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レジデント〜5人の研修医 第8話「幸せになる覚悟」

第8話「幸せになる覚悟」



救命センターに脊髄腫瘍の患者、
新井友久(古舘寛治)が搬送されてくる。その妻は、
指導医宮島(小澤征悦)の元妻新井美帆子(吉田羊)であった。
手術で命は助かったとしても、車いす生活を強いられる状態。
手術を拒む夫を救って欲しいと、美帆子は宮島に訴える。
一方、弥生(須藤理沙)は自らが助けた患者が寝たきり状態に
なり、息子の佐藤充(中村有志)から責め立てられていた。
研修医達は医師という仕事の現実を改めて思い知る





実家にいったしずくと皆人。

「美大?」

「絵の勉強がしたいんだ」

「何で 今さら」

「臨床実習が始まって気づいたんだ。

 ここは俺なんかがいる場所じゃない

 俺のやりたいことは これじゃない

 こんな気持ちで医者になっちゃいけない…」

「弱気になってるだけだ

 あと2年頑張れば 医者になれるんだぞ

 何で今になって」

「ずっと考えてたんだ

 ずっと悩んでた

 でも 自信がなくてなかなか言い出せなかった
 
 今だって 自信があるわけじゃない

 だけど やってみたいんだ」

「出てけ

 お前が どこで何しようと

俺には関係ない 好きにしろ」

「ちょっとその言い方ないんじゃない?
 
 皆人が今お父さんに認めてもらいたくて

 自分の気持ち ちゃんと話したよね

 なのに関係ないだの 出てけだの

 何なの それ偉そうに」

とシズクが反論。

「大体 お前 仕事どうしたんだよ」

「今日は休みです」

「とか言って きつくて

逃げ出してきたんじゃねえのか?」

「そっちも最近やる気ないって 噂よ」

「どこで噂になってんだ」

「三丁目の高橋のおばあちゃんが

 何かっちゃ「腰が痛い」で休むって」

「腰じゃねえぞ 歯だよ 歯歯が悪いんだよ

 高橋のばあちゃんもボケやがって

 俺は 歯医者行ってんだ」

「医者の不養生」

「何だと!?」

「何よ」

「はい そこまで」

母がストップをかけました。

「あなた達は どうしてそうなの?

 今は 皆人の話してるんでしょ」

「お父さんが」

「しずくが割って入るから」

「割って入るって何よ」

「その態度だよ」

「ほらまた そうやって」

「皆人 言いたいことがあるなら 今

 きちんと言っておきなさい」

「その必要はない

 診察があるから」

「はあ? ちょっと逃げる気?」

「やる気がないって噂になっちゃ困るからな」

父はがんこ。

「あ〜 もう ムカつく」

「まあ とにかくあなた達が元気そうでよかったわ」

「ねえ何で いつもお父さんああなわけ?」

「夢だったからね

 皆人が医者になってうちの病院 一緒にやってくの

  でも それはお父さん自身の夢だから

 あんた達がつきあう必要なんてないのよ

 学費のこととかは お母さんからお父さんに話してあげる」

「大丈夫だよ 自分で何とかする」

「素直に援助してもらえばいいのに

 絵描くのって 色々お金かかって大変なんでしょ?」

「しずくだって自分の力でやってきたんだろ?

 だったら俺もそうするよ

 親父に認めてもらうのはそれからだと思ってる」

「まあ 私もまだ全然認めてもらってないけどね」

「それは しずくにまだ自信がないからなんじゃないの?」

「自信?」

「うん」

「覚悟っていうのかな」

「覚悟?」

「うん」

「何があっても どんな思いをしても

 自分は医者としてやっていく

 そういう思いがしずくの中にある?

 やりたいっていうのとやっていくっていうことの間には

 大きな隔たりがあると思うんだよね

 やっていくっていう覚悟ができて 初めて

 親父と 同じ立ち位置に立てる気がするんだよね。」

病院にきた矢沢を待っていた女性。

「ひさしぶり 圭

 医者になったんだって?

