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37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜第11話(最終話)「僕が医者を続けるただ一つの理由」

第11話(最終話)「僕が医者を続けるただ一つの理由」



すず(ミムラ)は7年ぶりに声を取り戻したものの、
そのまま危篤状態に陥る。そんな状況の中、
祐太(草なぎ剛)は周囲の反対を押し切って
「患者さんが待っているから」と通常通りの勤務に就く。
一方、佐伯(松平健)は恩師の伊達(竜雷太)の死を
めぐる医療訴訟問題を力ずくで示談にまとめ、
晴れて医学部長の座をつかんだ。だが、
その直後のカンファレンスの場で、下田(八乙女光)が
伊達の形見の手紙を手に、伊達への謝罪を直談判する。
激高した佐伯はその場で手紙を破り捨て、
祐太らに絶望感が広がる。



祐太のナレーション。

『それは 彼女が話してくれた

 僕と出会う前の彼女の思い出だ。

 例えば4歳のときに見た夕日の大きさ。

 引っ込み思案で

 小学校の頃は本ばかり読んでいたこと。

 初恋は中学2年生のとき

 サッカー部の先輩だったそうだ。

 短大のアウトドアサークルで

 キャンプの魅力に目覚めたらしい。

 生きてる感じがするからと言っていた。

 そして彼女の就職先に僕がいた。

 それまでの彼女とそれからの彼女。

 その全てが僕には いとおしかった。

 そう その全てが…。』


「すず!すず!」

「すずさん!」

「葛城さん!

 緊急で頭部CTを撮る。

 その間に持続透析の準備だ。戻ったら すぐに回すぞ。」

と指示する森下先生。

すずの父にも説明。

「すずさんは 今 状態が悪化し傾眠状態にあります。

 持続透析に切り替え 辛うじて循環動態は保たれていますが

 危険な状態であることに変わりはありません。」

「意識は…意識は戻るんでしょうか。」

「可能性はゼロではありませんが難しいと思います。」

「そうですか。」

森下先生にいう沢村先生。

「私のせいです。

 私が 転院の希望を受け入れようとしたから。」

「そのことと病状の悪化は関係ない。」

「でも…。」

「君は それが患者のためになると思ったんだろ?

 なら 医者として今は まだ振り返るな。」

研修医の部屋に戻ってきた沢村先生。

「沢村先生。 すずさんは…。」

「大丈夫なんだよな?」

谷口先生と下田先生も心配そう。

「ムンテラの時間。

 紺野先生 動けないから私たち3人で分担する。

 さっさと準備して。」

と気丈にふるまう沢村先生。

「切り替え 早ぇな ほんと。」

「そうかな。違うと思うよ。」

沢村先生、みんなのいないところで
すずのことを思い出して泣いていました。
そこへやってきた師長。

「沢村先生。

 まだ泣いていい状況じゃないでしょ。」

「すいません…。」

「5分だけよ。」

すずの父をみおくる祐太。

「あぁ いいよ ここで。」

「玄関まで。」

「そばにいてやってほしいんだ。

 そういえばすず 話せたんだってね。」

「ええ。」

「何て言ってた?」

「寝癖って。

 僕の頭を見て寝癖って言いました。」

「そうか。

 あの子は 君と一緒にいられてうれしかったんだな。

 ずっと望んでた普通の暮らしを君と送れて。

 ありがとう 祐太君。」

「お父さん…。」

「あと少しかもしれないが

 あの子のことをよろしく頼む。」

すずのところに戻る祐太。

内科病棟。

「いや〜 めでたい!皆さんの応援で

 佐伯先生は見事 医学部長の座を

 射止めることができました〜。これで もう

 総合内科の未来も安泰です。 ははははっ。」

と大喜びの中島先生。

「申し送り そろそろ始めてよろしいでしょうか。」

「はいはい どうぞ。」

「では お願いします。」

「まず受け持ちの患者さんの変更から。

 紺野先生がしばらく休みになるんで

 皆さん 協力してください。」

そこへやってきた祐太。

「遅くなって すいません。」

「いや… どうしたんすか紺野先生。」

「お休みするんじゃ…。」

「患者さんが待ってますから。」

いつものように仕事をする祐太。

「よう おい 紺野。」と声をかける石浜さん。

「何ですか?」

「何ですかじゃねぇだろう。

 いいのか? お前仕事なんかしてて。」

「ええ まあ。」

「だって お前 あれだろ?

