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37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜第5話「医者から近くて遠い存在」

第5話「医者から近くて遠い存在」



谷口(桐山漣)が看護師に薬の処方を指示する際、
新見(斎藤工)から伝えられた誤った分量をそのまま
指示するミスが発生。直美(真飛聖)が間違いに気づいて
大事には至らなかったが、谷口と新見が看護師に
ミスの責任をなすりつけ、一方的にナースのミスと
されてしまった。結果、谷口と直美は険悪なムードに
なってしまう。 直美は看護師がミスを押しつけられることは
日常茶飯事だと祐太(草ナギ剛)に話し、医師への不信感を
露わに。大病院では、医師ー看護師の間には目に見えない
ヒエラルキーが存在する、と言う。去り際に直美は、
祐太の担当患者に肺炎の兆候があることを告げる。
そんな折、直美の娘・葵(大出菜々子)が病院にやって来た。
葵は直美の離婚した夫に引き取られていたが、
再婚を決めた父親に反発して家を飛び出してきたらしい。
困り果てた直美は、研修医のいる医師控え室に預けることに。
下田(八乙女光)や谷口は迷惑顔。瑞希(水川あさみ)は
まだ11歳ながら小生意気な葵にあ然とするばかり。
一方、直美の指摘のおかげで患者の肺炎を発見できた祐太は、
改めて看護師の重要性を認識し、日頃から患者の状態を
つぶさに観察している看護師と連携する重要性を痛感。
そこで祐太は、直美に頼み込んでカンファレンスに出席させ、
佐伯教授にある提案をするのだが・・・。その結果で
直美と祐太の間にも深い溝が生まれてしまうことに




