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ATARU 第5話

第5話



舞子の弟・昇が通う医大の教授が、
階段から転落して亡くなった。
事故なのか事件なのか…その現場に居合わせた
昇と助手の浅尾二人の証言に、食い違いが生じた。
真相を究明するため、警視庁の面々が動き始め
“捨て山”と判断する方向になりかけた時、
チョコザイが呟くキーワードで、沢・舞子が捜査を開始する。
また「カマタ」という言葉に反応するチョコザイや
彼を追う謎の組織…チョコザイの謎が
少しずつ明らかになっていく。



今日もカレーうどん。

「別々に作ればいいのに

 麺とスープ別々に作れば

 カレーうどん食べなくていいんじゃない?」

「その手があったか」

今さら!!
というかあのカレースープ買えばいいのに。

「あれ 昇まだ起きてないの?」

「もう大学行った」

「早ッ 朝食は?」

「なんか大学でご飯出んだって」

「なにそれ」

「朝ご飯のカレースープは持ったわよ」

今たべさせてあげるんじゃないんだ・・。

「でも昇 なんで医者になろうと思ったんだろうね

 関係してるのかな…母さんのこと

 さッ 病院行くわよ」

大学では精神科講師の桂井まどかの説明を
きく学生たち。

「では来週から始まる病院実習の説明を始めます

 浅尾さん お願いします」

助手の浅尾さんは手際が悪い。

「精神科って他の科に比べたら楽そうだね」

「なら もっと脳外科にいたかったなあ」

「10時間のオペ立ち会いとか超キツかったのに?」

「俺は絶対 脳外科に進む 昇は?」

「俺は…」口ごもる昇。

「なんか あの助手どんくさいな」

「でも国家試験ちゃんと通ってるみたいよ」

そのあともなんか落ち着かない。

「桂井先生 そろそろ移動の方お願いします」

「あッ 悪い 先行ってて

 実習室に資料忘れた」

資料をとりにいった昇は
階段から転落する植松教授を目撃。

「ああッ!」

「植松教授ッ」

浅尾さんもいました。

「ドクター呼びます。」

「うん 植松教授ッ 植松教授!」

沢さんは中津川によばれました。

「沢さん ちょっと

 クレームが来ました組対二課の国際担当から

 心当たりがあるようですね」

「あるような ないような…」

「私の血圧が上がらない程度に言い訳してみてください」

「あ〜その・・。」

「140 145」

「別に大したことでは…」

「150を超えました」

「照会センターの知人から違法電波の話を聞いて

 それで組対二課の知り合いに調査を頼んだら・・」

「その違法電波 忘れてください」」

「係長」

「165」

「帝都医大で殺人容疑です」

「ああ そりゃ大変だ!」

「帝都医科大学の精神科教授植松秀高さん 52歳が

 本日…

 目撃者の話から 事件性があるとして

 捜査を始めている模様です

 学内にいた学校関係者から事件当時の状況を確認し

 事実関係を調査中とのことです」

ニュースをみていたチョコザイ。

「Mission acccepted」

捜査開始。

「夕方までには鑑定すっぞ!」

「昇君が見た人なんだけど」と沢さん。

「知り合いですか?」

「まあ…」

「その人は たぶんここにいてで こっちに」

「たぶん?」

「逃げたんだね
 
 植松教授を突き落とした後に」

「いや 突き落としたのは見てないです ただ…」

「逃げたのは男? 女?」

「いや見たの一瞬だったし

 階段にいた人のかげになってて」

「他にも ここに誰かいたの?」

「ええ 確か…」

「浅尾さん 精神科の助手の」

「どこにいたの?」

「こっちです」

「野崎は逃げた人ね 松島 植松教授やってくれ」

「そのとき ここにいました」

「昇君は?」

「で 僕はここに」

「ちょっと押してみて」

「わあッ パワハラだ」

ほんとに押したw

「こっからだと完全に見えてるな」

「主任 さっきの放送で来てくれた人達です。

 植松教授が教授が落ちた時間

 皆さん この近くにいたんですよね」

「浅尾さんは どなたですか?」

「あ ここには いません」

「放送の呼び出しに応じなかったってことか」

「浅尾さんが何か?」

「誰?」

「私は…」としゃべろうとする桂井さんを無視。

「そのとき皆さん どこに?」

「私は 107教室に向かってました」

「誰?」

「精神科の門倉教授です 私は…」

「どっから そこに向かったんですか」

「107の その…ちょっと あそこいいですか?

