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ATARU 第9話

第9話



チョコザイことアタルが両親と再会。
沢や舞子は、父親からアタルの生い立ちや
渡米した理由など知ることになる。
だが、母親の様子に違和感を持つ舞子だった。
そんな時、沢の元に幼児の遺体発見という知らせが入る。
虐待とも思われる痣や傷のある遺体に謎が深まる。
一方、アタルが両親との感動的な再会を果たし、
親子水入らずの時間を過ごすことを望んでいた
舞子だったが、アタルは舞子のところへ戻ってきてしまい…。

         

チョコザイに舞子の父のスーツを着せて
チョコザイの両親にあいにいくことに。

八王子にある猪口医院。
普通にむかえてくれる父。

「ああ 初めまして在の父です。」

「警視庁の沢です」

「蛯名です」

「チョコザイです」

「すいません お仕事中に」

「いや

 アタル ラリーさんから聞いたぞ

 空港から逃げ出したんだって?」

「アタル君の本名が分からなくて

 こちらに お連れするのが遅く…」

「チョコザイ」

「こちらに お連れするのが

 遅くなりまして 申し訳ありません」

「こちらこそ ご迷惑をおかけして

 あの アタル君は仲蒲田にも…」

「チョコザイ」

「仲蒲田には何度も通ってたんです」

「仲蒲田に?

 でも10年も前ですよ 仲蒲田から

 八王子に引っ越したのは」

そのとき沢さんに電話。
同じくテレビでは事件のニュース。

「本日 午後2時頃  八王子市…」

「八王子の雑木林?

 俺 今 八王子にいるぞ

 体中に傷痕があるのに死因が不明?」

「主任もしかして この事件ですか?」

「今やってるよ」

「早ッ」

「母親の村井今日子さんと この雑木林に遊びに来ていて

 今日子さんが お昼に食べたお弁当のゴミを捨てに行った際

 目を離した隙に 朗君がいなくなったと話しています」

「Mission accepted 」

チョコザイ 捜査開始。

幼児の死体発見現場へ。

「村井朗君 5歳です」

「幼児の遺体か…」

「主任 ホントに八王子にいたんですね」

「おかげで 俺が一課で一番乗りだ」

「これ おかしくないですか?」

おなかにあざが。

「やっぱり そう思うか」

「何です?」

「服の外より中に傷が多い」

「検視官が言うには どれも致命傷じゃないそうです」

「じゃ 死因は?」

「解剖してみないと」

「そうですね」

めずらしく野崎が反対しない。

遺体を運ぼうとするとあわてる母親。

「ちょっと ウチの子どうするんです?

