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夏雪ランデブー 第9話

第9話

JUGEMテーマ:漫画/アニメ


山を登っていく篤。

『歩いても 歩いても 歩いても

 なかなか切れない息。

 まだまだ うんと遠く どこまでも

 この明るい日差しの中を

 ずっと進んでいける気がする。

 こんなこと

 ずっと ずっと できなかった。

 でも それは 葉月くんの

 若くて 健康な体のおかげ。

 足から伝わる 懐かしい土の感触

 腐葉土の柔らかさと反発力

 これも全部

 葉月君のからだのおかげ

 こんな 感触 あまりにも

 あんまりじゃないか。

 まさか 自分でやることになるなんて。』


とその手にはナツユキソウ。


六花も篤をおって山へ。

『島尾くんと出かけた 最後の場所。

 この眺めを一人で見たら

 泣いちゃうような気がしてたけど

 案外 平気で 拍子抜け。

 この場所がいいのか 

 相性がいいのか・・。

 あっ あの木。

 親切そうだなあ。』

と大きな木の幹にさわる六花。

過去の回想。篤との会話。

「じゃあ 登りやすそうな木は

 親切に見えるってこと?」

「うん。そう思わない?」

「どうかな。考えたことなかったけど・・。」

「たとえば ここらへんの太い枝は

 友好的に手を差し伸べてるし

 あの上らへんの枝は

 どうぞ腰かけてと言わんばかりに

 座り心地がよさそう。

 きっと人に親切な木だ。」

「六花ちゃんのそういう発想ってなんだろうね。

 やっぱり絵本から?」

「たぶん 昔 木を愛した女の話を読んだせい。」

「何その本。最後どうなんの?」

「女が根っこに生まれ変わる。」

「なんで?」

「女に愛された木は いいところを見せようと思って

 とにかく成長すんの。

 で 大木になって 年老いて

 その間 ずっと女は 木のそばで暮すんだけど

 女が3000歳のときに

 木の根が病気になるの。

 どうしても 女は治したくて

 その根を食べたら 毒で死んで

 でも生まれ変わったら

 その根の一部になれて ハッピーエンド。」

「えっ?女は死んじゃうの?」

「だって 毒 食べたから。」

「それ ハッピーエンドか?」

「でも 女は木の根になれたんだよ。」

「えらくでたらめな話だな。作者誰?」

「お母さん。」

「は?創作ってこと?」

「私が小学生のとき 母が所属してた

 ママさんバレーの仲間内で

 布で絵本作るのが流行って。」

「バレーボール関係なくね?

 ていうか パッチワークでつくるにしては

 えらく重いテーマ。」

「う〜ん。好きだったなぁ あの本。」

「なんてタイトル?」

「忘れた。」

「忘れたの?好きってその程度?」

「う〜ん・・。

 できればさ

 島尾くんの 悪さする細胞も

 私が ぜ〜んぶ食べられたらいいのに。」


「腹 こわすよ。

 つうか 転移する。」

木にのぼりはじめる六花。

「あっ。リュック 降ろした方がよくない?」

というと篤にリュックをなげてくる六花。

「やっぱ 親切だ この木。

 島尾君もおいで。」

「絶対無理。」

「意気地なし。」

「なんとでも。つうか 六花ちゃんて野蛮。

 お転婆なんだな。」

「昔 習わなかった?」

「何を?」

「木のぼり。体育で。」

「さすが山育ち。」

「都会っ子の授業には ないか〜。」

「わかんない。 体育 出たことないから。」

「えっ?一回も?」

「うん。リレーのバトンとか

 受け渡しもしたこともない。」

「筋金入りのクララだね。」

回想おわり。

『運動音痴の島尾を

 初めて見たとき 冗談かと思った。』

おつりを忘れたお客さんをおいかける篤の
走り方が変でした。

『この 小学生の遠足コースにもなる低い山が

 島尾くんの登った 地球上の最高峰。

 ふかふかした土を踏みしめて

 空を仰いで。』


「次の人生セミになりたい!

