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カエルの王女さま 第9話

 第9話



 シャンソンズは県大会で優勝できず、約束通り解散することと
なってしまった。あっという間に練習室も閉め出され失意の中、
澪(天海祐希)は音楽堂での公演実現のために今は一旦解散し、
反撃の機会をねらおうと皆を励ます。が、音楽堂の取り壊しまで
19日、という中でそんな余裕はないと忠子(石田ゆり子)は反論する。
ついに忠子が「ケリをつける」と父親、井坂清忠由芽市市長
(岸部一徳)と対峙することを決意する。
 澪も一方で、ここまで清忠がシャンソンズを忌み嫌う理由を
探るため、香奈絵(久野綾希子)に会いに行き、そこで意外な写真を
見せられ驚く。そこにはLOVE&PEACEと書かれたTシャツを着た
ヒッピー姿の若者の姿が。それはまぎれもなく井坂清忠、彼だった。
直接理由を聞きに澪は清忠に会いに行く。そこで聞かされたのは、
音楽堂は歌で町おこしを狙い、清忠の父親が50億もの金をかけて
建設したもので、これが町を財政難に追い込んでしまった
諸悪の根源だという話だった。
 一希(玉山鉄二)も、自分たちが父親になった時に子どもたちに
何を残せるのか、ということを考えていると忍(千葉雄大)に
語っている時に、忍の実家の写真館でさらにある写真を見つける。
ここにこそ、清忠の過去を探るヒントがあるのだった。




一般投票で1位だったのに 合唱を逸脱した
ショーだという理由により失格
になったシャンソンズ。

「失格って どういうことですか?」

「あなたたちの合唱は実に 素晴らしかったんですが

 大会規定に 違反してるんです。」

「違反? 何が?」

「ショークワイアというんですかね。」

「ショークワイアの何が いけないんですか?

 そもそも そんな大会規定があるなんて

 聞いたことが ありません。」

「違反内容はですね…。あっ ここ ここ。 えー 第6条。

 『参加者は 大会の風紀を乱さない振る舞いをすること』
 
 それで 第7条。 『立ち位置から大きく 動かないこと』

 『以上を 順守せぬ場合失格とする』」

「大きい動きって どっから?」

「こんな 時代遅れの規定いまさら どうして?」

「由芽市の井坂市長から歴史ある大会だから

 きちんとルールを守るようにと言われまして。」

「やっぱり。 あの たぬき。」

市長の差し金でした。

「またあなたの仕業なのね。」と文句をいう香奈絵。

「ルールは ルール。

 この大会は伝統ある 合唱大会であって

 自由な音楽の 発表の場ではない。」

「どうしてそこまで 邪魔を?」

「邪魔をしてるのは君たちの方じゃないのかね?

 由芽市が 一丸となって新しい未来を 築くためには

 古い過去の象徴などない方がいい。」

「ホントに それだけなの?清ちゃん。」

「約束どおり シャンソンズには本日をもって 解散してもらう。

 君も 責任者として自分の身を 案じた方が

 いいんじゃないのかね?送るよ 香奈絵ちゃん。」

不満をいいあうシャンソンズメンバーが
練習にやってくると鍵がかかっていて
中にはいれなくなっていました。

「本日より シャンソンズの使用を禁止する」

という張り紙。

そして市長は人事異動の辞令を。

締め出されて練習もできないシャンソンズ。

「そもそもお前のせいじゃねえかよ。どうすんだよ?」

「解散しましょう。」

「えっ!?」

「負けは 負け。 約束は 約束。

 私は 優勝できなかったら解散すると 公言したの。

 ルールを 知らなかったじゃ言い訳にもならない。

 反論する材料も 策もなく下手に動いても つぶされるだけ。」

「じゃあ このまま諦めろってことですか?」

「誰が 諦めるって言った?

