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サキ 第1話「接近」

第1話「接近」



サキ(仲間由紀恵)は小児科の看護師。
子どもたちには天使のような笑顔で接し、
所作は美しく、料理の腕前はプロ級だ。
一方、大手出版社に勤める隼人(三浦翔平)は
6年前に母を、その後、父も亡くした。
母の葬儀の席で、両親が生活苦から生まれたばかりの
姉を病院の裏口に置き去りにしたと聞かされた隼人は、
担当する記事で「姉を捜している」ことに触れる。
すると、隼人宛てに姉だという女性たちからの
問い合わせが相次ぎ、先輩記者の直美(内田有紀)は
だまされないようにと忠告する。

雑誌社で「赤ちゃんポストの存在」に関する記事を書いた
記者の新田隼人(三浦翔平)は、その記事の最後で
「自分には、会ったことがない姉がいる」と切り出す。
彼は6年前に亡くなった母親の葬式の席で生き別れた
姉の存在を知ってしまった。その記事が掲載された数日後、
隼人は姉と名乗るサキ(仲間由紀恵)に出会う。
真偽を確かめようと会話を交わす中で、噛みあわない点も
あったがサキの話す内容が隼人の知る内容と一致したことで、
本当の姉かもしれないと隼人は感じ始めるのだが…。







