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悪夢ちゃん 第7話「ブー夢」

 第7話「ブー夢」



予知夢を見る事の出来る人間が存在する事を
マスコミに公表した志岐貴(GACKT)は
結衣子を世間にバラされたくなければ
結衣子を自分の研究所に連れて来るように
彩未(北川景子)を脅した。
要求に応じない彩未に痺れを切らした志岐は、
助手の山里(和田正人)を使って下校中の結衣子をさらった。
志岐は結衣子を巧みに説得。
結衣子は自分の存在が彩未を苦しめていると思い込む。
そして彩未は自らの忌まわしい過去に苦しみ…






テレビの収録をしている志岐。

「人は なぜ夢を見るのか
 
 それは 眠っている間にも精神活動を
 行っているからです。

 意識や体は眠っているのに

 脳は あなたの心を活性化しているんです。

  『夢は つかの間の狂気である』と

 昔の哲学者は言いました。

 患者の夢を判断することで
 
 心の傷を取り除くことができると知ったんです。

 しかし その夢は 所詮目覚めた人間が語る

  夢の記憶思い出にすぎなかった。

 私の研究は その夢を完全な状態で

 引き出すことにありました。

 夢は恐ろしくも正しいあなたを

 映し出す心の鏡なんです。」

「はい ありがとうございます OKで〜す。」

「お疲れさまです。

 志岐先生 次は夢判断の相談者との

 対話を撮らせていただきたいんですが。」

「それは相談者に相談してみないと。」

「もし無理なようでしたら

 こちらで相談者を用意したいと思っているんですが。」

「分かりました。」

「夢は誰でも見るものですから 

 やらせには ならないでしょう。

 その場合は 先生に 面白い夢を

 ご用意していただきたいんです。」

「それは やらせじゃないか。」

「人間 つまらない夢は見ますけど

 つまらないテレビは見ないんですよ。」

「フッ 悪夢だね。

  研究にウソをつくことはできない。

  どんな夢も 私が分析すれば面白くなる。」

「分かりました。それじゃあ例の

 予知夢を見られるという人間その方を

  いち早くご紹介いただけないでしょうか。」

「それは考えておきます。」

「ありがとうございます。

最後に 機械のほう 映して行ってもよろしいですか?」

「山里君。」

「は〜い。」

「よろしくお願いします。」

「どうぞ〜。」

彩未にあう志岐。

「待たせて すまない。」

「やっと また会えたわね。」

「別に 逃げてたわけじゃ ない。

 単純に忙しかったんだ。」

「古藤結衣子の悪夢をどこで手に入れたの?」

『さすがは 古藤結衣子の夢札だ。

 映像記憶力が違う』

「あの夢札は どこで引いたの?」

「あの時は 君の生徒の命にかかわっていたから

 予知夢の存在を警察に知らせざるを得なかった。」

「そんなことは聞いてない!

  どうやって あの夢札を引いたのかと聞いてるの!」

「古藤教授は… どうだった?」

『とうとう科学者の野心が噴き出したんだ』

「失望してたわよ あなたに裏切られて。」

「フッ… それは どうかな。

 『やっぱり』って思われてたんじゃないかな。

 あの教授には 一度も信用されたことがないから。」

「だから 私に取り入った。

  古藤結衣子に近づくために?」

「それは 最初から伝えたはずだ。」

「それが全てだったってことでしょ?