 何か道具 もってくりゃよかったな。

 したら ほら 歩きながら

 君が指差した花 全部集めて

 即席でブーケできたのに。

 次は給水スポンジも持ってきて

 河原で花の展覧会しよう。」


『果たされなかった約束は

 地味に重ねて 星の数。』


「僕ガ死ンダラ 僕ノ骨 

 少シタベラレル?」


『私も 約束を果たしていない。』

植木鉢にとびこんだ葉月は
地面に着地。

「今度はなんだよ。ツバメは・・いないか。

 俺は・・カエルとかにはなってないな。

 あんなキャラになるの嫌すぎるっての・・。」

ふとみるとガラスの棺に横たわった白雪姫らしき
チビ六花ちゃんと小人たちが・・・。

「どっかでみたことあるぞ。

 これも童話だ。

 ていうか 昔読んだやつばっかだな。

 何やってんの?おじさん。」

「誰がおじさんだ!」

「どうみてもおじさんでしょ。」

「きこえない。」

「見た目のサイズで決めつけるな!

「まあまあ。怒るなよ。」

「仕方ないよ。だって 子どもサイズでしょ。」

「子どもサイズでそしょ。」

「あ わかってもらえます?」

「どうも こんにちは。」

「あ こんにちは〜。」

おこりんぼがいたりあいそのいいのがいたり。

ガラスの棺を運ぼうとする小人たち。

「わっ。姫が眠ってる。

 この寝姿もヤバい。」

と頬をあかくする葉月・・・。

「この世界やっぱででたらめだな。」

「なんだと? 真剣だ!」

「シリアスなんだぞ!本気なんだぞ!」

「確認していい?

 このあと姫にキスして起こす王子役は

 俺でいいの?」

小人たち、まわりから散って行きました。
ガラスの棺に葉月が近づくと

ガラスをわってでてくる姫!

「いいわけないでしょ。」

「だって おじさんたちが・・。

 あいつら・・。」

「あなたは王子じゃない。」

「だから その顔で あまり強く拒否らないで。」

「好き。

 アハハ おもしろい。」

「おちょくんな。」

「うらめしや〜。」

「はあ?」

「前途は洋洋、 若くて率直

 王子にないもの みーんな持ってる。」

「何が洋洋?」

「希望に満ちてるでしょ。」

「そういうのはさ 未来が開かれてるときに

 いうんじゃないの?

 今 なんにもみえない状態なんすけど。」

「王子より健康でしょ。」

「それって そんなに有利なこと?」

「幼い頃から 備わってない人から見ればね。」

「だからってさ どうにかなんの?」

「未来はある。」

「でも 店長は振り向かない。

 それでも・・ 好きなもんは好きだ。」


ナツユキソウの鉢をじめんにひっくり返し
植え替えようとしている篤(見た目葉月)を
みつめる六花。

『誰?私のナツユキソウを植えているのは・・。

 誰?

 勝手に墓石をほっているのは・・

 あの・・古いスコップの・・持ち主。』

「島尾くん?

 島尾君・・だよね?

 ねえ 聞こえてる?」

『振り向かないのは

 島尾くんだからなのか

 葉月くんだからなのか。」

その場から逃げだす篤。

『うそ!変な走り方!』

涙がうかぶ六花。

「ちょっと 何やってんの。

 バカ バカ バカ バカ
 
 今に転ぶよ そんなんじゃ!