 私たちの目標は 音楽堂で公演を行って

 その取り壊しを 阻止すること。

 今は いったん 解散をして反撃の タイミングをうかがう。」

「そんな 悠長なこと言ってる場合じゃありません。

 音楽堂の取り壊しまであと 19日。

 機会をうかがう 余裕はない。

 そもそも あなたをあおって不利な賭けをさせたのも

 失格にさせたのも 私の父。

 音楽堂の使用許可だって

 父が首を 縦に振らなければ 下りない。

 この先 何をしたって

 父の考えが 変わらないかぎり

 どうしようもないんだって今回は 思い知らされました。」

「だから?」

「私が けりをつけます。」

「えっ!?」

みんなびっくりの中、忠子はでていきました。
入口をまちがえるほどあわてて。

「とにかく シャンソンズは今日をもって 解散。

 はい。 散った。ごきげんよう。」

市役所では、音楽堂 解体工事県知事の許可が出たので
さっそく、音楽堂の 電気とガスを止める稟議書が
まわされていました。

市長のところへやってきた忠子。

「何だ? ノックもしないで。

 そんな 礼儀も知らない娘に育てたつもりはないぞ。」

「礼儀を知らないのは お父さんよ。

 あんな ひきょうな やり方。」

哲郎もあわててやってきました。

「お父さん。 いつからそんなに 歌が嫌いになったの?」

「何の話だ?小さいころ お父さん私を肩車して

 よく 歌を歌ってくれた。

 私 よく覚えてる。

 なのに いつのころからか歌が嫌いになって。

 音楽堂のことだってまるで 憎んでるみたいに。

 何が お父さんをそうまでさせるの?

 音楽堂は おじいちゃんが建ててくれた…。」

「帰りなさい。 ここはお前の来るところじゃない。」

「お父さん。」

「忠子。 行こう」

音楽堂の資料をやぶって捨てる市長。

桜と澪。

「で 市長のことは忠子ちゃん任せなの?」

「娘が話すっつってんだから
 
 仕方ないでしょ。

 私が行ったら

 今度こそ殴りそうだし。」


ほんとに殴りそう。

「何度もなぁ返り討ちに 遭ってるしね。」

「怒りに任せて ぶち当たっても相手の思うつぼ。

 まずは たぬきの弱点見つけないと。」

「確かに。でもさ みんなは大丈夫なの?」

「これしきのことでつぶれるようならそれまでのことよ。」

「いや。 まあ そうは言ってもあれだけ頑張ってさ

 結果が解散じゃ 衝撃は 大きいと思うよ。」

「解散っていっても一時的に 地下に潜るだけ。

 たぬき市長の目につかないように。」

「地下に潜るったって何か 手立て あんの?

 うわ。 ないんじゃん。」

いつもの練習場は子どもたちが
卓球の練習。

さらに香奈絵も今日付で異動になり 図書館に配置換え。

「そんな 急に?」

「この手際の良さ。

 全部 市長の差し金ね。」

「市長と 先生って友達なんですよね?」

「ええ。 幼なじみ。」

「えっ。 何か恨み?先生 振った?」

「アハッ。本当に 政治的な判断だと思う。

 音楽堂 取り壊しに邪魔なものを 一掃したいだけ。」

「政治的判断って 何ですか?

 あの たぬき 何者なんですか?

 ここで 生まれ育ったのに

 音楽堂にも 歌にも

 何の愛着もないなんてどういうこと?」


「昔は そんなことも

 なかったんだけどね。」


と写真をみせました。

「誰ですか?」

「それ 清ちゃん。」

「ふーん。」

「井坂 清忠市長の 若いころ。」

「えっ!? き…。 し…。

 こ… これが!?」

長い髪の昔のヒッピー風の若者。

「フフッ。」

「フォーク?フォークやってたんですか?

