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ビューティフルレイン 第4話「母が遺した贈り物…父娘の切ない約束」

第4話「母が遺した贈り物…父娘の切ない約束」




 木下圭介(豊川悦司)は、病気のことを愛娘の美雨(芦田愛菜)に
打ち明けた。しかし、治らない病気だとはどうしても言うことができず、
薬を飲んでいればすぐに治ると嘘をついてしまう。
小学校が夏休みに入った。圭介は、夏休み中も
規則正しい生活を送るよう美雨に話した。
その際、圭介は、病気のことは中村富美夫(蟹江敬三)や
千恵子(丘みつ子)らに言わないよう口止めをする。
 ラジオ体操に出かけた美雨は、友だちの新井小太郎(高木星来)
から四葉のクローバーのキーホルダーを見せられる。
四葉のクローバーは“魔法の葉っぱ"で、4つ集めて
願い事を書いた紙にはさんでおけばどんな願い事も叶う、
と聞かされ驚く美雨。
 家に戻った美雨は、図鑑で四葉のクローバーを調べ、
そのページに「父ちゃんのびょうきが早くなおりますように」と
書いた紙を挟んで、探しに出かける。圭介は、富美夫には
腹痛だと言って病院へと向かう。診察の後、圭介は、
主治医の古賀豊(安田顕)に仕事のことを相談した。
古賀は、初期段階である現在は仕事を続けることも
十分可能としながらも、このまま続けていくためには
職場の理解と協力が必要だと告げる。
 一方、炎天下の中で四葉のクローバー探しに
夢中になっている美雨。必死で四葉のクローバーを探し続けていた。
が、風に飛ばされた帽子を追いかけようとした美雨は、
急にめまいを起こし…。




美雨の夏休みスタート。
朝ごはんの時間。
食卓には今日もかぼちゃの煮物。

「いただきま〜す!」

「おっおっおっおっおっ。

 食べる前に言っときたいことがある。」

「何?」

「まずは夏休みの暮らし方のことだ。」

「分かってる、夏休みの宿題は早めに終わらせるってことでしょ?」

「去年も そう言ってて結局 最後の日に

 泣きながらやったのは誰だ。」

「昔のことは忘れよう。」

「宿題のことだけじゃない。」

「何? もう早く食べたい。」

「夏休みだからといってだらだらせずに

 毎朝 早起きしてちゃんとラジオ体操に行くこと。」

「分かってる。」

「出掛けるときはちゃんと帽子をかぶること。

 水分補給を忘れないこと。

 ご飯の前におやつを食べない…。」

「はいはい 分かりました。」

「お昼は 社長の家で食べさせてもらうから

 『いただきます』『ごちそうさま』をちゃんと言うこと。」

「いつも ちゃんと言ってます。」

「とにかく 規則正しい生活を心掛けること。」

「父ちゃんもね。

 早寝 早起き ちゃんと薬飲んで

 早く物忘れの病気を治してね。」

「分かってるよ。」

「たばこは絶対に駄目。」

「はい。」

「こないだみたいに寝ないで仕事するのも駄目。」

「はい。」

「バランスの取れた食事を心掛けること。」

「何か もう ママちゃんの言い方そっくりだな。」

「えっ?」

「ママちゃんが生きてたころよく そうやって怒られたよ。」

「へえ 父ちゃん ママちゃんに怒られてたんだ。」

「働き過ぎたり 時々お酒 飲み過ぎちゃったときはな。」

「『こら お酒 飲み過ぎちゃ駄目でしょ』って?」

「フッ まあな。

 それともう1つ大事な話がある。

 父ちゃんの病気のことは誰にも言うな。」

「何で?」

「わざわざ みんなに心配かけることないだろ?」

「誰も知らないの?」

「アカネちゃんだけはちょっと知ってる。」

「治ってから みんなに言うの?」

「うん。」

「いつごろ治る?」

「それは う〜ん 人それぞれだ。

 風邪だって そうだろ?