ゴルフコンペ。
ショットの掛け声が・・・。

「糖 尿 病!」とか「胃 潰 瘍!」

佐伯教授へのヨイショは今日も全力名
中島先生たち。

「年季が違うよ。ゴルフのほうも 持病のほうも。」

って教授、糖尿なの?
毎回毎回お菓子食べてるけど。

「肝機能障害4年目の私なんかは まだまだですな。」

「あぁ〜 まだまだだね。我々にとっちゃ

 勲章だからね 医者の不養生って言葉は。」

あんなに食べてたら悪化しそう。

「それにしてもやっぱり欠席だったね 森下先生。」

「ええ。 経過を見ておきたい患者がいると おっしゃって。」

「そんなものに興味を持つなんて。

 ナースに任しておけばいいのに。

 ふっ…つくづく変わった医者だよ 彼は。」

朝から腰に片手で栄養ドリンクを飲む師長。

下田先生は患者さんの投薬の量をたずねられ
指導医の先生に確認。

沢村先生はナースに言われる前に
指導医の先生に確認済み。

そして谷口先生は・・

「谷口先生アミノフィリンの分量は?」

「あっ… え〜っと…。

 10mlだと思いますけど…聞いてきます。あっ…。」

「違うよ。 10gだろ!」

「そうなんですか?あっ はい すいません。 はい。」

それをきいたナースはびっくり。

「10g!? ほんとにですか?」

「ええ。新見先生に確認しましたから間違いありません。」

「でも この患者さんの状態だと…。」

「とにかく そう指示されたんだから間違いありません。

 言われたとおりにしてください。」

なのに新見先生が怒ってやってきました。

「アミノフィリン10gって誰が そんな指示 出したんだよ!」

「私は 谷口先生から新見先生の指示だって。」

「で 師長が私のとこに確認しにきてくれて…

 まあ 普通の判断なら10mlですからね。」

「当然です。 俺が そんなミスするわけないじゃないですか。」

「絶対してる。」と沢村先生。

「何?」

「何でもないで〜す。」

「そうすると 谷口先生か永井さんの聞き間違えなのかな?」

「いや… でも…。」

「お前さちゃんと医学部 出てんだったら

 聞き間違えでもこんなミスしないぞ。」

「もちろんです。

 だから 僕も ちゃんと10mlって
 
 伝えたつもりだったんですけど…。」

谷口先生、ナースにミスをおしつけ。

「そんな…。」

「間違いありません。僕は ちゃんと伝えました。」

「こう言ってますけど 師長。」

「そうですね。多分 永井さんのミスです。」

「師長…。」

「ご迷惑かけて申し訳ありません。

 永井さんも謝って。」

「でも…。」

「いいから。」

「すいませんでした。」

「すいませんじゃ 済まないよ。

 ナースのくせにこんな ばかばかしいことに

 中島先生まで巻き込んで。」

「私のほうからよく言っておきますから。」

「頼みますよ ほんとに。」

「こっちは ナースと違って患者の命 預かってんですから。」

「谷口先生も もういいですね。」

「ええ。 まあ…。」

「では 失礼します。あっ それと

 今日は学生たちが実習に来ますから。」

研修医の部屋に戻った谷口先生たち。

「はははぁ〜 参ったよ もう。」

「参ったよ じゃねぇよ おい。

 今の完全に新見のミスだろ。」

「いや だって ほらああしないと収まらないじゃない。

 師長だって ナースのミスだって言ってくれたし。」

「谷口先生が途中で なすりつけたからでしょ。」

「そんなこと言われても…。ねぇ 紺野先生。」

「まあ 医者とナースの連携が取れてないのが問題ですよね。

 ミスも多くなるし 効率 悪いし。」

「連携も何も完全に見下してるっしょ。

 ナースのくせにとか言っちゃって。

 体質の古い大学病院ってパワハラの認識 薄いから。」

「今はナースも四年制大学 出てる

 学士さんのほうが多いじゃないですか。

 僕らと変わりませんよ。」

「だからって ナースに治療の判断は できませんよ。

 基本 ドクターの指示待ちです。」

「お前 そういうこと言ってっと本格的に嫌われるぞ。」

「うちの父さんも言ってたから。

 ドクターとナースの間には
 
 広くて深〜い河があるって。」


「河…。」

学生さんが谷口先生の処置をガン見。

「あの… そんな集まらなくても。」

「師長さんから参考になるって言われたので。」

「そう…。」

「あ痛たたた…。痛いよ ちょっと。」

と痛がる患者さん。

師長に怒られました。

「何考えてるんですか?

 患者さんの腕に14回も針 刺すなんて。」

「いや いつもはもっと うまくいくんですけど。」

「その割に担当してる患者さん

 みんな 腕が傷だらけですよ。」

「すいませんでした。」

「そろそろ 点滴ぐらいできるようになってもらわないと。」

「やっぱ 仕返しされたよ。学生の前で生き恥さらされて。

 広くて深い河に突き落とされてる。」

「自覚を持ってください。」

「すいませんでした。」

そのあと師長に声をかける祐太。

「いや 谷口先生のこと怒ってるかなと思って。」

「ナースがミス押しつけられるのなんて日常茶飯事よ。」

「怒ってるよね? やっぱり。」

「べつに。私 もともと研修医のこと大っ嫌いだし。」

「どうして?」

「使えないくせにドクター気取りだから。

 で 大抵は使えないまんま研修終わって

 ナースに威張りちらすようになるわけ。」

「みんなが みんなそうじゃないと思うけど。」

「しかたないわよ。医者って そういうものだから。

 紺野先生も 病気のほうに

 目がいくようになってきたみたいだしね。」

「どういう意味?」

「担当の河合さんマイコプラズマ肺炎併発してるかも。」

「マイコプラズマ肺炎?」

「うん。聴診のとき 肺にファインクラックルが聴こえてた。

 前にも似たような患者いたから。」

「今朝の体温は安定してたけど。ん?」

「この看護記録 見てみたら?

 ふだん 目通さないでしょ。」

「こんなに細かく。」

「私たちナースは常に患者の状態に神経使ってんの。

 仕事の合間に様子見にくる医者と違ってね。

 あっ まあ 判断任せるわよ。

 こっちは指示されたことしかできないんだから。」

「ちょっと待って。詳しく聞きたいから。」

そのころ、ナースセンターに
やってきた女の子 葵。

「相澤直美いますか?