 えっ。この年代の フォークって…。」

「70年代。古い伝統や 体制に反発して

 愛と平和を 歌ったのがフォーク。

 ボブ・ディランや ジョン・レノンに倣い

 反骨心あふれる歌が

 席巻していた時代の話よ。」


「たぬき 笑ってる。」

「フフッ。これは

 東京の 野外音楽堂で行われた

 フォークジャンボリーね。

 私も 見に行ったから。」


「市長が ラブ&ピース?」

幸の店にあつまる澪たち。

「すいません。 今日も 父と話したんですけど 何の解決にも。」

「イエス イエス イエス。んなこと 分かってる。

 これは そう 簡単に解決する話じゃないみたいね。

 あんたのうち 代々雅楽やってたんでしょ。」

「ええ。」

「古き良き 伝統的な音楽を継承してきた。」

「はい。」

「おそらく 音楽堂つぶしは

 政治的判断だけじゃない。

 あんたの お父さんよっぽど

 音楽に わだかまりがあるみたいだもんね。

 ここの 元ゼルエル以上に。」


「おい。」

「わだかまりって 何ですか?」

「それを ほじくんのよ。」

「ほじくる?」

「あんたたちの

 親子ゲンカに乗ってあげる。」


と写真をみせました。

そして忠子とこぶしをあわせる澪。

「よし。 やるわよ 学級委員。

 こんな弾圧に 屈しない。

 練習は バレないようにここで

 やるから みんなに伝えて。」

「はい。」

「えっ。 ここ!?あんた そんな 勝手に決めて…。」

「ラブ&ピース。ピース。 ピース。」

哲郎から話をきく澪と忠子。

「市長は会合? 」

「どこで?」

「今日は 栃木。 あしたも

 朝からあちこち 飛び回って 会議です。

 全国の廃棄物を 受け入れるって表明してから

 すごい反響で もう 勢いづいちゃって。」

「まったく どういうことよ。

 まずは 自分の家をごみ処理場にしろっていう話よ。」

「すいません。」「すいません。」

とあやまる忠子と哲郎。

「何? この夫婦愛。」

玉子たちは練習場所をさがしますが
どこでも市長の手がまわっていてダメでした。
一希と忍も。

「一希さんは続けるつもりですか?

 今だって 職探しの帰りですよね。」

「バカヤロー。大変なときだからこそ歌うんだよ。

 こうなったら意地でも やってやんねえと。」

「なら 僕も頑張ります。

 でも うちの店もいつ

 どうなるか 分からなくて正直 不安で。」

南の職探しもうまくいかず
練習にさそうまひるにもやつあたり。

「もう ついてくんなって。

 練習 行きたくたってさ

 まず 仕事 見つけねえと話になんねえし。」

「あっ。 あのう大輝君のためにも

 昼間の仕事 探した方が。」

「あんたが探せよ。私なんかを まともなとこが

 雇ってくれるわけ ないだろ。

 大卒の あんたが就職できないのにさ。」

「そうですよね…。」

「ハァー。」

「あのう ちょっと待って。」

練習にきたのは忠子だけ。

「みんな やる気がないわけじゃないんですが。」

「んで? 市長の方は?」

「調子に乗って飛び回ってるらしい。

 どうせ 接待漬けでしょ。」

「もう あんまり探らない方が いいんでない?」

「あしたこそ とっつかまえて弱み 探りだしてやる。

 桜。 景気いいやつ いって。」

『夢の中へ』をうたう桜と澪・・そして忠子。

市長は解体工事とごみ処理場の建設計画も 急がせろ
と指示。そこへ流れてきたシャンソンズの歌声。

「何だ これは?」

「シャンソンズですね。」

「実は 県大会の影響か

 音楽堂を取り壊さないでほしいっていうメールや陳情が

  殺到してまして。」

「市内放送で 曲を聴きたいという リクエスト…。」

「お前たちは バカか!