 彼女 入院したって…。」

「大丈夫です。仕事が終わってから会えますし

 時間が空いたら 顔 出しますから。」

「けどよぉ…。」

「心配してくれてありがとうございます。」

「いいのかよ 瑞希っちゃん。」

「普通が いいんだと思いますよ。」

「普通?」

「彼女も望んでいたことですから。」

「紺野先生ですしね。うん。」

「泣かせんなぁ おい。」

佐伯教授と中島先生。

「勤勉なんだねぇ 紺野先生は。」

「こういったときにお休みするかどうかは

 本人しだいでして。」

「まっ いいんじゃないの。

 私のほうからは もう

現場に口を挟むことはないしね。」

「かしこまりました。

 あの〜 それからですね。

 その〜 佐伯教授の医学部長ご就任に伴いまして

 やはり 今後の総合内科のかじ取りを行なう人材が

 必要なのではないかと思っておりまして。」

「あぁ 確かにね。」

「でしたら…でしたら!不肖ながら 私 中島保が!」

「教授代行は森下先生に任せる予定なんだ。」

「はっ?」

「だから 森下先生に。」

「あぁ〜 はぁ〜そうでございますか。 あぁ〜。」

「彼は優秀だからね。

 それに ほら君は

そういう器じゃないでしょ。」

「はっ…。そうでございますよね ええ。」

「いろいろと引き継がなきゃねぇ森下先生に。 」

「ははっ。」

中島先生かわいそう・・。

その森下先生は他の先生たちに根回し。

「佐伯先生が?」

「ほんとかね?」

「確かな情報です。

 ですから 体調面で今後

医学部長の職務の継続は困難かと。

 佐伯先生が退けばまた選挙になります。

 早急に票を取りまとめ派閥から

後継を立てるのが得策かと。」

「君がそんなに

駆け引きがうまいとはね。」


「はっ…私も

大学病院の医師なので。」


すずの病室。
つきそいしている母。

「あっ お母さんやっぱり少し休まれたほうが。」

「でも 何かあったらと思うとね。」

「仮眠室は?」

「いっぱいでした。

 だから あの アパートのほうで。」

すずの母とアパートにいっしょに帰る沢村先生。

「私 こっちの部屋なんで。

 何か あったら言ってください。」

「ありがとう。」

すずの母も泣きだしました。

「お茶でも いれましょうか?」

「ううっ ごめんなさいね。

 あの子も祐太さんもまだ頑張ってるのにね。

 あっ 後で何か作って 持っていきます。」

「えっ?」

「お医者様は お忙しいんでしょ。

 ご迷惑でなかったら。」

「親子ですね やっぱり。」

そこへレンタルビデオ店から
延滞のお知らせ電話。
沢村先生がかわりに払いにいきました。

すずにつきそい話しかける祐太。

「そうだ。 2人で手話習いはじめた日のこと 覚えてる?

 一緒に手話サークル行ってさ。

 最初に習ったのお互いの名前だったよな。

 すずのほうが覚えるの早くてさついていくの大変だったよ。

 良くなったらまた2人で何か習いにいこうな。」

翌日。仕事中。
新見先生と祐太。

「紺野先生 午後のカンファレンスの資料は?」

「もう出来てます。」

「仕事は早いですね ほんと。

 それと 今日のカンファレンスは

おとなしくしててください。

まあ 紺野先生も

今はそれどころじゃないでしょうけど。」

カンファレンス

伊達さんの奥さんから渡された手紙の
ことを考えている下田先生。

「えぇ〜 何かご意見やご質問のある方は?