 一晩で治ることもあれば

 3日も4日も熱が下がらないこともある。」

「インフルエンザは 1週間学校 休まなきゃいけないんだよ。」

「とにかく 父ちゃんの病気のことは誰にも言わない。

 約束だぞ。」

「うん 分かった。 約束。」

ゆびきりするおやこ。

「指切り げんまんうそついたら 針千本 のます

 指 切った」

ラジオ体操をおえたあと
小太郎が四葉のクローバー入りの
ストラップをみせました。

「ジャジャジャジャ〜ン!」

「何?」

「知らないのか?

 四つ葉のクローバー。

 何でも願いがかなう魔法の葉っぱ。」


「魔法の葉っぱ?」

「母ちゃんにもらったんだけど

 ホントは これじゃ駄目なんだ。

 ホントは これを4つ集めて

 願い事を書いた紙に挟んでおく。

 そうするとどんな願い事もかなうんだ。」


「4つ集めればいいの?」

「ただし願い事がかなうまで 誰にも教えちゃ駄目。

 教えると魔法がとけて願い事は かなわない。」

「ふ〜ん。

 あっ。 ねえその葉っぱ どこに行けばある?」

「そこまでは知らねえや さすがの俺でも そこまではな。」

ハンコをおして帰りました。

洗濯物を干す圭介にアカネが声をかけました。

「そういえばこないだ 何か言いかけたろ?