 これが こっち側だと思ってくださいね

 ここが 落ちた階段

 これが107教室 で私は

 この自分の研究室から 107教室に向かってました」

「なるほど。

 あなたは?」

「桂井です。

 私も107に向かってました。

 ここにある教室から」

「僕達は もう107にいました」

「誰?」

「鎌田です」「大島です」「仲です」

「で 僕は 実習室から107へ向かってました」

「107 107って… 107で何かあったんですか?」

「あッ 新薬の説明会が」

「誰?」

「優志製薬のMRの人です」

「MR?」

「日本語に訳すと 医薬情報担当です。北見です。」

「では皆さん 薬の説明会に参加する予定だった。」

「その説明会

 朝ご飯が出るんですか?」

と舞子がやってきました。

「エビちゃんッ」

「お弁当を用意してましたけど」

「何しに来た?まだ捨て山になってないぞ」

「あッ 僕が電話しました 姉なもので」

浅尾さんがのろうとした
エレベータにいたチョコザイは
浅尾さんをみて何かを思い出し

「アタル」

とつぶやき、扉がしまると手をふりました。

「門倉研究室の浅尾さん 門倉研究室の浅尾茂樹さん

 至急 門倉研究室まで…」

「遅いですね 浅尾さんって助手」

「先生 もしかして…」

「なんです?」

「失礼しま〜す。

 現場の階段の上に これが。」

「被害者の?」

「ええ ここから血液反応が」

「被害者の血か それとも突き落とした犯人の血?」

「ええ DNA鑑定優先してやってもらいます?」

「お願い」

「はいッ」

「蛯名舞子様 蛯名舞子様

 厚生棟前で お連れ様がお待ちです」

「こんぺいとう前で お連れ様?」

「あの 放送で呼ばれた…」

「イエッス!」

チョコザイがいました。
我孫子と電話。

「また逃げちゃったって」

「じゃあ連絡くださいよ 今から病院に送りますから」

「さっきね 病院ともじっくり話し合ったんですけど

 ホーッ!ホーッ!」

「また逃げちゃったら一緒だからね」

「だから なんです?」

「その先は これから病院と話します」

「その先のことは話してないんかいッ」

浅尾さんに話をきく沢さんたち。

「その時間に現場の近くにいた人は来てほしいという放送

 聞きましたよね?」

「はい」

「どうして 来なかったんです?」

「迷ってしまって」

「やっぱり」

「ここの大学の人ですよね?」

「学生の頃入れると10年以上になる」

「10年以上も通ってる大学で 迷います?」

「浅尾さん 方向音痴なんです。」

「浅尾さんに伺いたいのは

 植松教授と一緒にいた人です」

「はッ?」

「見ましたよね 現場の階段で もう一人」

「確か 実習生の…蛯名君?」

「そうじゃなくて あの

 植松教授が転落するときに 隣にいた人物」

「植松教授は お一人でしたけど」

昇たちのいるところへ
やってきた舞子とチョコザイ。

「こら なにサボッてんの」

「サボッてないよ

 チョコザイさん また逃げてきたの?」

「ああ! 警察24時 敏腕美人刑事ッ」

「ああッ どこかで見たと思った」

「そして もうすぐ刑事をやめる姉」

「複雑な姉だな」

「映画見るのが実習なの?」

「統合失調症のミュージシャンの映画」

「俺には音が見える」とチョコザイ。

「そういうセリフあった」

「ラスト グラミー賞取る」

「ラスト言わないで」

「でも いらないって言う」

「だから言わないでって」

「ありがとう!あらすじ 分かっちゃったよ」

そこへ沢さん。

「おおッ チョコザイ君ッ

 なんや また病院から逃げてきたんかい」

「昇君だっけ?