 そのおかげであなたは話題になって

 こんな立派な研究所も手に入れたし。

  金持ちの相談者が次々に やって来るそうね。」

「僕らの関係も… これまでか。」

「もう 用事は済んだでしょ?」

「済んじゃいない。」

「まだ 私と付き合いたいというの?」

「古藤結衣子を連れて来てくれたらね。

 これからは僕の研究に協力してほしい。

 もし そうしなければ古藤結衣子の存在を 

 世間に公表する。

 警察もマスコミも知りたがってるんだ。」

そこへ山里がはってきました。

「先輩 テレビ局の人が呼んでますけど。」

古藤教授にもそのことを伝えてくれ。」

志岐が出ている番組をみる古藤教授と彩未と結衣子。

「うわ〜! あ〜!」

「君の夢は 大変 面白い。」

「えっ 面白いですか?」

「普通空を飛ぶ夢を見る人間は

 興奮や開放感を味わうもの。

 君の場合は苦痛を感じている。

 この夢に何か自分が認めたくない一面があるとしよう。

 それを現実の君が受け入れるまで

 君の無意識は その衝撃から 

 君自身を守っているんだ。」

いつもの夢を思い出す彩未。

『私は 人殺しだ』

テレビ。

「さてその無意識の封印を解く勇気が…

 あなたには ありますか?」

「気にすることはない。

 彼が何を言おうと 我々が かかわることはない。」

「おじいちゃん…。」

「大丈夫だ 結衣子のことは私と彩未先生が守る。」

『マズい。

 悪夢ちゃんに 私の無意識を読み取られてはならない』

「彩未先生?」

「あの人の要求は伝えたから 私は これで帰るわね。」

「先生…。」

職員室。

「先生 おはようございます。」

「彩未先生〜! ザ〜ン!

 この麦山 これ夢日記 つけ始めたんですが

 聞いてもらえますか?」

「すいません 忙しいのと興味がないので。」

「いえいえ 彩未先生じゃなくて

 あの夢博士の彼にこの夢の意味聞いてもらえませんか?」

「そんな気になるんだったら

 ご自分で直接会いに行かれたらどうです?