 生き別れの娘が来たって伝えてください。

 あっ いた。」

「葵。」

葵はとりあえず研修医の部屋へ。

「相澤師長の娘って マジっすか?」

「こんな大きい子 いたんだ。」

「驚くことないでしょ。あの人も37だし。」

「あの人って…。」

「別れた旦那さんのほうで暮らしてるそうです。」

「向こうのほうが経済的に安定してるしね。」

「なるほど。」

「とりあえず師長が 仕事終わるまで

 ここにいてもらいますからよろしくお願いします。」

「何?この負のオーラの塊みたいな人。」

ライフゼロ状態の谷口先生。

「さっき ぼろぼろにされたの。あなたのママに。」

「ふ〜ん。 ドクターのくせにナースより弱いんだ。」

「相澤師長の娘?」

「そうだけど。」

「目力 一緒だ…。」

「いてもいいけどおとなしく座ってて。

 ここ いろいろ大事な資料とかたくさんあるから。」

「11歳ってそんなに子供じゃないんだけど。」

「あのさ 怖くないわけ?病院の先生とか 注射とか。」

「私のパパ ドクターだから。」

PCを操作。

「有名みたいね けっこう。たまに テレビ出てるし。」

「スーパードクターかよ。」

看護記録を熱心にみる祐太。

師長は夫に連絡。

「2〜3日って無理よ。私も仕事あるんだから。

 学校は どうするの?