 くだらん夢をまだ 見たい連中がいるのか。

 そんな声を 真に受けるな。」

屋上で双眼鏡と網を手にしてみている玲奈と澪。

「うーん。帰ってこないですね。」

「放送を聴いたら飛んで帰ってくると思ったのにね。」

「リピート かけてみます?」

「何時に 戻ってくんの?」

「今日は もう市役所には戻らないと思います。

 夜まで 予定ぎっちりで。」

「じゃあ どこで つかまえんのよ?」

「家 帰って 寝るときとか?」

そして市長、帰宅。

「おかえりなさいませ」

玄関で三つ指ついて出迎えたのは澪!

部屋で向いあうことに。

「あっ。 先祖代々 続いてきた雅楽頭の系譜ですか。
 
 歌の伝統を 継承しながら

 町の名士として政を行うっていうのは

 ずいぶんと重責でしたでしょうね。

 あっ。 あちらが 忠邦さん?

 音楽堂を造られた 前市長。

 忠子さんの おじいさま。

 おじいさままでは歌の伝統を

  守ってこられたのに

 どうして 市長の代でこんな…。

 ごめんなさい。」

「シャンソンズは解散したはずだがね。

 解散した 君らに話す必要などないよ。」

「はい。 解散しました。これは 個人的な興味です。」

と写真をだしました。

「この 伝統 重んじる政治家一族で

 ロン毛に ヒッピー姿のフォークシンガーは

 当時 ずいぶんと異端児だったでしょうね。」

「お父さん!?」

「しかも こんな田舎町でおじいさまにとっちゃ ず…。」

湯飲みをどんと置く市長。

「あら。 また ごめんなさい。」

「君は まったく分かっていないようだな。

 ひとつ 教えてあげよう。

 この町を 財政難に追い込んだのは

 私の父が建てた 音楽堂だ。

 歌で 町おこしをと 50億もの金を掛け

 音楽堂を設立した。

 華やかな音楽祭を 数多く行い

 確かに この町は にぎわった。

 だが それは 好景気のときの話で

 バブルが はじければ

 歌に掛ける 金こそが財政負担となる。

 それでも 父は歌あってこそ わが町ありと

 金を 掛け続けた。その結果

 莫大な 累積赤字を生み この町を疲弊させた。

 つまり 音楽堂こそが諸悪の根源。

 私は 父の尻拭いをしているにすぎない。」


部屋からでていってしまいました。

仏壇の前で昔を思い出す市長。

『お前は 音楽の何たるかも知らん』

と父に言われ、ギターを燃やす若かりし頃の市長。

図書館にいる香奈絵にその話をしにいった澪。

「音楽堂が 町を駄目にした諸悪の根源だと…。」

「はい。」

「政治的判断としたら理にかなってるわね。」

「何か 父親への感情が

 そのまま音楽堂への憎しみになってるようなね。」

「こういう言葉を 知ってる?