 武戸井先生を通して 多少の繋がりは あるわけだしね。」

「いや 繋がりといっても 一応 彼とは恋のライバルです。

 分かります?あと 微妙にキャラもかぶってるし。」

「その認識がどこからやって来るのか 全く見当つきませんよ。」

「多分 あの人も私と同じ意見だと思いますよ。」

「そうなんですか?」

「忙しいのと興味がないって意味でしょ フフフ…。」

「夢日記 つけてるんですか?」

「あっ 聞きたい?」

「いいえ 全く。」

「『全く』かい。」

「夢といえば私 何度も同じ夢を見るのよね。」

と貝原先生。

「あっ そういうの「反復夢」っていうんですよ。

 夢が自分へのメッセージだとしたら

 反復夢には とても重要な意味があるんですよ。」

「そうなの?」

「えっ 稲本先生は夢に詳しいの?」

「いや〜 僕も最近興味を持ちまして。

やっぱり彩未先生の彼氏の影響で。」

「あぁ…。」

「なら 聞きたいね? これ。」

「いいえ 全く。」

「そうなんだ〜 重要な意味ね…。」

教室でも志岐の話題。

「ねぇ 未来ちゃんは志岐 貴に会ったの?」

「えっ? 会ってないよ。」

「私達は会ったわよね〜。」と萌たち。

「ねぇ〜。」

「手作りのイチゴジャムおいしかった〜。」

「夢の話もしてくれたよね。」

「いいでしょ〜!」

「あの時 言ってたことは本当だったんだね。

 夢を映画のように見ることができるって。」

「お前ら ズルいな。

 俺達にも会わせろよ。」

「男子は どうかな〜?」

「女子だから 優しくしてくれたんだよね きっと。」

「そうだよ・・」

「男女差別じゃないの」

「キスもできるしね〜。」

「でも 未来ちゃんを助けたのは志岐 貴なんでしょ?」

「うん。そこよ! 問題は。

 誰が あの予知夢を見たかってこと。

 未来ちゃんのことを全く知らない人間が

 未来ちゃんの夢を見ると思う?」

「なら この学校にいるってこと?」

「私は… そう思う。」

「もしかして このクラス?」

「そうかも。」

「え〜。」

「私を助けたのは 莉音ちゃんよ。」

「えっ?」

「犯行を目撃して 学校に知らせてくれたから。」

「そんなの当たり前じゃない。」

「予知夢を見た人間が他にいるのよ。

 その人が 志岐 貴に教えたの。」

「お前 誰だか知ってんのかよ。」

「私は 彩未先生だと思う。」と綾乃。

「先生?」

「そう考えるのが一番 自然でしょ?」

「そういえば…。」

「そういえば…。」

「そういえば…。」

「そういえば…。」

と冬馬 翔 祐輔たち。

そこへ彩未がはいってきました。

「どうしたの?席に着きなさい。」

「最近 夢の話が流行っているようですが

 先生と あの人は もう何も関係がありませんので

 くれぐれも 面倒な質問はしないようにしてください。」

「先生!予知夢を見たのは誰ですか?」

「先生じゃないんですか?」

「私? 私じゃないわよ。」

「じゃあ 誰なんですか?」

「もし それを知ったら

 皆さんは その人のことをどう思いますか?

 皆さんは その人に

 自分の未来を教えてほしいと思いますか?」

「いいことなら教えてほしいです。」

「でも 悪いことでも

 その未来を自分で変えられるとしたら?」

「えっ? 歴史を変えてもいいの?」

「タイムマシンじゃないんだから

 未来は歴史でもありません。」

「それなら いいかも。」

「だけど その場合 自分の知られたくない心の中も

 勝手に覗かれるってことですよね?」と杏奈。

「えっ?」

「人間は そこまでオープンにしなくていいから

 他人の中でも生きられるんだと思います。

 私は そんな人と一緒にいるなんて 耐えられません。

 迷惑です!」

「先生も その意見に賛成です。

 そんなことはあり得ないということです。

 予知夢を見られる人間なんてこの世にはいません。

 あの人がテレビで言っていることは

 やらせか 単なる偶然です。」

「恋人だったのに信じられないんですか?」

「だから 別れたんです。

 なので これ以上この話は しないでください。

 面倒くさいです。

  それでは 授業を始めます。」

「起立!」

刑事の春山が志岐のところへ。

「先生 彼は ある強盗殺人事件の重要参考人です。

 犯行現場の近くに倒れていたんですが

 頭を殴られたような痕があり

 記憶を失ってるんです。」

「記憶喪失…。」

「彼の衣服には 被害者の血痕が付着していました。」

「被害者というのは?」

「何の落ち度もない 民間人の一家です。」

「許せませんね。」

「もし 彼の記憶が戻らなければ この事件の解決は難しい。

 彼が犯人かどうか それすら分からないんです。

  そこで先生 これは非公式の相談なんですが

 彼の夢札を引いてみてはどうでしょう。

 夢に何か記憶を取り戻す手掛かりが

 映ったりしないものでしょうか?」

「なるほど…。」

職員室。
まだ夢の話をしている麦山先生。

「いや ホント不思議な夢だな これは。

 邪魔です いや だから 邪魔だと…。

 あぁ… 教頭! すいません!すいません。」

「夢日記」

「これ 知りたいですか?」

「麦山先生!

 こんなことを ひとに言ったり

 ブログに書いたりしないでくださいよ!

 わいせつ教師だ 何だって騒がれては

 たまったもんじゃありませんからね!」

「ちょ… 待ってください!」

「何ですか?」

「僕がですね しゃぶしゃぶにされて

 子供達に食べられちゃう夢ですよ。」

結衣子が職員室にやってきました。

「あら? 古藤さん どうしたの?」

「彩未先生に会いに来たの?」

「先生は どこにいますか?」

「いないの? ちょっと待っててね。」

「私はね すき焼きを食べる夢を…。」

「すき焼きは どうでもいい。」

「こんな大きな卵ね 割ったら 何が出て来たと思いますか?

 あっ 校長!」

「武戸井先生 どこにいますか?」

「さぁ…。」

「教室から戻った時に 気分が悪いと言っていましたから

 ひょっとしたらもう 帰ったかもしれません。」

「校長先生! 子供達にしゃぶしゃぶにされて

 食べられちゃう教師のどこが わいせつなんでしょうか?」

「気分が悪くなった原因 これ?」

「いえ 違います。」

「それは聞かずに済みました。」

「そう。」

「いや 校長! 待ってください!プールで しゃぶしゃぶです!」

「プールですか?」と結衣子。

「ううん 違う 違う。

 もしかしたらもう 帰ったかもって。

 具合が悪かったそうよ。

 ところで おじい様は お元気?」

「はい。」

「最近 話題になってる 志岐 貴という夢の研究者は

 おじい様のお知り合いじゃないの?