 ほら 土曜日の晩。

 あれ 何 言おうとしたんだよ。」

「ああ あれは 別に。」

拓哉からの電話。

「もしもしアカネ?来週 そっちに行くよ」

「もしもし 私」

「ああメッセージ聞いてくれた?」

「うん。だけど ちょっと待って。

 私 まだ…もう少し考える時間が必要なの。

 こっちから また電話するから。」

という会話をかわしていたアカネ。

「そんなことより圭さんちゃんと病院 行ってるの?」

「行ってるよ。今日も これから。

 社長には 腹の具合が悪いってことにするから その…。」

「いつまでも1人で抱え込んで

 内緒にしておけるわけじゃないんだし。」

「分かってるよ。」

「これから どうするつもりなの?」

「いけね 支度しなきゃ。またな。」

こたえずに中に入る圭介。

願い事を紙にかく美雨。
図鑑で四葉のクローバーをみていました。

「これでよし。

 これを4つ集めれば…。」

「美雨 父ちゃん そろそろ出掛けるぞ。」

「美雨も!」

「父ちゃん ちょっと行ってくる。」

「おう。 どこに?」

「菜子ちゃんとこ。」

「そっか。父ちゃん これから病院だから

 もし帰りが遅くなったら…。」

「お昼は おばちゃんとこで食べればいいんでしょ。」

「食べるときは?」

「『いただきます』『ごちそうさま』をちゃんと言う。」

「それと?」

「帽子は ちゃんとかぶっていきます!」

「よし。」

「ママちゃん いってきます!」

と仏壇に挨拶。

「よし 行ってこい。」

「うん!」

「いってらっしゃい。」

「いってきます!」

Vサインでおでかけ。

仏壇にむかう圭介。

「不思議なもんだな。

 美雨は妙子のこと 全然 知らないのに

 だんだん妙子に似てくるよ。

 約束は 必ず守るからな。」

仕事場。

「もう 毎日あっついっすね。何で こんな あっちいんだろ。

 もう 朝から こんなんじゃ昼から もっと暑くなんだろな。」

「まっ 夏だからな。」

「おはよう!」

「あっ おはようございます。

 社長いよいよ あしたっすねプロコンが入るの。」

「おう これだよ工場増築の図面。」

「圭さん図面 引いてくれてたんだ。」

「大事に使ってくれよ。清水の舞台から

 飛び降りるつもりで買うんだから。」

「ヘヘッ。 オーバーだよ。」

「オーバーじゃないよ。この不景気に

  新しい機械 入れて設備投資するなんてことは
 
 並大抵のことじゃねえんだから。」

「はい。」

「まっ でもうれしいっすよね もし プロコン入ったら

 俺たちの仕上げ作業の手間が半分に…。」

「そういうこと。手間が半分になりゃ倍の仕事を受けられる。」

「ってことは給料も倍になるんすか?」

「なるか バカ。」

「あっ 圭さんな ちょっと午前中 病院に行くらしいから

 工場に出るのは午後になるってよ。」

「病院?」

「どっか悪いの?」

「腹の具合がどうとか言ってたな。」

「ああ 珍しいっすね圭さんが 病院 行くなんて。」

その会話をきいていたアカネ。

「あら アカネ まだいたの。」

「ああ 今 行くところ。」

「じゃ お願いね。」

「あっ は〜い。」

「えっ アカネどっか行くのか?」

「スナイル工業さんにお中元 届けてもらおうと思って。」

「お〜 そうか。アカネスナイルの社長によろしくな。

 増築もしたし新しい機械も入れるから

 ぜひ 仕事 下さいって伝えてくれ。」

「いってきます。」

「おう。 はい 頼むよ!」

「いってらっしゃい。」

「は〜い。」

「いってらっしゃい。」

「あっ 確かに。いや 奥さんが行くより

 アカネさんが行った方が先方方も

 喜ぶんじゃないんすか?たとえ お中元の中身が一緒でも。」

「そりゃそうだよ。」

「それは フフフ どういう意味?」と千恵子。

「さあ 仕事だ仕事だ〜。」

「ああ 俺も…。」

あわてて散っていく秋生たち。

美雨はおでかけ。

「美雨ちゃん おはよう。夏休み 始まったか。」

「うん! おはよう。」

「おい 菜子 どこ行くんだ。」

「プール。」

「行く前に品出し手伝ってくれよ。」

「え〜 嫌だよ。」

「ほ〜ら 菜っ葉。お前 菜っ葉の菜子ちゃんだろ?」

「やめて。 お父さんたちが勝手に付けた名前でしょ。」

「そりゃそうだけどさあ。」

「フッ。あっ 美雨ちゃん どうしたの?」

「菜子ちゃんの名前菜っ葉から付けられたの?」

「最悪でしょ。私が生まれた日

 新鮮な菜っ葉仕入れたからだって。」

「ハハハハ。いかにも八百屋の娘って感じで

 いいじゃねえか。なあ 美雨ちゃん。」

「おはようございます。」

「そういえば 美雨ちゃんは何で「美雨ちゃん」なの?」

「う〜ん 何でだろ。

 あっ 菜子ちゃんに教えてもらいたいことがあるの。」

「何?」

「魔法の葉っぱ どこにあるか知ってる?」

「魔法の葉っぱ?」

圭介は病院へ。

「木下さん いかがですか?」

「今日は ちょっと相談があって。」

「どんなことでしょう。」

「実は 仕事のことなんです。」

菜子に原っぱへつれてきてもらった美雨。

「ここ。 私 前にここで たくさん見つけたよ。」

「ホントだ。」

「一緒に探してあげたいけど

 私 友達と約束しちゃってるから またね。」

「うん ありがと。バイバイ。」

「バイバイ。」

「よ〜し 絶対4つゲットするぞ。」

四つ葉をさがす美雨。

病院。

「木下さんの場合

 病気の進行もまだ初期段階ですし

 当面 今のお仕事を続けることは

 じゅうぶん可能だと思います。」

「そうですか。」

「ただし仕事を続けるためには 

 職場の人の理解と協力が必要です。」

「みんなに病気のことを言った方がいいってことですか?」

「まっ 少なくとも 経営者には伝えた方がいいと思います。

 この先 病気が進行することも考えられます。

 正しい知識と情報を共有してもらっておけば

 事故やトラブルも未然に防げるかもしれません。」

「なるほど。」

「それと今 木下さんが実践されてるように

 メモを取るというのはとても大事なことなんですが

 アルツハイマーの患者さんは

 メモをどこかに置き忘れてしまうことが多いんです。

 ですから 大切なことは 

 信頼できる人に伝えておいた方がいいと思います。」

「大切なこと。」

「例えば 暗証番号え〜 通帳や印鑑保険証券の保管場所。

 それ以外にも 木下さんだけが知ってる大切なことですね。」

「俺だけが知ってる大切なこと。」


四つ葉をさがす美雨。

「あった!

 よし あと3つ。」

そこへ通りかかったアカネ。

「美雨ちゃん。」

「アカネちゃん どこ行くの?」

「ちょっと用事 頼まれて。

 美雨ちゃんこそ こんな所で何?」

「四つ葉のクローバー。

 知ってる?

