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泣くな、はらちゃん 第9話

第9話



現実の世界には、暗く、恐ろしく、悲しい一面もあると
知ってしまったはらちゃん(長瀬智也)たち。
それでもはらちゃんは、「私はこの世界の人間になりたいです」
と主張する。一方、百合子(薬師丸ひろ子)が町を出ようとしていると
知った越前さん(麻生久美子)は、百合子を止めようと走り出す。
そしてある日、サッカーボールで遊んでいたはらちゃん達は、
ボールを悪い人にぶつけてしまい・・・。



越前さんち。
朝、下に降りてきた越前さんとユキ姉。

「えっ? 寝てないんですか?」

「はい 横になって目をつぶってました。」

「はぁ…。」

「あっ おはようございます。」

「おはようございます。」

「越前さん今日は 外が明るいですね。」

「あっ… 」

「「いいお天気ですね」って言うんですよ。」

「ん? 「いいお天気ですね」ですか?」

「はい。」

「なるほど〜。」

「 「悪いお天気ですね」っていうのも あるのか?」

「えっと…。」

「まぁ 雨の時とかね。

  「あいにくのお天気ですね」とか言うわね。」

「雨… あぁ… 水がこうバ〜ってなるやつですね 」

「はい。」

「雨は悪いお天気なんすか?」

「悪いってわけじゃないんだけどね。

 雨 降ってもらわなきゃ困るし

 雨が降るのを待ってる人もいるしね。」

「悪いけど 必要ってことですか?」

「まぁ そうね。」

「難しいなぁ おい こっちの世界は。」

「はい。」

そこでひろしがしゃべりはじめました。

「あのさ 俺 分かったんだよ あんた達さ…。」

「何でしょうか? ひろしさん。」

「人間じゃ ないね。」

「えっ?えっ? 」

「あっ いや…。」

「どの星から来たんだよ?」

「ほ… 「星」?」

「隠したってダメだよ 宇宙人なんでしょ? ねぇ。」

「「宇宙人」とは? 何でしょう?」

「俺の目はね ごまかせないぜ。

 なぁ そうだろ? 姉ちゃん。」

「うん… それで いいわ。」

「何 言ってんの はらちゃん達は あれでしょう?」

「えっ?」

「 「あれ」って?」

「漫画から出て来たんでしょ?ねぇ?」

お母さん、鋭い!

「はい! そうです おかあさん ねぇ 皆さん。」

「はい!」

「フフフ…。やっぱりねさぁ ほら 食べて 食べて。」

「は〜い!」

「あっ そうなの?」

「あっ ありがとうございます。」

「何だ つまんねえの。」

「あぁ… 普通に受け止めてる?

 いいの?

 いいのか…。

 いっか。

 皆さん 今日は どうしますか?

 自由行動にしますか?

 ちょっと心配ではあるけど私 仕事なんで。」

結局工場のそばのコンクリートの上に
チョークで落書きするみんな。

越前さんと清美と田中さんが
その姿をみまもっていました。

「子供みたい。」

「ですよね。

でも よく考えたらかなり めちゃくちゃな状況ですよね

  これって。

 漫画の世界の人達が現れて 工場の外で遊んでるって…。

  しかも それ見て癒やされちゃってるし。」

「みんなにちょっと心配ではあったけど

 「自由に行動していいですよ」って朝 言ったんです。

 でも 「いい」って。

 私の行く場所の近くにいますって言って…。」

「どうして?」

「さぁ?」

「まだ慣れてないからかな。

 この世界に不安なのかも。」

はらちゃんたちはなんだか様子がおかしい。

「はぁ。」

「どうしたの? みんな。」

「実はですね ユキ姉 

 昨日 テレビのニュースというのを男達で見まして…。」

「何? それ。」

「この世界の出来事を教えてくれるものなんですよ。」

「へぇ〜 それで?」

「この世界 怖い所だぞ。」

「怖いっすよ この世界は。」

「だってですよ 大きな車みたいな

 空を飛ぶものが大勢の人を殺したり…」

「戦争というものらしいです。」

「それに この世界の人達は

 かわいい犬くんや 動物を

 閉じ込めてしまったりもするんです。」

「この世界には おいしいものをたくさん食べられる人と

 全然 食べられない人がいるんだおかしくないか?」

「この世界の人は食べないと死んでしまうのに

 みんなで分けないんだよ 何でだよ。」

「どう思いますか? ユキ姉。」

「はらちゃんは?」

「分かりません。

でも 黙ってようって 男達で話し合って決めたんです。

 だって せっかく私達の神様

 越前さんだって ああいうふうに言ってくれてるわけだし

 神様だって 自分の世界を悪く言われたら

 嫌じゃないですか。」

「まぁね…。」

「僕は何だか 自分の世界に帰りたくなりました。」

「そんな… やめましょうよ 

 私達は この世界のこと

 知らないことだらけじゃないですか。」

「だって…。」

「確かに この世界には私達には

 分からないことがたくさんあるけど…。

 でも 素晴らしい所です。

 私は この世界の人間になりたいです。」

越前さんたち。

「僕ね 子どもの頃 こういう話 好きだったんですよ。

 ほら 夜 人間が寝た 後人形とか おもちゃが

 動いたり 話したりとかして

 あるじゃないですか?

