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とんび 第7話「父と子の巣立ち」

第7話「父と子の巣立ち」



平成4年。東京で大学生活を送るアキラ(佐藤健)から
電話で「雑誌の編集部でアルバイトをしていて、将来的には
雑誌の編集者になりたい」とはじめて明かされたヤス(内野聖陽)。
法学部で法律を学んでいるアキラは弁護士になるものだと
思っていたヤスは、編集者になることを認めないと激怒して
電話を切ってしまう。その矢先、アキラが仕事中に怪我をしたという
謝罪の電話が入る。




坂本さんに父のことをきかれた旭。

「お父さんは

いつ お亡くなりになったの?」

「あの…親父 生きてますけど」

「えッ?」

「えッ」

「だって じゃあどうして机の上に あんな写真…」

「ああ お袋一人じゃ寂しがるかなと思って」

「お母さんはお亡くなりになってるんだよね?」

「母親は そうです」

「そうなんだ、お元気なんだ お父さん」

「何かあります?」

「ううん そっか そうなんだねえ」

「はい」

職場。旭の机にはヤスの写真。

「 大事な息子さん ですよね」

社員食堂で婚約指輪のカタログを
みている旭。

「やりにくいよね。
 
 ファッション誌のヤツに 指輪買うってさ」

「そうなんですよ」

「カッコつけないで

 一緒に選びに行った方がいいんじゃない?」

「でも 「買いに行きましょう」とか言ったら

  「別にいらない」

 「何でもいい」とか言いそうじゃないですか?」

「じゃあ 飯行くついでに

 「ちょっと見てきましょうか」とか」

「ああ…」

さっそく実行。

「あッ 健介 大丈夫ですか?」

「あッ 今日はばあばに頼めたから うん」

「あッ そうですか」

「あのさ お父さんって…

 市川くん?」

「あッ 何でしょう」

「お父さんって 今もお一人で暮らしてるの?」

「そうです でもまあ 近所に友達いるんで

 それなりに楽しく」

「将来は こっちに呼んで?」

「東京には来ないって言い切ってるんですけど

 あッ 坂本さん その辺…」

「えッ や…」

「あッ 面倒くさい親父なんですけど

 子供大好きだし そんなに悪い人間じゃないんです」

「それは それは市川くんの話聞いてても全然 うん」

「喜ぶと思うんだよな 親父 健介に会ったら」

「あのさ 市川くんはい」

通行人の声に目を向ける旭。

「何 はずかしがってんだ アキラ。」

「いいじゃない 行こうよ」

「だって これ お前が初めてデザインした仕事なんだろ?

 よっし もう一丁」

「ちょっと〜」

「ピースしろ ピースピースだよ そうそうそうよいしょ」

お店のディスプレイをバックに
娘の写真を撮る父。

『子どもは二十歳も過ぎると

 もう自分のことを一人前だと思い出す。

 だけど 親にしてみたら

 まだまだ子供だとしか思えない。

 親子には必ず

 そんな季節がやってくる。

 やってくるけれど…』


「どうしたの?」

「ああ ウチの親父の話なんですけどね。」

たえ子の店。
夫婦連れのお客と話すヤス。

「リタイアされて こちらに住むことに」

「親戚が おりましてねこれからはゆっくりと」

「いや〜 そうですか そうですか

 最近はね 出て行く人が多くてね

 あッ 薬師院には行かれましたか?

 あのバカ長い階段 ふざけてんのかって長さなんですけどね

 上ってみると これが海がね バーッと見えてね

 まあキレイなんですよ

 塩最中 もう食べられました?