『コインに 裏と表があるように
 
 人にも そして 物事にも 2つの顔がある。

 どちらの顔を捉えるか

 それは見る者によって違う。

 このあわびをおいしそうだと思う人

 グロテスクだと感じる人。』



フライパンであわびを焼き
ワイングラスにワインをそそぎ
ガラスの透明テーブルの上には白い花。
ナイフとフォークをつかってあわびを食べるサキ。

食べているだけなのに恐い・・。

『見方によって 浮かび上がる真実は違う。

 毒があってもきれいに見えるのか

 毒があるからきれいに見えるのか。』



サキは小児病棟のナース。

「サキちゃん これ 何色がいいと思う?」と患者の男の子。

「何色でもいいよ。好きな色 塗ってごらん。」

「よし。 あっ サキさん広太君の病室 行ってきます。」

と看護師の同僚 良太。

「どうした?」

「点滴 つながなきゃ。」

「あぁ。 ふふっ もう やっといたよ。」

「えっ? あぁ… すんません。」

「ねえねえ サキちゃん。」

「うん?」

「これ うまく出来たと思う?」

「うん!上手に出来たね。」

病室。

「広太君 本当に飛行機のおもちゃ どこにもないの?」

「ない。 捜したけど。」

「そっか。

 誰かに とられちゃったのかな?」

部屋の入り口には広太くんのお姉ちゃんが
うつむいて・・・・。

「誰かって?」

「誰だろうね。

 でも 広太君 どこか自慢に思ってたでしょう?」

「えっ?」

「お誕生日でも クリスマスでもないのに

 僕だけ プレゼントもらえた。

 お姉ちゃんには ないのに 僕だけが特別に もらえた。

 そういうのを傲慢っていうのよ。」

こんなこという小児科のナースなんていない・・。

両親の墓まいりをする隼人と彼女の百合香。

「ジャ〜ン!息子さんの初めての記事ですよ。

 立派ですよね。

 穴埋めで 急きょ書いたにしても。」

「ひと言 多いって。 」

「ふふっ。

 目に留まるといいね一番 読んでもらいたい人に。」

「そうだな。」

「ねえ 今日 このままさ 隼人んち 行っていい?」

「うん いいよ。」

「じゃあ… 鍋でもやろっか。」

「うん。」

「ふふふっ。」


お参りをおえてかえる途中
サキとすれ違いました。
たちどまってふりかえるふたり。

「どうした?」

「いや。」

隼人の書いた記事をよんでいるサキ。

「先日 渋谷のコインロッカーに乳児の遺体が遺棄された。

 防犯カメラの解析で犯人は都内に住む女子高生だということが

 判明した。現在 赤ちゃんポストの存在が物議を醸している。

 育児放棄や 捨て子助長を懸念する声。その存在によって

 助かる命があるのだという声。まさに 賛否両論だ。

 ここから先は筆者の個人的な話になるが私には 姉がいる。

 だが 姉とは会ったことがない。それどころかその存在を

 知ったのも6年前に亡くなった母親の葬式の席でだった。

 私が生まれる前工場経営に失敗した両親は生活苦にあえぎ

 生まれたばかりの赤ん坊をとある病院の入り口に

 置き去りにした。姉を捨てたのだ。生後 間もない赤ん坊が

 雪のちらつくアスファルトの上で一体 どれだけの時間を生き

 耐えることができただろうか。数年後何とか 工場を立て直した

 両親は姉を捜した。しかし ついに会うことはできなかった。

 姉の存在を知ってから私は ずっと 彼女を捜している。

 だが 今をもって見つけることはできない。もし 両親が

 姉を捨てた時代に赤ちゃんポストがあったなら…

 そう思わずには いられない。」

「新田隼人…。

 隼人…。」

編集部。

「それにしても思い切って書いたよねぇ。

 はい 自称お姉さんたちからのラブレター。」

と手紙をわたす直美。

「またか。」

「あんな記事 書いたら 来るって。

 読みが甘すぎるよ。

 新田ってさぁ どんなふうに育ったの?」

「どんなって…いや 普通に幸せでしたよ。」

「普通に?」

「はい。俺が生まれた頃には工場も立て直ってたし

 何不自由なく大学まで出してもらったし。」

「ご両親が亡くなるまで おかしいと思うこと なかったの?」

「う〜ん。

 まさか うちに そんな秘密があるとは思いもしませんでした。

 完全に なかったことになってたっていうか

 俺の前だけだったと思えないんすよね。

 だから余計に申し訳ないっていうか。

 悪いときに生まれたってだけで

 同じ親なのに俺だけが普通に幸せで。」

「でも どんな人生でも 結局は自分しだいだからね。

 自分の人生だから。

 気を付けなさい。

 こういうプライバシーさらすような記事は リスク高いの。

 いろんな人 呼んじゃうんだから。」

「わかってます。」

「自称お姉さん方に だまされたりするんじゃないよ。」

「大丈夫っすよ。ちゃんと踏み絵がありますから。」

「踏み絵?」

「ヤバい ヤバい ヤバい…。」と岩城。

「ちょっと どうした? 岩キング。」

「生まれるんすよ。」

「あぁ 子供か。」

「おい 新田!これと これと これゲラチェック 頼んだ!」

「えぇ〜。」

「えぇ〜 じゃねぇよ お前。同期に子供が生まれるんだぞ。」

「わかったよ。」

「それじゃ いってまいります。」

「はい パパ いってらっしゃい。」

「いってらっしゃい。」

「あっ。そういえば 新田にお客さん 来てたんだった。」

「客?」

「例の記事 見て大阪から わざわざ来たらしい。」

「あの〜 新田ですが。」

すごい思わせぶりな映像だけどサキじゃなかった。

「隼人君?

 この記事を読んで 私のことじゃないかと思って。」

もどってきた隼人。

「あっ 踏み絵は どうでした?」

「どうもこうも 俺より年下でしたよ。」

「まっ そんな簡単じゃないよね。」

「ですよね。

 まあ 今まで捜しても見つからなかったんだし。」

隼人に声をかけるサキ。

「新田隼人君?

 私…サキ。

 網浜サキ。

 あなたの姉です。」

言い切った!!