 朗 どうすんの!?」

「お母さん 大丈夫です

 解剖するだけですから安心してください」

「解剖!? そんな どうして?」

「どうしてって死因を特定するためです」

「嫌です 解剖は拒否します」

「遺族の承諾はいらないんですよ

 司法解剖には」と野崎さんがまた強気

「そんな…お願いします

 朗 待ってください

 待ってください!」

チョコザイの父の話をきく舞子。

「親の育て方が悪いからこんなふうになる

 それが25年前の発達障がいの認識でした。

 それに我々が どれほど追い詰められたか…

 しかもアタルは サヴァン症候群の傾向が強かった。

 でも そんな症状 まだ一部の専門家しか

 知らない時代です。
 
 当然 日本には頼れる病院も施設もありませんでした。

 でも 探し回った甲斐はありました。

 アメリカのノースカロライナに

 アタルに適してるという施設があることが分かったんです。

 アタルの診断書を送ると

 すぐにラリーさんが来てくれました。

 なぜか ニューヨーク市警が運営してるという

 療養施設に行くことになりましたが

 おかげで今 アタルは警察の仕事ができています。」

「警察の仕事って どんな仕事か ご存じですか?」

「ええ 捜査に使うデータの管理をしているとか。」

なくなった母親の話をきく警察。

「あの子の好きなものを詰めて

 お山にお弁当を食べに行ったんです。

 食べ終わって ゴミ箱を探してたら

 朗が いなくなってて

 家に戻ったら 警察から電話が…。」

警察がその場所を捜査。

「子供と弁当を食べたと供述した場所です。」

「あの母 親桃の花が好きだったみたいです。」

「ああ これ桃の木か。」

「母親がゴミを捨てた場所です。

 一応 供述どおりのゴミも採取できました。」

「で ちょっと気になる場所見つけたんです こっちです。」

「こっち行くと遺体があった場所だよな。」

「ええ でも気になるのは あれです

 5歳の子が喜びそうでしょ?」

遊具がありました。

「主任 あそこが 朗君の倒れてた場所です。」

「じゃ 朗君は母親がゴミを捨てに行ってる間に

 ここに来て ああいうので遊んで」

「こっから落ちた…」

「だとしたら 事故ですよね 捨て山ですよね。」

「いや 捨て山じゃない

 あの母親には きっと何かある。」

今日にかぎって捨て山言わない野崎。

そこへ玉倉と黒木もやってきました。

「主任 あの母親 3日前に…」

「3日前 朗君への虐待で通報されてます。」

「やっぱり で・・」

「通報した医師ですが

  地元の開業医猪口医院の猪口誠です。」

またまた当たるの父。

「年に1回は会ってるよな アタル。」

「ううん…」

「年に1回 ここに帰って来てるってことですか?」

「いや 私がニューヨークに行ってるんです。

 アタルは10年前 向こうの永住権を取りましたから。

 なッ」

「ううん」

「アタル ここで寝ない

 ここで寝ない ここで寝ない」

「はい アップデートしました」

「いい子だ」

「ううん」

「ああ ごめん」

「先生 警察から お電話です」

沢さんたち。

「村井今日子って母親 去年まで

 虐待容疑で4回も通報されてます。

 それで児童相談所が世帯訪問を始めた結果

 ここ1年は通報もなく安心してたようなんですが」

「それが 3日前にまた医師に通報されて

 今日 とうとう死亡したってわけか。」

「虐待が 常習化した母親が殺した可能性がありますよ。」

猪口医院。

「すいません 久しぶりの再会なのに。」

「いえ 警察に協力するのは 市民の義務ですから。」

「シッポがありません

 シッポがありません」


「まだ持ってたのか チョロ」

「チョロ?」

「仲蒲田にいた頃 アタルが飼ってたチョロです。

 アタルはチョロが大好きでした。

 だから妻が これをアタルに…

 そうか まだ持ってたか。」

「優しいお母さんね。」

そこへアタルの母のゆり子もやってきました。

「あなた 警察の方が。」

「妻です。」

「アタル お帰り。」

「アタル ママだよ。

 10年ぶりだろ。」

「10年ぶり!?」

「ああ 妻は その…

 ずっとニューヨークには行けなくて。」

「10年ぶりの親子再会ですよ。

 今夜は親子水入らず

 件の話はまたにしましょうよ ねッ。」

「大丈夫ですよ。アタルと 先に帰っていてくれ。」

「ああ…。」と母。

「じゃあ そうしよっか。」

「シッポがありません。」

「今 シッポはいいでしょ ほら

 じゃあ お母さん。」

「ううん…。」

「じゃ ウチにいますから。」

とでていくゆり子。

「いますから…

 あッじゃあ 行こっか ねッ」

舞子とチョコザイもでてきました。

「3日前の患者のことですよね。」

「ご存じですよね? 村井朗君。」

「ええ 3日前に道端で おう吐していたとかで