 餡にね 塩が入っててこれがまたねえ

  ねえちゃん 塩最中ねえのか」

「あるわけないでしょ」

「しょうがねえな じゃあちょっと行って買ってくるか」

「いいですから 」

「大丈夫ですホントに すぐそこなんで」

「ヤス 旭 今度いつ戻ってくるんだよ

 夏は 合宿で戻ってこなかったんだろ?」

「正月にはさすがに戻ってくるんじゃねえか

 …ったく アイツもよ合宿だのバイトだの

 あんなんで 弁護士になれんのかね」

「そんなもんだよ今どきの若いヤツなんか」

「春に戻ってきたときなんか ダチとあっちやこっちに

 フラフラ  結局 一日しか家に いやがらねえ。

あッ 退屈して帰ったじゃねえか。

 てめえが 話しかけっからよ。」

「ああ 悪い悪い…」

「タコ!」

ヤスも帰って行きました。

「アイツもくどくなっちまったな。

 でも もうすぐ正月だし 旭が戻ってくりゃ収まるか。」

「そういえば社長んとこ 息子さん戻ってきたんだって?」

「そうなんだよ

 そのうち こっちで地元の魚使った店やりてえって

 言い出しやがって」

「奥さん 喜んでるでしょ」

「あのバカにはまだ言わねえでくれよ

 ウチの息子が帰ったって言ったら

 面倒くせえスネ方しそうだからよ」

ヤス、帰宅。

「ただいま〜

 はいはい ヤスさん

  今日もお疲れさまでした と」

電話がなってもすぐに出ないヤス。

「おッ あッ すぐはいけねえな

 イチ ニ サン

 はい 市川ですけど」

「親父? 俺だけど」

「何だよ おめえか

 こんな夜中にかけてくんじゃねえよ

 何かあったのか?」

「別に何もないけどさ」

「そうか ちゃんと勉強してるか?」

「まあまあ」

「病気は?」

「大丈夫」

「そうか」

「親父は? 元気?」

「うん? まあな」

「ちゃんと食べてる?」

「お前こそ 食ってんのかよ」

「うん」

「ああ… 何もねえなら切るぞ 電話代 もったいねえし」

「大丈夫だよ 使い放題だから」

「あん?」

「今のバイト先 夜中 電話使い放題なんだよ」

「お前 何のバイトしてんだよ」

「「シティ・ビート」っていう雑誌の編集部でさ

 雑用とか電話番やってんだよ」

「こんな時間までか?」

「大丈夫だよ 別に変な仕事じゃないし

 授業だって ちゃんと出てるし」

「でもよ お前 こんな時間まで」

「こんなの普通だよ

 それに 将来のこともあるし」

「将来?」

「俺 雑誌の編集者になりたいんだ」

「雑誌の編集者?

 雑誌って お前何だ お前 それは

 お前… お前は弁護士になるんじゃなかったのか」

「そんなこと一言も言って…」

「言ってなくても法学部なら そうだろうが

  法律を勉強するから法学部なんだろ

 強きをくじき 弱きを助けるために

  そこに行ったんじゃねえのかよ 筋を通せ 筋を」

「いつの時代の話 してんだよ

 今は 法学部出てもみんな商社とか…」

「人は関係ねえだろ!」

「親父さ 司法試験ってどれだけ難しいか知ってる?

  受かるまでに何年かかるか…」

「いいじゃねえか 何年かかったって

 とにかく 俺はそんなつもりで

 東京やったわけじゃねえからな」

電話を切ってしまうヤス。

「やっぱりな。」

遺影にむかって語るヤス。

「雑誌の雑誌の編集者だと

そんな話 聞いてねえよなお母さん」

下宿にかえってきた旭。

「 ただいま〜

 三時間か」

そのまま布団へ。

たえ子の店。

「雑誌の編集者っつったらあれだろ
 
 よくドラマに出てくる

 人の秘密つかんで 脅迫するよ」

「作家に くっついて裸踊りしたりする人じゃない?」

「違いますよ 女子大生だまして水着にしたり

 ペロッとおっぱい見せてもらったりする…」

社長も照雲も葛原もめちゃくちゃいう・・。

「あっくんがそんなことするわけないでしょ」

「情けねえ

 情けねえ

 何が悲しくって 早稲田の法学部までいって そんな仕事…」

「あら そんなことないと思うけど」

「とにかく 俺はそんなもん 絶対認めねえからな」

「けどさ 認めないっていったって

 ヤスには どうにもできなくない?