サキが思い浮かべる登場人物。

『人は幸せよりも 

苦しみを覚えている。

 傷つけたことより

 傷つけられたことを覚えている。

 きっと彼らは 覚えていないのだろう。

 私と会うのが二度目だということを。』




「週刊誌を読んで すぐに私のことだってわかりました。

 私の戸籍上の誕生日 多分 捨てられてた日なんです。」

「いつですか?」

「1980年1月23日。

 私は その日に 静岡県にある病院の入り口に」

 捨てられてたんです。

「静岡県? 父も母も東京出身です。

 どうして静岡に?」

「きっと自分たちと縁のある街には

 捨てられなかったんじゃないかな。

 拾われてすぐに施設に預けられて

 今の両親に引き取られたって

 大学生の頃 偶然 両親が話してるのを聞いてしまって。」

「質問があります。

 父と母はあなたに何かを残しましたか?」

「ええ。」

「何を… 残しましたか?」

「お守り。

 お守りの中に小さく折り畳まれた一万円札が

 2枚 入ってたって。

 全財産だったのよね きっと。」

百合香と隼人。

「ビンゴじゃん!」

「でもなぁ…。」

「えっ?」

「いや…ほんとに本物なのかなって。」

「だって 誕生日も合ってて 

 伯父さんと 亡くなった両親しか知らない

 お守りのことも知ってたんでしょ?」

「いや そうなんだけど…。」

「どうしたの?」

「何ていうか インスピレーションみたいなもんなかったし

 懐かしい感じもしなくて…実感ないんだよね。」

「まあ 姉弟っていってもさ

 初めて会ったみたいなもんなんだし それ 普通でしょ。

 まあ 自分でも急に会えて 戸惑ってんじゃない?」

「そうかもなぁ〜。」

「自分を隼人が捜してたってこと知って

 会いにきてくれたんだよ。」:

「 うん。」

仕事で野村と話す隼人。

「今度の特集で また 野村先生の裁判の見解と

  ご意見を頂きたいんです。」

「ええ 構いませんよ。 はい。

 あぁ〜 あの事件か。

  あっ そうですね。」

「あっ じゃあ…メールで

 それを お送りしてもいいですか?」

「はい。 」

「じゃあ 来週までに。」

野村のいる喫茶店にサキの姿も。

サキと隼人は両親の墓参りに。

「どんな方たちなんですか?育ててくれた ご両親て。」

「とってもいい人たちよ。

 大好きよ。

 だから 両親にはいまだに何も知らないふりをしてるの。」

お墓の前で手をあわせるサキ。

「とうとう会うこと できなかった…。

 一度は会ってみたかったな。

 でも 一度 会ったところで 実感なんて湧かなかったと思うけど。

 君も そうでしょ? 私に対して。」

「すいません。」

「私はね 実感って 会って すぐにじゃなくて

 何かのときに 突然 湧くものなんじゃないかって思うの。

 そのときが来たら あぁ このときだって。

 私が捨てられて7年後に 君が生まれたんだね。

 いろんなこと いっぱい話そうね。

 私にとってこの世に 血のつながった家族君だけだから。

 これからだよね?」

いっしょに歩くふたり。

「看護師さんって夜勤とかも あるんですか?」

「ええ。」

「大変ですね。

 1人暮らしだから気ままにやってる。」

そこにやってきてサキの手をつかむ中川。

何で電話に出ないんだよ。

「痛い。 放して。」

「ちょっと 何なんですか?」
 
「誰だ?」

「誰って…。」

「行こう。」

「ねえ 待って。」

「ちょ 待て やめ…。」

「嫌がってんだろ お前。」

「何だ お前!」

「うわぁ!」

中川からサキを助ける隼人。

「サキ…。 サキ!

 サキ〜!

 サキ〜!!」

逃げたふたり。

「うち ここの近くなの。」

「えっ?」

「上がってって。」

「いや…。」

「けがしてるじゃない。」

「でも さっき 1人暮らしって。」

「ふっ… ばかね 姉弟でしょ?何 気ぃ使ってんの。」

部屋にあがった隼人。

「座って。

 痛かったでしょ?」

「いや。うっ…。」

「男の子でしょ 隼人は。」

「あの〜 さっきのやつって…。」

「中川さん。前に勤めてた病院の患者さん。」

「患者?」

「元カレとか。」

「まさか。退院してから 偶然 会って世間話っていうか…

 何度かお茶を飲んだりしたんだけど

 最近は ああやって待ち伏せされることが多くて。」

「それって…ストーカーじゃないですか。」

「そうかもしれない。」

「警察に相談したほうがいいですよ。

 エスカレートして

 取り返しのつかないことになってからじゃ 遅いです。」

「彼…ご両親を亡くしたばかりなの。

 人って 喪失感が大きいと

 本当の自分を見失ってしまうことがあるでしょ?