  願い事をかなえる魔法の葉っぱなんだよ。」

「もちろん知ってるわよ。」

「やっぱり ホントだったんだ。」

「どんな願いをかなえたいの?」

「言っちゃ駄目なの。」

「どうして?」

「言うと魔法がとけちゃうんだって。」

そこに着信。

「出なくていいの?」

「よしじゃあ アカネちゃんも一緒に探してあげる。」

「ホント?」

「うん。」

拓哉は自宅に電話。

「はい 中村産業。」

「お父さんですか?

 お久しぶりです 拓哉です。」

「拓哉君。」

「実は今…。」

「出張で? 」

「東京へ。アカネには今は まだ会いたくないって言われちゃって。」

「何で?」

「はっきり言っときますけど

 僕はアカネと離婚するつもりはありません。

 近いうち きちんと話し合って もう一度やり直したいと思ってます。

 お父さんたちにそれだけは伝えておこうと思って。」

千恵子に

「お昼 そうめんでいい?」

ときかれても上の空の社長。

四つ葉のクローバーをさがすふたり。

「あっ あった!」

「えっ ホント?」

「うんうん。 ほらほら。来てみて。」

「ホントだ!やったあ。」

「 フフ。 ありがと。」

「フフフ よかったね。」

「よし あと2つ。」

「えっ まだ探すの?」

そこに父から電話。

「んっ?もしもし?」

「今どこにいる?話がある すぐ帰ってこい。」

「何よ いきなり。」

「いいから すぐ帰ってこい。

 とにかく帰ってこい。分かったな。」

「美雨ちゃんアカネちゃん

  帰らなきゃいけなくなっちゃったから一緒に帰ろう。」

「駄目だよ あと2つ見つけなきゃ 4つにならないもん。」

「じゃあ夕方 涼しくなったらまた 一緒に来てあげる。

 これから もっと暑くなるよ〜。」

「大丈夫 あと2つ見つけたらすぐ帰るから。」

「じゃ 今 11時だから

 お昼までにはちゃんと帰ってきてね。」

「うん。一緒に探してくれて ありがと。」

「フフ。」

「バイバイ!」

「お父さん 何だろう。」

工場に戻ってきた圭介。

「社長。」

「おう 圭さん どうした?」

「今 病院から帰ってきました。」

「そうか。 ご苦労さん。」

「社長 実は…。」

話そうとしたときにアカネが帰ってきました。

「アカネ ちょっと来い。

 圭さん すまんまた後にしてくれ。

 アカネ 早く来い!」

「何なのよ。」

「ふすま閉めろ。」

「えっ 何で?」

「いいから閉めろ。」

「は〜い。ちょっ 何なのよ〜。」

「さっき…。拓哉君から電話があった。」

「うちに?」

「そうだ。」

「こっちからかけるって言ったのに。」

「お前 離婚するつもりでこの家に帰ってきたのか?

 どうなんだ。

 仕事は どうしたんだ?銀行の仕事は。」

「銀行は辞めました。」

「いつ?」

「3カ月前。」

「そんなこと一言も言わなかったじゃないか。」

「仕事を辞めたら何か変わるかなと思ったんだけど。」

「何が。」

「どうしても彼との関係がうまくいかなくなっちゃって。」

「何があったんだ。

 お前なあ 浮気の1回や2回…。」

「いや そういうことじゃないの。」

「じゃあ何なんだ。」

「えっ いや。

 とにかくこれから どうするか

 1人で ゆっくり考えてみようと思って

  うちに帰ってきたの。」

「で どうするんだ。」

「だから 今 考えてるところ!もういいでしょ。」

「アカネ 帰ってたの?

 そんなとこで何してたのよ。」

「いや べつに」

としらばっくれる社長。

工場にいく圭介。

「遅れちゃって すいません。」

「おう 圭さん体 大丈夫かい?」

「はい。どこが悪いんすか?」

「秋生。」

「はい。」

「相変わらずバカか?」

「ちょっ 何すか それ もう。

 あっ そういえばいよいよ あしたっすね。」

「あした?」

「いや ここに プロコンが入るんでしょ?」

「いや そのためにも 俺らこうして

 増築用の資材運んでんだぜ。」

手帳を確認。

「そうそう あしたの朝だ。

 じゃ 後で社長も入れて 

 この辺の いる物 いらない物

 仕分けして スペース開けとかなきゃな。」

「はい!」

まだ四つ葉をさがしている美雨。

「あっ! あった!