 そういうの ちゃんと言いなさいよ

 ちょちょちょ… 待って」

そこへ真中と紗知もやってきました。

「矢沢君 おはよう」

「おう」

「どうしたの?」

「別に」

救急患者で運ばれてきた患者の奥さんを
みて驚く宮島。
患者さんの奥さん美帆子と宮島先生は元夫婦のようです。

「俺から言おうか?私情を挟んじまうようだったら」

と気遣ってくれる田淵先生。

「大丈夫ですよ 僕から言います」

美帆子に説明する宮島先生。

「ご主人の容体ですが CT検査の結果

 薄い外傷性のくも膜下出血が見られますので

 念のため 入院していただきます

 問題なければ3〜4日で退院できるでしょう。」

「はあ〜 よかった はあ〜」

「ですが… 脊髄に 腫瘍が見つかりました」

「それは…良くないものなんですか?」

「ご主人の場合

 悪性度の高い星細胞腫が疑われます

 放置すれば死に至る可能性も」

「悪性とか 可能性とか

 そんな曖昧な言葉を聞きたいんじゃないの

 はっきり言ってよ」

「手術を受けなければ…

 お前の旦那は 死ぬ」

「じゃあ 手術を受ければ助かるのね?」

「命をつなぎとめるには

 それしか方法がない

 ただ 星細胞腫は浸潤傾向が強く

 摘出が非常に難しい

 手術がうまくいったとしても

 後遺症が残る」

「後遺症?」

「 ご主人は おそらく 一生

 車椅子の生活になるでしょう」

香澄先生たちは他の患者の処置。

「助けてください お願いします」

「お願いします 先生 親父を助けてやってください」

と頼む息子さん。

宮島先生とふたりになったしずく。

「あッ そういえば 私 昨日実家帰ったんですけどね

 弟と 弟っていっても 私 双子なんで

 同い年なんですけどね

 そいつがやりたいことあるからって言って

 二浪して受かった医学部辞めて美大 目指して…」

「美山」

「はい」

「聞きたいことがあるんならストレートに聞け」

「あッ いや あ… 新井さんの奥様って…」

「元妻だ」

「そうですか」

患者の家族に説明する香澄先生。

「意識が戻らない?

 あのまま ずっと寝たきりだっていうんですか?」

「広範な脳梗塞で意識が戻ることはありません

 ただし 脳幹部を免れているため

 自発呼吸は安定してますので

 人工呼吸器は必要ありません」

「うちでは 面倒見きれませんよ

 そんな余裕なんてないんです

 お袋にだって 親父の介護は無理だ」

「転院先やこれからのことは ソーシャルワーカーに」

「後のことは知らないってことですか?

 誰が あんな状態にしてくれって頼んだ?