  私には 弱ってる今の彼を追い詰めるようなことはできない。

 警察以外に何か 方法があれば いいんだけど。」

「警察以外…。」

「はい 終わり。」

ドアのあいていた部屋をのぞこうとする隼人。
サキがしめました。

「だめよ ここは。」

「すいません。」

「お茶 いれるね。」

「あの…弁護士に知り合いがいるんです。」

「えぇ?」

「うちの編集部でお世話になってるんですけど

 すごく面倒見が良くて信頼できる方なんで

 今度 一度 俺から話してみます。」

「でも… いいの?」

「ええ。」

「浦ヶ浜法律事務所に勤めている

 野村先生という方なんですけど。

 弱い人を守るために弁護士になった

 正義感の塊みたいな人なんです。」

さっそくやってきたサキ。

「野村康介…。」

「お約束ですか?」

「いえ。 あの浦ヶ浜法律事務所の野村さんて…。」

「私ですが。」

「あっ 私 網浜サキといいます。」

「網浜サキさん?」

「アドバンス・プレスの新田隼人に聞いて 来たんです。

 相談に乗っていただきたいことがあって。」

「新田さんに?」

「はい。

 私 隼人とは親戚なんです。」

「あぁ〜!はぁ そうでしたか。 どうぞ。」

「なるほど。

 現在の被害はいわゆる 待ち伏せが4回。

 自宅で2回と勤務先の病院で2回。」

「その前にも 偶然を装うような出会いがありました。

 向こうは私に気が付かれているとは

 思ってないでしょうけど。」

「偶然を装う。ストーカー行為への第一歩ですね。」

「そうですね。」

「その方とは交際されていたんですか?」

「いえ 以前に入院していた患者さんなんです。」

「網浜さん エスカレートする可能性もありますし

 やはり 警察に相談することも 検討されたほうが

 いいかと思いますよ。」

「でも 大げさにしたくないんです。」

「これ 私の知ってるストーカー被害者を保護する

 NPO団体です。

 ご自分で できる対策法や 

 相手と接するときのスタンスとか

 いろいろ詳しく教えてもらえると思いますよ。」

「ありがとうございます。訪ねてみます。」

手帳のアップ。

部屋からでてくると噂話をしている事務所の職員。

「きれいだったな 野村先生のクライアント。」

「ええ。」

「心奪われちゃったりして。」

「野村先生にかぎって それはないんじゃないですか?

 だって ほら野村先生は…。」

「僕の話かな?」

「お疲れさまです。」

ふたりでエレベーターで下へ。

「全く…。

 ははっ。 いやね僕が男性にしか

 興味がないんじゃないかなんて

 うわさ されてるんですよ同僚たちに。」

「えっ?」

「この年まで独身だからって 笑っちゃいますよ。

 まあ 僕も 休みの日は 

 1人で映画館に行くのが趣味という

 つまらない男なんですけどね。」

「野村さんは映画が お好きなんですか。」

「ええ。」

「へぇ〜。

 同僚の方たちも ストレートに聞いてくださればいいのに。」

「大人になるとなかなか ないですよね

 物事をストレートに聞いたり言ったりすることって。」

「そうですか?」

「違いますか?」

「う〜ん 看護師だからかな。一刻一秒を争う現場にいるので

 自然と回りくどいことは避けるのかも。」

「なるほど。 そういうの新鮮ですね。」

「野村さんは心が広いんですね。」

「はい?」

「普通 怒りますよ。

 ほんとに男性にしか興味ないならまだしも。

 名誉毀損で訴えたりして。」

「あはははっ。

 あんまり他人が気にならないたちなんですよ。

 ただのマイペースです。

 何かありましたら いつでも。

 もし 裁判を起こすなんてことになれば 力になりますんで。」

「心強いです。」

「じゃあ お気を付けて。ありがとうございました。」

サキとわかれたあとにメール。

「離婚することになった。話を聞いて下さい。祐樹」

「離婚?」

外に出たサキを待ち伏せしていた中川。

「こないだの男は誰だよ!?」

「弟よ。」

「弟?」

「そうよ。」

「ごめん… ごめん。

 サキと話したかったんだ。」

「もう 話したわよね?」

「俺 決めたんだ。 今から…。」

「今から?」

「ああ。サキ 一緒に来てくれないか?