 憎んでいるということは

 まだ 愛しているということ。

 憎んでいるなら

 まだあの人に響く歌が あると思う。」


香奈絵が手に取ったのは「かえるの王様」の絵本。

「あなたなら彼の心を 動かせる気がする。」

桜と澪。

「って 言ってもねぇ。父と息子の確執なんて

 女には よく分かんないよね。」

「ねえ。 昼間の練習ついに 誰も来なかったね。」

「一人 来てるじゃない。」

「どこに?」

「ここに。」

大輝でした。

「南ちゃん 昼の仕事が見つかったみたいで

 夜の練習には 来るから預かっててくれって。ねっ?」

「仕事 見つかったのは いいけどさ

 ここ 保育園じゃないっつうの。」

「歌おうよ。 歌おうよ。」

「もう。 子供の歌は 分からん。」

「まあ まあまあそう おっしゃらずに。」

「これなら どうだ?」

とつけたのは『グリーン・グリーン』

「ねえ 澪。これ 父親の曲だよ。」

「パパなんか 大嫌いだ。」

お弁当屋さんではたらく南とまひる。

「サンキュー。まさか ホントに

 仕事 見つけてくれると思ってなかったからさ。」

「たまたま パートさんが一人 辞めちゃって。

 こちらこそ 助かりました。」

「あんたには 負けたよ。」

そこへいかにも悪そうなかんじの男が・・。

「誰?」

「父親。 大輝の。」

「見っけた。」

忍の家の写真館にきた一希。
昔の写真をさがして

「仕事は 慣れた?」

「まあ。父親と おんなじことするのは嫌なんですが

 喜んじゃって。」

「そりゃ そうだよ。」

「一希さん。ホントに まだ 音楽堂で歌うチャンスがあるって

 信じてますか?」

「まあ。信じてるわけじゃないけど

 最近 この町のこととか 

 家族のこと 考えるようになってさ。

 俺たちが いつか親父になったとき

 子供たちに 何を残せるかって。」


「親父になったときに。」

「それが ごみで できた未来じゃよ

 情けねえだろう。」


昔の写真をみていた忍は
市長の写真を発見。

「これって…。」

一希は写真をもって澪のもとへ。
市長が若いころ音楽堂の前で撮った写真でした。

「これは…。」

「自分も 音楽堂で歌ったことがあんだろう。」

「しかも その笑顔。

 つぶそうとしてる音楽堂と
 
 しっかり つながってたか。

 今度こそ 追及してやる。」

「私が話します。」と忠子。

「分かった。」

そして夜、帰宅した父と話す忠子。

「お話が あります。

 お父さん 音楽堂でコンサートをしたことがあるのね。

 この日付 1978年っていったら私は 3歳。

 お父さんが歌を歌わなくなったのは

 そのくらいだった気がする。

 私を産んだときにお母さんが 亡くなって

 男手一つで 私を育ててくれた。

 そのことは本当に 感謝してます。

 だけど いつのころからか 

 この家で お父さんの歌を聴くことはなくなった。

 本当は このコンサートや

 おじいちゃんのことが関係あるんじゃないの?

 コンサートをしたことがあるなら

 お父さんだって 音楽堂に思い入れがあるでしょ。

 この写真の お父さんは

 歌の力を信じてるように見えるのに。」

「思い入れなどない。」

「嘘よ。本当のこと 話して。」

「そんなに知りたければ教えてやる。

 確かに 私は かつて

 音楽は 世の中を変える力を持つと信じていた。

 東京から こっちへ帰ってきて

 この 古い町を変えてやると燃えていた。

 東京から 仲間を呼び集め

 音楽堂でのコンサートを企画した。

 だが 父は私の音楽を認めなかった。

 音楽堂は伝統的な音楽をする場だと。

 大反対し 公演など絶対に させないと言った。

 それでも 私は強行して 結果

 チケットは まったく売れず

 大きな借金を抱え 仲間も 未来も 失った。

 音楽で失敗し挫折した

 そんな私を見て父は あざ笑っていたんだ。

 もう 十分だろ。

 分かったら 

 もう あんなもの守ろうとするな。」


その事情をみんなもききました。

「なるほど。

 自分の音楽を 全否定されて揚げ句の果てに 借金。」

「借金は おじいさんが肩代わりしたらしいから。」

「たぬきは 音楽を捨てて

 父親の跡を 継がざるを得なかったってことか。」

「分かる気がするなぁ。親父に負けたって 悔しさ。」

「おじいさんと市長は 最後まで和解できなかったんですか?」

「ええ。おじいさんの遺品は全部

  蔵に放り込んどけって言われたぐらいだからね。」

「お互い 頑固なのね。」

「でも 男親って素直じゃねえからな。

 大輝の父親も さろくでもないやつだけど

 何だかんだ 大輝のこと気に掛けてんだよね。」

『今日はよ 大輝にプレゼント あんだよ。

 ちょっと待ってろ。

 ジャーン。 電車のおもちゃ。

 大輝 電車 好きだもんな。

 大輝 喜んでくれるかな?いやぁ。

  どうだろうな?』


「ふらっと来てこれ 渡してくれって。

 こんなもんでしか愛情 示せないみたいでさ。

 大輝は 父親のこと大嫌いだからって

 絶対 受け取んないけど

 私 こういうの取っといてんだよね こっそり。

 いつか 大輝が 父親のこと

 知りたいって 思ったとき

 俺 愛されてたんだって分かるように。」


という南の言葉に何か思いついた澪。

「ねえ。 あるんじゃない?