 こんなことになるんだったら

 死んでくれた方がよかった」


なんという身勝手な家族。

シズクたちに愚痴る真中と陽菜子。

「医者って仕事が分かんなくなっちゃった」

「死なせて恨まれるなら分かるけど

 助けたのに文句言われるなんてね」

「これからずっと

 こんなことで悩まなきゃいけないのかな

  人が死にかかってるってときにさ

 助けない方がいいかもなんて迷いながら

 患者さんに向き合わなきゃいけないのかな

 甘かった

 この仕事の重みが

 医者をやってくってことが

 ちゃんと分かってなかった気がする」


「覚悟…」とつぶやくシズク。

「えッ?」

「あッ 何でもない」

新井さんと宮島先生。

「迷惑かけますよね周りの人間に

 妻には特に

 美帆子と結婚されてたんですよね

 彼女から聞きました

 離婚のいきさつも」

「そうですか」

「僕ね…

 彼女のこと幸せにしてやりたいんです

 だから一緒になったのに

 何で こんな…」

矢沢の診察にやってきたのは
あの女性。
紗知に「かわって」といって逃げる矢沢。

この女性、矢沢の母でした。

「どうされました?」

「ごめんなさい

 悪いところは どこもないの」

「えッ?」

「息子に会いたくて それで」

「息子さん?」

「矢沢圭 私の息子なの

  自慢の息子でね〜

 医者になったって聞いてもう嬉しくて」

「そうだったんですか」

「まあ あの子は

 迷惑みたいなんだけどね 私のこと

 あの子の父親とはね 籍を入れてなくて

 私一人で育てられないから

 離れ離れになっちゃったけど

 でも 息子は息子でしょ

 一度も忘れたことなんてないの

 で 医者になって

 こんなすごいところで働いてるなんて

 母親冥利に尽きるわよね〜」

矢沢のもとへいく紗知。

「これ あずかってきた。」

とメモを渡そうとするけどうけとらない。

「あの人 矢沢君のお母様だったのね
 
 色々事情はあったんだろうけど…」

「事情なんか何もねえよ

 俺は あいつに捨てられた
 
 それから一人で生きてきた

 それだけだよ

 医者になって

 やっと あいつとは関係ない

 俺だけの人生が始まったんだ

 こんなとこで邪魔されてたまるかよ」


「邪魔するつもりなんかないと思う

 あなたが医者になったことすごく喜んでた

 自慢の息子だって

 立派になった姿見たくて会いに来たって」


メモをおいていく紗知。

矢沢がみてみると。
「会いたい」という言葉と電話番号。

でも幼い時虐待されていたことを
思いだす矢沢・・。

香澄の患者さんの寝た切りの夫に話しかける妻。

「病院 移らなきゃいけないんだって

 県内にはもう空きがないんですって

 あなたの面倒みたいけど

 遠い病院に行かされたんじゃ

 私だって 通えるかどうか

 ごめんなさいね 何にもできなくて」

その会話をきいている新井さん。

宮島先生と新井さんの奥さん。

「手術は受けないって言うの

 逃げてるのよ あの人 現実から

 再婚同士だから式は挙げなかったんだけど

 急に「新婚旅行に行こう」なんて言い出して

 後遺症のこと 悲観してるの

 死んだ方がマシだって

 私 どうしたらいいの?」

新井さんのところにいく宮島。

「つらい思いをさせたくないんです
 
 車椅子の生活になれば

 彼女に一生負担を強いることになる」

「それは違います

 彼女にとって一番つらいのは

家族を失うということです」

「僕達は 結婚してまだ ひと月です

 家族といえるほど絆も

結びつきも まだありません」

「それは これから築き上げていくものでしょ」

「介護される身で?

 彼女に苦労かけるばかりで何も与えられないのに」

そばには寝たきりの患者さん。

「あの方 もう意識は戻らないと聞きました

 奥さん 泣いてましたよ

 自分には何もできないって

 美帆子にそんな思いはさせたくない

 いや あなたなら分かるでしょ

 一度は 美帆子を幸せにしようと思ったんだから」

宮島を待っていたしずく。

「なんで何も言わないんですか?」

「立ち聞きか?」

「聞こえたんです」

「怖いんだよ あの人は後遺症のせいで

 美帆子に つらい思いさせることが

 何よりも怖いんだ」

「だからって ほっとくんですか?」

「俺だって…

 新井さんと 同じこと考えるかもしれない」

「お前さ 誰かの笑顔を守れる

医者になりたいって

 言ったよな?

 命と引き換えに

 一生 寝たきりになって

 それでも あの夫婦は

  笑顔でやっていけると思うか?

 分からないんだよ 俺には

 何を言ってあげたらいいのか

 どんな言葉なら…

 あの二人 救えるのか

 医者に向いてないのは

 俺の方かもしれないな」


宮島先生は言ってしまいました。

過去を思い出す宮島先生。

電話で呼び出されてでていこうとする宮島先生。

「ねえ どうして悲しまないの?

 自分の子供が死んだのよ

 なのに どうしてそうやって仕事仕事って」

「俺が 医者として徹してれば

 翔君は 助けられた

 翔君のご両親まで悲しませることはなかった

 だから俺は・・」

「それが何?

 あなたが苦しんでるのはそういうことなの?

 あの子を救えなかったことじゃなくて

 あの子の友達を死なせたことを苦しんでるの?

