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悪夢ちゃん 第4話「邪夢」

第4話「邪夢」



「先生は ここにいます!

 先生はサイコパスです!

 あのブログに書いてあることは全部本当です!
 
 先生も これからは なるべく

 もう 無理に笑わないようにします。

 それでは授業を始めます。」

「人間の意識は 氷山の一角

 その魂には無限の無意識が広がっている

 そこには全ての感情 全ての行動

 全ての時間さえも眠っている

 その少女の無意識は

他人の無意識と繋がることができた

 そして 少女が眠る時その魂が目覚め

 他人の不吉な未来が

悪夢となって現れるのである」


教室。

「『自由』とは何ですか?答えられる人。」

「はい・・はい・」

「誰でもいいです自由に答えなさい。」

「周りに流されず 自分の考えで判断し

 行動することです。」

「なぜ そう思いますか?」

「そう習ったからです。」

「では 周りに流されず 自分の考えで

 今日は学校を休みたいと思い そのように

 行動することは自由ですか?」

「それは 自由ではありません。

 自由の意味をはき違えてます。

 それは 自分勝手です。」

「それは 不登校です。

 不登校を全て 自分勝手だといってもいいのですか?

 その人の抱える悩みや 取り巻く環境などを考えずに

 『それは自分勝手だ 自由の意味をはき違えている』

 と そのように発言することは あなたの自由ですか?
 それとも自分勝手ですか?」

「そ… そこまでは分かりません。」

「『そこまでは分からない』。

自分のことなのに分からない。

それが自由なのか自分勝手なのかさえ分からない。

分からなくてもいいのです。

 そう思うことが自由なのです。

 学校で教わることの自由とは

 むしろ 分かることではなく

 自分の中に 分からないと思うことを増やすことです。」

『空気を読んで 笑うな!』

「先生が何を言おうと 

 そう簡単に 分かった気にならないでください。

 それでは教科書を開いて。」

保健室にやってきた結衣子。

「あら 古藤さん どうしたの?」

「彩未先生がおかしくなっちゃった。」

「おかしい?

 フッ ごめん私の中では それは普通だけど。」

「先生が 笑顔をやめちゃった。」

校長室にいる彩未。

「認めた?