 近所の人が連れてきた患者です。」

からだにはあさがいっぱい。

「すぐに母親を呼んで聞いたんですが…」

「このヤケドは?」

「アイロンをかけてたら急に近づいてきて」

「アイロン…」

「はい」

「じゃ この傷は?」

「この子 外で駆け回って遊ぶのが好きなんで… ねえ 朗」

とごまかす朗の母。

「まあ その手の傷ではないことは分かりましたが

 確信が持てなくて。」

チョコザイの母が夕食をすすめてくれました。

「一緒にいかがですか?」

「いえ今夜は ぜひ家族水入らずで

 ほら チョコザイ君

 お母さんのご飯だよ おいしそうね。

 じゃあ また力貸してね。

 失礼します。」

アパートに戻った舞子と沢さん。

「チョコザイ君の仕事がデータの管理?」

「ラリーさんから そう聞いてるって。

「両親に嘘ついて勝手な訓練してるってことか。」

「FBIの仕事だから詳しく話してないだけでしょう。」

「何でそこまであの男のこと信用すんだ。」

「主任こそ 何でそんなにラリーさんを疑うんです?」

「犬飼が見てたんだ

 あの…」

シンクロナイズドスイミング刑事。

「結構 人気のドラマなんですね。」

「そういうことじゃなくて。

 あのドラマの警察監修をラリーって男がしてたんだよ。」

「ああ〜 ラリーさんが関わったドラマだから

 チョコザイ君 見てたんですね。」

「あのドラマは24年前から始まってる。

 チョコザイ君が渡米した1年後だ。

 そのドラマをチョコザイ君と犬飼が見てる。」

「人気の海外ドラマを 二人が見てた何か変ですか?」

「変やろう。もう!」

「捨て山

 チョコザイ君のおかげで

 捨て山だった事件がたくさん解決しました。

 たくさんの人が救われたと私は思います。」


『あなたとアタルがいれば

 捨て山はなくなるかもしれない』

といっていたラリー。

「そのチョコザイ君を

 25年間 育ててきたのは

 ラリーさんですよね。

 初めから疑ってかかるのは

 おかしいとは思いませんか?」

そこへ弟たちもはいってきました。

「チョコザイさん どうだった?」

「あッ… うん 大丈夫。

 今日はホントの家族水入らず。」

「チョコザイさん もう戻って来ないの?」

「どうだろう。

 帰国するまで住むのは 向こうかな。」

「だとしたらチョコ君がウチにいたのなんか

 本当に あっという間だったね。」

しんみりした空気の中、チョコザイ帰宅。

「ていう間に帰って来たけど」

「なッ どうして チョコザイ君?

 どうしたの?」

「ここが家です。」

「あッ!

 アップデートし忘れた。」

「花があります。」

花をみつめるチョコザイ。

電話をうけて目が覚めた沢さん。

「ああ チョコザイ君?

 チョコザイ君なら今 俺の下に寝て… ない!」

渥見のところにいました。

「ここまで どうやって入ってきたか知らないけど

 入った途端カレースープって騒ぎ始めたのね。」

「はいはい チョコザイ君。

 はいはい」

「あれれれ」

「ちょっと こっち来て。

 おとなしく待ってろよ。

「悪かったな で 調べてくれた?村井朗君の傷。」

「うん 傷は いっぱいあったけど

 最近の傷は これだけなのね。」

「ほお〜残りの それは?」

「全部 1ヵ月以上前の傷なのね。」

「目が痛い 目が痛い 目が痛い」

とつぶやくチョコザイ。

「ああ 分かった。

 ちょっと悪いはいはい 分かった 見ないの。」

「そういえば 朗君の眼球とまぶた炎症を起こしてたのね。」

「えッ? 炎症… どうすれば

 どうすれ…どうすれッ」

「はい?」

いちいち反応するチョコザイをまた
むこうにおしやる沢さん。

「チョコザイ君 こっちここで じ〜っと おとなしくして

 分かった?

 炎症ってどうすれば そんなふうになるんだ?」

「目にシャンプーとか入るとこうなるのね。」

「シャンプー。」

「で この4つの傷だけど これヤケドね

 これもヤケドね これもヤケドね これ切り傷。

 解剖の結果 どれも致命傷じゃないし

 病気の所見も出なかったのね。」

「じゃあ 死因は?」

「この弁当箱から出なかったのね 毒物。」

「そうか 毒物の可能性があるか。」

「今 血中毒物の検査してるのね。」

「毒殺の可能性があるんですか?」

舞子がはいってきました。

「お前は首 突っ込むな。」

「あッ チョコザイ君

 どうして 一人で来たの?」

「シャンシー DA101」

というチョコザイ。

「ナンシー DNA イマイチ…」

「シャンシー DA101」

「あッ何だ このヤケドの痕?」

「シャンシー DA101。」

廊下の長椅子で眠るチョコザイ。

「チョコザイ君 また眠れてないの?」

「またクマできてるな」

「何で 勝手に来たの?」

「そういうふうに仕込まれてんじゃないのか?