 彩未先生 どうして あの方と

 お付き合いするようになったのかしらね。

 おじい様から 何か聞いてない?」

「聞いてません。」

「そう ごめんね あなたに聞くことじゃないんだけど

 ちょっと心配で。

  彩未先生は 見かけほど強くない人だからね。」

そこへ声をかける琴葉。

「校長先生。

 古藤さんが どうかしたんですか?」

「彩未先生 捜してたのよね。」

「もう いいんです!」

「古藤さん!

 落ち着いて話そう。

 彩未先生に 何か教室では話せない用があったの?

 また 怖い夢でも見た?」

「えっ?」

「フフっ そりゃ 何か 気づくわよ。

 前から 結衣子ちゃんは 不思議なこと言ってたじゃない?

 ねぇ これからは 夢を見たら私にも話してくれない?

 結衣子ちゃんの力になりたいのよ。」

琴葉に薬をもらったら寝てしまったことを
思いだす結衣子。

『心が落ち着く薬あげましょうね』

「怖がらなくていいのよ。

 何ていうか先生は 心の勉強もしてるし

 知り合いに夢に詳しい人もいるから。」

「帰ります!」

「待って! 待って!」

「はぁ…。」

結衣子は逃げてしまいそこにいたのは彩未。

「イヤ〜!!」

「そうか あなただったんだ 志岐 貴の仲間は。

 おかしいと思ったのよ。

 夢を見るのを怖がる あの子が

 この頃 よく保健室で眠るようになったから。

 どうやって夢札を引いたの?」

「ごめんなさい。

 どうしても 誘惑に勝てなくて。」

「恋の誘惑?」

「違います! 自分の探究心です。

 こう見えて 養護教諭の使命は捨ててません。

 色恋に溺れて 子供達を

 犠牲にするようなまねはしません。」

「でも 薬は使ったんだ。」

「ほんの微量です。

  アメに まぶして。

 はぁ…ごめんなさい。」

「志岐 貴の目的は何?

 予知夢を使って 何をする気?」

「人助けだと言っていました。

 自分の研究でどこまで 人を救えるのか

 それを知りたいだけだと。」

「フッ まるでヒーロー気取りね。

  そのうち 本物のフィギュアにでもなるつもりか!」

志岐のところで眠っている結衣子。

「ダメです 夢札は引けませんでした。」

「レム睡眠の前に お目覚めですか?お嬢さん。

 手荒なまねをして すまない。

 でも 分かってほしい。

 我々には 君の力が必要なんだ。

 多くの人間が君の夢を必要としているんだ。

 でも 君のおじいさんは それを分かろうともしない。

 君を家に閉じ込めて 一生 表に出さない気でいる。

 君は… それでもいいのかな?」

「彩未先生は?」

「えっ?」

「私といることに… 苦しんでる?」

「悩んでいることは 確かかな。

  だから僕とも付き合うようになった。

 君の夢が 手に負えなくて 僕に頼ったんだ。

  これからは 僕が君の力になるよ。

 彩未先生のためにもね。」

別室から結衣子にあの容疑者をみせる志岐。

「どうぞ。」

「あの おじさんは記憶を失ってるんだ。」

「えっ?」

「自分が どこの誰なのかすら分からない。

 思い出せないんだ。

 夢札を引いてみたんだが

 どれも映像が ぼやけてて

 君の夢のようには見れない。

  映像記憶力が低下しているのかな。

 だから… みんな困ってるんだ。

 君が 助けてやれないかな。」

そこへ銃をもった男たちが入ってきて
志岐を撃ちました。

「いたぞ〜!」

おびえる結衣子。
ユメノケもでてきました。

「ユメ!ユメ〜!!」

「キャ〜!」

目をさます結衣子。

「あいつらだ! こいつ 渋谷!