 母親だからって…。

 ちょ… ちょっと待って。もう…。」

児童館。すずと林田。
すずが帰ろうとしたら林田は掃除中。

『優しさって 大切だと思いませんか?』

「この間の。

 気 悪くされたなら 謝ります。

 でもまあ… 俺は それでいいかなって思ってるんで。

 あの べつに この足のことで

 特別扱いとか必要ないんです。

 他人もそうですけど 家族でも友達でも

 恋人でも いつも優しくとか 心配とかされたくないし。

 自分が必要なときだけでいいんですよ。

 欲しいときに 欲しい人から

 欲しい分だけもらうのが楽なんです。」

『わがままです』

「みんな それが普通じゃないすか?」

答えにつまるすず。
透析中のすずを迎えにきた母。

「近くまで来たから一緒に帰ろうと思って。」

『そんなに心配?』

「そりゃ 1人で帰らせるのはちょっとね。

 お父さんからも言われてるし。」

医学雑誌を森下先生にみせる中島先生。

「来週発売の「ロンセット」です。」

「おめでとう。「ロンセット」に論文が載るなんて

 大したもんだ。」

「あぁ いや。僕も まさかと思ったんですけど。」

「佐伯教授には?」

「あぁ 先ほど報告しました。

 それで森下先生にも見ていただくよう言われましたので。」

「ははっ… 君のこと見習えって言いたいわけだ。」

「森下先生。

 あっ 僕が こんなこと言うのはせん越なんですけれど

 もう少し 佐伯先生に歩み寄ったほうがいいのでは?」

「俺は 佐伯教授の引きで総合内科に来た。

 現場での仕事もしっかりこなしてるし

 十分 歩み寄ってるつもりだよ。」

「組織の一員としての話です。

 佐伯先生は 森下先生のことを

 高く評価されてるわけですから。」

「あの人の評価の基準は自分にとって

 損か得かだけだろ。中島先生。

 忠告は感謝する。」

そのあと森下先生は祐太と新見先生が
言い合いをしているのを目撃。

「だから 今から検査部に頼んだって断られますって。」

「患者の安全を考えれば時間なんて関係ないですよ。」

「ナースの言うことなんて

いちいち相手にする必要ありませんから。」

「ですけど…。」

「どうした?」

「あっ。 いや 何でも。」

「森下先生 河合さんの寒冷凝集素検査をしたいんです。」

「詳しい話を聞こう。」

研修医の部屋。

「1年ぶりって 母親と1年も会ってなかったの?」

「月一で会う約束だったけど勉強とか仕事とか

 お互い忙しくて。まあ おばあちゃんは

 あの人と会って いい顔しないし。」

「何か 冷めてんな。」

「しかたないでしょ。離婚して もう5年だしね。」

「参考書随分 先 行ってるみたいだけど。」

「高校受験用。 親からドクターになれって言われてんの。」

「親が医者だとやっぱ言われんだなぁ。

 お前んとこも昔から こんな感じ?」

「まあね。」

そこへ師長がきました。

「帰るわよ。今日 早引け させてもらったから。」

「帰るって どっちに?」

「パパに電話したら 今日は 泊めていいって。」

「そっ。」

「ごめんなさいね預かってもらっちゃって。」

「いや べつに いいすけど。」

「僕は非常識だと思いますよ。

 職場に子供 連れてくるなんて。」

「おい。」

「嫌われたみたいね。」

「気にする必要ないですよ。」

「まあね。 じゃあ お先に。」

「お疲れさまです。」

「お疲れさまでした。」

「お疲れさま。」と葵。

「何つうか…。生意気。」

いっしょに歩きながら
フーセンガムをふくらます葵。

「行儀悪いわよ。」

「脳細胞が活性化するからってパパに言われてんの。」

「そっ…。」

「いる?無糖だけど。」

「いらない。」

「そっ…。」

すずの部屋にやってきた父。

「あぁ ただいま。

 いや… 母さんから お前が元気がないって聞いたから。」

『別に 大丈夫だけど』

「そうか。 ならいいんだ。

 あまり夜更かしは するなよ。」

『まだ早いでしょ』

「健康には 寝るのが一番なんだと。

 こないだ 新聞に書いてあった。

 あぁ そうだ 今度な お前の主治医の先生に

 挨拶に行こうかと思ってるから。」

『どうして?』

「これからのこと相談するんだよ。

 手術とか いろいろ。

 お前の幸せが懸かってるんだ。

 私も母さんもできるかぎりのことはするから。」

『やめてよ そういうの』

「何が?」

『そういう過保護なの

 息が詰まるの。

 私の体のことで 特別扱いしないで』

「すず…。」

『もう寝るから』

「おやすみ。」

メールしようとして
胸をおさえるすず。

翌日。

「紺野先生 昨日の河合さんの検査結果 出ました。

 検査部の連中相当 不機嫌でしたけど。」

「すいません。 それで 結果は?」

「後で ご本人にもお伝えします。

 言っときますけど 森下先生に

 気に入られてるからって調子に乗らないでくださいよ。」

師長と葵は外で朝ごはん。

「ごめん。1人暮らしだと朝ご飯 用意しないから。」

「これから 用意する気ないの?