 私には あなたが分からない!」

そこへやってきた田淵先生。

「何か うっとうしいね

 それでもタバコはうまいんだけどね」

「いい加減 やめたらどうですか?」

「こればっかはねえ

 患者の死も 家族の痛みも

 全部受け止めて 全部受け流して

 でなきゃ医者なんかやってらんねえやって

 腹くくってやってっけどさそれでも小っちゃな

 澱みたいなもんが

 溜まってくるわけじゃない? じんわりと

 そんなときは これだね

  あと酒か

 そうやっていくしかないわけじゃない 俺達は

 でしょ? 宮ちゃん」


ロッカールームにいた紗知のもっていた
雑誌をうばいとろうとするシズク。

紗知は矢沢が前回ちびっこにあげた
時計をプレゼントしたいと思っていたようで
シズクがいっしょにさがすのをおつきあい。

「でもさ 矢沢がしてた時計結構高そうじゃなかった?」

「うん でも いきなり高価なものプレゼントしても」

「だよね〜別に彼女ってわけじゃないしね」

「当たり前でしょ!」

「いや そんなムキになんなくても」

「私はただ 時計がないと不便じゃないかって思ったから

 同じチームの一員として仕事に支障がないように」

「分かった 分かったから ねッ」

「なら いいけど」

「好きなんだね〜 矢沢のこと」

陽菜子と真中。

「佐藤さんの受け入れ先?」

「僕の方でも色々あたってるんだけどさ

 どうしても地方にしか空きがなくて」

「そっか」

「奥さんも高齢だし

息子さんにも自分の生活があるし

 佐藤さん 知らない土地で

 独りぼっちで 人生終えることになっちゃうんだよね

 やっぱり あのまま

 息を引き取ってた方がよかったのかな

 僕達がしたことって余計なことだったのかな」

「私さ ここに来て気づいたことがあるの

 麻酔科にいたときは

全然考えもしなかったんだけどさ

 医者って 色んな人の

 色んな人生を見ちゃうっていうか

 見なきゃいけないっていうか

 それも一番見たくない部分っていうの?

 その人がずっと隠してきた 醜い面

 そういうのを見て嫌〜な気分になってさ

 でも じゃあ私がその立場だったらって思うと

 やっぱ同じことしちゃうかもな

なんて考えたりして

 ほら 宮島先生が言ってたじゃない

 患者に肩入れするなって」


「うん」

「それって患者のためかと思ってたんだけど

 私達 医者のためでもあるのかもね」

結局あのメモをポケットにもっている矢沢は
いつもの店に。
前田先生が実家からおくってきたと
じゃがいもを持ってやってきました。

「また 一人じゃ食いきれないから

 いらないのに送ってくるんだよね」

「持ってきても持て余すよ 嫁さんと俺だけだから」

「ポテトサラダとかじゃがバター作って メニューに」

「だから ここは飲み屋だっつの」

「ウーロン茶ね」

「聞こえた? うちは飲み屋なの」

「何飲んでんの?」

「ミネラルウォーター」

「俺もそれで あとカツ丼ね」

「…ったく どいつもこいつも」

「そうそう いい感じ

じゃがいも 箱ごと抱えちゃって」

「これ?」

じゃがいもの箱を持つマスター。

「ニッコリ笑って」

「こう?」

写真をとる前田先生。

「そうそうそう

 気持ち悪ッ 母ちゃんに送信っと」

「気持ち悪いなら送るなよ」

「こんなもんでも喜ぶから」

「こんなもんで悪かったね

 何だかんだで親思いじゃないの」

「まあね 大変な思いして産んでくれたわけだから」

「たまには まともなこと言うね」

「そりゃ 俺だって一応 なッ 矢沢」

「ごちそうさま」

ふたりの会話をきいて帰ってしまう矢沢。
メモをとりだしてみつめます。

新井さんのところにいく宮島としずく。

「あと どのくらいで退院できますか?」

「CTで再度確認したところ

 くも膜下腔の出血も

  きれいに洗い流されてるようなので

 まあ 明日には」

「そうですか」

「手術は 受けられないんですか?」

「旅行に行きたいんです

 妻との思い出づくりにね

 手術したらそんなこともできなくなるでしょ

 結婚したばかりなのに

 僕彼女に何もしてあげてないんです」

「だから…思い出なんかいらない

 私は あなたに生きててほしいだけなの

 ねえ どうして分かんないの?