 君が見たはずだと言ってた浅尾さんだけど

 植松教授は一人だったと証言したよ」

「えッ?」

「でも大丈夫。おにいさんがついてるから」

「いや… でも 確かに 階段の上に もう一人」

「ブレイン ハルシネーション」

「ブレイン 脳ハルシネーション 幻覚?」

「僕の脳が幻覚見たっていうの?」

「一人の目撃証言は事故

 もう一人の証言は事件

 つまり どちらかが嘘の供述をしてるってことかな?」

「万一 捜査本部がたつときのために

 野崎と玉倉をいったん本部へ戻します

 我々は 浅尾さんが誰かをかばってる

 可能性があるかどうか

 その線を調べます」

「そんな可能性 ありますかね?」

「二人は帰れ」

「でも 弟が関係してるのに…」

「謹慎中だろ」

「休暇中です」

「お前の弟が見てなかったら

 捨て山だったのに」

「東京弁の関西人がッ」

さっそくききこみに。

「門倉研究室の浅尾さん… ですか」

「誰かをかばうとしたらですけどね」

「あッ 心当たりがありそうな顔」

「関係ないかもしれないんですが」

「なんでもどうぞ」

「あの… 浅尾さん同じ研究室の桂井先生と・・」

「交際してるみたいなんです」

「ためたわりには…たいした話じゃないですね」

「でも 殺されたのが植松先生なら…ねえ?」

「というと?」

「あの桂井先生

 先月 教授会で植松教授から論文を酷評されて

 それで准教授になれなかったっていうか… ねえ?」

「桂井先生には 殺害の動機があるってことですね。」

「で 浅尾さんには桂井先生をかばう動機がある」

「いや主任 これどう考えても捨て山ですよ」

「うん」

学生にサインをたのまれながら
話をきく舞子たち。

「植松教授と 門倉教授が?」

「昨日 鎌田君が…」

「カマタ」

「仲君が…」

「ナカ」

「ちょうど僕達が教授室の前を通ったとき…」

『どう考えても先生の論文は

 利益相反に問題があります』

「えのきチャーハン?」

「『利益相反』

 一方の利益になり もう一方の不利益になるってこと」

と昇。

「へえ〜 でその論文って なんの論文?」

「さあ?」

「ナカ」

「分かりません」

「カマタ」

「俺達の名前 気に入ったみたいだけど」

「ナカカマタ」

たちあがるチョコザイ。

「ちょっと どこに?