 旭 もう大人なんだし」

「アイツの好きなように すりゃいい

 けど 俺はそんな仕事絶対認めねえって話だよ」

「だから それも旭にサラ〜ッと無視されたら意味ないじゃない」

「ふざけんな! スネかじりの身で無視なんかさせるか」

会社で旭に手紙をかいているヤス。

「おお 何してんすか」

「旭に送りつけてやんだよ

 将来のこと 考え直さねえなら

 仕送りも払わねえし 授業料も止めるってよ」

「うわッ やらしいな」

「おい クズ」

「えッ?」

「横棒 三本だったか?」

「あ〜 いや俺 漢字 ちょっと…」

ヤスは旭の下宿に電話しました。

「はい 「西北荘」です」

「あの 市川旭の父ですが」

「ああ 市川さん

 旭くん 出ておりますが お電話がありましたこと…」

「いえ結構です! 至らないヤツでご迷惑をかけると思いますが

 今後とも よろしくお願いします失礼します」

電話をきってしまいました。

「またバイトか」

照雲と話すヤス。

「ナマグサ」

「うん?」

「俺 考えたんだけどよ

 こういう話は 手紙や電話じゃいけねえと思うんだよ」

「うん」

「将来の話なんてヤツはよ

  ヒザ つき合わせてでねえといけねえと思うんだよ」

「ああ うん」

「そこでだ

  とりあえず お前が死んだって話でいいか?」

「えッ?」

「だからよ お前が死んだって聞きゃ

 いくらアイツでも戻ってくんだろ」

「嫌だよ 普通に戻ってこいって言えばいいじゃない」

「バイトだ何だって戻ってきやしねえんだからよ」

「じゃあヤスが東京に行けばいいじゃない」

「俺は アイツが死ぬまで行かねえって決めてんだよ

 お前も知ってんだろうが」

「大体 何でそこまで反対すんだよ

 いいじゃない 編集の仕事で

 やりたいって言ってんだから」

「ヤ… ヤスさん!何か 東京のシチ何とかっていう

 質屋の人から電話がきてるけど」

「東京の質屋から?」

「あっくん お金に困ってんのかしら」

「俺 いるだけの分は送ってんぞ」

電話にでました。

「市川ですが。」

「市川旭くんのお父さんですか?」

「息子が そちらに何か変な質草でも?」

「し… 質草?」

「質屋なんでしょ? アンタ」

「いえ 私 「シティ・ビート」の編集部の小林と申します

 市川くんにバイトをしてもらってる雑誌の編集部の者です

 実は 市川くんにケガをさせてしまいまして

 撮影をしていた階段の足場が悪くて

 足を滑らせて左手首を骨折してしまって」

「旭が?」

「すいません

 こちらの管理が至らなかったばっかりに」

「いや… その

 まあアイツももう大人ですし はい

 よろしいように してください」

さっさと電話をきってしまいました。

「あっくん どうかしたの?」

「バイトで骨折したんだと」

「じゃあヤスさん すぐ行かなきゃ」

「たかが骨 折ったぐらいでよ」

「あッ そうだ

  ついでに危ない目に遭うんなら

 辞めろって話 できるんじゃない?」

「俺は別に ケガするから辞めてほしいんじゃねえからよ」

「もう 何でそんなに面倒くさい…」

「分かった じゃあ俺が行ってくるよ」

「そ… そうか」

「うん」

「おう

 じゃ… じゃあ そうしてくれ

 いや こっちは助かるわ」

素直じゃないーー。

本屋にいったヤスは骨折に関する本を。

「骨折に効く薬とか ねえのかよ」

マンガをみている葛原嫁をみかけました。

「な〜んだ お前まだ そんなもん読んでんのかよ」

「私のじゃねえよウチのクソガキが骨折りやがって

 昨日から入院してんだよ」

「にゅ… 入院?」

「象みてえにブックブクに腫れやがってよ」

「ブックブク?」

照雲と幸恵。
ふくさに包んだものを手にする照雲。

「それ 渡すの?」

「成人式にしようかと思ってたけど戻ってくるとも限らないし

 このタイミングで行くってことは

 「ここで渡せ」って言われてるような気もしてね」

「そうかもね」

たえこの店。

「クズんとこ 大変みてえでよ

 まあ ウチのは大したことねえはずなんだけどよ」

「そうねえ」