 やった。 ヘヘ。

 よし あと1つだ。」

風で帽子がとびおいかける美雨。

「あっ!待って。あっ。

 あっ。 あっ。」

熱中症のため倒れてしまいました。

社長と千恵子は口論に。

「だから何でもないって言ってるだろ。」

「何でもないってことないでしょ 2人でこそこそ。」

「こそこそなんかしてねえよ。」

「してたじゃない。」

「しつこいね お前も!」

「しつこいわよ!だって自分の娘のことだもん。」

そこへ明生がはいってきました。

「腹 減った〜。飯 お願いしま〜す。」

「ほら 飯 飯!そうめん そうめん!」

「うわっ 今日は アーメンそうめん 冷やそうめんっすね!」

「バカったれが! 」と叫ぶ千恵子。

「ったく。」

「バカったれ?

 奥さん まだ機嫌 悪いんすか?」

圭介もやってきました。

「あれ 美雨 帰ってません?」

「おっ そういえば見ねえな。」

「あれ?美雨。美雨。美雨。」

ベランダにでようとするとアカネが電話していました。

「どうして勝手に電話したの?こっちからかけるって言ったでしょ。

 だから 離婚するにしてもしないにしても

 自分でちゃんと 結論 出すって言ってるでしょ。

 とにかく もう二度とうちには電話しないでね。」

圭介のことをみつけました。

「あ〜!」

「いや あの その…。

 立ち聞きしてたわけじゃないんだよ。

 美雨を捜してて。」

「えっ まだ帰ってないの?」

おまわりさんの立花さんが
倒れている美雨を発見。

「おい! どうした?美雨ちゃん。

 おい 美雨ちゃん!しっかりしろ!」

「はい 中村産業。

 あっ 健太君 どうしたの?」

「みっ 美雨ちゃんが?