 仲蒲田に行く気?」

「なんで急に?」

「チョコザイ君を最初に見たの

 仲蒲田の近くだった

 ケチャップとマスタードを買ったのも仲蒲田のスーパー

 フォックスグローブを買ったのも仲蒲田の…

 やっぱり 仲蒲田になにかあるの?」

桂井先生に話をききました。

「認めるんですね?」

「浅尾さんとの交際も 植松教授への怨恨も」

「怨恨って…

 私の論文を 植松教授がって…

 そういう噂があるのは知ってますけど」

「それで准教授になれなかったのに 恨んでないの?」

「教授が階段から落ちたとき ここから

 107に向かってたって言いましたよね?」

「はい」

「それ 証明できます?」

「証明って…」

今度は浅尾さん。

「ホントですか?」

「あのとき 桂井先生がいたら さすがに分かりますよ」

「恋人だからってかばったりしてない?」

「してません」

「恋人なのは認めましたね」

「いい加減にしてください

 植松教授は一人だったんです」

学食で門倉教授に声をかける舞子。

「門倉教授

 いいですか?」

「ああ どうぞ」

「それはホットドッグじゃありません」

「分かってるって」

パンにはさんでホットドッグにしました。

「これはホットドッグです」

「はい どうぞ」

「警察だから話すけど他言は無用だよ」

「分かってます」

「ノートルプチン パロキサミン」

「はッ?」

「ゾルゾラム エムゾラム

フニトラグラムプロクロン…」


「すごい… すごいなあ」

「なんです?」

「今 彼が言ったのは

 ノートルプチンとパロキサミンという成分が入ってる

 向精神薬だ」

「その二つの成分がなんです?」

「その成分は 抗うつ薬の効果を強めるために

 入れるのが普通だ

 今 彼が言ったのもその手の薬ばかりだ

 だが植松教授は その二つの成分だけで

 効果があると論文を書いた」

「その論文で もめたんですか?」

「忠告しただけだ」

「忠告? えのき… じゃなくて

 利益相反に問題がある」

「私はその二つの成分だけで

 抗うつ薬の効果があるとは思えん」

「じゃあ…

 じゃあなんで植松教授は そんな論文を?」

「その論文どおりの薬を売ってるんだよ 優志製薬が」

「優志製薬?」

「今朝 朝食つきの説明会を開こうとしてたろう

 植松教授の講座は ほとんど 優志製薬から

 多額の寄付をもらってる」

「つまり 賄賂?」

「彼は 製薬会社に都合のいい論文を書いたんだ

 それによって 効き目のない薬を買う患者が増える

 それが利益相反だ

 そんなやつは

 ドクターじゃない

 もういいかな 失礼する」

「それ 食べないんですか?」

「最近 腹が気になってね ダイエット」

「じゃあ…」

手を伸ばそうとする舞子。

「彼 サヴァン症候群かな?」

「先生も そう思います?」

「うん 普通 成分からあんなに

 薬の名前は出てこないからね」

「腹減ったなあ」

「ノートルプチン パロキサミン」

「ゾルゾラム エムゾラム」

講義室で北見さんの話をきく学生たち。

「これらの薬には糖尿病性こん睡などの

 重大な副作用がございます」

「北見さん そろそろおしまいにしてもらっていいですか」

「ああ 分かりました では最後に門倉教授から

 精神科における薬物療法の大切さを ひと言」

「どんな病でも こんなふうに

 新しい薬は 次々にできる

 でも新しい病が次々に見つかってるのは

 精神科だけだ」


過去を思い出す昇。

「いいから早く帰ってきなさい 

 いいことあるから。

 昇もね」


といっていた母。

「そういう意味では 人の未来は

 精神医学にかかってると 私は思ってる

 皆さんには 未来を助ける

 ドクターになってほしい」


「事件性なしだ 捜査本部はたてない」

「しかしまだ 証言の食い違いのウラがとれてませんが」

「蛯名君の弟が見間違えた

 よって現場には犯人はいなかった そういうことだ」

「捨て山に決定だ

 先に戻っててくれ」

「はい」

「製薬会社から寄付金をもらうための論文か…」

そこに声をかける北見さん。

「あの」

「製薬会社」

「お弁当 食べません?余っちゃって」

「ウウッウウッいただきマンボーすいません」

「確かに植松教授の論文のおかげで

 ウチのその薬 広く使われるようになりました」

「門倉教授が言うには その薬には

 効果がないみたいですが」

「そうなんですか?」

「私の口からは… すみません」

北見さんのおなかが鳴りました。

「お昼 抜いたんで」

「じゃあ」

「これからまた 健康診断なんで」

「あの 門倉研究室の桂井先生・・」

「桂井先生が なにか?」

「門倉研究室にいるということは 門倉教授の教え子?」

「教え子っていうか…

 お弟子さんって感じですね」

お弁当をたべて北見さんとわかれました。

「准教授になる道をたたれた

 ああ 食った食った」

「もし 自分の弟子が他の教授にそんなことされたら

 きっと愉快じゃないだろう」

「それが 殺害の動機?」

「アンド 薬を売るために論文を書き資金をもらってた

 植松教授を快く思ってなかった

 浅尾さんがかばったとしても

 あッ」

そこへ浅尾さんが通りますが・・・。

「無視されましたね なにかしました?」

「したかも」

「浅尾さん ニャーッ」

浅尾さんと学食で話をしました。

「植松教授の その論文なら読んだことがあります

 門倉教授が怒るのも無理ないですよね」

「尊敬してるんですね 門倉教授を」

「もちろんです」

「はい 追加の杏仁豆腐」

「ありがと」

「腹減ったなあ」

「もしかして植松教授が転落したとき

 その場にいたのは

 門倉教授じゃないんですか?」

「なッ…違うッ

 ホントに… 誰もいなかったです」

杏仁豆腐を食べて席を立つ浅尾。

「失礼します」

「いやだ 浅尾さん また こんなに残してまったくもう…」

ちょうど半分残されているごはん。

「真ん中はどこ?

 ネット

 ネット ネット」


シンクロの時間!

「浅尾さんッ ニャー!」

「ニャー」

「ネット」

シンクロナイズド刑事の映像をみていると
浅尾さんが

「このドラマ 深いですね」

といいました。

「えッ このドラマが?」

「意外に面白いですよね 犯人は…」

「僕 いつも どんくさいって言われるんです

 注意力散漫なんですかね?