 あのブログに書かれてることを認めたというんですか?」

「そうです でも大丈夫です。

 ちゃんと 事後処理はしておきましたから。」

「事後処理?」

「はい。これで あのブログの価値はなくなりました。

 従って 犯人を見つけるのも 説得するのも

 無意味かと思われます。」

「ちょっと待ちなさいよ。

  無意味かどうかは

先生が決めることじゃありませんよ。

 教育関係者

保護者の方々が決めることです。」と教頭。

「だけど 彩未先生と児童の中では

無意味になったということね?」

「はい。」

「校長先生!」

「だったら いいじゃありませんか。

 彩未先生も ご自分の発言には

責任をとられるでしょうから。」

「教師は私の仕事です私から 

辞めることはございません。

 失礼いたします。」

校長室から出て行く彩未。

「開き直ったんですかね。」

「何だか よく分からないけどひと皮むけたのよ。

そう期待しましょ。」

と教頭と校長。

職員室。

「 あっ。 彩未先生 さっきのホームルームで

 何だか子供達と 深イイ議論してましたね。」

「もしかして 廊下で立ち聞きしていたんですか?」

「はい 先生はマイケル・サンデルかと思いました。」

「お前は ストーカーかと思いましたよ。」

「えっ?」

「声が出ました?」

職員室でも地をだすことにしたらしい。

「一体 どんな議論をしていたんですか?」

「あの 何ていうか

『自由の意味をはき違えることも自由なのか』

  分かりますか?」

「先生から聞くと

とても浅はかな議論に聞こえますね。」

「浅はかですよ。

 浅はかに聞こえないように

 子供達をけむに巻いたんです。

  教師が単純じゃないことを示したんです。

 単純に思われると疲れるじゃないですか。

 全ての子に分かるように教えるなんて

 そんなことは 読み書き 計算までですから。」

「どうしたんですか? 武戸井先生。」

「何か今日は 投げやりというか…。」

「悩んでることがあるなら何でも言ってください。」

「なら 話しかけないでください。」

彩未の態度にみんなかたまった。

綾乃グループの佳奈穂と美羽と萌たち。

「今日の先生何だか おかしかったね。」

「あの先生 ホントに異常かも。」

「そうだよね。
 
 目とか何だかいっちゃってる感じしなかった?」

「だけど カッコ良かった。」

「えっ?」

「私には そう見えたよ。

  いつも ニコニコ笑ってる彩未先生より

 今日の先生は カッコ良かった。」

「何よ 美羽ちゃん最近 綾乃ちゃんに逆らうよね。」

「逆らうなんて おかしいでしょ。

 思ったこと言っただけなのに…

それは 自由じゃない?」

「やだ 彩未先生のマネしてる。」

「美羽ちゃんは彩未先生が好きなの?」

「好きだよ。」

「サイコパスでも?」

「そんなの分からないじゃない。

 分かった気になるなって先生も言ってたでしょ。」

「だったら 分かるように調べてみようよ。」

「えっ?」

「先生が認めたように あのブログが本当かどうか

 私達で確かめるのよ。」

「面白そう。」

「ねぇねぇ… どうやって?」

「あのブログに 先生の家には 

 結婚もしてないのに

男がいるって書いてあったでしょ。

  みんなで家庭訪問するのよ。」

「家庭訪問!」

「シッ!」

結衣子がいました。

「あっ 古藤さん。」

「古藤さんも聞いてたの?」

「別に…。」

「ちょっと待って。

 古藤さんも行こうよ 一緒に先生ん家。

 知りたくない? 先生の正体を。」

自室であのブログをチェックする結衣子に
声をかける綾乃。

「古藤さんは 誰が好きなの?

 私? 美羽ちゃん?

 それとも 彩未先生?」

「小泉さん いつ来たの?」

「古藤さんに いいものあげる。」

「何?」

「私のウソ。」

「ウソ?」

「古藤さんが 私のウソを全部のんでくれたら

 私は もうウソがつけなくなるでしょ。

  そしたら 私のことも信じられるでしょ。

 手を出して。」

口からつながったイチゴがでてきて
一個が結衣子の手におちました。
さらにドロドロになったジャムが。

「私の血は イチゴジャムなのよ。

 さぁ 召し上がれ。」

「えっ?」

「さぁ 早く 召し上がれ!

 それなら私が直接 飲ませてあげる。

 古藤さん 私とキスしよう。」

せまってくる綾乃。

PCのモニターにあらわれた夢王子。

「悪霊退散!・

 姫 その悪霊からお逃げください!」

「黙れ 夢王子!」

夢王子にジャムをふきかける綾乃。

「夢王子…。」

「悪霊 退散!」

「キャ〜!」

夢でした。

「び… 微妙に怖い。」

おじいちゃんと綾乃。

「先生が変わった?」

「うん もう無理に笑わないって。」

「そうか…。

 近づいているのか 無意識に。」

「えっ?」

「いや…さぁ 早く食べないと遅れるよ。」

とすすめられたのはイチゴジャム!
これは無理!!

「もう いらない。」

「どうした?」

「おじいちゃん また変な夢 見た。」

「また誰かが死んだのか?」

「それが…ものすごく微妙だった。」

「微妙?」

教室。

「間宮くん。」

「えっ! はい…。」

「裕子 裕子 裕子。」

とメモが女子の間をまわっていきました。

「美羽ちゃん。」

結衣子に綾乃から「今夜行くよ」のメモ。

彩未の部屋の前にやってきた女子たち。

「ここだ。」

「誰もいなかったら どうするの?」

「その時は 見張るのよ。」

「え〜 いつまで?」

「男の人が来るまでじゃない?」

「いつ来るかな?」

「彩未先生が 先に帰って来るかも。」

「その時は どうするの?」

「うるさいな!ごちゃごちゃ言ってないで押すよ。」

「 やっぱり いないよ。」

「帰る?」

「・・帰ろう」

そこへやってきた志岐。

「君達。

 そこで何してるのかな?