 聞いてるでしょ?パパのこと。」

「一応ね。」

「私 遊びにきたんじゃなくて家出してきたんだけど。」

「ん…。

 帰りなさい。

 向こうの家にいたほうが あなたのためだから。」

「私のためって 何?」

「葵…。」

「無責任なこと言わないでよ!」

患者さんに結果を伝える新見先生たち。

「マイコプラズマ肺炎?」

「昨日の検査でわかりました。

 ですが 早期に発見できたんで

 これから治療を行なえば問題ないと思います。」

「大丈夫ですよ 河合さん。」

「じゃあ カンファレンスの準備 お願いします。」

「わかりました。」

祐太はナースセンターへ。

「すいません。僕が担当してる患者さんの

 看護記録 見せてくれますか?」

「あっ いいですけど。はい。」

「すごいですね。

 患者さん全員分ここまで詳細に記録するなんて。」

「相澤師長の方針です。

 先生方は病気を見てるけど

 私たちナースは患者さんを見てなきゃいけないからって。」

そこへ師長がまた子連れで。

「あっ 悪いんだけど今日も この子部屋に置いといてくれる?」

「2日連続かよ!」

「気にしないで。こっちも気にしないから。」

「気にしないでって言われても。 なぁ。」

「僕には関係ないよ。」

でていく谷口先生。

「大丈夫なんすかね?紺野先生。」

「相澤師長 今日 夜勤なんですけど。」

「だから私も ここに泊まる。」

「1人で留守番できるでしょ11歳なんだから。」

「家に1人で置いときたくないんでしょ。

 自分の生活荒らされるの嫌いだから あの人。」

沢村先生をよぶ祐太。

「沢村先生 ちょっと。」

屋上へ師長もよびました。

「何よ? 預かるって。」

「何で私の家なんですか。」

「だって女の子ですよ。

 僕らのアパートなら 病院からも近いですし

 相澤さんも安心だろうし。」

「べつに預かるのは いいんですけど

 あからさまに ぎすぎすしてるの見せられると 気になるんで。」

「葵ちゃんと何かあったの?」

「再婚するのよ 父親が。

 それが嫌でうちに来たみたいだけど
 
 もう 私にはどうしようもないから。

 しかたないでしょ 

 受け入れてあげたって

 私が あの子のためにできることなんて 何もないし…。

 何か恥ずかしいわね。高校の同級生に こんな話するの。」

「そんなの べつに…。」

「だって あのころは考えたことなかったもの。

 自分が まさか バツイチになって

 子供のことで悩んでるなんて。

 じゃあ… よろしく。」

「ちょっと待って。

 もう1つ 相談があるんだけど。」

そして内科のカンファレンス。

「えぇ〜 まず紺野先生からの報告なんですが。」

「よろしくお願いします。」

「いや その前にですね…。

 どうして相澤師長が ここに?」

「僕のほうからカンファレンスの参加をお願いしました。」

「ほう。」

「どういうことですか? 紺野先生。」

「昨日 相澤師長の指摘を受けて検査をした結果

 入院中の河合さんが 

 マイコプラズマ肺炎にり患していることがわかりました。

 つまり 師長は僕や新見先生が見落としていた

 患者の危機を救ったんです。」

「いや だから…たまたまですって そんなの。」

「そうでしょうか?