 あのラリーって男に。」

その会話をきいているラリーたち。

「違う。

 蛯名舞子に力を貸してるんだ。」


『また 力貸してね』と言ったから。

「恋愛感情があるんですかね?」

「What?」

「アタルはマイコに・・」

「アタルに恋愛感情…。

 まさか。

 アタルにそんな能力はありません。」


というラリー。

職場に戻った沢さん。

「あッ 主任 分かりました。

 『シャンシー』は中国の家電メーカーでした。

 その電気ケトルの型番に『DA101』があります。」

朗の母のところへいく捜査員。

「これは 朗君の左ヒジ内側のヤケドをつなげた写真です。

 照合したら一致しました。

 朗君のヤケドとこの電気ケトルの この部分が。」

「朗が そのポットが沸いたとき勝手に触って。」

「それで朗君がヤケドした。」

「そうです。」

「お母さん あなたね」

「本当です。」

「じゃあ何でアイロンでヤケドしたと嘘をついた。」

野崎がまたきつい口調でいうのをとめる沢さん。

「野崎」

「朗君…

 3日前に道で吐いて 近所の人に病院に連れてかれてますね

 吐いた原因は?」

「分かりません。」

「お母さん朗君の体にあった こういった傷

 鑑定の結果全て 1ヵ月以上前のものでした。

 何の傷でしょう?」

「朗は あのお山が好きで

 よく転んでケガをするんです。」

あくまでもいいわけする母親。

ゆり子の話をきく舞子。

「今でも 見たものを全部 覚えちゃう?」

「はい?」

「今でも あの子 色々と見破っちゃいます?」

「というと?」

「昔 まだアメリカに行く前

 いつもアタルが教えてくれたんです。

 なくした鍵や リモコンが どこにあるのか。

 買い物に出たときなんか

  冷蔵庫に何が どのくらい残ってるか

 それも全部 教えてくれるんです。」

「その頃から記憶力 すごかったんですね。」

「小学校に行くと お友達のウチに

 呼ばれるようになりますよね。」

「ええ」

「帰って来ると 教えてくれるんです。

  そのお宅の…ヘソクリの在りか。」

「えッ?」

「通帳や 印鑑のある場所 口座番号や暗証番号まで。」

「そんなこと どうやって。」

「分かりません 分かりませんけど 

 アタルは 目に入ったものを全て記憶し

 一見 無関係に見えるものでも

 つなげてしまう 

 そんな卓越した観察眼がある。

 たとえ本人に観察してるつもりはなくても…

 ずいぶん後になってそんな診断を受けました。

 あるときなんか妊娠できないことを深刻に悩み

 周囲に内緒で病院に通われているご夫婦に向かって…。」

「不妊治療のお薬 不妊治療のお薬

 不妊治療の本 不妊治療の日」

「やめて!」


「分かってしまう能力だけが ひとり歩きして 

 分かったことを胸に

 しまっておく能力がないんです。

 何を言ったかは 自分でも分かってない
 
 悪気はない いくら そう説明しても

 理解してもらえませんでした。
 
 アタルに 友達がいなくなり

 私達も 近所から距離を置かれるようになりました。

 友人はいなくなり 主人の仕事もうまくいかなくなり

 そんなとき おなかに介ができて。」

「介?