 圭さん 美雨ちゃんが!」

美雨を運んで布団にねかせました。

「悪いな。」

「氷枕 持ってきたよ。

 あっ 頭 上げて 圭さん。」

「すいません。」

アカネからお礼をいわれてかえっていく立花さん。

美雨のもっていた四つ葉いりの
ケースを手にするアカネ。

「あら 健太君 帰ったのね。」

「美雨ちゃんは?」

「軽い熱中症だね。少し休めば元気になると思うけど。」

「圭さんも 医者に見せるほどじゃないと思うって。」

「ちょっと様子 見てくる。」

「美雨ちゃん 1人で何 やってたんだろうね。」

部屋をのぞくアカネ。

「お邪魔します。

 ごめん 圭さん。

 私ね 堀船河川敷で 美雨ちゃんと会ったの。

 お昼までには帰ってきてねって言ったんだけど

 あのとき 無理にでも連れて帰ってくればよかった。」

「何してたんだろう。」

『言うと魔法がとけちゃうんだって』

と美雨がいっていたのを思い出すアカネ。

「圭さん これから まだ 仕事でしょ?」

「ああ。」

「美雨ちゃんは 私が見てるから。」

「じゃ 悪いけど。」

「うん。」

「行ってくるわ。」

「そうだ 圭さん。

 病院 どうだった?」

「うん。また ゆっくり。」

「うん。」

「病気のことは 美雨にも誰にも言うなって言ってあるから。」

「分かった。」

「じゃ。」

四つ葉のクローバーを
机において図鑑にはさんであった
お願いをみてしまうアカネ。

目をさます美雨。

「アカネちゃん。」

「うん?」

「父ちゃんは?」

「あっ今 工場に戻ったところ。」

「美雨 どうやって帰ってきたか覚えてない。」

「お巡りさんが連れてきてくれたんだよ。

 美雨ちゃん 暑過ぎて河川敷で倒れちゃったみたい。

 どう?気分 悪くない?」

「う〜ん。喉 渇いた。」

工場に戻る圭介。

「ご心配おかけしてすいませんでした。」

「大丈夫か 医者 連れてかなくて。」」

「はい 少し休めば大丈夫だと思います。」

「いや 夏のせいっすよいや マジ暑過ぎますからことしの夏は。」

「夏は 毎年 暑いんだよ。」

「じゃ 圭さん 社長もいるし そろそろ 仕分け始めますか。」

「仕分け?」

また手帳をみる圭介。

「いや 新しい機械 入れるための

 スペース空けなきゃって圭さんが言ったんすよ。」

「ああそうか そうだったな。」

「大丈夫かよ おい圭さんまで熱中症じゃねえだろうな。」

「出たほら 暑さのせいっすよ。いやね俺も最近おかしいんすよね。」

「お前 生まれつき。」

「ひでえ。」

「春夏秋冬 夏 問わず1年中 ぼけまくり。」

「言い過ぎ。」

美雨のところに戻った圭介。

「父ちゃん?」

「どうだ?」

「心配かけて ごめんね。」

「今 おかゆ作ってやるからな。」

「ママちゃんに作り方 教えてもらった おかゆ?」

「そう。」

「ママちゃんから教わった元気が出る おかゆだ。」

「ねえ 父ちゃん。

 『美雨』っていう名前は

 誰が決めたの?」


「大切なことは信頼できる人に伝えておいた方が

 いいと思います。」

「木下さんだけが知ってる大切なことですね。」

という医者の言葉を思い出す圭介。

「ママちゃんと 

 2人で決めたんだ。」


「いつ?」

「美雨が生まれた日。」

「7月11日?」

「うん。8年前の7月11日。」

回想。

「よかった元気に生まれてきてくれて。」

「見えるか?