 では 本日はこれで。」

「あの ちょっといいですか?」

と下田先生が手をあげました。

「下田君?」

「何か?」

「佐伯先生にお渡ししたいものがあります。」

「ほう。 花束でもくれるのかな。」

「これです。

 伊達さんの奥さんから預かってきました。」

「ちょっと… 伊達さんって。」

「先日 うちの病院でお亡くなりになった伊達さんです。」

「今度は あいつかよ。」

「手紙…。」

「昔 佐伯先生から伊達さんに送られたものです。」

「下田先生 その件はもう示談が成立したんですから。」

「べつに蒸し返そうってわけじゃありません。

 俺は 預かってきたものをお渡ししたいだけです。

 どうぞ。」

「下田先生 私は 医学部長なんだよ。」

「知ってます。」

「なら 理解しておいたほうがいいね。

 研修医が 意見できるような

相手では ないということを。」

手紙をやぶりすてる佐伯教授。

「もうすぐ 実務から離れる身として

 唯一 残念なのは 

 今年の研修医たちが

 そろって 不出来だったということかな。」

手紙を拾い教授につかみかかろうとする下田先生。

「あんたなぁ…。」

「下田先生!いけませんよ。」

ととめにいく祐太。

「中島先生 今日のカンファレンスはこれで終わりだ。」

「あぁ はい。 では。」

そのとき佐伯教授がいきなり痛みに苦しみ倒れました。

「うっ…。うぅ…。」

「佐伯教授?」

かけよる先生たち。

「大丈夫ですか?」

「至急 救急に連絡を。」

「はい。」

佐伯教授をみつめる森下先生。

病室で目が覚めた佐伯教授。

「お目覚めですか 佐伯先生。」

「ここは?」

「特別病棟です。鎮痛剤を打ちましたので

 痛みは治まっているかと。」

「先生の病状については聞き及んでおります。

 後は 我々にお任せいただいて 治療に ご専念を。」

「随分と段取りがいいんだな。

 これは全て 君のお膳立てか?」

森下先生も椅子に座っていました。

「医学部運営を

 スムーズに移行させるための措置です。」

「はっ…やってくれたねぇ 森下先生。

 はぁ〜 ふっ。

 何だか 君とは

 初めて友達になれた気が…。」


「お疲れさまでした 佐伯先生。」

森下先生、なぜこんな人に・・。

中島先生が病棟の医師たちに説明。

「膵癌ですか?」

「既に ステージ牽發納蟒囘用もない状態だそうです。」

「佐伯先生ご本人は そのことを?」

「ご存じです。以前から他の病院で

 検査を受けておられたようですから。」

「じゃあ 何で医学部長選挙に?」と谷口先生。

「とにかく 佐伯先生は本日から特別病棟に入られます。

 担当は新見先生に お願いしますから。」

「俺がですか?」

「よろしく。」

「ややこしくなってきたね。」

「全く。」

研修医たち。

「何か よくわからないんですけど。

 あんなに権威主義で

 医学部長まで上り詰めた人が

 いきなり膵癌なんて…。」

「医者でも 王様でも 

病気になるときは なるでしょ。」

「天罰なんじゃねぇの?