 アタル君の弟さんですか?」

「精神的に ボロボロでしたそんなとき…。」

ネズミのしっぽを持っていた
幼いチョコザイ・・
そしてしっぽがとれました。

「ああ〜ッ!」

「シッポが切れることはよくあると

 後から聞きました。

 でも あのときは もしかしたら

 生まれてくる子にも

 そんな乱暴するんじゃないかって

 それ以前に また何もかも見破って

 これ以上 周囲に白い目で見られたら

 生まれてくる子供が…。」

「お母さん

 誰かに 相談とかは?」

「カウンセラーに

 フラワーセラピーを勧められましたけど

 何の効果もありませんでした。

 そんなときにラリーさんが来てくれたんです。

 渡りに船でした。

 アタルを託しました。

 そのとき 私

 アタルを厄介払いしたんです。」


「お母さん もう。」

「私 アタルを捨てたんじゃないかって」

「アタル君の前です やめて…」

「ずっと その罪悪感があります。
 
 アタルを見るたびに

 その罪悪感が噴き出すんです。」


舞子はチョコザイをつれて帰り
沢さんのところへ。

「それで 連れて帰って来たのか。」

「そのほうが チョコザイ君にも 

 お母さんにも いいと思って。」

「お前はチョコザイ君の家族か?」

「はあ?」

「家族には 家族にしか

 分からないことがある。

 いいか 

 ちゃんと 家族のもとに帰すんだ。」


「かぞく…」

沢さんは渥見さんのところへ。

「毒物が出なかった。」

「じゃ 毒殺の可能性はゼロか。」

「ノンノン 子供は代謝が早いから

 毒物が微量だと検出は難しいし

 その微量が 子供にとっては致死量だったりするのね。」

「じゃあ まだ毒殺の可能性はある。」

「あッ 眼球からの毒物の検出は?前にやったよな。」

「もちろん やってみたのね。でも検出できたのは 涙だけ。」

「涙?」

「この子 死ぬ前に

 ずいぶん泣いたってことなのね。」

チョコザイがはいってきて写真を指さしました。

「その傷 知ってます。

 この傷 知ってます。」

「お前 これ以上チョコザイ君に捜査させるな。」

「この傷に何かあるのね?調べてください。」

「今回は捨て山じゃない。ちゃんと俺達が捜査してる。

 だから チョコザイ君は必要ない。」

「毒殺なのに 毒物が出なくて困ってるんですよね。」

「捜査したいなら 退職届 撤回しろ。」

「どんな事件でも 私は真実が知りたいんです。」

「お前のエゴに

 チョコザイ君を利用するな。」


「エゴ?」

「今のお前は あのラリーって男と一緒だよ。

 25年も チョコザイ君を 捜査の道具にしてきた男だ。」

「ねえねえ」

「一応 調べてみるのね。」

出ていくチョコザイ。

「チョコザイ君。」

「お前 どこ帰る気だよ?」

「チョコザイ君の保護 解除することにしました。」

「身元引受人は?」

「ラリーさんです。」

「お前…。」

「ご家族の希望です。

 チョコザイ君 待って。」

その後、またまた渥見さんと沢さん。

「チョコザイ君が指摘した 朗君の指の傷口から

 微量の毒物が検出できたのね。

 毒が代謝する前に

 傷の血と一緒に固まったってことなのね。」