 そっか 彩未先生に会いに来たんだ。」

「あの 先生の恋人ですか?」

「僕は ただの召使さ。

 さぁ どうぞ。」

と中へいれてくれました。

「いいんですか?」

「もちろんだよ。」

「お邪魔しま〜す!」「お邪魔しま〜す!」

結衣子にも入るよううながします。

「さぁ。」

「すご〜い。本ばっかりだね〜。」

「先生 やっぱりカッコいいな。」

「ねぇ〜。」

「あと あの人も。」

「さぁ おやつにしよう。」

クリームののったホットケーキ。

「やった〜!すご〜い。」

「うわ〜 おいしそう!」

「このイチゴジャムは僕の自慢の お手製なんだ。」

結衣子が息をのみました。

「すご〜い。」

「入れてみな ロシアンティーだ。」

「いただきます!」

「早く入れて」

結衣子の目がまわって夢を思い出しました。

「私の血はイチゴジャムなのよ

 さぁ 召し上がれ」


「どうした?君は食べないのかい?」

「あの〜 先生とは付き合っていないんですか?」

「聞いちゃった〜」

「さぁ どうかな…。

 僕は そう思ってるんだけど。」

「え〜 召使なのに?」

「好んで 召使になる男はいくらでもいる。

 大人の世界は複雑なんだ。」

「働いてないんですか?結構 年に見えますけど。」

「失礼だな。

 大学で研究してるんだ。」

「えっ! 何の研究ですか?」

「夢の研究。」

「夢?」

「人間が眠ってる間に見る夢を研究してるんだ。」

「あっ それで彩未先生も夢の話に詳しかったんだ。」

「あ〜!」

「・・そっか!」

「占い師みたい。」

「そうだね。」

「夢占いじゃ ない。

 夢には まだまだ未知の力が秘められてるんだ。

 例えば 自分や他人の夢が

 映画のように見れるとしたら…どう?」

「すご〜い。」

「ひとの夢は つまらなそう。」

「君は頭がいいな。」

「えっ?」

「いいセンスしてる。」

「よかったね。」

「確かに 他人の夢を見るだけじゃつまらない。

 けど そこに 自分が現れたら どうかな?」

「それなら見た〜い!」

「見たい 見たい!」

「だろ?

  しかも それが 現実に これから起きることだとしたら?」

彩未が帰宅していました。

「何をしてるの?」

「おかえり。気がつかなかったよ。

 楽しくて。」

「フフフ…!」

「いつからロリコンになったの?」

「そんなこと言うな。

 君の生徒だろ。」

「先生 お邪魔してま〜す!」

「お邪魔してま〜す!」

「ホントに 邪魔をしてるっていう自覚はあんの?

 あなた達はね 先生の大事な私生活を邪魔してんのよ!」

「何も そこまで言わなくたって…。

 昔は先生の家に 生徒が遊びに来ることなんて

 普通だったんだ。」

「昔か? ここは昔か!?」

「生徒の前だぞ。」

「これが私よ もう隠すの やめたの。」

「先生。

先生は今 私達のことを殺したいんですか?」

「えっ?」

「面倒くさい生徒は皆殺しにできると

 ブログに書いてありましたけど。」

「先生が何て答えれば満足?

 そうやって すぐ ひとに答えを求めない。

 先生はみんなが見たままの先生よ。

 自分で判断しなさい!」

「先生 すみませんでした。」

「すみませんでした。」

「私達 先生のことが心配だったんです。

  急に 何だか変わっちゃったみたいだから。」

「それで家庭訪問してくれたの?

 もう遅いから 今日は帰りなさい。

  先生 送って行くから 仕事として。」

「は〜い。」

「僕も半分 送って行くよ。」

「問題をこじらせないで!