「クズんとこは ホント大変だよなまあウチは 腕だからよ

 きっと そんなに大変じゃねえと思うんだけどな」

「行ったら? 東京」

「俺は クズんとこの話 してんだよ」

東京。
旭のお見舞いにきた照雲。

「旭。」

「おじさん!」

「入院は 一週間ぐらいで全治まで一ヵ月だって

 左だし まあちょっと不便なくらい」

「そっか」

「編集部から電話あったんだ?」

「うん。ああそうだこれ 赤飯とか煮物とか」

「ああ ありがとう

 あッ あのさ
 
 親父 何か言ってた?」

「まあ ずーっと怒ってるよ」

「だよね」

「気にすることないよ

 ヤスが勝手に 弁護士だの何だの 

 期待してただけなんだから

 でも ちょっとビックリしたけどな

 旭が特に マンガとか雑誌とか好きだったような気もしないし」

「俺さ 別にやりたいことがあって東京来たわけじゃないんだよね

 でも そんなの まあそのうち見つかるだろうと思って

 最初は とにかく目一杯 東京楽しもうと思ってたんだけどさ

 何か そういう波にもうまく乗れなくて

 東京 来たところで田舎もんは田舎もんっていうか

 俺が追いついた頃には

 イケてるって いわれてるヤツらは別のことしてて

 どんどん気後れしてって

 何か俺 東京 向いてないなって

  で 黙々と学校通って
 
  「夕なぎ」みたいな店でバイトして

  そんなときにさバイト先に「シティ・ビート」って…

 今 バイトしてるところなんだけどそこの取材がきてさ」

「夕なぎみたいな店に?」

「うん そこ メチャクチャおいしいんだけど

 場所とか すごい分かりづらくて

 まさか そこに取材がくると思わないじゃない

 でも情報誌っていうジャンルの人が来てさ」

回想

「帰ってくれ」と愛想のない店主。

「「こういうところを求めてる人はいっぱいいるんです」って

 嫌がる親父さん 口説き落として結局 店紹介してさ

 そしたら店に色んな人が来るようになって

 そうしてるうちに 何か俺

 東京にビビんなくなったというか」

「大変ですね」と店の客と普通に買い亜。

「一皮むけば みんな同じなんだって

 それで 俺…

 こういう仕事やりたいなって思ったんだ

 きっと俺みたいなヤツはいっぱいいてさ

 そういうヤツも 等身大で東京を楽しめるようにっていうか

 ちっちゃいかな?」

「いいじゃない 旭らしいと思うよ

 あッ そうだ 旭 これ」

懐から、ふくさにつつんだものをわたしました。

戻った照雲はたえ子の店でヤスに様子を知らせました。

「ケガ心配するほどじゃなかったよ」

「別に心配なんかしてねえよ」

「そう」

「で?」

「うん?」

「バイトとか その辺のことだよ 俺に何か言うこととかよ」

「ああ 頑張ってたよ 旭」

「ああ?」

「ちゃんと自分のやりたいこと見つけてさ

 そうそう 出版社に就職するのも すごく大変なんだって

 バイトで 編集部に潜り込めたのは

 すごくラッキーなことだったらしくて

 旭としては ここで道をつけたいって

 思ってるみたいだったよ」

「弁護士が無理なら

 教師か警官にでもなりゃいいんだよ

 役人でもいいしよ」

「そういうんだったら

 こっちに戻ってくるかもしれないから?」

「ち… ちげえよ」

「じゃあ何?

  一体何が そこまで嫌なの?」

「大体

 俺に何の相談もねえってのはおかしいじゃねえか」

「そこか〜そこ?」

家に戻るとまた電話。

「はいはいはいはい

 はい 市川です」

「親父?おじさんから聞いた?」

「おう てめえが くだらねえ出版社とやらに入るために

 しっぽを振りまくってるって話はな

 何やろうと勝手だけどよ 俺は認めねえからな

 考え直さねえっつうんなら 敷居は またがせねえからな」

「うん」
「 「うん」って…「うん」って何だよ お前」

「俺も それでいいと思う」

「おい 何だ そりゃ」

「親父には そうする権利があるよ」

「ふざけてんのか!

  俺はな お前の仕送りだって止められるんだからな」

「うん」

「やらねえと思ってんだろ?