「青酸性毒物… 毒殺か。」

中津川に報告する沢さん。

「母親は 自分が虐待でつけた傷で

 自分の犯行を露呈させたんです。

 これから任意同行して取り調べ…」

「チョコザイ」

「はい?」

「チョコザイとかいう

 あの青年のお手柄ですね?」


「あ… ええ。」

「彼は何者なんですか?」

「ご存じなんじゃないんですか?」

『その違法電波 忘れてください』

「そう言って 止めましたよね。」

「君が勝手に アメリカ大使館員の素行調査をしている。

 組対二課から そんな抗議を受けたから止めただけです。

 そうですか あれは彼を調べていたんですか。」

「あのとき 私も違法電波にチョコザイ君が関係してるとは

 知りませんでした。

 あッ 実はチョコザイ君は FBI…。」

「それは聞かないことにします。」

「それは どういう…。」

「私は そうやって ここまで来た。」

「ああ…。」」

「ということです。」

中津川もなかなかのお方・・。

野崎が朗の母のところへ。

「こんなの知りません。」

「知らない… 朗君と一緒に住んでいるのは あなただけだ。

 あなた以外の誰が朗君に毒を盛るんですか?」

「一応 この家にある洗剤とかの薬品類

 押収させてもらいますね。」

野崎の顔が怖い。

チョコザイの父と舞子。

「妻から話を聞きました。

 あんな話を聞けば アタルを置いてけないですよね。」

「あれ どこ行った?」

となりの部屋のベッドで寝ていました。

「あッ アタル君 眠いの?」

舞子の袖口をつかむチョコザイ。

「あッ」

「チョコザイ」

「何だ 起きてんじゃん。」

そこへ電話。

「あッ すいません 病院で

 はい

 えッ 毒物が出た?待ってください。

 今 猪口医院にいるんで聞いてみます。

 あの 朗君のこの傷なんですけど。」

「ええいッ」

写真をとばしました。

「あッ すいません えっと これと…

 先生が診察されたとき

 この傷 ありました?」

「いや 指に傷はありませんでした。」

「聞こえました? ええ…」

「ええ 死亡したときに ついた傷かもしれませんね。

 あッチョコザイ君が動き出しました。」

「アタル… どういうことですか?」

「事件の捜査をしてるんです。」

「アタルが 事件の捜査してるんですか?」

「うまく説明できないんですが

 そういう訓練をしているそうです。」

外へいくチョコザイ。

「何か分かったの?」

『何だ このヤケドの痕?』

『シャンシーは「DA101」があります』

『炎症を起こしてたのね』


「うう…ううん」

「チョコザイ君?」

「花です。

 これも花です。」


と地面におちている花弁をゆびさしました。

「あッ花…。」

沢さんに知らせました。

「桃の花か?」

「これって桃の花なんですか?」

「違います。」とチョコザイ。

「いい加減に チョコザイ君に捜査させんのやめろ。」

そこへやってきたラリー。

「ラリーさん。」

「アタル ずっと寝てないようですね。」

「何で知ってるんですか?」

「私は アタルのことなら何でも知ってるんです。」

チョコザイの母の手料理をいただく
舞子たち。

「うん うまい!