 サキ… サキ。」

「わかったわ。

 でも 今は行けない。

 私には まだやらなきゃいけないことが ある。」

「サキ。」

「必ず 追いかけるから。」

「サキ…。」

「信じて。」

「サキと出会えなかったら 今の俺は いなかった。」

「私もよ。

 あなたに会えてよかった 本当に。」

サキを抱きしめる中川。
中川を抱きしめかえすサキ。

「いいのよ それで。

 自分自身の気持ちに素直に生きればいいの。

 私は…。

 そんなあなたが好きよ。」

病院の敷地内に弟の飛行機のおもちゃを捨てた姉。
それを拾いあげた理事長。

野村とあう隼人。

「お忙しいところ わざわざ時間 取っていただいて

 すいません。」

「いえ 大丈夫ですよ。」

「実は 1つ お願いしたいことがあるんです。

 相談に乗ってもらいたいという人がいて。」

「網浜サキさんですか?」

「えっ?」

「例の ストーカーの件の。」

「あの〜 どうして?」

「今日 うちの事務所にいらっしゃいましたよ。

 新田さんの親戚なんですってね。」

「あっ… はい。」

「もう少し 様子を見ましょう。

 もし また何かあれば

 やはり 警察に相談したほうがいいかと思います。」

「そうですね。」

編集部

「はぁ〜。 ういっす。」

「おう。 今 出勤?」

「現場だよ 現場。」

「事件か?」

「事件かと思って 行ってみたら自殺だった。」

「自殺?」

写真の男は中川 肇!!(31歳)

「IT企業経営の花の独身男性 31歳だぜ。

 まだ若いのにな。

 な〜にがあったのか…。

 でもさ。」

「うん?」

「俺 人の親になってますます思うんだけどさ

 みんな 生まれたときはウエルカムなのに

 何で自分で命を絶たなきゃなんないんだろうな。」

病院。

「お疲れさまでした。」

「あぁ 夜勤明け お疲れさまです。」

「サキさん 荷物 来てますよ。」

「ありがとう。」

「それ クール便でしょ? 何ですか?」

ワインショップにやってきたサキ。

「いらっしゃいませ。何か お探しですか?」

「赤… 31年前のもの あります?」

「31年前。 てことは…。」

「1982年。」

「1982年ですね。

 メドックは ないんですよ。

  82年は61年以来の大当たりの年ですから

 ホテルやレストランにストックで入ってしまって…。」

「詳しいんですね。

 あっ 当たり前よね。 ふふっ。」

「あぁ…。何かの会か お祝いですか?」

「ある人の生まれた年なの。
 
 じゃあ 31歳のお祝いですね。」

「そうね。」

「どういったタイプがお好みですか?」

「おすすめなら どんなものでも。」

「お好きなんですね。」

「私ね何にでも赤を合わせてしまうの。

 邪道でしょ?」

「そんなことありません。

 好きなように飲めばいいんです。

  こちらは どうですか?

 これもボルドーなんですけど。」

「そちらで。」

「ありがとうございます。

 何か1杯 飲んでいかれませんか?

 店からサービスさせていただきますので。」

「また 今度ゆっくりできるときにお願いします。」

「はい。」

自室で宅配便をあけるのもおもわせぶり。
中はステーキ用の肉。
1枚だけとりだしてあとは冷蔵庫に。

4枚ならべておいてあるのが・・
あと4人ターゲットにいるってことか・・!?