 ナースの皆さんは 僕ら医師より

 患者さんと接する機会が多いですし

 状態の変化に対しても

 正確な判断を下せる立場だと思いますが。」

「それがナースの仕事ですから。

 その報告を受けて治療するのが我々 医師の仕事です。」

「おっしゃるとおりです。ですから僕は

 今後 カンファレンスにナースの皆さんも
 
 参加してもらえるよう提案したいんです。」

「よりよい治療を行なうためには

 書類や報告で上がってくる以外に

 じかに患者さんと接しているナースの意見を

 もっと重要視すべきです。

 患者さんにはナースコールは あっても

 ドクターコールはないんですから。

 企業でも例えば 1つの商品を作るとき

 開発やマーケティング 営業など異なるセクションの人間が

 集まって話し合うのが普通です。

 同じように 患者の治療に関わるナースの皆さんが

 医者と一緒にカンファレンスに参加するのは

 当然のことではないでしょうか。」

「大学病院は企業じゃないんですよ。」

「だが 面白い意見ではあるな。

 今の紺野先生の意見私は正論だと思います。

 複数の疾患を持つ患者を抱える総合内科病棟で

 よりよい治療を実現するためには

 ドクターとナースの垣根を越えて

 意見交換することが極めて有益だと思いますが。」

と味方してくれる森下先生。

「なるほど。確かに 理にかなった意見だ。」

と佐伯教授。

「佐伯先生 しかし…。」

「検討していただけますか?」

「そうだね 検討しよう。」

「ありがとうございます。」

「う〜ん…。

 じゃあ 検討した結果 却下だね。」

「えっ…。」

「だから その提案は却下です 今 ここで。」

「あの さっき 検討してくださると。」

「したよ 3秒ほどねぇ。」

「理由は何ですか?」と沢村先生。

「カンファレンスは 高度な医療知識を持ったドクターが

 議論する場所だ。ナースが同じレベルで

 参加できないというのが1つ。

 それから もう1つはね 紺野先生…。

 ここは市中病院じゃないんだよ。

 大学病院で より重要なのは研究なんだ。

 日常の患者の世話はナースに任せればいい。

 我々が同じ土俵に立つ必要もない。

 わかったかね? 紺野先生。

 時間がもったいないな。中島先生 先へ進めて。」

「わかりました。相澤師長 すいませんが…。」

「失礼しました。」

でていく師長。

廊下で母にあっても目をそらし
いってしまう葵。

葵のことを頼む師長。

「もし 何かあったら 連絡して。」

「相澤師長 今日のカンファレンスのことなんですけど…。」

「お疲れ様」と祐太にはそっけない。

「機嫌 損ねたみたいっすねぇ。」

「当たり前だよ。今日みたいなのって

 ナースの立場悪くするだけだから。」

「そうですかね。」

「病院には病院のやり方があるんです。

 紺野先生のやり方僕は非常識だと思いますよ。

 失礼します。」

「何だよ あいつ。」

「いろいろ難しい時期なんじゃない?」と葵。

「あんたが言うな。」

沢村先生の部屋。

「ご飯 すぐ出来るから。」

さばの水煮とカレーうどんの缶詰!!

「隣 行ってくる。」

切り替え早い!

「ちょっと!」

祐太の部屋では鍋。

「は〜い 出来ましたぁ。」

「すいません 結局 お邪魔しちゃって。」

「いいですよ どうせ1人じゃ食べきれなかったんで。」

「良かった。こっちは まともな食生活で。」

「はいはいじゃあ 思う存分 食え。」

「食べますよ 言われなくても。」

「いただきま〜す。」「いただきま〜す。」

「何か似てますね 2人。」

「私 こんな老けてないけど。」

「ポン酢 取って くそガキ。」

「はい。どうも。」

「ねえ。」

「ん?」

「高校のときの お話 してよ。

 あの人 どんな感じだったか。」

「相澤さん女子グループのリーダーで

 勉強もスポーツも得意だったよ。

 うん性格は昔から あんな感じかな。

 さばさばしてて…うん 男っぽいっていうか。」

「で どうすんの? これから。」

「何が?」

「11歳ってそんなに子供じゃないんでしょ?

 だったら いつまでも親のこと

 困らせなくて いいんじゃない?」

「沢村先生。」

「私は師長の言ってること間違ってないと思いますよ。

 父親と暮らすほうが安心だし

 一時的な感情に流されることじゃないですから。」

「わかってるよ そんなこと。」

箸をおく葵。

「べつに 本当にあの人と暮らせるなんて思ってないし。

 自分たちの都合で 離婚したり再婚したりするくせに

 私のためって きれい事 言うのがムカついただけだから。」

「じゃあ きれい事やめて本音 言えって言ってみれば?

 でも本音って 受け止めるの覚悟いるけど。」

「どうせ 明日くらいには帰ることになるんだから

 いいでしょ もう!」

「良くないと思うよ。

 自分も言いたいこと言ってないみたいだし。」

「しかたないでしょ そんなこと言ったって…。」

「そうやって割り切れるほど

 大人になる必要なんてないと思うよ。」

「ごちそうさま。」

部屋をでていく葵。

「ああいう子は 子供扱い嫌がりますよ 紺野先生。」

「つまんない大人扱いするより いいんじゃないですか。」

翌日。葵もいっしょにいきました。

「今日お昼に パパ 迎えにくるから。」

「そっ。」

朝の打ち合わせ。

「以上です。 それでは本日もよろしくお願いいたしま〜す。」

「お願いしま〜す。」

「ちょっと皆さん 待ってください。

 今日 お昼の前 1時間ほど

 ドクターナース カンファレンスを開こうと思ってます。」

「いきなり何言ってるんですか?紺野先生。」

「昨日の話し合いでそれは却下されましたよ。」

「ええ ですからこれは あくまで勉強会です。」

「勉強会か。参加しようと思われる方は

 11時に 病棟内の学生講義室に来てください。」

「いいかげんにしてください 紺野先生。

 皆さん業務に支障が出るような行為は

 後で問題にしますから。」

解散後、師長が祐太に忠告。

「もう やめてよ そんな無駄なこと。」

「無駄?」

「無駄よ。ドクターとナースの関係なんて

 そんな簡単に変わるもんじゃないんだから。

 紺野先生 ここは大学病院だから しかたないの。」

「相澤さんは いつから  しかたないって

 思えるようになったの?