 お母さん おいしいです。」

「どんどん召し上がってくださいね。

 弟は仕事で来れないみたいで 残っちゃいますから。」

「弟さん 何のお仕事を?」

「ああ バーテンダーみたいなことやってます。」

「カッコイイ ねえ。」

ラリーと沢さんもいっしょ。

「あなたと食卓を囲むとは思いもよりませんでした。」

「事件の捜査中じゃないんですか?」

「あなたがアタル君といるのが

 不安で不安でしょうがないんですよ。」

「チョコザイ」

「もう その不穏な空気やめましょうよ。

 こんなごちそう 前にして。」

「でも相変わらず それ吸ってるのね。」

「アタル ケチャップやめなさい

 ママの料理 好きだったろ?」

「ほら アタル君 もうケチャップは」

「チョコザイ」

「許してないのよね ママのこと。」

「奥さん アタルは向こうでも 夕飯は食べませんでした。」

「だったら朝と昼に 栄養の取れる物与えるべきだろう。」

「与えるって何ですか アタルは動物じゃない。

 食べたい物を食べる権利がある。」

「その結果 夕飯 食べないって

 どういうことだ。」

「やめてください ご両親の前で。」

「ウチの医療チームが言うには

 この商品に含まれる 糖分や野菜や肉のエキスの配分が

 開発されたアタルの脳にマッチしている。

 だからアタルは欲するんです。」

「まるで ロボットのエネルギーオイルだな。」

「やめてください アタル君の前で。」

「チョコザイ!」

めずらしく大きい声を出すチョコザイ。

「ああ 思い出しました。

 昔 仲のいい友達がチョコザイって呼んでました。」

「そうなんですか。」

「お二人は チョコザイって呼んであげてください。」

「チョコ… ザイ」

「あ… あの

 日本にいた頃のチョコザイ君の好物は?」


「えッ?」

「ああ おにぎりじゃないか?」

「おにぎり。」

「ええ。アタルの 初めての遠足のとき。」

「そのときに

 持ってったおにぎりですか?」


「結局 遠足には

 行けなかったんですけどね。」


「ああ 雨かなにかで?」

「土壇場になって

 辞退してくれって言われたんです。

 引率の先生が責任 持てないからって。」


「でもその日の夕飯に作ったんだよな。」

『遠足に行ったらねこれを食べるのよ。

 だから これを食べれば…

 遠足になんか
 
 行かなくたっていいんだから。』


涙を流しながらおにぎりをにぎる母。

『いただきます』

「それからのアタルの夕飯は

 おにぎりになりました。」


「おにぎり…。」

「ええ。」

「でも あんとき食べなかったよな。」

「コンビニのおにぎりじゃなくて

 お母さんのおにぎりじゃなきゃ

 ダメなのかも。」


「えッ?」

「ゆり子 おにぎりを。」

「アタル おにぎり食べる?」

ケチャップのびんをおくチョコザイ。

「うん」

「すぐ作る。」

たちあがって植物をゆびさすチョコザイ。

「花が…

 花がありません。」


「ああ いつもウチに飾ってるんです。

 ええ チョコザイ君の希望で。

 こんなふうに。」


と写真をみせる舞子。

「ああ これアメリカでもやってます。

 アタルが自主的に始めた

 数少ない習慣です。」


「何で その花が好きなんです?」

「さあ。」

「1本の茎に

 いくつも花をつけるから

 だから 4つの花をつけた

 ユリを愛しなさい。
 
 私と妻と アタルと おなかの中にいた介

 その四人を 同時に愛せるよう。

 そういうフラワーセラピーだったよな。」


「そっか。

 だから こだわってたのね。

 飾ることで 家族と一緒にいたんだよね。

 この25年間 ずっと。

 お母さん。

 許してないなんて とんでもないです。

 恨んですらなかったんですよ。」


おにぎりをにぎるしぐさをするチョコザイ。
泣きだす母の肩をとんとんとたたき

「ママ

 おにぎり」


というチョコザイ。

そこへ沢さんへ呼び出し。

「ああ 分かった 野崎 すぐに向かう。」

「主任」

「ああ チョコザイ君

 ダメだ ついて来ちゃ 家に戻って。」

「アタルの好きにさせてください。」とラリー。

「チョコザイ君は今日 やっと親子になれたんだ。

 なのに まだ捜査をさせる気か?」

「アタルには 事件現場こそが癒やしなんです。」

「癒やし?