 研修医時代に 現場で失敗ばっかり繰り返して

 医師になるのが怖くなりました

 それで 僕には研究の道しかないと思って

 大学院に進んだんですけど

 それでも やっぱり…」

「ブレイン ハルシネーション」

「確か… 脳と幻覚?

 浅尾さんの脳が幻覚…」

「だから 僕は誰も見てませんッ」

舞子の家で夕食。
               
「あ〜あ コロコロコロッケ売り切れか」

「ご飯食べなかった」

「うん?」

「ご飯 食べなかった」

「昇」

「僕が見間違ったのかもしれない

 明日 そう言っといて警察の人に」

「ホントに見間違ったの?」

「だって浅尾さんなにも見てないんでしょ?

 なにも見てないなら僕が見間違ったしかない」

渥見さんに話をきく沢さんと舞子。

「ここについてた血 

 痕鑑定の結果被害者の血じゃなかったのね」

「じゃあ やっぱり犯人の血?」

「かもしれないけどDNAに前科は なかったのね

 でも 特徴的な成分が検出されたのね」

「アムロジピン?」

「高血圧や狭心症の薬なのね」

「スタチン?」

「高コレステロール症の薬なのね」

「つまり犯人はこの手の薬を飲んでる人物…」

「あ 私 門倉教授が薬を飲んでたの見たんだった」

「ああ!」と隣の部屋から唯の声。

チョコザイが何かこぼしたみたいで
椅子にのったままおしつけあい。

「真ん中はどこ?」

「とにかく 連絡してみます」

「連絡しようと思ってたんですよ

 いやね そんなにあなたの所に戻っちゃうならね

 あなたの所から

  検査に通わせようかって案が出ましてね

 ただ その場合

 あなたが保護主任者になって

 それとは別に

 身元引受人の第三者が必要なんですがね」

「第三者の身元引受人…」

電話をきった舞子は沢さんにたのみました。

「チョコザイ君の身元引受人になってくれません?」

なんだよ 急にあの保護主任者

 すごく不安なんです」

「そりゃ100パー分かるけど なんで俺なんだよ?」

「とにかく考えといてください 明日までにッ」

門倉さんに薬のことをらずねる沢さん。

「これですか?

 血圧とコレステロールの薬ですけど」

「お預かりしてもよろしいですか?」

「はい」

「浅尾さん」

「はい」

「昇君 こんにちは というわけで

 ポリグラフの検査を受けてほしいんですけど」

「ポリグラフ?」

「あれ どうした?」

「被害者の名札から第三者の血痕が出たので

 彼の証言の信ぴょう性を探れって中津川係長が」

嘘発見器みたいなもの。

「なんだよ」

「立ち会わせてください」

「お願いしますッ」

浅尾さんの検査。

「あなたが この場で見たのは桂井まどかですか?」

「いいえ」

「反応 ありません」

「嘘はついてないってことなのね」

「あなたが この現場で見たのは門倉教授ですか?」

「いいえ」

「反応 ありません」

「この現場で植松教授と蛯名昇以外の人を見てますか?」

「いいえ反応 ありません」

「じゃあ浅尾さんはホントに目撃してない」

「やっぱり… 僕の見間違いだ」

「ご飯食べなかった」

「すいませんでしたッ

 警察の捜査を混乱させて

 大学の人にも迷惑を…すいませんでしたッ」

とあやまる昇。

また渥見さんのところへ。

「門倉教授が飲んでた薬なんですけど」

「ああいッ 調べてあるこれが その成分なのね」

「血圧の薬が アムロジピンで…

 コレステロールの薬がスタチンを主成分」

「被害者の名札から出た血と一緒なのね」

「アムロジピンに スタチン」

「この血は門倉教授の血の可能性があるってことか」

「現場にいたんですよ 門倉教授も」

「でも 浅尾さんは誰も見てない」

「それが 分からない…」

「アムロジピン スタチン

 まだありません」


「うん?まだありませんって なにが?」

「これからまた 健康診断なんで」

「ああ あの製薬会社の人言ってたよな」

「それで ご飯食べなかったって覚えちゃったの?」

「ご飯食べなかった」

「落ち着いて」

「半分食べなかった真ん中はどこ?

 ご飯食べなかった

 真ん中はどこ? 真ん中はどこ?