肉を焼き、ワインを注ぎ食事。
ステーキにナイフをいれるのも
口に運ぶのもコ・ワ・イ。

隼人に電話したサキ。

「隼人?

 もしもし? 隼人?」

「はい。」

「大丈夫? 今 忙しかった?」

「いえ 大丈夫です。」

「今夜 どうしてる?

 もし 空いてたら うちに来ない?」

そしてやってきた隼人。

「隼人。

 座って待っててね。」

「はい。」

ねぎを刻む音。
肉じゃがのうえに刻みネギをのせて
もってきました。

「お待たせ。

 何 飲む?

 ビール? それともワイン?」

「あっ ビールで。」

「ビールね。」

「野村さんと話したんですけど。」

「野村さん?」

「弁護士の。」

「あぁ〜 そうそう。

 あのあと また 中川さんが来てね。

 私が自分で事務所 調べて訪ねたの。

 とても親切な方だった。

 隼人の言ってたとおりね。

 んっ?野村さんから連絡があったの?」

「あっ いえ…頼もうと思って こっちから電話したんです。」

「はぁ〜 そっか。

 あっ 私隼人とは 親戚って言っちゃった。

 ストーカーの件は もう 解決したの。」

「えっ?」

「隼人がいてくれてよかった。

 じゃなきゃ今頃 1人で悩んでたと思う。

 ありがとう 隼人。

 さっ 食べよう。

 いただきます。」

「いただきます。」

「あれからずっと 隼人のこと考えてたよ。

  ふふっ。

 どうかした?

 おいしくなかった?」

「あっ いえ…。」

「うちの味付けはもっと薄いんだけど

 自分の好きな味で作ってるうちにこの味になったの。

 ちょっと 濃かったかな?」

「母さんの…。

 母さんの肉じゃがと同じ味なんです。」

「えっ?」

「母さんも こうして ねぎを。」

「不思議ね。」

「電話の声 母さんに似てました。」

「そう…。
 
 1つ お願いがあるの。

 今度 お父さんと お母さんの写真見せてもらえる?」

写真を出してわたす隼人。

「これ…。

 持っててください。」

「お父さん…。

 お母さん…。

 幸せだった?