 あなたが 子供達を家まで送って行ったら

 絶対に110番されるわ。」

「そうか…僕はロリコンに見えるのか。」

「あなたは ちょっとフィギュアっぽいのよ。」

そして生徒を送る彩未。

「そうですか先生のお家で お勉強を。

  ちっとも知りませんでした。

 この子何も言って行かないもんですから。」

「それでは 私はこれで さようなら。」

「ホントに ありがとうございましたここで失礼します。」

「何だか 前と感じが違うわね あの先生。

 塾も行かせてないのかって

 嫌み言われたようなもんじゃない。

 また 私に恥かかせて。

 今 清隆の新しい家庭教師の先生が来ているの。

 ちゃんと挨拶して あなたも早く食事なさい。」

家庭教師にはあいそのいい母親。

「先生 たくさん召し上がってくださいね。」

「はい ありがとうございます。」

「おかえりなさい。」と綾乃にいう先生に綾乃は無言。

「気にしないでくださいああいう性格なんです。」と弟。

「先生 お口に合いますかしら?」

「先生 食べ過ぎだよ。」

「フフフ…!」

最後に結衣子をおくる彩未。

「お友達 いっぱいできてよかったじゃない。」

「別に そういうわけじゃ…。」

「なら どうして一緒に来たの?」

「先生が心配だったから。」

「あなたが言うとゾッとするから やめてよ。」

「あの…。

 おじいさんの助手の人 夢王子?」

「何で それを?」

「やっぱり 夢王子を知ってるの?

 夢王子って 何?」

「フィギュアよ あの人そっくりな。

 それがあなたの悪夢にも出て来るの?」

「小泉さんも。」

「小泉綾乃?

 どんな夢?」

「口からイチゴジャムを吐く小泉さんに

 パソコンから夢王子が飛び出して来るの。」

「それ 少なくとも悪夢じゃないわよね?」

彩未の家に夢王子をたずねてきた綾乃。

「こんにちは。」

「今日は 1人?」

「はい聞いてほしいことがあって…。」

「僕に?どんな?」

「私が見た 夢のことです。」

「どうぞ。」

「はい。」

中へはいる綾乃。
ベッドで眠っていました。

翌日。

「先生 おはようございます。」

鏡をみてつぶやく綾乃。

「別れろ… 別れさせてやる。」

「おい どうした?」

と麦山先生が声をかけると
綾乃は泣きだしました。

「おい… おいおい…。」

職員室へ。

「彩未先生 いや 武戸井先生。

 あなたはとんでもないことをしましたね。」

「何ですか?」

「やっぱり 付き合ってる男いたんじゃないですか。」

「それは 肯定も否定もする必要がないかと思いますが。」

「それは もっとも。

 その男が とんでもないことをしてもですか?

 あなたのクラスの女の子に…。」

「えっ?」

保健室で話をきくことに。

「自分から話せる?」

「私 昨日…1人で彩未先生の家に行ったんです。」

「どうして?」

「あの人が「夢占いをしてくれる」って言ったから。」

「どうぞ。

 さぁ夢の話を聞かせてくれるか?

 目をつぶって話すと夢は よ〜く思い出せるよ。

 さぁ…」


「それで?」

彩未をみてから答える綾乃。

「それで 突然口にキスをされました。」

「これだ! これですよ。」

「ホントに 口だった?

 ほっぺにしようとしてずれたとか…。」

「いや ほっぺでも十分 問題ですよ!」

「麦山先生そう 興奮なさらないでください。」

「こ… 興奮って 誤解を招くような言い方やめてもらえますか!

 私は 激しい怒りを覚えているだけですよ その男に!

 小泉はね 血が出るほど自分の唇をかんだんですよ!」

「口から血を流してたの?」

「そうです。

 いわゆる アレですよ!

 何でしたっけ?」

「自傷行為かもしれません。」

「そうそう…。」

「これは 彼女の唇ではなく 彼女の傷ついた心です。」

「小泉 大丈夫だ!

 君の唇は まだ純粋で滑らかで美しい!」

「先生 傷口を広げてます。」

「えっ?」

「私 寝てしまったんです。」

「何!?」

綾乃の夢には母がでてきました。
血を吸っている弟の唇には血が・・。

「あ… お母さん!」

「いらないだろ?

 全部 清隆にあげちゃいな。

  お前なんか 消えちゃいな!」

「キャ〜!!」

山里とその映像をみる志岐。

「もしかして これが例の予知夢なんですか?」

「いや これは 違う生徒の夢だ。

子供というのは なぜ怖い夢ばかり見るんだと思う?」

「立場が弱いからじゃないんですか。」

「強く生きるための訓練だからさ。

 古来より 人類は外敵から身を守るために

 夢で現実のシミュレーションを行って来た。

  だが 現代社会での外敵は分かりにくい。

 だから怖い夢も複雑になる。

 自分の身を守ってくれるはずの親が

 外敵だったりするからな。」

「先輩はこのまま 夢占い師にでもなるつもりですか?