 高校の頃 思い出すのと一緒だよ。

 ナースになったばかりのとき

 こういうふうに諦めてる自分のこと 想像した?

 しかたない で諦めようと 僕は思わないよ。

 状況は変わらなくても 自分は変われるから。」


ナースたちも及び腰。

「ドクターナース カンファレンスって言われても。

 後が怖いですよねちょっと。」

「ドクターに にらまれると仕事 やりにくくなるしね。」

新見先生も研修医に忠告。

「お前ら 紺野先生に乗せられんなよ。

 後で困んの自分だからな。」

「当たり前ですよ そんなの。」

「沢村先生 どこ行ってたの?」

「看護記録を借りてきたんです。

 ちょっと確認したいことがあって。」

「確認?」

「こないだのアミノフィリンの分量ミス

 やっぱりナースのせいじゃないですね。

 それまでちゃんと体調管理してますし。」

「何だよ それ。」

「新見先生も見てみたらどうですか?

 正しい治療の参考になると思いますけど。

 じゃあ 勉強会に行ってきます。

 午前中にやるべき仕事はもう済ませましたんで。」

「ちっ!」

「どうかしてるよね 彼女。」

「そうか?

 広くて深くても 河は渡らなきゃ だろ?」

「下田君?」

勉強会の部屋で待っている祐太と
沢村先生と下田先生。

「来ねぇなぁ〜。」

「こんなもんでしょ 1回目は。」

そこへ誰かが・・。

師長のところにきた葵。

「どうしたの?」

「本当にパパといたほうが私のためになるの?

 おばあちゃんに言われた。

 パパが再婚したら

 ママと会わないほうがいいって。

 それでも私のため?

 私は ママと一緒にいたいのに。

 ごめん 帰るね。」

『私のためって 何?』

『無責任なこと言わないでよ!』

『しかたない で諦めようと僕は思わないよ。』

『状況は変わらなくても自分は変われるから。』

『私は ママと一緒にいたいのに。』

「待って!