 大丈夫よ 私 恨んでなんか ないからね。

 お父さんのこともお母さんのことも。

 隼人のことも。

 幸せだった?」

「はい。」

「良かった。」

「あの…。

 姉ちゃんって 呼んでいいですか?」

「いいよ。」

サキはあの部屋へ。
本棚にはワインの本や
心理学などの本。
ロッキングチェアにすわるサキ。

野村さんのところに勝手にいったことで
怪しんでいたくせに、あっというまに
サキに堕ちてしまった。

病院にやってきた理事長に声をかけるサキ。

「こんにちは。

 ようやくお会いすることが できましたね。」

「あぁ…。 あの…。」

「この日が来るの ずっと ず〜っと待ってたんですよ。」

「理事長。」

「あぁ…。」

「理事長?」

「そうよ。あっ サキさん 初めてだったわね。」

「ごめんなさい 患者さんのお父さんと間違えてしまいました。」

「あら やだ。」

「あぁ…。」

「申し訳ありません。」

「ははっ いいんだよ。」

「はははっ…。」

「うふふふっ。」

「今の彼女は?」

「あぁ 網浜サキさん。去年の10月から来てるんです。」

「ふ〜ん そう。

 ナースたちがっかりしてましたよ。

 理事長が今度の親睦会に来れないって言ったら。

 ふふっ。奥様のお誕生日じゃしかたないですね。

 理事長は愛妻家ですもんね。」

「はっ ははっ。」

祐樹からの電話にでず
喫茶店にやってきた野村。

「いらっしゃいませ。」

「エスプレッソとショートケーキ。」

「かしこまりました。」

声をかけるサキ。

「野村さん?」

「網浜さん。」

「ここで お会いできるなんて。

 これから 先日のお礼に伺おうと思っていたんです。」

「それは わざわざ。」

「そちらのお席にお邪魔させていただいてもよろしいですか?」

「ええ どうぞ。」

「おかげさまでストーカーのほうも収まりました。」

「えっ?」

「気持ちの問題だったのかもしれません。

 野村さんにお話を聞いていただいてから

 1人じゃないんだって思えて

 自然に 堂々と接することができるようになったんです。

 そしたらつけいる隙がなくなったみたいで。」

「それは良かった。」

「お待たせいたしました。」

「甘いもの お好きなんですか?」

「はい。」

「ふふふっ。野村さんは やっぱりマイペース。」

「そうですか?」

「はい。野村さんぐらいの年齢の男性って

 スイーツ好きを隠す方多いじゃないですか。」

「あぁ まあ。 確かに言われてみれば 

 そうかもしれませんね。」

「あっ そうだ これ。ほんの気持ちなんですけど。

 力になっていただいた お礼です。」

「お気持ちは ありがたいんですが

 職務規定で受け取ることができないんです。

 申し訳ありません。」

「そうなんですか。」

「ええ。 業務以外で クライアントから

 金品を受け取ることは禁止されてるんです。」

「残念。

 これ 手帳だったんです。」

「手帳?」

「年季の入った手帳をお使いになられていたので

 ものを大切にされる方なんだなと思いながらも

 選んだんです。」

「この手帳は司法試験に合格したときにもらったやつだから

 かれこれ17年前のものですか。」

「すごい。」

「確かに すごい年季だ。」

「あぁ だったら これの代わりに 

 お食事ご一緒に いかがですか?」

「とても うれしいお誘いなんですが食事も同じなんです。

 ご一緒したいのはやまやまなんですけど。」

「そうなんですか…。」

「すいません 規則ですから。」

「いえ。 あっ ごめんなさい。

 休憩中に長居してしまって。

 ほんとにいろいろと お世話になりました。」

「また 何かありましたら いつでも。」

「はい。

 野村さんも気を付けてくださいね。」

「気を付ける?」

「ええ。 ストーカーにならないように。」

「えっ?」

「だって 紙一重じゃないですか。」

「どういう意味ですか?」

「長所は短所の裏返しっていうでしょ?

 古いものを大切にするのは 執着心が強いから。

 弱い人を守りたいという思いで

 弁護士になられたと聞きましたけど

 でも それって自分の存在価値を

 誇示したいからともいえますよね。

 プラス 自意識過剰。

 周りからの評価を気にしないマイペースな性格は

 自己中心的ともいえる。

 ルールや規則を重んじて 少しも道を外れずに

 生きようとするのは そうでもしないと

 タブーを犯してしまいそうで怖いから。

 だから 自分で自分を縛りつける。」

「僕の何を知ってるっていうんですか?」

「すいません。 つい。

 ひどいこと言って ごめんなさい。

 でも 長所が長所であるかぎり 

 野村さんは すてきです。

 確かに 私は野村さんのこと 何も知りません。

 でも もし…もっと知りたいっていう思いが

 恋愛の始まりだとしたら私は 既に野村さんに…。」

サキがでていったあと
店員から雑誌をわたされる野村。

「あのこれ お連れの方の忘れ物です。」

注目!冬の新作映画 サスペンス

仏壇に報告する隼人。

「やっと会えたよ 姉ちゃんに。」

病院。

「広太君のお姉ちゃん。

 病室に行かないの?

 そっか。 合わす顔 ないもんね。

 お父さんも お母さんも

 いつも 病気がちな広太君のことばっかり。

 お姉ちゃんだって面白くないよね。」

「そんなこと…。」

「何で弟だけ…何で… ずるいよ。

 先に生まれたことで損することばっかり。

 弟なんて いなければ良かったのに。

 私には わかるよ。痛いほど わかる。

 お姉ちゃんの気持ちが。」

「弟がいるの?」

『網浜サキ彼女の目的は 何だろう。』

「こちらは 渋みが穏やかで

 たいへん人気のある赤ワインとなっております。」

「岩城この見出し こっちに差し替えて。」

「あぁ これですね。」

「うん お願いね。」

『どうして 彼らは…。

 そして 僕は…。

 サキに狙われているのだろう。』





いちいちサキが恐くみえるように
撮ってあって食事をしているだけで恐い。

さっそくひとりお亡くなりになりましたが
ひとり死ぬごとにワインで祝杯なんだろうか。

これからのターゲットは隼人、野村、和繁、理事長で。
中川は自殺だったけどどうやって自殺においこんだのか
心理学を勉強してその辺のおいこみはばっちり?
こまかいトリックはいいけど、
彼らがなにをやったのかはしりたいところです。