 他の学者にバカにされながら

 夢の研究を続けて来たのはなぜなんですか!?」

「分かってるよ。

 この夢札を引いたのも 

 あのピロー型のヘッドホンを子供で試したかったからさ。」

「そうなんですか。」

「君は 新しい『獏』の開発を急いでくれ。」

「はい。」

「我々の夢はあの先生が握ってるんだ。」

学校。職員室。

「小泉綾乃さんの母親の要請により

 明日の午後 臨時に保護者会を開くことになりました。

  そこで 今回のことが事実がどうか説明しなければなりません。

  貝原先生 学年主任として

 他の子供達から何か聞いてもらいましたか?」

「はい 前日に小泉さんと一緒に

 武戸井先生の家に行った女子児童数名から話を聞きました。
 
 武戸井先生は その時相手の男性を

 「ロリコン」と呼んでいたそうです。」
「ロリコン」

「いやいや… 知ってたんですか!?」

「呼んだわけではありませんツッコんだんです。

 『お前は いつからロリコンになったのか』と。」

「フィギュアも集めているそうです。」

「フィギュア?」

「違います!本人がフィギュアなんです。」

「本人が?変な会議になって来た。

 それで 武戸井先生本人は 何と言ってるんですか?

 事実だと認めたんですか?」

「それは まだ分かりません。

 今日は まだ会っていませんので。」

「電話をかければいいじゃないですか。」

「電話番号 知らないんです。」

「はぁ!?」

「こちらから連絡をとる必要はなかったもので…。」

「恋人なんでしょ?」

「恋人じゃありません!」

「はぁ!?向こうは 先生の部屋の合鍵を

 持っていたというじゃありませんか。」

「掃除と料理が得意なもので。」

「それで彩未先生と

そういう関係にならないというのは

 その男は異常ですよ。その発言も異常ですよ。

 その男は 何か他の目的があったはずですよ。」

「まぁ とにかく武戸井先生にとって 

 明日が正念場になるでしょう。」

「校長先生 何をのんきなことを…!」

「もちろん 学校としても先生と一蓮托生。

  もし 事実であれば 社会に叩かれることになるでしょう。」

いらいらして帰宅する彩未。
家には王子もおらずまっくら。

「夢王子までが…悪夢王子になりやがって!」

教室。
彩未をにらんでいる生徒たち。

「日直さん。」

「先生。」

「何ですか? 学級委員。」

「私達は 先生のことが分かりません。

  分からないので「怖い」と判断します。」

「それで?」

「私達は先生の授業をボイコットします。

 先生が担任でいる限り

 図書室で自習をしようと思いますが

 それは私達の自由でしょうか?

 それとも 身勝手でしょうか?」

「勝手にしなさい。」

生徒たちがでていって結衣子ふくめ4人だけのこりました。

「 あなた達は?」

「私は先生が怖いとは思っていません。」と美羽。

「俺も 先生とは同じチームだと思ってる。」と冬馬。

「友達がいなくなるわよ。」

「自分がいなくなるよりはマシだよ 先生。」と祐輔。

「分かりました。

 それでは 自習にします。」

保護者会。

「このたびは お騒がせして

大変 申し訳ありませんでした。

 今回の件に関しましてはですね…。」

「あの…。」

「はい。」

「謝罪のために集まったのではありません。

 事実を説明してください。

 それによっては 私は この足で

 警察に行かなくてはいけないんです。」

「いや 小泉さん そう性急に…!」

「その男が逃げたらどうするんですか!

 また新たな被害者が出ますよ。」

「ロリコンだわ!」

「 どうなんですか? 先生。

 そういう男性と付き合ってて

何も感じなかったんですか?

 それとも 先生には やっぱりネットでの話題通り

 心がないんですか?」

「サイコパスだわ・・」

「サイコパスよ」

「あのですね 武戸井先生はですね

 その男性とは 別に

恋人関係ではなかったそうなんです。」

「それは どういうことですか?

 だから 自分には関係ないってことですか?