 この人が お前の ママだぞ。」


「父ちゃんとママちゃんは

 赤ちゃんが 元気に生まれてきてくれたことが

 ホントにうれしかった。」


「初めまして」

「聞こえたか?今のがママの声だぞ。」


「そんとき 急に

 ザア〜って大きな音が聞こえてきてな。」


「雨?」


「ママちゃんと2人で

 窓の外を見たら

 お日さま かんかん照りなのに 

 雨が降ってきたんだ。」



「こんな奇麗な雨 初めて見たよ。」

「お天気雨?」

「うん。雨粒の一つ一つが

 きらきら光ってて

 まるで 空から宝石が降ってくるみたいだった。」


「へ〜。」

「ママちゃんその きらきらを じっと見てて

 それから 父ちゃんに言ったんだ。」


「「美しい雨」って書いて「美雨」は?」

「美雨か」

「うん」

「いい。すごく

 いい名前だ美雨にしようって。」


「それで 美雨になったの?」

「うん。」

「そうだったんだ。

 初めて教えてくれたね。」


「本当は もう少し大きくなってから

 教えようと思ったんだけどな。」


「もっと教えて。」

「うん。」

「それからママちゃんは

 急に病気になっちゃったの?」

「うん。」

「いつ死んじゃったの?」

「美雨が生まれて2週間たって。」


「頑張れ退院したら 3人でお宮参りに行くんだろ?」

「あなた 色々ありがとう。」

「美雨も応援してるぞ。」

「私 あなたのお嫁さんになれてよかった。

 短い間だったけど

 美雨のママにもなれて よかった。

 私…

 とっても幸せだよ。

 ホントに ありがとね。」


「妙子。」


「ママちゃん かわいそう。」

「いいか 美雨ママちゃんは

 最後まで美雨のことを心配して

 美雨の幸せを願ってた。

 だから 美雨は ママちゃんの分まで

 元気に生きて 

 楽しいこと たくさんやって

 やりたいこと ぜ〜んぶやって

 絶対に幸せにならないといけないんだぞ。」


「うん。」

「ママちゃんは いつも天国から

 美雨のこと見てるんだからな。」


「うん。」

「うん。」

翌日。工場。

「ご苦労さん。」

「新しい機械って これ中古だったんすか?」

「当たり前だよ!こんなの お前 新品で買ったら

 幾らすると思ってんだよ。」

「いや だって 社長が

 「清水の舞台から 飛び降りる気持ちで」

 っつったから俺 てっきり新品かなって。」

「清水の舞台から飛び降りるつもりで中古。

 これが町工場の現実だ。」

「動きゃいいんだよ 機械なんて。ねえ 社長?」

「そういうことよ。」

「中古だけどまだ じゅうぶん使えます。

 ただし 冷却機能だけちょっと弱ってるんで

 動かすときは 必ずこのタンクに油を入れてください。

 そうしないと すぐ 熱 持って

 ショートしちゃうと これ

 二度と 使い物にならなくなっちゃいますから。」

「了解。」

「はい。」

「頼むよ。俺は みんなの明るい未来のために

 長〜いローン組んだんだからな。」

「生命保険まで解約してね。」と千恵子。

「えっ! マジっすか?」

「まあ とにかく今日も1日 頑張ろう!」

「はい。」

「おい 秋生マツエ金属に 丸棒 取り行くぞ。」

「ういっす。」

「じゃあ 圭さん 早速 プロコン使ってみてくれよ。」

「はい。」

そのあと美雨とごはんをたべる圭介。
機械が熱をもっているような・・。

夏休みの宿題もチェック。

「えっ 2年生になるとぐ〜んと難しくなるんだね。」

「あっ ほら〜ここ間違ってるじゃないか。」

「どこ?」

「ここ。」

「あっ ホントだ。」

「うっかりミスが多いぞ。」

「人間たまには間違うこともあるさ。」

「どこで覚えたんだよ そんな言葉。」

笑っているところに社長がやってきました。

「圭さん。何やってんだよ。」

あわててプロコンのところにいく圭介。

「圭さん。何で給油しなかったんだ?

 自分で言ったろ 動かすときは

 必ずタンクに 油 入れろって。

 俺が気付いて電源 切らなかったら

 使い物にならなくなってるとこだったんだぞ!」

「どうしたの?」とアカネもやってきました。

「どうも すいませんでした。」

「圭さんどうしちまったんだよ。

 今までしなかったような単純ミスしたり

 打ち合わせすっぽかしそうになったり

 えっ?いったい どうしちまったんだよ。」

「あんた何も 美雨ちゃんの前でそんなこと。」

「黙ってろ!圭さんだってよく分かってるだろ?

 この機械は 俺が

 清水の舞台から飛び降りるつもりで買った機械なんだぞ。」

「社長さん 父ちゃんを怒らないで。」

と泣きながら訴える美雨。

「美雨ちゃん。」

「父ちゃんは…。

 父ちゃんは…。」

「父ちゃんの病気のことは誰にも言うな」

という父の言葉を思い出す美雨。

「疲れてるの。

 だから 許してあげて。
 
 美雨も一緒に謝るから。

 ごめんなさい!」

と頭をさげる美雨。

「圭さん。」とよびかけるアカネ。

「美雨ちゃん 大丈夫。

 誰も圭さんのこと怒ったりしない。

 だからもう泣かなくていいんだよ。

 あっアイスクリーム買ってあるから

 一緒に食べよう ねっ。」

アカネが美雨をつれていきました。

「本当にすいません。」

「圭さん何があったんだよ?」

「何か悩み事があるんなら何でも言って。

 お金のこと以外なら 何でも相談に乗るよ。」

「俺…。

 病気なんです。」


「病気?」

「若年性アルツハイマー病。」

驚く社長夫妻。
そこへアカネがよびにきました。

「圭さん 美雨ちゃんが待ってる。何か 話があるんだって。」

「詳しいことはあした

 また あらためて説明させてもらいます。」

おじぎをしていく圭介。

「美雨。」

「父ちゃん ごめんね。」

「何が。美雨は 何にも

 気にすることなんかないんだぞ。

 ぜ〜んぶ父ちゃんが悪いんだから。」

「違うよ。

 美雨がいけないの。」

四つ葉のクローバーをみせました。

「ほら3つしかないでしょ?