続きも楽しみ。



網浜サキ 仲間由紀恵
新田隼人  三浦翔平
濱田直美  内田有紀
須藤繁之  高嶋政伸





2013.01.09 Wednesday 12:02 | comments(0) | trackbacks(10) | 
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サキ #01
『美しい隣人のサキが甦る!“姉弟”の再会に潜む毒』
| ぐ〜たらにっき | 2013/01/09 12:30 PM |
サキ 第1話「接近」
『美しい隣人』のサキが帰ってきた!?マイヤーの旧姓が網浜だってことですが、はたして同一人物なのか?小児科の看護師をし、生き別れの姉として記者の新田隼人に近づく目的は。 ...
| D☆エディション | 2013/01/09 1:12 PM |
サキ (第1話・1/8) 感想
フジテレビ系ドラマ『サキ』(公式)の第1話『美しい隣人のサキが甦る!“姉弟”の再会に潜む毒』の感想。 柳の下にドジョウはいるか? 3人中2人の演出家は同じだし、音楽も池頼広氏だから、『隣...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2013/01/09 2:43 PM |
サキ 第1話:美しい隣人のサキが甦る!“姉弟"の再会に潜む毒
さっそく死人が・・・Σ( ̄▽ ̄;||| ギクッ 一応自殺って事になってたけど、何で中川@姜暢雄は死んじゃったんだろ? 新聞?雑誌?にその死が載るくらいの人物だったのに、サキ曰くストーカーて… 中川がサキに執着してた背景がよぉわからんままだったけど、何か描か
| あるがまま・・・ | 2013/01/09 3:00 PM |
「サキ」 第1話 接近
『人は幸せよりも苦しみを覚えている。 傷つけたことより、傷つけられたことを覚えている。 きっと、彼らは覚えていないのだろう。 私と会うのが2度目だということを』  つい ...
| トリ猫家族 | 2013/01/09 5:11 PM |
「サキ」第1回★アワビと牛ステーキと赤ワイン
「サキ」第1回 冒頭。アワビのステーキを食う網浜サキ(仲間由紀恵)。 このアワビを引き合いに、美味しそうだと思えるかグロテスクだと感じるか・・・コインに裏と表があるように人にもそして物事にも2つの顔があるとナレーション。 小生はグロテスクだと感じ、映
| 世事熟視〜コソダチP | 2013/01/09 5:14 PM |
サキ
初回の感想
| AKIRAのドラマノート | 2013/01/09 5:18 PM |
サキ 第1話
総合病院の小児科の看護師・網浜サキ(仲間由紀恵)は、天使のような笑顔と仕事ぶりで、患者さんや同僚から頼りにされているようです。 しかし、彼女の住んでいる部屋は、看護師だけの給料でやっていけるも...
| ぷち丸くんの日常日記 | 2013/01/09 7:47 PM |
ドラマ「サキ」 第1話 あらすじ感想「接近」
二つの顔----------!!はじまりました、今期のドラマ第一弾。「美しい隣人」のマイヤー再び・・・って事にはなってますけど、これって本人?それともただサキって名前だけなのか?そ...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2013/01/09 9:38 PM |
【サキ】第1話 初回感想
人は幸せよりも苦しみを覚えている。 傷つけたことより傷つけられたことを覚えている。 きっと彼らは覚えていないのだろう。 私と会うのが二度目だということを。 サキ 第1話      2011...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2013/01/09 10:28 PM |