 真ん中はどこ? 真ん中はどこ?」


「なんか伝えたいんじゃないのか?」

あちこちにマジックで線をかいて
舞子の顔にまで。

「真ん中はどこ? ご飯食べなかった」

「やめて!」

「真ん中はどこ〜

 ねえねえ

 ねえねえ

 真ん中はどこ?」


あのときそばにいた人たちをまた集めました。

「すべての線の真ん中に印をつけてください」

「ナカ」

「なんなんですか これ?」

「カマタ」

「なにがしたいんだかサッパリ」

「それでは! お願いします 始め!」

「蛯名君

 彼がシンクロナイズドスイミング刑事の彼?」

「あッ 後ほど…

 それでは 見せてください」

みんなの視線が浅尾さんに。
まんなかがあきらかにおかしい。

「えッ?なんですか?」

「ブレイン ハルシネーション

 ブレイン ハルシネーション」


「浅尾くん 脳梗塞や 脳いっ血の経験は?」

「ありませんけど」

「頭のオペ…」

「あッ スキーで転んだときに脳挫傷に」

「脳血腫の摘出オペか」

「はい」

「いつ!?国家試験に合格した後…」

「脳外科の先生に連絡してきます」

「調べました 主任に言われたこと

 驚くべき事実が分かりました」

北見さんに話をききました。
               
「あなたはアムロジピンとスタチンが主成分の

 自社の新薬の治験を受けてましたね?