 ほら。 さっき 言ってた蔵。?

 遺品 全部 しまいこんだって。

 そこに こういうものが

 あるんじゃないかって。 ほら。」


忠子がでていき哲郎もおっていきました。
みんなもいこうとするのをとめる澪。

「家族の絆は家族で つくるもの。

 あの親子は 昔のことと

 向き合わなきゃいけない。」


音楽堂をみつめていた市長。

『時には 昔の話を』をうたう澪たち。

ベンチに座って昔を思い出す市長。
仲間と楽しく音楽をして
音楽堂の前で記念写真を撮った日。
父に反発した日々。

「親父の やってることこそ

 音楽なんかじゃない。

 こんな くそったれな伝統」

「お前は 音楽の何たるかも知らん。

 だから そう言うんだ。

 音楽堂での コンサートなど百年 早い」


哲郎と忠子は蔵の中をさがし何かみつけ
澪に連絡。

「もしもし。OK。グッジョブ。 学級委員。

 みんな 集めて。」

「This is it.」

音楽堂にやってきたみんな。
鍵は哲郎がもちだしてくれました。

シャンソンズのメンバーもみんな集合。

「コーチ。こんな夜中に 何です?」

「ここ入っちゃいけないんじゃ?」

「入っちゃいけないところに入るってことは?」

「ってことは?」

「立てこもるってこった。」

市長が帰宅すると家はまっくらで
誰もおらず、そこへ電話。

「もしもし。誰だね? 君は。」

「ブロードウェイのアンダースタディーであり

 解散した シャンソンズの コーチで…。」

「切るぞ。」

「ウエート ウエート ウエートウエート ウエート。

 私たち 今から市民センターに 籠城しますから。」

「籠城?」

「はい。音楽堂の使用許可を 求めて。」

「好きにしろ。 いつまでも居座るなら 警察を呼ぶだけだ。」

「あなたは警察 呼べないと思うな。

 だって この籠城の首謀者は私じゃなく

 お宅の 頑固な娘さんだから。」

一希たちが迎えにきて
市長もやってきました。

「誰が 勝手に入っていいと 言った?」

「お父さん すいません。僕が。」

「帰るぞ。」

「帰りません。」

「親子ゲンカは そこまで。

 朝になって 騒ぎになったら困るでしょ。

 だから できるだけ ジェントルに。

 どうぞ。 お座りください。

 市長に あらためて お願いします。

 音楽堂の使用許可を。」

「許可など出す理由も 必要もない。

 音楽堂が この町の諸悪の根源だと 教えたはずだ。」

「確かに おっしゃるとおり

 音楽堂が この町を駄目にしたのかもしれない。

 でも ホントは ただの

 個人的な復讐なんじゃないですか?