 やるぞ やっちゃうぞ

  てめえが ふざけた態度とってるとホントにやるからな」

「うん」

「旭 てめえ 親をナメて…」

「ナメてないよ 全然

 俺…許してもらおうと思ってないから

 許してもらうんじゃなくて

 俺が親父を認めさせなきゃいけないと思うから

 だから許してくれなくていい」


「何言ってんだよ お前」

「それと正月なんだけど

 バイトで帰れなくなったからゴメンね」

「おい 何だ それ お前

 お前 正月ってのは帰るのが常識」

「じゃあ!」

電話がきれました。

「訳分かんねえこと言いやがって

 背伸びして 早稲田行ってるならな

 誰にでも分かるように言いやがれ」

旭はバイト復帰。

「治ってからでいいよ」

「俺がいない間に他のヤツが来て

 お払い箱になるの嫌ですから」

「そんなことしないよ」

「これ トラフィックですよね」

「うん」

「じゃあ俺 やっときます これも やっときますね」

ヤスも仕事中。
荷物を動かそうとしても動かない。

「あれ? それ 動かすんすか あれ?」

「動かねえんだよな もう」

「えッ?」


「クズ」

「はい」

「ガキのブクブク 大丈夫か?」

「あ〜 すんません心配してもらって

  かなり良くなりました ハハハッ…」

「今のうち 親父風 吹かしとけよ」

「えッ?」

「そのうち押しても引いても動かせなくなるからよ」

「はあ」

ヤスが通る道にはお地蔵さんが見守ってくれてる。

たえ子の店。

「じゃあ何 あっくんお正月帰ってこないの?」

「たぶんな」

「じゃあ一緒に旅行行く?