 自分の生徒が…私の娘が傷つけられたんですよ!」

「キスをされたという事実はなかったと思います。

 私が小泉綾乃さんに嫌われたというのが 事実だと思います。」

「私の娘がウソをついてるっていうんですか?」

「私が嫌われているのは本当でしょう。

 キスをされたうんぬんというのは

 その意思表示だと思います。」

「武戸井先生。」

「信じられない。

 あなたは自分の生徒より 

やっぱり自分の男を信じるんですね!」

「私は 事実を説明しているだけです。」

「冗談じゃありません!

  こんな屈辱 味わうとは思いませんでした。

 何もなかったというんならその証拠を示しなさいよ!」

「そうよ!」

「・・その通りよ!」

「何とでも言えるわよ!」

そこへはいってきた志岐。

「あれがフィギュア?」と校長。

「遅くなって すみません。

 私は 大学で准教授をしている志岐 貴といいます。

 普段は 神経生物学の研究ばかりしてるのですが

 教育者の端くれとして 武戸井先生をサポートしたいと
 
 たびたび 部屋を訪ねていました。

 武戸井先生は 堅物でして

 男としては なかなか

その思いを遂げることができませんでした。

 そんな僕が

武戸井先生の足を引っ張るなんてことを

 するわけがない。

 証拠なら…。

 ここに あります。」

PCのモニターをみせました。

「娘さんが悩みを相談しに来た時

 私は むげに断ることができませんでした。

 だから後で問題が起きないように

 このパソコンのカメラで映像に収めたんです。

 彼女は途中で眠くなりベッドに寝かせましたが

 その様子も映ってます。

 私は ロリコンではありません。

 武戸井先生を心から尊敬する1人の男です。

 分かっていただけませんか?」

「そんな映像いくらでも捏造できますよ!」

「おかあさん

綾乃さんがどんな悩みを打ち明けたのか

 それを聞きたいですか?

 ここで音声を出してもいいんです。

  できることならおかあさんにだけ

 じっくりと聞いてもらいたいんです。」

保健室に場所をうつし映像をみる母。

「それが いつも見る夢です。」

「君は おかあさんが怖いのかな?」

「怖いです。

 お母さんに嫌われるのがすごく怖いんです。」

「どうして嫌われてると思うんだ?」

「私がバカだから。

 頭が悪いから。

 弟は頭が良くて

有名な 私立小学校に通っているのに

 私は そこに落ちたから。

 それに 私の顔は…

 浮気ばかりしているお父さんに似ているんです。

 だから お母さんは昔から 私が嫌いなんです。

 あの家に私が…私がいては いけないんです。」

泣きだす綾乃。

PCを閉じる母。

「ウソです!」

「お嬢さんがウソをついてるというんですか?」

「まるで 夢を使ったカウンセリングみたい。

 私も 信ぴょう性があると感じました。」と琴葉。

 お嬢さんは おかあさんへのフラストレーションから
 
 武戸井先生をスケープゴートにした。

 「不安」という外敵から身を守るために。

  お嬢さんのウソは

お嬢さんの心をむしばむ 毒なんです。

 だから吐かずには いられなかった。」

悲鳴をあげておきる結衣子。

「キャ〜!」

翌朝。

「起立 礼。」

「おはようございます。」「おはようございます。」

「小泉さんは来ていませんか?」

「そりゃあ 恥ずかしくて来れないでしょ。」

「あんなウソをついて…。」

「先生 昨日は すみませんでした。」

「すみませんでした!」

立ちあがってあやまる生徒たち。
そしてまた結衣子の目はまわっていました。

「また見たの?」

「えっ?」「あっ…。」

給食の時間に当番の子が吐く赤いジャム。

「どうぞ・・ありがとう」

献立はビーフシチュー。

「いただきます。」「いただきま〜す。」

結衣子は食べられない。
食べた子が次々倒れ、彩未も。
後ろには綾乃がいれ口のまわりにはジャムが。
そして巨大な舌をだしてきました。

「キャ〜!キャ〜!」

博士の部屋でした。

「大丈夫だよ 夢だからね。」

「これは 小泉綾乃の復讐?