 こいつに俺 はめられたんだよ!ねぇ! ねぇ…!」

「思い出したか!

 お前は誰だ?」

「大崎… 大崎です!」

「この男達が 犯人グループなんだな?」

「はい。こいつ 渋谷の呼びかけで

 闇サイトから漫画喫茶に集まるようになったんだ。

 『強盗の計画があるが 金は取るけど 人は殺さない』

 って言ったんだ!なのに こいつら!」

「おじけづいた君のことも始末したはずだったが

 生きていたというわけか。」

「この男達の名前は!?」

「恵比寿 目黒 五反田…。」

「山手線か。」

「そう呼び合っていただけなんで 本名は知りません。」

「なら 大崎も本名じゃねえだろ!」

「すみません。」

「とにかく この映像をまた写真にしてもらえますか?」

「用意は出来てます。

 それから警備会社も調べてください。

 うちを襲う気なら そこに犯人が潜入するか

 警備員が襲われる可能性がある。」

「なるほど。」

「これが未来だとすれば銃器の入手経路も調べるべきか。」

「マシンガンはイメージかもしれません。」

「なら 警備員だって…。」

「この制服は間違いなく うちのビルが契約している

 警備会社のです。

 彼が知っているとは思えない。」

「知りませんよ。」

「知っているのは犯人グループでしょう。」

「すごいですね。

 そんなことまで分かるんですか。

 ますます そんな夢を見る人間に会ってみたい。

 先生ご協力ありがとうございました。」

「おい。」

「はい!」

山里が結衣子に言いました。

「君が 被害者の無念を晴らしたんだ。

 ここにいれば 君の力を正しく使うことができるんだよ。

 人のために 使えるんだ。」

そこへたずねてきた彩未と古藤教授が春山とばったり。

「刑事さん。」

「あ〜 先生。」

「ここで 何かあったんですか?」

「いや また夢の力で難事件が解決しそうですよ。

 人を殺したショックで記憶を失っていた犯人が

 記憶を取り戻したんです。」

「ここにいれば 彩未先生も安心するだろう。」

中へはいる古藤教授と彩未。

「おじいちゃん!」

「どういうつもりだ?」

「お久しぶりです。」

「彩未先生。」

「彼女には 何もしていません。

 彼女の夢札が また世の中の役に立っただけです。」

「帰るぞ 結衣子!」

「おじいちゃん 私 ここにいる。」

「何を言ってんだ!?」

「ここにいれば 誰にも迷惑がかからない!」

「誰が お前を迷惑なんて言ったんだ?

 そんな力を持って迷惑してるのは 結衣子じゃないか。」

「だからといって力が消えるわけじゃ ない。」

「黙れ!」

「誰かが肯定してやらなければ

 彼女は一生悪夢に うなされたままじゃありませんか。

  それで いいんですか?」

「君の力は借りない。

 今の君はただ 欲に駆られているだけだ。

 帰ろう。」

「私は ここにいる!」

「結衣子!」

「大丈夫だから。

 ここにいれば 安心だから!」

結衣子は帰ろうとせず、しかたなく
ひきあげるふたり。

「どうするんだ?

「まぁ 学校へはあの助手の山里って人が

 送り迎えするそうだから。」

「だからほうっておけっていうのか!?」

「仕方ないでしょ?本人の意思なんだから。」

「結衣子は 君より志岐君を選んだってことなんだぞ。」

「そうね まぁ 確かにそのほうが安心かも。」

「本気で そう思ってるのか?

「私に どうしろっていうの!?

 私にも限界がある!

 私は あなたが思ってるような人間じゃないの。

 いい教師なんかでも ないのよ!

 もう いいかげんに見極めてよ!!」


「どうしたんだ?」

「別に…。

 悪夢に学校関係者が出て来ないなら

 私の出番もないはずでしょ。」

貝原先生が志岐のところにいきました。

「はっ!

