健吾。

「起きてたんだ。

 お酒 飲んでるの?

 ダメだよ飲めないくせに無茶しちゃ。」

「なんでだよ…。」

「え?」

「助けられると思ったのに…。」

「助けたじゃない。

 妊婦さんは残念だったけど
 
 でも 健吾のおかげで赤ちゃんは無事だったの。」

「無事…?

 あの子を母親のない子にしておいて?」

「健吾…。」

「あの子は この先ずっと 

 母親の顔を知らずに育っていくんだぞ。」

「お願いだから もうこれ以上 自分を責めないで。

 健吾は精一杯やった。仕方がなかったのよ。」

「いや もし執刀したのが俺じゃなかったら

 あの患者は死なずに済んだかもしれない!

 人一人の命も救えないで…。

 何が医者だ…!」

健吾、苦しそう・・。

赤ちゃんはベビー室で元気そう。

実家にやってきた健吾。

「珍しいな。

 お前から わざわざ 髪切ってくれだなんてよ。」

「ここのところ忙しかったから

 気分転換でもしようと思って。」

「だったら バッサリいくか?」

「揃えるだけでいいって。気取りやがって。

 お偉い先生様なら 

 青山辺りの美容院にでも行きゃあいいものを。」

「駆け出しの医者が そんな贅沢 出来るわけないだろ。」

「お前ただでやってもらうつもりじゃねえだろうな?」

「違うのかよ。」

「当たり前だ。商売だぞ。

 せがれのくせに親父の店 潰す気か?

 で どうだよ? その後。」

「ん?」

「瑶子ちゃんだっけか?うまくいってるのか?」

「まあ…。」

「あの子 器量良しだからな。
 
 誰かに取られないように気をつけろよ。

 けどよ 母さん 生きてたら喜んだろうな。

 お前に彼女が出来た事。
 
 それを見ずに逝っちまうなんて…。

 なんだ? 泣いてるのか?」

「違うよ。 髪が目に入っただけ。」

「バカ野郎!」

泣いている健吾。

家をたずねた優佳と敏雄。

「村澤から連絡がありました。

 明日 成田に着いたら そのまま準備にかかるそうです。」

「では あとは手筈どおりに。」

三恵のノートをみていた圭子。

「姉さん…。」

「大丈夫?

 三恵さん 最後まで一生懸命 頑張ってた。

 元気な赤ちゃんを生もうとして。

 三恵さんが与えてくれた命

 三恵さんのためにも 大切にしなきゃね。」

三恵の遺体が搬送されました。

「よろしくお願いします。」

赤ちゃんをつれていく敏雄。

「お世話になりました。」

「師長。」

「司馬先生。」

「今のは…?」

「あの患者のご家族です。

 警察からの連絡で身元が判明したので

 引き取りに見えました。」

おいかけようとする健吾の腕をつかんで
とめる優佳。

「せめて 一言 お悔やみを…。」

「ご家族は手術の事を 納得してくださっています。

 全力を尽くしてくれて ありがとうとおっしゃって…。」

腕をふりほどいて車をおっていく健吾。
タクシーの中から敏雄がふりかえっていますが
おいつけず。
みえなくなる車に頭をさげる健吾。

そしてまた通常業務。
水原先生といっしょに救急の患者。

「聞いたぞ 健吾ちゃん。

 とうとう患者をナニしたんだってな。

 なんで飛び込みの妊婦なんか受けるかね。

 俺だったら1億積まれても断るね。

 いや 1億積まれたら やるかもな。

 冗談だよ。 そう暗い顔すんな。

 赤ちゃんは無事だったんだろ?

 少なくとも1人は助けたわけだ。

 それでいいんじゃねえか。」

脱臼の患者の処置のときに
あのときのことを思い出して
手がとまってしまう健吾。

「どうした?」

「すいません。」

手が震えて部屋からでていってしまいました。

屋上にいると糸川が声をかけました。

「若様。昨日 検査受けたぞ。

 胃カメラが苦しいの 苦しくないのって。

 オエッてなるどころじゃなかったぞ。

 本当 ここの医者はヤブばっかりだな。」

「すいません。本当は僕がやるはずだったのに。」

「いいっていいって。若様も色々大変だったんだろ?