 これまでバラバラに飲んでた

 血圧とコレステロールの薬を一つにしたものだそうですね」

「当然 市販される前の薬です

 だから あれほど薬に詳しいチョコザイ君も知らなかった」

《まだ ありません》

「あなたが あのときに言ってた」

《これからまた 健康診断なんで》

「その治験のためのものだったんですね

 つまり あなたはこの新薬を服用してる

 その主成分の二つが

 被害者の名札に付着してた血液から出ました

 もちろん あなた以外にも

 その成分の入った薬を飲んでる人は たくさんいるでしょう

 あなたの血液をDNA鑑定させてください」

手を組んで頭をうずめる北見さん。

「MRで治験する人って珍しいそうですね

 自社の薬品開発に 熱心なんですね」

「MRの仕事で 一番大切なのは

 薬の売り込みじゃないんです

 自社の薬の有効性と副作用を医師に示し

 医師からは 使用したときの有効性と

 副作用の情報を収集する

 そうやって やっと 薬は…

 いいものになっていくんです

 なのに 効果のない薬に まるで

 効果があるような論文を書かせて

 代わりに多額の寄付をする

 そんなことするためにMRになったんじゃないッ

 だから あの日」


「あの薬の売れ行きがよすぎるんです」

「結構な話じゃないか」

「こんなこと許されるはずがない

 今日の説明会で あの薬に効果がないことを発表します」

「君は何を…」

「だから先生も!」

「あの論文の訂正をお願いします」

「断る!」

「待ってください!」


腕をふりはらおうとして
バランスをくずして転落。

「浅尾さんに見られたと思いましたなのに…

 とっさに逃げてしまって」

「犯人は…」

「捕まるのは時間の問題だと思っていました」

「でも浅尾さんは誰も見てないと言った」

「なんで… 浅尾さんは私をかばったんでしょう?」

桂井さんと脳外科の先生に話をききにいきました。

「かばったんじゃなく見えてなかった

 いや 見えてたけど

 見てなかったんです」

「どういうことです?」

「浅尾さんにこの絵を模写してもらいました

 それが… これです」

「左側の枝がないです」

「左の枝を無視したんです

 ですよね 先生」

「脳外科医の井下田悦四郎です

 井下田悦四郎です

 うん 半側空間無視の典型的な所見です」

「半? 側空間無視?」

「誰にでも分かりやすく説明しますと

 脳の右側を損傷した場合は左

 左を損傷した場合は右に示された

 視覚 聴覚 触覚などの うん

 刺激を認識できなくなる症状です」

「浅尾さん…」

「浅尾君の場合は

 それが 左の視覚に特化されているのが最大の特徴です

 きっと周囲の人間が慎重に観察していれば

 左の視界の失念の症状が うん あったはずです

 うん 左の視覚にその症状が出た場合

 その本人がその症状を

  うん自覚していないことが多いんです」

「無意識に首を振って視界を補強したり

 うん 時には認識していない部分を脳が勝手に

  これまでの記憶や経験からつくりだした

 幻覚で補ってしまうからです」

「あの… 左半分が見えないって

 これ 左の鳥ちゃんと描けてます」

「そこが」

「そこが この症状の 複雑なところです」

「見えてないわけではないですから

 彼が大切だと認識したものは ちゃんと見えるんです」

「うん うん? うん うん?」

浅尾さんと話す舞子たち。

「僕は… この障害に気づかずに

 見えないはずのものを補って

 ごまかして生きていたんですね

 でもこれで ハッキリしました

 僕はもう ドクターには なれないんだなって」

「そんな…」

そこへ門倉教授。

「なぜドクターになれないんだ

 君のその症状は

 君の研究に生かせないのか?

 君は半側空間無視という症状を抱えながらも

 私の助手としてちゃんとやってきたじゃないか

 それは 君が持つ能力だ

 このまま 私の研究室にいなさいいいね」


さらに桂井さん。

「私が

 いつも あなたの左側にいるから

 私が あなたの左になるから」


ここだけラブロマンス。

そして昇が門倉教授をおいかけていきました。

「門倉先生

 僕もいつか

 先生の研究室へ行っていいですか?

 未来を助ける ドクターとして」


「待ってる」

「Mission accomplished」

捜査終了。
涙を流すチョコザイ。

「泣いてるの?」

「ああ 前もそうだった」

「もしかしたら 誰よりも
 
 人の気持ちが分かるのかもね

 特に 事件関係者の気持ちが」

「チョコザイ君の身元引受人

 俺でよかったら なるよ」

「主任…」

舞子の家で夕食。

「なんで医大を目指したのかやっと分かった

 ときどき 思い出すんだ

 あの日 出かける前に母さんが

 自殺する直前に

 なんで あんな笑顔ができたのか

 それが ずっと気になってた」


「それ 警察に話したか?」

「いえ でも僕の単なる印象ですし」

「まだ小学生だったしね」

「聞いてないよ…」と沢さん。

「えッ?」

「昇 それで医者になろうと思ったの」

「今 思えばね 姉ちゃんもでしょ?」

「えッ?だから刑事になったんでしょ」

こたえずにコロッケをほおばる舞子。




あいかわらず捨て山にこだわりますが
今回のは事件というよりむしろ事故に
近いものがありました。
MRとしては医者に強くもでられないだろうし
みずからも治験するくらいだから
上にも逆らいづらいんじゃないかと
きいてて気の毒に・・。

ミスリードっぽくしたかったのかも
しれないけど、門倉先生はいい人だったなあ。

母の自殺と思われてる死について
沢さんは何を知ってるの??
いつまでもひっかかっているから
姉は刑事に弟は医者に・・。
お父さんもなんか知ってるなら
もっとおしえて。

アタルはしばらく好きなように動かして
こっそりとでもしっかりどこかから
観察されてそう。
               



チョコザイ  中居正広
沢 俊一   北村一輝
蛯名舞子   栗山千明
蛯名 昇   玉森裕太(Kis-My-Ft2)
蛯名達夫   利重剛
蛯名真理子  奥貫薫
中津川    嶋田久作
野崎蓮生   千原せいじ
蓮見怜志   田中哲司
犬飼甲子郎  中村靖日
松島光輝   庄野崎謙
石川 唯    光宗薫(AKB48研究生)
黒木永正    中村昌也
玉倉 孝    三好博道
チョコザイの父 市村正親(特別出演)
ラリー井上    村上弘明





2012.05.13 Sunday 23:29 | comments(0) | trackbacks(2) | 
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ドラマ「ATARU」 第5話 あらすじ感...
見えないもの------------。母の死と昇の医者になる想い。少しだけ明かされた母のこと。でも、やっぱり自殺なのか他殺なのか・・・舞子の母の死が最後にどう繋がるかが楽しみですね。沢...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2012/05/14 11:52 PM |
『ATARU』 第5話
食い違う目撃証言……見間違ったのか、それとも、どちらかが嘘をついているのか?  今回は、事件(謎)の構造がシンプルだったので、素直に楽しめた。  登場人物の門倉教授(遠藤憲一)は清廉潔白で格好良かったし、「あたしが、いつもあなたの左側にいるから」と言
| 英の放電日記 | 2012/05/15 9:17 PM |