 教室で 自分がいじめられるようになって

 給食に何かを入れるというの?」

「ほうっておけば そうなるだろう。」

「小泉さんは 口から吐いたものを

 私には「ウソをのめ」って言ってた。ウソ?」

「結衣子が前に見た悪夢だ。

  変な 「夢王子」と呼ばれる志岐君が出て来る夢だ。

 それも見るか?」

「それは見たくない。」

「この女子生徒は今 どうしてる?」

「学校に来てない。」

「なら また来るようになる。

 そして 必ず…。」

志岐の言葉を思い出す彩未。

「お嬢さんのウソは お嬢さんの心をむしばむ 毒なんです。

 だから吐かずには いられなかった」

「毒…。

 異物なら 学校にいくらでもあるわね。」

「先生 さっき 献立表を調べたら

 明日は ビーフシチューだった。」

「その子を学校に来させてはいけない。」

綾乃の家。母に起こされた綾乃。

「いつまで そうやって学校を休んでる気なの!

 何も変わらないでしょ!

 自分でまいた種なんだから 

 恥ずかしくても 学校行きなさい!」

学校にやってきた綾乃をみて結衣子の目がまわる。
教室に綾乃がくると女子が怖い。。

「ねぇ そういえば 分かる? あっ。」

「 最悪。うわ〜。」

「行こう。ウソつき女!」

「何で学校 来んの?」

教科書を読む彩未。

「みんなは 足踏みをして歌いました。

 キックキック トントンキックキック トントン。

 凍み雪しんこ 堅雪かんこ

 野原のおそばは ポッポッポ。

 酔って ひょろひょろ清作が

去年 13杯食べた。」

綾乃にまわってきたメモには「恥知らず!」「ウソつき!」
さらに「転校し ろ よ!」「バーカ」・・。

 キックキック キックキックトン トン トン。

 写真が消えてちょっと休みになりました。

 かわいらしいキツネの女のコが

 きび団子をのせた お皿を2つ持って来ました。

 なぜって たった今 太右衛門と清作との

 悪いものを知らないで食べたのを見ているのですから。

 それに キツネの学校生徒がみんな

 こっちを向いて
 
 『食うだろうかねぇ 食うだろうか』なんて

 ひそひそ話し合っているのです。

 かん子は恥ずかしくてお皿を手に持ったまま

 真っ赤になってしまいました」

そのメモをぐしゃっとつかんで
別のメモを綾乃に差し出す彩未。

 「すると 四郎が決心して言いました。

  『ねぇ 食べよう お食べよ

  僕は 紺三郎さんが僕らを騙すなんて思わないよ』」

綾乃の母とあっていた彩未。

「私が あの子に?」

「そうです いざという時の

お守りだと思ってください。

 いえ 解毒剤です。」


綾乃の母が書いた綾乃への手紙でした。

「綾乃へおかあさんは

  いつも綾乃のことが心配でなりません。

 なぜなら 綾乃は

  おかあさんにそっくりだからです。

 とても意地っ張りで見えっ張りのくせに

 要領が悪くて 成績も悪い。

  みんな 昔のおかあさんにそっくりです。

 だから あなたをつい キツく叱ってしまいます。

 でもねこれだけは信じてください。

 おかあさんはいつでも綾乃の味方です。

 綾乃が世界中の人から嫌われても

 おかあさんだけは 味方です。

 綾乃を絶対に守ります。

 だから 勇気を出して

 学校で頑張ってください。

 そして 元気に 必ず

 私の所へ帰って来てください。

 母より。」


「『昼は カンカン日の光夜は ツンツン月明かり。

 たとえ体が ちぎれてもキツネの生徒は そねまない。

 キックキック トントンキックキック トントン』

 文部科学省が何と言おうと

 先生はこの宮沢賢治の『雪わたり』に出て来る

 四郎と かん子が キツネの学校に行って
 
 キツネのこしらえた きび団子を

 悪いものと思わずに食べたのは

 キツネの紺三郎を信じたからではなく

 その場の空気を読んだからだと思っています。

  その結果 キツネの生徒達は感動し
 
 これからも ひとにウソをつかず

 ひとを そねまない大人になろうと誓いました。

 だけど 先生はそれを信じることはできません。

 だから 先生もその場の空気を読ませるために
 
 みんなに信じてもらおうとか

 尊敬されようとは思いません。

 学校は 一人一人が

 他の人間に囲まれて生きている場所です。

 その場の空気を読むことも
 
 人間に備わった 大事な能力です。

 世の中を生き抜くすべとしては大事なことです。

 しかし いくら空気を読んだからといっても

 キツネのこしらえた きび団子を

 食べるべきではなかったと先生は思います。

 お腹をこわす確率はかなり高かった。

  それでも 皆さんなら食べますか?