 なあ 若様よ。

 俺の身に何かあった時はもちろん

 若様が執刀してくれるんだろ?」

顔をそらしてうつむく健吾。

「おいおい… しっかりしてくれよ。

 あんた この前俺の命と向き合うって言ってくれたよな?

 だったら 最後までちゃんと責任とってくれ。」

「すいません…。」

「それに あの患者が死んだのは 

 あんたのせいじゃない。」


その発言に驚く健吾。そこへ瑤子が。

「糸川さん!こんなところにいたんですか。

 そろそろ検温の時間ですよ。お部屋に戻ってください。」

「へいへい。 そんなわけで 若様

 検査結果が出たらちゃんと知らせてくれよ。」

敏雄の会議中に連絡が。

「会議中 失礼します。」

「どうした?妻が?」

「ええ。」

「たった今 病院から連絡が入りまして。

 あ… 失礼。

 この会議はこれまでとさせてください。

 圭子が… 妻が病院に運ばれたと 連絡を受けました。

 どうやら 急に産気づいたらしい。」

「それは大変だ。」

「だったら すぐに 行ってあげないと。」

「無事に生まれるよう祈ってます。」

「ありがとう。 では 失礼。」

不審そうにみおくる元妻。
さがしものをする健吾。

「司馬先生 何してるんですか?」

「ちょうどよかった。手術記録はどこかな?」

「手術記録…。あの妊婦さんのですか?」

「そう。 どこに保管したの?」

「あ… 記録なら 

 師長がまとめて院長に提出しましたけど。」

「そう… ありがとう。」

健吾、院長のところへ。

「なぜ 今さらあの患者の記録を?

 ご遺体はご家族が引き取られたんだし

 何が気になるっていうんです?」

「知りたいんです 僕は。

 あの患者はなぜ亡くなったのか?」

「術中に 容体の急変した患者が 死に至る。

 別に珍しいケースじゃないでしょう。」

「ですから なぜ急変したのか 

 その理由が知りたいんです。」

資料をみせてくれる院長。

「院長 理由がどこにも…。」

「司馬先生 あなたの処置は見事なものだ。

 胎盤の剥離 子宮の縫合

 これで 教科書どおり 子宮の収縮が起こり

 出血は収まるはずだった。

 しかし 予想に反して出血は止まらなかった。

 そのため 患者は出血性ショックを起こし死亡した。

 ベテランの産婦人科医なら ある段階で

 術式を子宮動脈塞栓術に切り替えるか

 子宮を摘出して 止血を図ったでしょうね。

 そうすれば患者の命は救えたかもしれない。」

「それじゃ 僕のせいで…。」

「あなたは あなたなりに出来る事をやった。

 ただ経験が少なかったというだけです。

 今のあなたに 

 あれ以上の措置を求めるのは酷というものだ。」

「ご家族は その事を…?」

「いいえ。 言う必要ありますかね?

 あの時 この病院では 

 出来るだけの事をしたんですから。」

「ですが…。」

「司馬先生は正しかった。

 それでいいじゃありませんか。

 それとも 下手に騒ぎ立てて

 君は この病院を潰す気なのか?

 悔やむならもっと経験を積みなさい。

 それが今 あなたに出来る唯一の事です。

 話は以上です。さあ 仕事に戻ってください。」

「院長。」

「聞こえなかったんですか?