 チョコザイ君の手のひら見てみろよ。」

爪のくいこんだあと。

「チョコザイ君は

 事件を解決するたびに

 ストレスを感じてる。」


「まさか…。」

「アンタがしてることはただの虐待だよ。

 行くぞ。」

「あッ 待って。

 待って! もういい ごめんなさい。」

「そんなはずはない。

 私達の25年は…

 間違ってない。」

チョコザイは歩き出しました。

朗の母にはなびらをみせる沢さん。

「この花から 朗君の血液が検出されました。」

「桃の花?」

「あなたの好きな花ですよね。

 だから あの日も 桃の木の下で

 朗君とお弁当を食べた。」

「その後 あなたはゴミを捨てに行き

 朗君は きっとその間に見つけたんです。

 桃の木のずっと奥で…

 この花が咲いてるのを…

 それを摘んでるうちに

  道が分からなくなったのかもしれない。」

『お母さん お母さん どこ?』

「それでも懸命に道を探し

 やっと農具やトラックのある場所へ出た。」

「でも そのときそこには人はいなくて

 焼却炉だけが燃えていました。

 その焼却炉を鑑定した結果

 わずかに付着した朗君の血痕のついた皮膚片が

 採取されました。

 つまり 朗君は その焼却炉に触ってしまったんです。

 それでヤケドをし思わず 持ってた花を

 焼却炉に落としてしまった。

 そのとき 笹のような鋭い葉で指を切った。

 そう それは桃の花じゃなかったんです。

 夾竹桃といわれる 全く別の花だったんです。

 燃えた夾竹桃からは

 すぐに青酸性毒物の組成によく似た

 しかし それよりずっと毒性の強い煙が発生した。」

『痛いよ〜』

「それを浴びた朗君のまぶたは炎症を起こし

 それを吸引してしまった彼は

 苦しみながら 山道をさまよい歩き

 やがて あそこで力尽きたんです。

 つまり 朗君の死因は

 不幸な事故です。

 いつも警察が捨て山って言ってる事案です。

 でも あなたにとって
 
 決して 捨てていい事実じゃない。

 その花 桃の花に よく似てますよね。

 あなたの好きな桃の花に
 
 だから朗君はその花を摘んだんです。

 不思議ですね 子供って。

 どんなに疎まれても

 どんなに嫌われても

 母親が好きなんですから。」


「ごめんなさい。

 ごめんなさい 朗。

 ごめんなさい。

 いろんなことが うまくいかなくて

 いつからか しつけと虐待の境目が

 分からなくなったんです。

 電気ケトルも私です。

 朗が道で吐いたのは

 ストレスです。

 私の虐待のせいです。

 だから 朗の好物ばかり持って あの桃の木の下へ。

 もう二度と虐待はしたくないって

 私を逮捕してください。」

泣いて叫ぶ母親。

「Mission…」

「刑事さん お願い」

「accompli…」

「私を逮捕して!」

いつもはそのまま眠るのに
耳をふさいで叫ぶチョコザイ。

「ああ〜

 ああ〜ッ

 ああ〜ッ!」

そして倒れました。

「チョコザイ君は?」

「検査結果が出ないと分からないけど

 この前のような失神じゃない。

 何らかの理由によるこん睡状態だって。」

「それって何?

 いつ目が覚めるの?」

「分からない 目覚める保証も…。」

「チョコザイ君。」

「これが アンタが日本でしたかったことか?」

「こんなこと 今までなかった。

 どうして…」





チョコザイの両親、最初のころみたのは
いかにもあやしげなかんじだったのに
普通のいい両親だった・・。
同じくラリーも怪しい人だと思っていたら
こちらも親のような気持ちで
チョコザイのことを思う人だった・・。
チョコザイの能力をいかしたいと
思ってるのは本当にみえました。

あれだけ奇行の多いチョコザイを
子どものころから育てるのは
たいへんだったと思う。
我が子に遠足にくるなと言われて
悲しくない母親なんかいるでしょうか。
母親がノイローゼ気味になるのもわかる。
そして手放したあとずっと罪悪感を
もちづけていたというのも不幸でした。
チョコザイにきらわれてると思い込んでいたけど
実はずっと母のことも家族のことも
大好きだったチョコザイ。
おにぎりのシーンでは泣けた・・・!

で、今回の事件は幼児虐待の疑い。
いつも捨て山捨て山とうるさい野崎が
めずらしくやる気満々で虐待は許せない
事情でもあったのでしょうか。
実際虐待されていたけど
結果は不幸な事故で
それでもずっとママが大好きだった子どもに
またまた泣けた。
「逮捕して」と叫ぶ母親に良心が残ってて
救われました。

捜査をするのがストレスになっているチョコザイは
この能力のうまい活かし方、他にないのかなあ・・。


    

チョコザイ  中居正広
沢 俊一   北村一輝
蛯名舞子   栗山千明
蛯名 昇   玉森裕太(Kis-My-Ft2)
蛯名達夫   利重剛
蛯名真理子  奥貫薫
中津川    嶋田久作
野崎蓮生   千原せいじ
蓮見怜志   田中哲司
犬飼甲子郎  中村靖日
松島光輝   庄野崎謙
石川 唯    光宗薫(AKB48研究生)
黒木永正    中村昌也
玉倉 孝    三好博道
チョコザイの父 市村正親(特別出演)
ラリー井上    村上弘明











2012.06.10 Sunday 23:41 | comments(0) | trackbacks(6) | 
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