 さんざん好き放題

やってきたんだし。」


という下田先生に

「違いますよ 下田先生。

 そんなふうに言ったら

 他の患者さんにも失礼です。」


という祐太。

「すいません。」

すいません、私も天罰って思った、、

「佐伯教授は入院されたんです。

 なら 僕らにとっては患者さんの1人ですよ。」

「患者さんか…。」

石浜さんたちの病室。

「しっかし驚いたな今回のクーデターにはよ。」

「クーデターって。」

「だけど お前佐伯のやつ

倒れて 特別病棟に監禁だろ?」

「人聞き悪すぎますって それ。」

「おい 森下の野郎が教授代行なんだってな。

 人のいいような顔してたけど

 やっぱ あいつも それなりに裏あったってこったぁ。」

「何すか? 裏って。」

「手際 良すぎんだろどう考えたって。

 これで佐伯をホスピスに送っちまえば

 あいつの天下ってこったな。」

中島先生と師長に病院の改革案をみせ
協力をたのむ森下先生。

「これが 改革案ですか?」

「ああ 俺は 総合内科を抜本的に変えていきたいんだ。」

「ですが…。」

「他の科と競い合うのは 利益より

 治療実績であるべきだ。」

「いや しかし…。」

「とりあえずこの方針で頼むよ 中島先生。

 問題が起きたらまた話し合って 擦り合わせよう。」

森下先生がでていきました。

「患者にとっては理想的な医療ですけどね。」

「病棟は立ち行かなくなりますよ。

 医者だって かすみを食って

 生きてるわけじゃないんですから。」

佐伯教授の部屋にやってきた
森下先生と新見先生。

「精力的に動いてるようだねぇ 森下教授代行。」

「改革すべき案件が 山積みなので。」

「失礼します。」と新見先生が投薬開始。

「大した効き目のない投薬を

 よくも まあ律義に こなすもんだ。」

「できうるかぎりの治療を行なうのが

 医師として当然の務めですから。」

「そういうとこまで目が届くのは 

 今のうちだよ。

 君が医者として

 理想を追いもとめてこれたのは

 准教授という立場にいたからだ。

 政治の世界に身を投じれば

 それが許されないことは

 すぐに わかってくる。」


「私は あなたとは違います。」

「同じだよ。 上に行けば行くほど

 手に入るものが増えれば増えるほど

 求め続けなくてはならなくなってくる。

 新見先生 気を付けたほうがいいね。

 この男は 私より理想が高い分

 冷酷だからねぇ。ふふふっ…。」


「1つ伺いたいのですが…

 なぜ 医学部長選を

 辞退されなかったんですか?」


「目の前にある大きなケーキを

 食べようとしないばかがどこにいる。

 ふっふふふっ…。

 ふふふっ…。」


佐伯教授の部屋からでてきた
森下先生と新見先生。

「不愉快な男だ。」

佐伯教授の家族もお見舞いにきているのを
みる祐太と沢村先生。
佐伯教授と目があってお辞儀をしました。

森下先生と祐太。

「お疲れさまです。」

「あぁ お疲れ。

 すずさんの状態ひとまず安定してるな。」

「おかげさまで。」

「業務は無理のない範囲でいい。

 なるべく彼女のそばに いてやれ。」

「ありがとうございます。

 あの 佐伯教授の状態は?」

「あぁ… 君が気にする必要はない。」

祐太は佐伯教授の家族をおいかけ
名刺をわたしました。

「あの僕 総合内科の紺野と申しますが。」

「総合内科の方?」

「はい よろしければ 少しお話を。

祐太以外の研修医たちと師長はまた飲みに。

「えっ じゃあ 佐伯先生の膵癌

 森下先生は知ってたってこと?」

「ええ。MRさんに聞きましたから。」

「よく聞き出せたわね。」

「ぼんぼんと はさみは使いようだろ。」

『話 聞かせろって言われても。』

『うちの父の病院に 

ウエスト製薬さんとの取り引き

 検討させますから。』

谷口先生がこんなことまでするように・・!

「何だか むちゃしてるわねぇ。」

「だって下田君が やれって。」

「森下先生のことよ。

 あんまり強引だと周りから反発も出てくるだろうし。」

「でも 森下先生の考え方は

 間違ってないように思いますけどね。」

「紺野先生は そう思わないでしょ。」と沢村先生。

「何でですか?」

「佐伯先生のことも 助けたいと思ってるから。」

すずの病室ですずの母といる祐太。

「どんな夢 見てるのかしらねぇ。

 祐太さんとおうちで くつろいでご飯 食べたり。」

「DVD見る約束もしてます。」

「そのDVDうちに置いてあるわよ。」

「あぁ それ かなり延滞してて。」

「沢村先生から聞いてないの?」

「えっ?」

回想。

『これ もう1回 借りてきました。

 すずさんが帰ってきたら

 紺野先生と見る約束してますから。』

『ありがとう。

 でも ご存じでしょ?