 すいません。」

「彩未がいつもお世話になってます。」

「いえいえ お世話だなんて。

 しっかりしてらっしゃいますから 武戸井先生は。」

「どうぞ。

 夢に関する ご相談ですか?」

「はい 厚かましいお願いですいません。

 私の その… 夢札を引いていただけないでしょうか?」

「何か 気になる夢でも?」

「何度も何度も同じ夢を見るんです。

 同じ人間が出て来るんですが

 私には それが誰なのか分からないんです。

 夢を思い出すには 限界がありますでしょう?

 だけど見るたびに無性に その人に

 会わなければいけないような気がして来るんです。」

ウェディングドレスを着て橋をわたる貝原先生。
あいたいひとはむこうにいました。

「これが 私の夢ですか?

 この目で見るとまた違った感覚ですね。」

「いつもの夢と違いますか?」

「同じだと思いますけど

 やっぱり あれが誰なのか分かりませんね。」

「橋は 男と女を繋ぐ象徴です。

 あなたはウエディングドレスのようなものを

 着ていますから昔の恋人じゃ ありませんか?」

「それは ありません。」

「忘れてるだけでは?」

「恋愛経験が少な過ぎて 忘れるほど いませんから。

 今の夫なら 会いたいと思うわけがありませんし。」

「夢に出て来る人物は 根本的に あなたの分身ですから

 あなたの一部分だと言えなくもありません。」

「あぁ…。

  だけど 確かに昔 私は あの人に

 会ったことがあるような気がするんです。」

「そうですか。」

「やはり 自分の記憶には限界がありますから。」

教室。

「お月さまは まるで真珠のお皿です」。

  「お星さまは 野原の露がキラキラ固まったようです」

結衣子と彩未。

「また見たの?

 何を見たの?学校にいる人の夢?」

「大丈夫だから。」

「えっ?」

「先生には 迷惑をかけないから。

 私 何とか やって行けるから。

 先生は 元気出して。」


「あのね 私は別にあなたに

 元気を奪われた覚えはないんだけど。」

「私なんか いないのと同じ。」

「えっ?」

「大丈夫だから 山里さんが待ってるから。

 さようなら。」

彩未に声をかける貝原先生。

「武戸井先生。

 ちょっと2人で話せる?」

「貝原先生が 夢札をですか?」

「あなたに無断で ごめんなさいね。

 どうしても気になったものだから。」

「別に構いませんけど。

 あの人と私はもう何も関係ありませんから。」

「あの人のほうは そう思ってないみたいだったけど?」

「えっ?

 武戸井先生の同僚だから

 私にも少ない金額でよくしてくれてるみたいだし。」

「面白がってるだけですよあの人は。

 有名になって 面白いように

 お金も入って来るでしょうし。」

「武戸井先生は意外と ゆがんでるのね。

 あっ 以前のニコニコしてたあなたよりかは

 正直 素直な感じで好きだけど。」

「私のことは気にしないでください。」

「あっ ちょ…ちょっと待って 待って。

 それでね 何でも ほらあの人が テレビで言ってた

 誰かの予知夢に私の夢が現れたらしいのよ。」

「出た。」

「そう 出たの。」

「それがね 相当の悪夢らしいのよ。」

「へぇ〜。」

「いや 『へぇ〜』って それでね
 
 それを見に来ないかって言われてるんだけど

 何だか 怖くて。見たほうが いいと思う?

 だったらさ一緒に行ってくんない?」

「何で 私が。」

「『それを見るべきかどうかあなたに聞いてみたら?』

 って志岐先生が言ったの。」

「チッ。」

「そんなに当たるのかしらね?その予知夢…。」

「 確実に。」

教会にウェディングドレス姿でいる貝原先生。
しかし祭壇には遺影が。
雷鳴がなりお墓の前で
墓を掘る貝原先生。
棺に眠っていた男性がかっと目をあけたかと
思うと、貝原先生にだきつき首筋から血をすいました。

「村沢直也だ。」

「思い当たりますか?」

「はい。

 もう10年も前になりますが

 担任として受け持った教え子です。

 村沢直也は 感情が不安定な子でトラブルが絶えなかった。

 同級生に腹を立てたりすると手がつけられなくなって…。」

教室で机を投げたりして暴れる直也。

「うわ〜! わぁ〜!」

「私は どうしていいか分からず

 ただ 体当たりで接するしかなかった。」

「腹が立ったら先生を殴りなさい!