 はぁ… 待ってなさいよ。

 まだ仕事 済んでないから。」

部屋にやってきたのは師長。

「遅れてすいません。」

「師長。」

「お疲れさん 師長。」

「森下先生もいらっしゃったんですか。」

「現場を変えていくのは 現場の人間だから。」

「こっちは 手の空いた子 2人しか
 
 連れてこれませんでしたけど。」

「いや 十分っすよ。」

「1回目ですから。」

「あっ もう ほら時間がもったいないから

 さっさと始めて。先生方と違って忙しいんです 私たちは。」

「では 第1回のドクターナース

 カンファレンスを始めます。」

不満そうな新見先生。

「どうなってんだよ 今年の研修医は。」

「ほんとにね。」

「僕は… 関係ない。」

と谷口先生。でも浮かない顔。

父を待つ葵と師長。

「相変わらず 遅刻魔ね あの人。」

「いいよ 戻って。

 パパと顔 合わせたくないでしょ。」

「まあね。

 ごめん。

 あなたのためって言うなら

 最初から離婚なんかしなきゃ良かった。」

「5年も たってから言うことじゃないよ。」

「確かに。」

「けど… 子供のために

 離婚しないって言うやつよりは まし。」


「大人ね。」

「子供だよ。」

「来月からまた会えるようにするから。

 パパが再婚してもそれは絶対変わらないよ。

 今度はどっか遊びにいこ。」

ガムをかむ葵。

「1つ ちょうだい。」

「無糖だけど。」

「いいよ。

 ふふっ…甘くないわね ほんと。」

「そんなもんでしょ。」

「そんなもんか。」


仕事をおえたすず。
顔色が悪く林田に心配され
そのあと苦しそうに・・・。

佐伯教授と中島先生。

「葛城さん!大丈夫ですか?」

「ごたついてるねぇ〜 何だか。」

「あぁ… やはり あの〜紺野先生に

 いろいろ問題があるようで。」

「それだけじゃなさそうだけどね。

 中島先生 君 准教授になりたい?」

「はっ?」

「今まで 森下先生1人に任してきたんだが

 ほら 君もこうして実績が出来たわけだ。」

「はぁ〜 あっ…わた わた…私でよろしければ。」

「じゃあ 君 准教授ね。

 これからは もう少し動きやすいと思うよ。

 ふふふっ うん。

 医学部長になるまでに

 散らかったものは片づけないとね。」

食べていたパイのたべかすを
論文ののった雑誌でうけて
ごみ箱に・・・。

森下先生に林田さんから電話があり
祐太に知らせにきました。

「紺野先生 ちょっと。」




研修医純情物語、というタイトルですが
研修医強情物語、におもえてくる
ブレのない、自分の道を貫き続ける祐太。
大学出たての若い子じゃないし
社会人として一度揉まれ
学生時代も人の倍すごして
医者になったんだから
少々のことでへこたれることはないのも当然。

今回は医者とナースの間の深くて広い河。

実際、医者とナースの間には
大きな格差があるように感じます。
収入をみても社会的地位も。

あんなに細かく書いてある看護記録
医者が目を通さないんだとしたら
いったいなんのために・・。
自分の担当患者の状態を知るには
一番いい資料だと思うのに。

谷口先生があそこで自分の失敗を認めない
(もともとは新見先生だけど)気持ちも
よくわかりますが、ナースに嫌われたら
研修医なんてやっていけないんじゃ。

教授、森下先生排除計画?
自分のいいなりにはならなくても
いい医者をおいておくのは
結果的に内科のためになるのに。
祐太も目ざわりっぽいけど
教授からしたら研修医なんて
敵にもならないくらいなんでは。
気に入らなかったら研修おわっても
放り出せばいいんだし。

とりあえず次回予告はなんであんなことに
なってるんだか。





紺野祐太 草なぎ剛
沢村瑞希 水川あさみ
下田健太郎 八乙女 光
谷口篤志  桐山 漣

葛城すず   ミムラ

佐伯毅彦   松平健
森下和明   田辺誠一
新見  悟   斎藤 工
中島  保   鈴木涼介
相澤直美   真飛  聖











2012.05.09 Wednesday 10:02 | comments(0) | trackbacks(3) | 
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37歳で医者になった僕 〜研修医純情物語〜 case4:医者から近くて遠い存在
すずって、そんなに悪いの?Σ( ̄ロ ̄lll)ガビーン 今まで割りと元気そうな様子だったし、仕事を始めるくらいに回復してたので すっかり忘れてたけど、すずは裕太の勤める病院に通院してるんだった・・・ その縁で森下先生とも親しく言葉を交わすようになったんだ
| あるがまま・・・ | 2012/05/09 4:53 PM |
37歳で医者になった僕(第5話・5/8)
4/10からフジテレビで始まったドラマ『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜』(公式)の第5話『医者から近くて遠い存在』の感想。なお、原作の川渕圭一氏の小説『研修医純情物語シリーズ』は未読。 ...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2012/05/09 10:22 PM |
《37歳で医者になった僕〜研修医純情物語》☆05
ゴルフコンペが始まった。 佐伯におべっかを使う連中ばかりが集まった。 森下は、経過を見たい患者がいると欠席。そんなのナースに任せればいいんだと佐伯は憤慨していた。 研修医の谷口が投与量をハッキリできす、新見に走って聞きに行くと10gといわれた。 いくら
| まぁ、お茶でも | 2012/05/14 12:48 AM |