帰ってくるのは難しいって。』

『私は医者としてまだ 何もできませんけど

 でも 治ってほしいって願うことはできます。

 だから 置いておいてください。

すずさんのために。』


回想おわり。

「沢村先生が。」

「うれしかったわぁ。

 あんなに治ることを願ってくだすって。」

「そうですね。」

部屋でミラクルドクター治子のDVDを
みる沢村先生。

すずの横でつきそいながら眠る祐太。
佐伯教授のことを思い出しました。

翌朝 病棟の申し送り。

中島先生の様子がへん。

「何か元気ないっすね。」

「森下先生と方針 合わなくて胃潰瘍 悪化。」

「中島先生 新見先生も ちょっと。」

とよぶ森下先生。

「はい。」

「何か?」

「佐伯先生の件なんだが。こちらが検査結果です。

 うん これは もう ホスピスでいいな。」

「そうですかね。」

「待ってください。」とたちあがる祐太。

「何だ?」

「ホスピスの転院は

 佐伯先生と ご家族も納得のうえでですか?」

「説明は これからだ。

 いずれにせよ…。

 選択肢はないと思うが。」

「本当に そうでしょうか?」

「紺野先生 ちょっと。」

「昨日 佐伯先生のご家族と話しました。

 お嬢さんは佐伯先生が生きる可能性を

 探しておられるんです。」

『佐伯先生ご本人はホスピスに行かれることは?』

『それでもいいって思ってるみたいです。

 多分自暴自棄になってるから。

 父は 医学部での出世だけを

 ずっと考えてきた人なんです。

 治療ができても医者として

 復帰は できないだろうからって。

 私たち家族には

そんなことどうでもいいことなのに。』

回想終わり

「ご家族の気持ちを考えれば

 ホスピス以外でのあらゆる治療の選択肢を

 提案するべきではないでしょうか。」

「それは例の膵癌治療薬のことか?」

「APT01ですか?」と新見先生。

「いや でも あれは…。」

「その意見は却下だ 紺野先生。

 APT01は 相応のリスクがある。

 それに 仮に提案したとしても

 佐伯先生は投薬に同意しないだろう。

 ホスピスに行くことが 佐伯先生にとっても

 我々にとってもベストの判断なんだ。」

「ホスピスは治療が かなわなかった方が

 残りの命を有意義に過ごすための場所です。

 僕たち医者が

助けられなかった患者さんのための。」

「そのとおりだが?」

「森下先生は

 佐伯先生を助けようと思われてますか?