 それでも そこまで考えて

 『私は食べる』というのなら

 それは あなたの自由です。」

給食の時間。

「今日の給食 おいしそう。」

「先生 どうぞ」

「ありがとう。」

結衣子は当番の子を凝視。

「早く 行って。」

「いただきます。」「いただきま〜す。」

「うまい!」

「 う〜ん!」「おいしい〜」

彩未と目があった結衣子は笑顔になり
たべはじめました。

彩未の家。

「どうぞ。」

「また ビーフシチューかよ。」

「僕のビーフシチューは 格別だよ。

  隠し味に 自慢のイチゴジャムが入ってるからね。」

「これも予知夢かよ。」

「分かってるよ。これを食べたら すぐに帰る。」

「帰らなくてもいい。」

「えっ?」

「今日は 泊まってもいい。

 許す。」

「今日は素直だ。」

「いつも素直だ!

 いつも我慢してたなんて思わないで。」

「分かった。

 よし じゃあ 今日は僕が 夢王子だ。」

「絶対に その名前を出すな!

 もはや 悪夢王子なんだから。」

でも夢王子と空をとんで楽しそう。

「ユメ〜?ユメ〜。ユメ〜。」

朝。

「おはよう。」

「あっ。」

「どうした?」

「また ブログが更新されてる。」

「何て書いてあるんだ?」

「『サイコパスのくせに教室で偉そうに説教たれてんじゃねえよ。

 空気 読めないのは お前だろ!

 空気を読んで 早く死ね!』。

 ひどい…。」

「誰が書いてるのかホントに心当たりは ないのか?」

「私の洞察力でもそれが 全く分からないのよ。」

「僕は知ってる。」

「えっ?」

「ここに犯人が映ってる。」

PCをとりだす志岐。

「見せて。」

それは真夜中にブログを更新している彩未の姿。

「ハッ!ウソ…。」




あ〜やっぱり無意識に自分でブログかいてたのか。

最初コメディかと思ったのにどんどん
女王の教室みたいな学校ものに
なってきたような・・。

夢の映像はあいかわらず気持ち悪くて
おそろしかった。
母親に自分はいらないものだと思われていると
思いこみ傷ついた心がみせた悪夢。
でも母親のあの手紙が傷をいやしてくれました。

ほんとは言葉でちゃんと言えればいいのに
それができないのが意地っ張りゆえなのでしょう。
彩未、なかなかやるではないですか。
教育にかける熱意とかまったくないようにみえるのに
解毒剤をちゃんと用意してしっかり指導してる。

「雪わたり」の解釈もなかなか。

予知夢のようにならずに、笑顔で給食をたべる
結衣子がすごくかわいかった。
今まで救われた生徒たちも今回ちゃんと
彩未の味方になってくれてて
彩未は能面のようだけど
最後には作り笑顔じゃない
ほんとの笑顔がみられるか。





武戸井彩未 北川景子
志岐 貴 GACKT
平島琴葉 優香
古藤結衣子 木村真那月

甘澤龍子    キムラ緑子
中込真也     阿南健治
貝原聡子    濱田マリ
麦山勇市 岡田圭右
稲本克行    川村陽介
古藤万之介 小日向文世
山崎峰樹    和田正人





2012.11.04 Sunday 13:26 | comments(0) | trackbacks(10) | 
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 笑わないことにしたのはいいが、生徒達を相手にしないわけではない、というあたりに、彩未の人間性を感じる。「解毒剤」のくだりとかね。  志岐が「フィギュアっぽい」というのには笑ったが、「ロリコン」って罵倒も含め、それが彩未に帰ってくるのは上手いと思った
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| Kyan's BLOG V | 2012/11/11 12:10 PM |