 先生だったら いくらでも殴ってもいいから!」

暴れる直也を抱きしめて殴られるままになる貝原先生。

「その甲斐あってか そのうち問題を起こさなくなって

 卒業を迎えることができた。

 その時 私に言ってくれたんです。」

卒業式の日に教室にいた貝原先生の
ところにやってきた直也。

「あら 直也 どうした?

 忘れ物でもした?」

「先生… 僕さ将来 学校の先生になるよ。

 そしたらさ 先生…僕と結婚してくれない?」

「分かった。

 その約束 忘れんじゃないよ。」

「うん 約束だからね。」

回想おわり。

「嬉しかった。

 気持が嬉しいのはもちろんだけど

 達成感みたいなものがあったからよね。

 そんな約束はすぐに忘れてしまっていたから…。」

「覚えていたじゃありませんか。

 夢の中で。」

「そうですね。

 私は夢の中で 成長した彼の姿を

 思い描いていたんですね。

 いや 思い描いていた彼の姿が

 夢の中に出て来たということでしょうか。

 とにかく そのことを思い出させてくれて

 この夢を見た人に感謝しています。

 だけど 今のが予知夢だとしたら

 一体どういう意味なんでしょうか?

 彼は もう亡くなってるってことですか?」

「とにかく 一度 その方と

 お会いしてみては いかがですか?」

「会う必要が どこにあるの!?」

「先生は この夢を見る前から

 会わなければならない気がすると言っていたんだ。」

「もっともらしいこと言わないで。

 あなたは ただ結果が知りたいだけでしょ?」

「イヤなら 来なければよかったろ?」

「あなたが ここに来るように仕向けたんじゃない!」

「私…連絡をとってみます。」

直也は入院中でした。

「先生…?

 貝原先生でしょ?」

「村沢直也君?

 お久しぶり。」

「あぁ… 信じられないな。

 先生に 手紙書こうかっていつも思ってたんですよ。

 あぁ… ウソみたい。

 母から聞いたんですか?」

「ええ… 病気になったって聞いて。」

「もう 大したことないんですよ。

 ちょっと頭の血管が切れただけで。

 それより…。

 先生 あの約束 覚えてますか?」

「うん もちろん。」

「ホントに? 僕 約束通り

 来年から教師になる予定なんです。

 でも そんな大事な時期に倒れちゃって 悔しいですけど。

 先生 そのことを聞いてものすごく嬉しかった。

 先生は 今でも独身ですか?」

「あれから結婚して 小学2年生の娘もいる。」

「何だ それじゃ僕知らない間に フラれてたんですね。

 先生が 今でも独身だったら

 きっと あの約束を後悔してると思うよ。」

「そんなことないですよ。」

「先生…会いに来てくれて ありがとう。

 貝原先生は一生 僕の大事な恩師ですから。

 これからもいろいろと教えてください。

 私にできることなら何でも言って。」

「夢の写真…今の彼だったわね。

 助からないのよね。

 死ぬのよね あのコは。

 私の夢は虫の知らせだったのかしら。

 それなら あの予知夢は何?

 私に どうしろっていうの?