 医者として 佐伯先生を

 精いっぱい助けようとして

 それでも助けられなかったんですか?」

「医者の仕事は 患者の手助けをすることだ。

 助かりたいと思っていない患者を

 助けることは できない。」

「助けるか 助けないかが

 患者さんの気持ちしだいなら

 僕たち医者に 心は いりません。

 僕たちは 医療を提供するための

 機械じゃありません。

 患者さんが人間であるように

 僕たち医者も人間なんです。

 森下先生は 

 患者さんのための
 
 医療を目指すとおっしゃってました。

 でも 僕は 目の前にある命を

 助けようと思わない時点で
 
 森下先生も

 佐伯先生と変わらないと思います。」


「俺も そう思います。」

「僕もです。」

と下田先生と谷口先生。

「なるほど。この立場になると

よくわかるよ。

 紺野先生 君は とても面倒だ。

 担当外の研修医が口を挟むな!」


森下先生はでていってしまいました。

「はぁ〜。指示どおり 処理する方向で。」

と新見先生。

「うん。」

森下先生は厳しい表情。

新見先生が佐伯教授の部屋に。

「そろそろ 私を ホスピスへ送る頃か。」

「ええ。 今度 ご家族も

同席のうえご説明します。」

「わかった。」

「では 失礼します。

 研修医連中は…

 治療の継続を希望しています。

 佐伯先生を何とか助けたいって。

 ほんと不出来な連中ですよね

 上司に盾つくなんて。」


「若い者は

 青臭いことを言いたがるからねぇ。」


部屋からでていく新見先生。

「若くなくても いるだろ…

青臭いやつが。」


祐太は今日も一生懸命。

病室にひとり残った佐伯教授。

「青臭いかぁ。」

引き出しから祐太の名刺を手にとりました。

森下先生のそばにいく沢村先生。

「お疲れさまです。

 ご一緒していいですか?」

「ああ。」

「愛妻弁当ですか?」

「健康に気を使えって うるさくてな。」

「羨ましいです作ってくれる人がいて。」

「自分で作れるんだったら それで…。」

こげたおかずに缶詰そのままの
沢村先生のお弁当・・。

「個性的だな。」

「女医って 昔から 

 料理しないイメージあるんですかね。」

「ん?」

「こないだ見た古いドラマでも

 主人公が全然 料理できなくって。

 メスで にんじんと

たまねぎ切り刻んでましたけど。」

「俺も見たことある そのドラマ。ははっ。」

「それ以外はかっこいい主人公でした。

 一匹おおかみで 妥協しない主義で

 諦めない性格で。」

「現実はそんなシンプルじゃないからな。」

「そうでしょうか。」

「生きていくためには 協調性と

 多少の妥協が必要で

 諦めることや言い訳することにも

 少しずつ慣れていく。

 年を重ねれば 現実を知るからな。

 青臭いのは若さの特権だ。」


「それは 違うと思います。

 青臭いのは

 自分を変えようとしている人の

特権ですよ。」


祐太は佐伯教授の部屋へ。

「失礼します。

 ご連絡くださって ありがとうございます。」

「営業マンだな まるで。」

「もともと そうでしたから。」

「私は君が嫌いだ。君も私が嫌いだろ。」

「どちらかと言うと。」

「じゃあ なぜ 呼ばれたからって

 ここに来たんだ。」

「医者だからです。

 医者として 佐伯先生に

 できることをしたいからです。

 僕は 医者を目指した日の気持ちを

 忘れてません。

 会社員としての自分から逃げ出して

 新しい自分になりたくて

 医者を目指しましたから。

 ただ 自分の関わった患者さんを

 助けることだけを考えたくて。」


今までの患者さんたちの回想シーン。

「れからも 僕が

 医者を続けていく理由は それだけです。

 それが どんなに

 大学病院の常識から外れてたとしても

 患者さんを助けることだけを

考えていきます。」


「君は出世しない。」

「わかってます。」

「上司からは必ず嫌われる。」

「だと思います。」

「これから先もトラブル続きでぼろぼろになる。」

「やれるとこまで やってみます。

 でも 佐伯先生も同じだったんじゃないですか。」

「下田先生から預かってきました。」

やぶられた手紙がきちんと修復してありました。

患者さんのためになりたいとかかれた
理想がつづられた手紙。

「はぁ〜。

 君は この手紙を読んだのか?」

「すいません。

 テープを貼るときにどうしても見えちゃって。」

「ひとが恩師宛てに出した手紙を読むなんて