 あと1つ見つけてたら

 父ちゃんの病気はすぐ治ったんだよ。」



「どういうことだ?」


「この紙に 魔法の葉っぱを

 4つ挟んで お願いしたら

 どんな願い事でもかなうはずだったの。」


願い事は

「とうちゃんのびょうきが

 はやくなおりますように」

 
「だけど 3つしか集められなかったの。

 アカネちゃんにも手伝ってもらったのに

 どうしても 

あと1つ 見つけられなかったの。」


「美雨。」

「美雨が あと1つ見つけてたら

 父ちゃんの病気はすぐ治ったのに。

 どうしても見つけられなかったの。」


「美雨 もういいんだよ。」

「ごめんね 父ちゃん。」


美雨を抱きしめる父。

「美雨。

 父ちゃん うれしいよ。

 美雨の その気持ちだけでもう十分だ。

 後は もう何もいらないから。」


「美雨も。

 父ちゃんがいれば何にもいらない。」

「駄目な父ちゃんで ごめんな。

 だけど 父ちゃん頑張って

 ママちゃんとの約束だけは守るから。」


「約束?」

「父ちゃんな 最後に

 ママちゃんに言われたんだ。」


「何て?」

「『美雨のこと よろしくね』って。

 『何があっても一緒にいてあげてね』って。

 『約束だよ」』って。」


「何があっても一緒にいてあげてね。

 約束だよ」

「約束だ」


「ず〜っと一緒にいるって約束したの?」

「うん。」

「ず〜っと一緒だ。

 だから父ちゃん絶対 頑張るからな。」


「うん。」

社長とアカネ。

「お前 知ってたのか?

 圭さんが若年性アルツハイマー病だってこと。」

目をそらすアカネ。


美雨と圭介。

「ねえ 父ちゃん。」

「うん?」

「病気が治ったら 一緒にママちゃんのお墓参り行こうね。」

「うん 行こうな。」





父ちゃんのために必死で
四つ葉のクローバーをさがし
病気がなおるように祈る娘・・。

どこまでもマナちゃんで泣かせにくる気満々のドラマ。

あの必死なお願いをきいてくれない
神様ってどうなの?と思ってしまうくらい。
四つ葉のクローバーなら
この間私がみつけたやつをあげるから!

四つ葉のクローバー

四つ葉のクローバー


父ちゃんのミスをかわってあやまる幼い娘に
社長も誰も怒れないけど
けっして余裕があるわけじゃない工場で
このままつとめることは難しそうだし
亡くなった妻から娘をたくされた父親に
こんな試練を与えるとはつらすぎる。




2012.07.22 Sunday 23:55 | comments(0) | trackbacks(6) | 
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【ビューティフルレイン】第4話
いいか、美雨。 ママちゃんは最後まで美雨のことを心配して美雨の幸せを願ってた。 だから美雨はママちゃんの分まで元気に生きて、楽しいことたくさんやって、やりたいこと ぜ〜んぶやって、絶対に幸せに...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2012/07/23 12:02 AM |
ビューティフルレイン #04
『母が遺した贈り物…父娘の切ない約束』
| ぐ〜たらにっき | 2012/07/23 1:31 AM |
ビューティフルレイン (第4話・7/22) 感想
フジ系ドラマ『ビューティフルレイン』(公式)の第4話『母が遺した贈り物…父娘の切ない約束』の感想。 なお、本作を面白いと思った方、出演者のファンの皆さんは読むと不愉快になりますから、読まない...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2012/07/23 7:46 AM |
ドラマ「ビューティフル・レイン」 第4話...
ママちゃんとの最後の約束-------------!!今回はついに美雨の名前の由来が判明。まぁ、まんまだったわけですけど、それを今美雨に伝えることに意味があるんだよね。それにしても、今...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2012/07/23 8:11 AM |
私は食べられるグリーン・スリーブス(吉田里琴)私はお天気雨(芦田愛菜)私は単にアカネ(中谷美紀)
名前も忘れてしまうのだな。 あなたには好きな歌手がいるだろうか。 その歌手の名前が思い出せない自分を想像できるだろうか。 顔も思い浮かぶし、もちろん、歌声も頭に浮かぶ。 しかし、名前が思い出せない。 名前だけが・・・記憶から消えてしまうなんてことが・・・
| キッドのブログinココログ | 2012/07/24 1:59 AM |
《ビューティフルレイン》#04
夏休みになって、圭介は美雨にご飯の前に、規則正しく毎日を送るようにと約束させた。 そして、自分の『物忘れの病気』は誰にも話さないようにと言いつけた。 神社の空き地でラジオ体操があった。美雨は、小太郎と一緒に通いだしたが、小太郎が、ママから貰ったと四つ
| まぁ、お茶でも | 2012/07/24 8:30 AM |