  私には 何をしてやれるのよ?」

「貝原先生。

 仏教の世界にこういう説話があります。」

「説話?」

「旅人となって現れた仏様に

 自分は 何もしてやれないと思っ

 た無力なウサギが

 自ら火に飛び込んで

 自分を食べてもらおうとするんです。

 あの予知夢の原形も

 それと同じではないでしょうか。

 先生は 吸血鬼となった教え子に

 自らの命をささげていました。

 それは 自分には何もしてあげられなくても

 その教え子の中で

 永遠の存在となりたいとする

 願望だと思います。」


「願望…。」

「相手に食べられるということは

 相手の肉となり 

 永遠に残ろうとすることですから。

 吸血鬼は また

 永遠に生き続ける存在です。

 先生にとってあの青年が

 まさに そうなるでしょう。

 あの予知夢は

 そういう意味なんだと思います。」


「あなたって 残酷ね。

 永遠に教え子の中に残ろうとする。

 それこそ 教師の強欲ね。」


志岐のところにいった貝原先生。

「いかがでした?」

「見なければよかった。」

「えっ?」

「私は もう

 あのコに未来を示すこともできない。

 そんな夢なら見ないほうがマシだった。」


「本当に 知らないほうがよかったんですか?」

「誰が見たのか知りませんけど 

 残酷な人ですよ。

 人には 知らないほうが

 生きて行けることが

 たくさんあるんじゃありませんか?

 あんな悪夢を見せるなんて

 意味が分かりません。

 無理やり 意味をつけるとしたら

 私にとっては人殺しも同じですよ!」


結衣子がきいているのに・・。

「気にすることは ない。

 君のせいじゃ ないよ。

 死ぬ前に会えただけでも

 感謝してほしいぐらいだ。」

過去を思い出す彩未。

菜実子の母の葬儀で菜実子からせめられる
幼い彩未。

「人殺し!

 彩未ちゃんがママを殺したくせに!

 人殺し!」

彩未は辞表を提出。

「武戸井先生…。

 何かあったの?」

「私には 教壇に立つ

 資格がありません。

 私が教師を続けて来たのは 

 私の強欲でした。」




貝原先生、なんと身勝手な。
自分がみたいと言ったのに
みたのが悪夢だったら
みないほうがよかった、
こんなのみせるなんて残酷だ、なんて。
山里も気に入らないけど
山里のいうように、死ぬ前に会えて
よかったんじゃないの?

教え子の中に永遠に残ろうとするというのも
貝原先生のみた夢の解釈をしただけなのに
そこで強欲言うか?この場合強欲は貝原先生・・。
せっかく、けっこう熱血のいい先生だったのね
ってみなおしたのになあ。

彩未の記憶は幼すぎて。
正しい記憶は夢札をひくことで
解決なるんでしょうか。
彩未も早く救ってあげてほしい。






武戸井彩未 北川景子
志岐 貴 GACKT
平島琴葉 優香
古藤結衣子 木村真那月

甘澤龍子    キムラ緑子
中込真也     阿南健治
貝原聡子    濱田マリ
麦山勇市 岡田圭右
稲本克行    川村陽介
古藤万之介 小日向文世
山崎峰樹    和田正人





2012.11.25 Sunday 11:30 | comments(0) | trackbacks(4) | 
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悪夢ちゃん #07
『ドラキュラの呪い!?学校やめる腹黒教師』
| ぐ〜たらにっき | 2012/11/25 12:34 PM |
悪夢ちゃん (第7話・11/24) 感想
日本テレビ系ドラマ『悪夢ちゃん』(公式)の第7話『ブー夢』『(ラテ欄)ドラキュラの呪い!?学校やめる腹黒教師』の感想。原案の恩田陸氏の小説『夢違』は未読。 久し振りに夢は描かれたが… こ...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2012/11/25 7:23 PM |
悪夢ちゃん「ブー夢」
 ふーん、攻めるねぇ。  彩未に「迷惑」と言われて、志岐のもとに行く結衣子。貝原の夢を映像化して、ほっとさせるかと思えば、逆に恨まれる。彩未が教師を辞めると言い出したりして、盛りだくさんの一時間。  ロッカーに隠れてる彩未とかのコメディ要素がどういう
| blog mr | 2012/11/27 7:13 AM |
悪夢ちゃん 第7話
悪夢ちゃん 第7話 「ブー夢」 未来を知りたいという欲求。 誰かの中に永遠に残りたいという業。 生きていればいずれも心を苛むものではあるのかもしれません。 しかも,どちらも普通の人間にとっては自らの意思では不可能なこと。 必ずしも幸せではないそれに正
| Kyan's BLOG V | 2012/12/02 6:17 PM |