  ひどいやつだ。」

「すいません。」

「読み返すと恥ずかしくなってくる。

 はぁ〜。 ふっ…。

 どうも青臭くてねぇ。」

「病院を改革しようと思われてたんですね。

 患者さんのための医療を実現したくて。」

「ああ。

 だが いつの間にか忘れていた。

 やっぱり 私は君が嫌いだ。

 君と話してると

 生きなきゃならない気になってくる。」



「その手助けをするのが

 医者の仕事ですから。」


「そうだな。

 私が医者になったのは

 大きなケーキを独り占めするためではなく

 分けあたえるためだったんだな。」


「また これから何かを手にして

 分けあたえればいいと思います。」

「58で新しい生き方はしんどいよ。」

「37で医者になる人間もいるんですから。」

「そうだな。 ふふっ。

 ふっふふっ…。

 はははっ…。」

祐太は先生たちのところに報告。

「佐伯先生

 APT01の投与を 希望されるそうです。」

「どうされますか? 森下教授代行。」

しばらくの間のあと答える森下先生。

「ご家族も含めて

  副作用の危険性を十分に説明してくれ。

 同意を得たうえで細心の注意を払って頼む。」

「わかりました。おい!誰か 手伝ってくれ。」

とはりきる新見先生。

「わかりました。」

「何でも言ってください。」

「じゃあ すぐ取りかかってください!」

「はい。」

「行くぞ!」

「はい。」

中島先生と森下先生。

「中島先生 君 教授選に出るか?」

「はっ?」

「俺は これからも

 青臭さを捨てたくないからな。」


「私は教授の器ではありません。

 ですが経営面で

 サポートするくらいの力はあります。

 トップが甘党の方でも 青臭い方でも。」


「そうか。」

中島先生なんていい人なんだ!!!!

祐太と沢村先生。

「良かったですね 紺野先生。」

「まだ これからですけどね。」

「じゃあ 今のうちにゆっくり休んでください。

 かなり疲れてるみたいですから。」

「もう若くないですからね。」

「知ってます。」

「じゃあ すずの所に行ってきます。」

「紺野先生。」

「はい。」

「頑張りましょう。」

「はい。」

すずの病室。

「佐伯先生治療 受けてくれることになった。

 すずも 早く元気にならないとな。

 2人でやりたいこといっぱいあるから。

 遊びにいったり…。

 DVD見たり…。」

すずのベッドに顔を伏せて眠ってしまう祐太。

「祐太さん。」

すずの声がきこえました。

「すず。」

すずは笑顔。
すずの手をにぎる祐太も笑顔。

2年後。

病棟には新しい研修医。
沢村先生が指導医。

「そこ。もっと丁寧に。」

「すいません。」

「ねえ ぼ〜っとしてないで

 患者さんと ちゃんとコミュニケーション取んのよ。

 自分が逆の立場だったらって考えて。」

「は〜い。」

「伸ばさない。 返事は はい。」

「はい。」

「お前ら 気を付けろよ。

 瑞希っちゃんほんとに おっかねぇから。」

「石浜さん。」

「はい。」

看護師たちの会話。

「まさか総合内科に戻ってくるなんてね。」

「しかも 鬼。」

下田先生は小児科。

「お〜っす みんな 調子どうだ?」

「あぁ〜 シモちゃんだ。」

「シモちゃんだ。」

子どもたちに大人気。

「こら。 シモちゃんじゃなくて下田先生でしょ。」

「いいっすよ シモちゃんで。よ〜し 何して遊ぶ?」

大学院で研究中の谷口先生。

「谷口先生。外来の時間ですよ。」

「あぁ 今 行きます。」

「悲惨だなあいつ。

 大学院 来て外来なんか やらされて。」

「違うよ ばか。

本人が希望して やってんだとさ。」

診察中の新見先生。

「じゃあ お薬 出しておきますんで。」

「あの 実はおとといから背中が痛くて。

 じゃあ…ちょっと診てみましょうか。

 背中 出してください。

 ここ 痛いですか?」

「はい。」

森下先生の教授回診は
佐伯教授野と違って熱心。

「305号室の木村さん良くなったな。」

「投薬の効果が出てきたみたいです。」

「師長は何か気になること ある?」

「303号室の田中さんですが

 今朝 発熱があったので安静にしてもらってます。」

「わかった。」

「ここは痛みますか?」

「大丈夫ですね。」

「あっ うん腫れも だいぶ引いてますね。」

あくびした研修医の足をふみつける沢村先生。

「いって!」

「ちゃんと見てな。」

森下先生や新見先生がそれをみて
笑っていました。

診察をうける佐伯教授。

生きてた!!!