 明日から商店街の女将仲間と温泉行くんだけど」

「誰が行くかよ」

「じゃあウチ来なよ 大晦日から」

「鐘つきの手伝いなんて誰が行くかよ」

「昔は よく一緒にやったじゃない」

「だから行かねえんだよ

 おう そういやタコ 最近見かけねえな

 タコツボでも引きこもったか あの野郎」

「そうねえ」

「あれ? ヤス 知らないの?」

「ああ?」

「社長んとこ 東京から息子帰ってきたんだよ」

「何だよ 何で俺だけ知らねえんだよ」

「はあ〜」

「言いにくいでしょ今の やっちゃんには」

「タコのイカ息子が戻ってきたところで

 そんなもん 羨ましくはねえや」

おおみそか。

お寺では鐘を磨く照雲。

スーパーで家族連れに目がいくヤス。
自分は一人用のお正月セットのパックに
手を伸ばしました。

スキー場でバイト中の旭。

「あッ すいません

 「シティ・ビート」っていう雑誌の者なんですけど

 誌面に出てくれる人 探してて15分…」

「ごめんなさい 行こっか」

「市川くん あと何人?」

「12人です」

インタビューしてまわっているらしい。

ひとりで歩くヤス。

「夕なぎも やってねえしな

 そばでも 食い行ってくるわ」

ラーメン屋にはいったヤス。

「いらっしゃい。

 ただいま満席なんで もうしばらくお待ちください」

「ごちそうさん」

「ありがとうございます」

「落ち着かねえな

 そばは そばか ふッ」

ヤスは店内においてあったシティビートを発見。

「「シティ・ビート」って お前…

  くっだらねえ 何だ こりゃ

 どこをどう はき違えたら こんな話になんだよ」

「その雑誌 ボロボロですよね

  そこの高校のヤツらが食いに来ちゃ

  めくってくんすよ

  「東京の大学受かったら どこ行く」

 「ここ行くんだ」って」

「はあ〜 親が泣くね

 ウチの息子ここでバイトしてんだよ」

「へえ〜 すごいじゃないですか」

「知らねえけどな そうなのか?」

「そうですよ 息子さん 頑張り屋さんなんですね」

「けどよ そんな仕事当てになんねえじゃねえか

 こんなチャラチャラした雑誌作れたところでよ

 資格の一つも取れるわけじゃねえだろ

 不景気になったしよ

 人生 長えしよ

 何だかんだいっても資格の一つでもねえと

 いざってときにやってけねえだろ

 兄ちゃんだって持ってんだろ?調理師免許」

「いや でも 資格持ってたって

 どこで何するにしても苦労はしますから」

「まあ そうかもしんねえけどな」

「へい お待ち」

「おッ」

スキー場で記事をまとめる旭。
寒いのになぜ雪の中で・・・。

カップめんをさしいれてくれました。

「はい。大みそかなんだから

 そばぐらい食べなよ」

「どうも」

「取材 終わった?」

「終わりました

 もうすぐメモできるんでチェックお願いします」

「のびるよ」

「はい いただきます」

「頑張るね」

「早く認められたいんで」

「編集部に?」

「それもありますけど

 親父にです」


「お父さんに?」

「はい」

ヤス

「息子がよ

 許さなくてもいい

 認めてほしいなんて言いやがんだけどよ

 どういうことなのかね」




「俺… ずっと

 親父に許されてばっかりだったんですよ

 高校までは「野球 野球」って言ってたのに

 結果出せなくても何も言わないし

 別にやりたいことも何もないのに

 東京行きたいって言ったのも

 結局 のんでくれたっていうか
 
 のませてしまった っていうか」


ラーメン屋の店員

「親って子供のこと

 許すじゃないですか

 やりたいって言やブーブー言っても

やらせてやるし

 結果出さなくても 見放さないし

 でもいい加減それじゃあダメだって

 息子さん

 気づいたんじゃないですか?」




「もう俺も大人だし

 親父に意見 通すなら

 許してもらうんじゃなくて

 ちゃんと結果出して…

 認めさせるべきだって

 でないと親父も安心できないだろうし」


ヤス

「そんな気遣い いらねえんだけどな

 アイツが総理大臣になったところで

 俺 やっぱり心配すんだよ」


「好きなんですね 息子さんのこと」

「勘定 頼むわ」

「へい」

旭と小林さん。

「じゃあ頑張らないとだね」

「はい」

除夜の鐘が鳴りました。

「あッ」

「1年間の煩悩を落とすんだよね除夜の鐘って

 人には 何が残るんだろうね

 煩悩を洗い落としたら」

旭を思うヤス。

「そばくらい食ったかな

 アイツ」

平成5年 

会社

「ヤスさん 七草粥 全部言えます?」

「ペンペン草と…ナズナだよ」

「ナズナナズナっていうの?」

ヤス、帰宅。
電話をみつめます。

たえ子の店。

「えっ?あっくん 成人式も帰ってこないの」

「そうじゃねえの? 連絡もねえし。

「何だよ」

「やっちゃんが きついこと言うから

 戻って来れなくなったんじゃない

 どうすんのよ 一生戻って来れなくなったら」

「知るかよ!」

社長が息子といっしょにやってきました。

「いや 明けましておめでとさん」

「おめでとうございます」

「何だ お前 いたのかよ」

「いちゃ悪いかよ」

「あッ いらっしゃい」

「ああ アンタ」

息子さんがあのラーメン屋の店員。

「あッ どうも」

「ウチのよ 次男坊でよ

 あれ? まだ見たことなかったっけ」

「おい てめえタコのイカ息子だったのかよ」

「あッ はい」

「イカ息子が偉そうに説教くれやがってよ

 人に偉そうにするときはまず名乗るのが礼儀だろ」

「人の息子に何言ってんだよ

 いい年して説教くらうのはてめえの問題だろ」

「タコが ゆで上がりやがって

タコの上に親バカか ええ?」

「何が親バカだ」

「何だよ やんのか」

「誰がタコなんだ どこがタコなんだ」

「やめなさい 二人とも」

ケンカになってとめられました。

照雲とヤス。

「やっちゃん

 そのうち帰ってくるよ 旭も」

「どうでもいいよ

 勝手にやりゃ」

ヤスが帰宅するとポストに
年賀状がはいっていました。
あのとき店にいた夫婦。

「おお こりゃこりゃ あんときの」

「あのとき教えていただいた階段で」

 初日の出を拝みました

 素晴らしい日の出でした」

「ほら見ろ 俺の案内に間違いねえんだよ

 ああ?何だ これ

 こりゃ…」

シティビートもおくられてきました。
あわててあけるとふせんがはってあった
ページをみるヤス。

「僕が初めて書いた記事です。

 仕事ぶりが認められて

 少しだけ書かせてもらえました。

 こんなもので

 認めてもらえるとは思わないけれど

 弱きを助け

 強きをくじくことはできないけれど

 東京を歩く人たちの

 助けができればと思ってます。」


記事の最後にはイニシャルの「(A)」。

ヤス、涙・・。

「大人になって 帰ってきやがってよ

たまらんなあ お母さん

 こんな帰り方…

 たまらんなあ」


バイト先の旭。

「弁当 お待たせしました。」

「ありがとう」

「お待たせしました」

「さっき電話あったよ」

「誰からですか」

「名前言わなかったけど はい」

「登板おめでとうございます。

 エースのA様」


ヤスも素晴らしいセンス!!