 音楽堂は 町にとっての負の遺産じゃなく

 あなたにとっての 負の遺産。

 そりゃ 消し去りたいですよね。

 父親に負けて 笑われたメモリアルな場所なんて。」

「父親のことなど 言うな。

 そんなものがメモリアルなわけない。」

「大切な メモリアルよ。

 ここに その確かな証しがある。

 これ おじいちゃんの遺品の中から 見つけたの。

 『1977年 6月7日

 野外音楽堂 フォークジャンボリー』

 おじいちゃん。 お父さんの歌を聴きに
 
  東京に行って 録音してたの。」


「そんなはずない。」

そのカセットを再生しました。

曲は『あの素晴しい愛をもう一度』

「これは 確かに お父さんの歌よね?」

「やめろ!」

「ラベルの裏には 

  1曲ずつ 感想が書いてある。

 『1曲目 演奏 良好にスタート。

 清忠 歌 4小節目 外す。

 2曲目 清忠 歌 まだまだ。観客 未消化

 3曲目 歌 まずまず。

 観客 わずかだが 盛り上がる

 未来に 期待

 いつの日か 音楽堂を

 観客でいっぱいにする姿を 見たい』

 おじいちゃんはお父さんの音楽を

 全部否定してたわけじゃなかった。

 むしろ 理解しようとしてその力を 信じていた。」


「違う!」

「違わないです。

 確かに 音楽堂で演奏し勝負をするには

 まだ 未熟だと判断されただけ。

 案の定 チケットは

 まったく 売れなかったんでしょ。

 現実を あなたは突き付けられて

 自分から 音楽を捨てたんじゃないんですか?」


「昔の話など 何の意味がある?」

「昔の話じゃない。

 時を超えて 音楽堂は

  ずっとお父さんを見てきた。

  お父さんの…。

  お父さんの反抗も挑戦も 憎しみも。

 その全てを 受け入れて今も 見守ってる。

 おじいちゃんと一緒に。

 ずっと そばに。そっと 同じ時を 生きてるの。

 なのに お父さんは 今将来の。

 未来の子供たちの夢を つぶそうとしている。

 見守ってほしいの。

 未来の子供たちに

 思いを つなげていけるように。

 おじいちゃんがそうしてくれたように。

 もう一度 お父さんが

 失った日々を 思い出して。」


忠子の訴えが市長の心を揺さぶりました。

『たしかなこと』をうたいだす忠子に続き
みんなも歌い始めました。

昔をまた思い出す市長。
息子の演奏をきいてくれていた父。
幼い忠子を肩車してあげた日々。
長い髪を切った日の自分。

市長の横によりそう忠子。
その手をとってそっと肩を抱き
涙する親子・・。

みんなそっと部屋からでていき
親子が残されました。


市長室で昔のテープをききながら
父が書いたメモをみている市長。

曲は『あの素晴しい愛をもう一度』

そこへ香奈絵が。

「やあ。 呼び出して すまないね。」

音楽堂の使用許可を出しました。

「いいの?」

「ああ。しかし 音楽堂は 予定どおり

 あと2週間で 取り壊す。

 これは この町の未来のための 決断だ。

 政を つかさどる者として

 これを 譲るわけにはいかない。」


「最後に 温情を下さるってこと?」

「昔 私が失った 一日。

 その一日を あげるよ。

 まあ その一日で

 何ができるとも 思わないがね。」


笑顔の香奈絵。

「私たちは 諦めたりしない。

 その一日で 未来を切り開いてみせる。」


また集まったみんな。

「シャンソンズ 再結成!

 音楽堂の解体まで あと2週間。
 
 私たちが 公演をやろうがやるまいが

 工事の準備は すさまじいスピードで 進んでる。

 止められないかもしれない。無意味かもしれない。

 でも 1%でも 望みがあるなら私は 戦いたい。

 どう?」

「おう! 」

「よっしゃ!」

「はい!」

「今まで 歌えなかった 鬱憤爆発させて

 音楽堂の公演まで 突っ走ろう!」

「おう!イェーイ! イェーイ!イェーイ! イェーイ…!」

だけどそのとき香奈絵がたおれてしまいました。

「先生? 先生!?先生!?」




市長がほんとは歌が好きなんだろうなとは
思っていたけどラブ&ピースでしたか。
予想を裏切らないお方・・。
あのお父さん、あんな笑顔で応援してる姿を
ちょっとでも息子にみせてあげていれば
何十年も遺品を蔵に放り込まれるような
冷えた関係にならなかったのに・・
似たもの親子ってことか。
ちゃんと相手を思ってるならわかりやすく
伝えないと。

でもやっと誤解もとけ
娘と和解できてよかった。
もういっしょに歌っちゃえばいいと思う。

シャンソンズに与えられた一度限りのチャンス。
一発逆転に・・なるといいなあ。
全国のゴミを引き受けるだけの街に
子どもたちも大人も住みたいか??