「2年前に膵癌で再発は なし。

 今日は まあ胃炎ってとこじゃないすかね。」

「君。」

「はい?」

「ちゃんと私を見て 診察したまえ。」

「はぁ…。」

「そうそう。 そうしてくれないと

 患者が不安がるだろ。」


すずのお墓参りにきた沢村先生。
手話で話しかけました。

「紺野先生 新しい病院

 決まったそうです。

 相変わらずみたいですけど。」


前の大学病院のような
患者の話をあまりきかない医者に
がっくりきている
患者に近づいて声をかけ
名刺を差し出す祐太。

「どうされました?」

患者さんが笑顔に。

「今日から こちらでお世話になります

 紺野祐太です。

 よろしくお願いします。」



登場人物すべていい人になって
気持ちよく終わりました。
草なぎくんのドラマらしくてよかった。

唯一すずを死なせる必要はなかったと
思いますがこちらもあえて涙をあおるようなことはせず
静かな静かな別れ・・・
でも原作(実話)もそうなの?
別にすずを死なせる必要まったくなくない?

最初のころ、ひどい状態の大学病院で
一服の清涼剤のようだった森下先生が
後半からいきなり怪しくなって違和感バリバリでしたが
基本的なところはかわらないままでよかった。

中島先生は佐伯教授に利用されただけというところで
もっと暴れてもいいところなのに
本当に、本当にいい人。
好きほうだいする人が好き放題する影には
こんな地道に頑張る人がいるんだよね!

祐太に影響されて見事にかわっていく人たち。
研修医の3人はいっしょの研修でよかった。

そしてさすがのしぶとさ。
膵ガン末期だったのに元気になった佐伯教授。
憎まれっ子世にはばかる。
佐伯教授ならこの経験を売りにして
(医学部長まで上り詰めた医者が
 膵がんに打ち勝って気付いた大切なこと、
 みたいなかんじで)
本の一冊や二冊ベストセラーにおくりこみ
テレビのコメンテーターとして「患者のための医療」
(祐太の受け売り)を語って
残りの人生もう一花咲かせられる気がする。

あと石浜さん、そんな当たり前のように
2年後も病院にいてどうすんの。


紺野祐太 草なぎ剛
沢村瑞希 水川あさみ
下田健太郎 八乙女 光
谷口篤志  桐山 漣

葛城すず   ミムラ

佐伯毅彦   松平健
森下和明   田辺誠一
新見  悟   斎藤 工
中島  保   鈴木涼介
相澤直美   真飛  聖









2012.06.20 Wednesday 10:41 | comments(0) | trackbacks(4) | 
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ドラマ「37歳で医者になった僕」 第11話...
すず危篤---------。突然の事態の悪化。折角言葉が出たのに・・・意識が戻る可能性は低いという森下。転院を進めようとした自分のせいだと、己を責める沢村。だが、それはすずにいいと...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2012/06/20 12:28 PM |
37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜(第11話 最終回・6/19) 感想
4/10からフジテレビで始まったドラマ『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜』(公式)の最終回『僕が医者を続けるただ一つの理由』の感想。なお、原作の川渕圭一氏の小説『研修医純情物語シリーズ』は未...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2012/06/20 3:07 PM |
37歳で医者になった僕 〜研修医純情物語〜 final case:僕が医者を続けるただ一つの理由
裕太さん・・・゚+.゚ウト゚+.゚(o´I`)゚+.゚ウト゚+.゚ すずのあの呼びかけは、裕太が見た幻・・・もしくは願望だったのか、 はたまたろうそくの灯が燃え尽きる前の一瞬の輝きがなせるワザだったのか・・・ 2年後とのテロップが出た際に、どうかすずが生きてますよ
| あるがまま・・・ | 2012/06/20 11:25 PM |
37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜 最終回
「僕が医者を続けるただ一つの理由」 ついに念願の「声が出た」のに、祐太(草なぎ剛)の恋人・すず(ミムラ)の容態、一気にピ〜ンチ。加えて、ここにきて、なりふり構わず教授選に勝利した佐伯(松平健)までが、末期の膵ガンでバタッ! 病院内の力関係までが大揺
| のほほん便り | 2012/06/21 8:07 AM |