本屋でシティビートを山ほど買うヤス。

「これ全部ですか?」

「そうだ。

これから毎月20冊 頼むわ」

「20!?」

みんなにシティビートを配って
自慢してまわる親バカ ヤス。

「見ろ このスクッと立ったAの字を

 旭のAだ 旭の」


「あっくん 立派になって」

「BやCだと こうはいかねえからな

 うんうんアルファベットは

  Aが一番カッコイイんだよ

 俺と美佐子はな

  こういうときのことも考えて

 旭にしたんだよ」


小林旭からとったくせにw

『それから 親父は

 毎月ホントに20冊 買い続けて』


「マジっすか」

「汚え手で触んじゃねえよ!」

『色んなところに配りまくって

 近所の人は やたら東京に

 詳しくなったって話があって

ウチの親父 ホントに…』


ここで現在の冒頭のシーンへ。

「親バカなんですよ。

 でも 俺も そのうち

 そんなふうになりたいと思うっていうか

 だから あの…

 ちょっと ここ寄って…」

と指輪を買いにいこうと誘う旭。

「坂本さん?」

「ダメだ」

「えッ?」

「私 市川くんとは結婚できません

 お父さん ガッカリされると思う」


「えッ?」

「大事に育てた息子がさ

 こんな 七つも年上の

 コブつきなんて連れてきたら」


「そんなこと…」

「もし健介が 私なんて連れてきたら

 私 やっぱりガッカリするから

 たとえ その子がホントはすごくいい子でも

 もっと他にいい子が

 いたんじゃないかって思うと思う」


「ちょっと待ってくださいよ」

「じゃあ うん」

「ちょっと 坂本さん

 坂本さん!」

転ぶ坂本さん。

「あッ…

 坂本さん 大丈夫ですか?」

「大丈夫だから助けないで」

帰宅した旭。
 
「面倒くさい」

ひきだしからあのふくさのつつみを
だしました。

回想。

「うちの親父からだよ。」

「和尚から?」

「死ぬ前に 成人式が終わったら

 旭に渡してほしいって渡されたんだ

 成人式が終わったら開けてみてよ」

ヤスの会社にかかってきた電話。

「ヤスさん 電話」

「萩本さん」

「いや〜 懐かしい」

「いやいやいやいや すっかり…」

「電話だって」

「えッ  はいはいはいはい

 もしもし」

「市川安男さんですか?」

「はあ そうですけど」

「初めまして 私 島野昭之と申します」

「島野さん… ですか?」

「市川さんの お父さんの息子です」

「はあ?」



ヤス、生きてたのか!!!!
って叫んだ視聴者多数!
生きてるのに写真かざって
ワンカップそなえないでよー。
紛らわしいじゃないの!

でもまあヤスが生きててよかった。

バイトバイトでまったく帰らず。
夏も帰らないのにお正月も・・
さらに成人式もだなんて
親がいつまでも元気でいると思うよ、旭。
早く認めてもらいたいからっていうのは
わかったけど。

ヤスもどこまでも旭大事なのに
意地はってあいにいこうとしないし
帰ってこいとも言わないし〜。

坂本さん、そっちのほうにいっちゃったか。
あれだけ大事に育てられた息子なら
そう思うのもしょうがないけど
健介が私をつれてきたらがっかりするって
自分にも旭にもけっこう失礼だよー。
もっと自信もって!!

旭とヤスの父子関係だけじゃなく
ヤスの父親に関する話が今から?!

和尚のたくしたものはなんだろう。
また素晴らしい手紙かな。



市川安男…内野聖陽
市川旭…佐藤健
坂本由美…吹石一恵
幸恵ゆきえ…加藤貴子
市川美佐子…常盤貴子
照雲…野村宏伸
たえ子…麻生祐未
海雲…柄本明











2013.02.25 Monday 15:12 | comments(0) | trackbacks(6) | 
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| トリ猫家族 | 2013/02/25 4:38 PM |
【とんび】第7話 感想
子供は、二十歳も過ぎると、もう自分のことを一人前だと思い出す。 だけど、親にしてみたら、まだまだ子供だとしか思えない。 親子には必ず そんな季節がやってくる…。 とんび 第7話    お...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2013/02/25 6:16 PM |
とんび #07
『父と子の巣立ち』
| ぐ〜たらにっき | 2013/02/25 8:05 PM |
とんび 第7話
1992年、ヤス(内野聖陽)は、東京で大学生活を送る旭(佐藤健)から電話で、「雑誌の編集部でアルバイトしていて、将来的には雑誌の編集者になりたい」と初めて明かされます。 ヤスは、法学部で法律を学ぶ...
| ぷち丸くんの日常日記 | 2013/02/26 11:47 AM |
《とんび》☆07
改めて、タイトルから読んでみると、<どうしようもなく不器用な父が、ただ一つ、僕を精一杯愛してくれた 30年の物語…。> 今、旭は成人式ですから、あと10年はヤスを見られるわけですねnote
| まぁ、お茶でも | 2013/02/26 8:19 PM |