 お願い 手術を受けて」

「だったら別れてくれ

 これじゃまるで 君に面倒見させるために

 結婚したようなもんだ」

「それでもいいの」

「俺が嫌なんだ

 俺にもプライドがある

 俺が耐えられない」

「あの 新井さん」

「何と言われようと

 手術は 受ける気はありません」

部屋の外で宮島先生にたのむ奥さん。

「待って。お願い

 新井を説得して

 あの人が ああいうふうに言うのは

 私を信用してないからよ

 始まったばかりだから関係ができてないから

 私が逃げ出すと思ってるの

 でも…夫婦って そういうもんじゃない

 お互い やってく覚悟さえあれば

 きっと乗り越えられる

 私には その覚悟がある」

「本当に そう言い切れんのか?」

「えッ?」

「家族の介護っていうのは想像以上に厳しいもんだぞ

 何十年 一緒にいた夫婦でさえ

 関係が壊れることだってある

 一緒になったばかりの君達が乗り越えられるとは…」

「私は あの人と一緒になれて幸せだし

 それは これからもずっと変わらない

 たとえ まともな生活が

できなくなるとしても

 だからこそ

 あの人の苦しみや

つらさを分かち合っていきたい

 あなたとはそれができなかったから

 あの子を失った悲しみを

 私は あなたと一緒に乗り越えたかったのに

 あなたは 違う方ばかり見てた

 医者でいられなかった自分を責め続けて

 私は あなたが分からなかった」


「悲しんじゃ いけないと思ったんだ

 父親としての感情を捨ててれば

 友達まで 死なせることはなかった

 悲しむのは

 俺達だけで十分なはずだった」


「だから…

 あなたのそういう気持ちを

 私は 受け止めたかったの

 一緒に 背負いたかったの

 私の気持ちだって

 ちゃんと受け止めてほしかった

 そうすれば

 あなたも悲しむことができたでしょ

 一人で抱え込まずに済んだはずでしょ

 あのときと同じ思いはしたくない

 同じことを繰り返すつもりはないの

 新井のことを受け止める覚悟はできてる

 何があっても 一緒に生きてく

 だから お願い

 彼を助けて」


だまってそばできいていたしずく。

そのあと、宮島先生のところにいきました。

「間違って冷たいの買っちゃったんで

 よかったら どうぞ」

「サンキュー」

「きれいな人ですね

 先生の元奥さん」

「何だよ 今さら」

「いや ほんとにきれいだな〜と思って

 覚悟を決めた女の人って

 こんなにきれいなんだ と思って

 それに気づいてないのは

 先生達だけですよ

 先生も新井さんも美帆子さんのこと

 弱い人間だと思ってる

 でも ほんとに弱いのは

 先生達の方なんじゃないですか?」


「美山」

「はい」

「あったかいの 飲みたかったな」

「ご自分でどうぞ」

母にあう矢沢。

「圭 こっちこっち

 ごめんね 忙しいでしょ」

「飯食うぐらいなら

 何だよ」

「嬉しいのよ ちゃ〜んと育ってくれて

 あんたを産んで必死に働きながら育ててきたけど

 結局うまくいかなくて

 あなた手放すの勇気いったけど

 でも こんなに立派になってんの見たら

 あのとき別れてよかったんだな〜って

 ねえ 圭」

「うん?」

「お金 貸してくんない?