 待ちなさいよ!逃げても無駄!」

背中をつかまれました。

白雪姫六花と葉月。

「そう。 好きなんだ。」

回想。

展覧会で篤の花を見た六花。

「はじめから 雷みたいにビビビっとおちて

 動かなくなるまで ずっと特等席で・・

 かさかさとした手のひらも

 涼しい顔と裏腹の気持ち

 叩きつけるみたいなフラワーアレンジも

 追いかけて・・

 ずっと・・。』

「島尾くんてさ 色の強い花つかうの 好きよね。」

「あー。それ 自分でも 昔 分析した。」

「理由あるの?」

「鮮やかな赤とかオレンジ

 たしかに使いたがる節あって

 まあ 単純っつーか

 見舞いにさけられやすいやつ

 扱ってたのかも。」

『本人が どこまで自覚していたのか

 わからないけど 定期的にある入院の直前

 島尾くんはいつも

 目に痛いくらいのビタミンカラー

 どしどし使って

 まじないみたいに 家じゅう花畑にしてから

 病院へむかった。

 アレンジは鏡

 くやしまぎれのショッキングピンク。

 バカ正直。』


病院で離婚届を渡された六花。

「僕のぶんは はんこ押してある。

 もしものときの話ができるうちに

 できるだけ

 しておかなきゃと思って。

 姉さんとも 少し話したんだけど
  
 場合によっては 君一存で
 
 店は手放してもらっていいから。」

『軽々しく口先で嘘を重ねても

 草や土を扱う手だけは ごまかせない。

 店にも庭にも

 常に 愛 ダダ漏れのくせしてさ。

 ボロ市で選び抜いた

 変な形の花瓶も
 
 百均で買ったその場しのぎも茶碗も

 雪が降り積もるように

 情が湧いて・・・

 そんな唯一無二の宝物

 店中に溢れさせておいて

 捨てるのは人まかせなんて あんまりだ。』


「答えを相手にまかせても

 迷宮入りさせるだけかもよ。

 それに 私 別れ方 知らないの。」

「ずるい言い方だけど

 僕には 選ぶ権利 ないと思うんだ。

 選んでいいなら

 よぼよぼになるまでそばに一緒にいるのに

 一票。

 だけど それが無理なら

 全部 僕のもの 処分できるのは

 六花だけなんで

 捨てること 託すしかできないとか
 
 なんかもうほんと

 ふがいないんですけど。」

篤のカサカサの手を自分の手でつつむ六花。

「全部 捨てなくちゃいけないの?

 どうしたって いつかは忘れていくのに。

 わざわざ?」

『島尾くんの作るもの 選ぶもの

 全部 ただただ・・』


見た目葉月の篤の服の背中をつかむ六花。

「これ・・全部・・島尾くんの持ち物。

 全身 しょうのうくさいし・・。」

泣きだす六花にふりむく篤。

「島尾君・・なんでしょう。

 ねえ・・。いつから?

 どうして・・?

 何か言ってよ!」

その場にすわりこんでしまった六花。

迷いながらこらえきれず
頭をなでてなぐさめる篤。

「な・・・泣かないで。

 頼むよ。六花ちゃん。」


「島尾くん!」

と勢いよくだきついてその場で
たおれてしまった篤。

「はい・・・。」

『あーあ
 
 ここまでするつもりはなかったのにな。

 一応 この山に 自分の骨の一部を埋めたら

 全部 明け渡す気でいたのに。

 ここで もし 約束を破ったら

 いよいよ外道っていう感じもする。
 
 けど 生き返られない時点で

 すでに 人でなしだったわけで

 何かもう 手遅れだな いろいろ。』


葉月と白雪姫六花。

「いまさらだけど ここ 虫 いなくない?」

「いちいち 描くの めんどくさいんじゃない?」

「はぁー そういうもんか。」

「ねっ。王子。」

「えっ?なぜ 急に王子認定?」

葉っぱにたまった水滴にうつった顔は
自分じゃなくて篤・・。



これってどんどん篤にのっとられつつあるってこと?

けじめをつけたらちゃんと体かえそうと
思ってたのに、大好きな六花ちゃんが
あんなふうにしがみついてきたら
もうおさえきれないですよねえ・・。

六花は葉月に心動いてたけど
篤がそこにいたらやっぱりそっちにいってしまうか。

不治の病で愛する相手と別れなきゃいけないって
若いとなおさらつらい。
ずっと病気だったからほんとは最初から
恋も結婚もしないつもりだったかもしれないのに
六花ちゃんと出会ってそれも無理だったのかもしれない。
ずっといっしょにいたいのが本音なのに
離婚届をわたさなきゃならないなんて
つらすぎる。



葉月涼介   中村悠一
島尾六花   大原さやか
島尾 篤    福山 潤
島尾ミホ    冬馬由美














2012.09.05 Wednesday 12:33 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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