倉坂澪 天海祐希 
井坂忠子 石田ゆり子 
野々村まひる 大島優子 
馬場みぞれ 大島蓉子 
皆川玉子 菊地美香 
桜井玲奈 片瀬那奈
羽田南 福原美穂 
高垣忍 千葉雄大 
乾一希 玉山鉄二   

桜ママ 濱田マリ 
井坂哲郎 小泉孝太郎 
森香奈絵 久野綾希子 
井坂清忠: 岸部一徳


2012.06.08 Friday 08:32 | comments(2) | trackbacks(5) | 
<< パパドル! 第7話 | main | 夏色キセキ 第10話「たいふうゆうれい、今日のオモイデ」 >>
zebra (2013/04/07 8:25 AM)
音楽への 愛が深かったゆえ・・・

野口・・・じゃなかった 井坂市長の 若き頃の熱きハート・・・

 澪の「市長がラブアンドピース・・・」
あまりのギャップに信じられないと思ってる澪
しかもCGで 昔の若き頃の写真が 動いて 現在の市長の顔で澪をにらんできた場面は 笑ってしまいました^^

>
全国のゴミを引き受けるだけの街に
ゴミの歴史でできる未来の街に住むなんて たしかに悲しいです
honey (2013/04/09 8:09 PM)
>zebraさん

 本当に市長オンステージくらい
 やってほしかったんですけどねえ・・。
 絶対ノリノリでやってくれると思ったのに。

 ゴミばかりの街ではね・・









カエルの王女さま (第9話・6/7) 感想
4/12からフジテレビで始まったドラマ『カエルの王女さ』(公式)の第9話『号泣!真夜中のライブ』の感想。 一気にラストスパートか? 冒頭で堂々と主人公・澪(天海祐希)が、「私たちの目標は音...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2012/06/08 10:11 AM |
カエルの王女さま 第9話:号泣!真夜中のライブ
祝!再結成!!!(*^^)v v(^^*)ヤッタネッ! まぁ、このまま解散しておしまいって事は設定上ありえないし〜 音楽堂の取り壊しは現時点では撤回しないようだけど、これもどうなるやら・・・ だけど、予告によると澪にブロードウェイからオファーがあったようなので 音楽
| あるがまま・・・ | 2012/06/08 2:43 PM |
ドラマ「カエルの王女さま」 第9話 あら...
シャンソンズ失格-----------!?コンクールで優勝できなかったシャンソンズに対し、井坂の行動は早かった!!すぐさま練習所の封鎖、そして使用禁止の告知を貼られ、行き場をなくして...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2012/06/08 10:45 PM |
『カエルの王女さま』 第9話
 ラスボスは市長(岸部一徳)じゃなかったんだ。市長は敵の幹部で、最後に主人公たちの戦いに加勢してくれるのかな(ステージに乱入?)  市長の頑なな心をほどいていくのはそれなりの感動はあった。しかし、それだけ。全体の流れとしては、未消化な部分が残る。  
| 英の放電日記 | 2012/06/09 1:03 PM |
【カエルの王女さま】第9話感想と視聴率
「号泣・・・真夜中のライブ決行!」大島優子さん、AKB総選挙、1位獲得、おめでとうございます♪(^^)AKB総選挙の視聴率は、18.7%でした♪第9話の視聴率は、前回の8.4%より少し上が...
| ショコラの日記帳 | 2012/06/09 4:57 PM |