 一緒に住んでた人いたんだけど

 女つくって 出てっちゃって困ってんだ

 少しでいいから お願い」

苦笑いする矢沢。

「あんたさ

 今日 何の日か覚えてる?」


「何だっけ?」

「もういいよ

 二度と俺の前に 顔見せんな」

お金をおいて帰る矢沢。

「何よ。」

荒れているところに
紗知から携帯で呼び出されました。

「なんだよ 用事って」

「うん これ」

プレゼントを渡しました。

明日でも よかったんだけど

「何だよ これ」

「今日 誕生日だったでしょ」

プレゼントをみつめる矢沢。

「矢沢君?」

「あ あの…」

紗知を抱きしめる矢沢。

「俺さ…」

といったあと離れました。

「お前さ 俺とどうなりたいわけ?」

「えッ?どうって?」

「小学生じゃないんだからさ

 こんなの まどろっこしいだけだろ」

紗知にキスする矢沢。
矢沢をおしやってひっぱたく紗知。

「最低!」

紗知が帰っていき
矢沢はプレゼントをあけました。

宮島先生とシズク。

「おはようございます」

「おう」

「新井さん

 今日 退院していただくことになりますけど」

「手配は済んでんのか?」

「一応」

「じゃあ 挨拶してくるか」

新井さんの部屋へ。

「お加減はいかがですか?」

「大丈夫です今日 退院できるんですよね?」

「ええ

「手術を 受けてください

 僕は医者です

 医者として あなたをこのまま

 放っておくわけにはいきません」


「ですから 私は…」

「美帆子と別れたとき

 僕は決めたんです

 この先 どんなことがあっても

 どんな思いをしても

 医者であり続けようと

 ただ ひたすらに

命を救うことだけに徹しようと

 生きていくことは

 ただそれだけで 大変なことです

 新井さん

 あなたが これから歩む人生も

 決して 楽なものではないでしょう

 それでも 僕があなたに望むことは

 一つです

 生きてください

 どんな体になっても
 
 そして 彼女のこと

幸せにしてやってください

 僕が彼女にしてやれなかったこと

 新井さんにお願いしたい

 あなたになら できる」


奥さんの手をとって泣き出す新井さん。

「わかりました。生きます。」

部屋からでていこうとする宮島先生を
よびとめる奥さん。

「宮島・・先生。

 ありがとうございました。」

「お幸せに。」

『医者としての覚悟』

香澄先生は妊娠2カ月!
でも旦那さんにはまだ言ってない。

『何があっても』

患者が運ばれてきました。

「70代女性 自宅で首をつって

 自殺を図ろうとしたところを

 家族が発見」

ねたきりになったひとの奥さんでした。

『どんな思いをしたとしても』

気まずい矢沢と紗知。
そしてまたやってくる母。

「圭 来ちゃった」

『者であろうとする覚悟

そんなものが私達にはあるんだろうか?』

そして次に運ばれてきたのは弟。

「皆人!」

『私は 医者でいられるんだろうか』




宮島先生のひきずる過去。
今回奥さんとその今の旦那さんと
こんな形で出会い、宮島先生も
ようやく心に一区切りつけられたんじゃないかと
思います。
あの旦那さんの言うこともすごくわかるし
奥さんが覚悟きめてても現実には
たいへんだろうなと思うけど
二人の今後を応援したい。

助けてくれと懇願していたのに
寝た切りになるときいたとたん
死なせてくれたほうがよかったという家族。
それは医者にぶつける言葉じゃ
ないんじゃないかなあ・・。
現実が厳しいのは本当ですが
必死でがんばって助けようとした
お医者さんにそんなこと言うべきじゃない。

矢沢は母にあったとき
ほんのちょっとだけ期待してたかもしれないのに
誕生日なのもおぼえてないばかりか
目的がお金・・ってそりゃグレるわ。
でも紗知が手を差し伸べてくれてるんだから
そのまま素直に甘えちゃえばいいのに。
前回、友だちに偉そうに言ってた言葉
もっかい自分で思いだして。



美山しずく…仲里依紗
矢沢圭…林遣都
真中潤一…増田貴久(NEWS)
小岩井陽奈子…大政絢
新城紗知…石橋杏奈
香澄弥生…須藤理彩
前田一平…荒川良々
迫田恵子…光浦靖子(オアシズ)
香澄研二…皆川猿時)
内海翔…波岡一喜
美山勝己…寺島進
田淵育男…古田新太
宮島一樹…小澤征悦
千葉洋子…山田真歩
長谷川誠…松島庄汰
相田遥…志保
馬場恵…青谷優衣
飯田浩輔…奥野瑛太




2012.12.07 Friday 08:15 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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