 もう話す事はないと言ってるんです。」

棺に三恵のノートをいれてあげる優佳。

「よろしくお願い致します。」

他の看護師ににもたずねる健吾。

「あの患者さんのご家族についてですか?」

「ご遺体の引き渡しの時に立ち会ってたよね?」

「住所とか わからないかと思って。」

「それなら 事務の方に聞けばわかると思いますけど。

 中村さん 点滴交換しますね。」

三恵の遺体は火葬場へ。
みおくるのは優佳だけ。

『一つの命が死を迎え…

 一つの命が誕生した。』


赤ちゃんを抱く圭子。

「私の… 赤ちゃん…。」

「ああ。

 早速 名前を考えないといけないな。」

「だったら もう決めてあるの。

 慶ぶって書いて 『慶』。」

「慶か… いい名前だ。」

『多くのものを犠牲にし

 嘘を真実に変えて ようやく

 手にした新しい命。』



三恵をさがしにきたのは平井。
よりによって希実代に・・。

「あの…。」

「何か?」

「こちらで働いてた

 有馬三恵という女性を捜してるんですが…。」

「有馬さん?」

「幼稚園の方で聞いたら

 ずっと前に辞めたとかで。」

「ああ…。

 確かに有馬さんならこちらで働いてましたけど。

 失礼ですが あなたは…?」

健吾も三恵の身辺をさがしているところ。

「万人町の3丁目ってどの辺りですか?」

「3丁目? ここは2丁目なんで

 あっちの方じゃないですか?」

「ありがとうございます。

 万人町の3丁目ってどの辺りですか?」

「あっちかなあ?」

「ありがとうございます。」

交番にいってたずねました。

「『ない』って… もう一度調べてみてもらえませんか?」

「いや もう一度調べるも何も 存在しないんですよね。

 あなたの言う この住所自体が。」

「え…?」

「何か お困りですか?」

『この身にまとった 聖なる仮面で

 その命を 守り続けようと思っていた。』


遺骨をかかえて歩く優佳。

「あ… 確か 司馬先生ですよね?」

 大久保記念病院の。」

「はい。ですが どうして…?」

健吾に声をかけた平井。

『だが 私は知らなかった。

 無垢なるものが持つ

 その恐ろしいまでの情熱を。』




完璧な計画にみえて
突発的な事故だったこともあり
糸川がきいてたり、信用ならない瑤子に
協力させたり穴がいっぱい。
あっというまに無垢なるもの=健吾に
ばれてそうですが予告をみると
健吾は権力(敏雄か)の前に
成すすべもなしってことか。
健吾じゃダメだろうけど
平井なら悪知恵働かないかな。

糸川もうっかり消されないように気をつけないと。

平井って瑶子の元カレかヒモかと
思ってたけどよくみたら名字がいっしょ。
きょうだいとか?(まさか夫ではないよね?)

圭子はパニックになってましたが
赤ちゃんさえあたえておけば
たぶん大丈夫。
だけど実は自分の子じゃないとわかったら・・・。

いずれにしても子どもが一番かわいそう。




司馬健吾  岡田将生 
春日井優佳 中谷美紀
日向圭子  加藤あい
日向敏雄  長谷川博己
平井瑤子  大政絢
有馬三恵  鈴木杏
糸川要次郎 渡辺いっけい
水原良二  勝村政信
司馬宗吾  平田 満 
大久保志郎 小日向文世









2012.02.17 Friday 18:36 | comments(0) | trackbacks(3) | 
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【聖なる怪物たち】第5話
その夜、僕は母の夢を見ていた。 写真でしかその顔を知らない母。 夢の中の母は、なぜだかとても悲しそうな顔をしていて… 思えば、それは何かの予兆だったのかもしれない。 「聖なる怪物たち」第5...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2012/02/17 11:50 PM |
《聖なる怪物たち》#05
春日井のPHSが鳴った。 妹の圭子が、三恵が階段から落ちて、出血が止まらないと興奮状態でしゃべっていた。 産婦人科医のいる病院とは連絡が取れなかった。妹を叱咤しながら、三恵を大久保記念病院に運ばせようとした。さらに冷蔵庫に三恵の血液が保存してあるから、そ
| まぁ、お茶でも | 2012/02/19 12:03 AM |
聖なる怪物たち」第5話
三恵が階段から落下---  救急車を呼べば今までの計画が全て終わってしまうーー --自分の車で 私のところに運びなさい!-- 狼狽する妹は姉の命ずるままに大久保病院前に三恵を置いて走り去った。 1話冒頭で優佳がみつけた急患の妊婦は。 姉妹が共謀して運ばれて
| shaberiba | 2012/02/19 1:19 AM |