 で 実は 生きてましたみたいな。

 僕 本気で信じてて 夜 寝たふりして

 じっと見てたりとかして…。

 しませんでした?」

「全く。」

「ですよね…。」

「で?」

「あの…。何か 嫌な気持にさせたらあれなんですけど

 そういう話の終わりは 大抵元に戻るんです。

 僕らに大切なことを教えてくれたりとかして

 彼らは去って行く。

 大抵 そういう終わりなんですよ。

 ずっと幸せに暮らしましたっていうのは

 あんまりないっていうか無理っていうか…。」

「何で無理なの?」

「いや 何でって僕に聞かれても分からないですけど…。

 多分 僕らにとっての世界がここであるように

 彼らにとっての世界は別にあって

 彼らにとっての幸せは…。」

越前さんの様子をみて黙る田中さん。

「すいません 余計なこと・・」

「いえ。」

清美が田中さんをひっぱっていきました。

「あのさ!」

「はい すいません。」

「いや まだ何も言ってない。」

「あっ すいません。」

「何で あんなこと言うの?」

「あっ いや…。」

「何で!?」

「越前さんや清美さんが 悲しい思いをするのは

 嫌だなと思ったからですよ。

 だって 越前さんも清美さんも

 はらちゃんやマキヒロ君のこと

 何か 本気みたいだから。」

「自分だって ユキ姉…。」

「もちろん 好きですけど相手にされてませんよ  僕は。

  それくらい分かります。

 片思いも辛いですけど

 一番辛いのは 両思いの人が

 離れなきゃならないってことじゃないですか。

 そんな2人の姿 見てるの僕だって辛いですもん。
 
 あっ いや… すいません。」

「何なのよ バカ…。

 何で また こんな気持にさせるのよ! バ〜カ!」

田中さんにものを投げつけてでていく清美。

「すいません。」

はらちゃんに、子どもたちの遊んでいる
サッカーボールがぶつかりました。

「あ〜!うわ〜 うわ〜 うわ〜!」

「ごめんなさい!」

「これは まさか 戦争ですか!?」

「えっ?」「 えぇ?」

「フフフ… ハハハ…。」

「サッカーだよ。」

「 「サッカー」?」

「一緒にやる?」

「「一緒」?」

一緒に遊ぶことに。

「行け! はらちゃんおっ やった〜!」

はらちゃん、手でボールをつかんでゴール。

「イェ〜イ!やりました!」

「手 使っちゃダメだよ!」

「えっ? そうなんですか?」

「あっ あ〜 あ〜!」

楽しく遊ぶみんな。

「楽しいですね サッカー。」

「楽しい!」

「 はい 楽しいです!」

「あっ!」

「速いね 徒競走。ねっ。」

「ん? 「徒競走」とは?」

越前さんに声をかけるパートのおばちゃん。

「工場長代理。」

「あっ おはようございます。」

「百合子さんから電話あったんだけど 聞いてる?」

「何をですか?」

「辞めるってよ 工場。

 この町 出て行くみたいよ。」

「えっ?」

リュックを背負って街を眺めている百合子。

「はぁ・・。」

おまわりさんがやってきました。

「あれ? 百合子さん?」

「あっ… 」

「よっ。どうしたの?」

「いい町だよね 小さくて平和で。」

「まぁ 小さいから

 平和でいられるのかもしれないけどね。

 世界は大きくなり過ぎなんだよ きっと。」

「へぇ〜 何 ちょっといいこと言ってんの。」

「たまにはね。フフっ。」

「よろしく頼むよ この町を。」

「はい。フフフ…。」

徒競走をするはらちゃんたち。

「位置についてよ〜い…ドン!」

越前さんがどこかに走っていくのをみて
そっちについていきました。

「越前さん?」

「神様もかよ〜!」

「ちょっと! 1人にしないでよ!」

ユキ姉もついていきました。

「越前さん 負けませんよ!」

「はっ?」

「ヘヘっ。どうも〜。」

一緒にはしっていくはらちゃんたち。
越前さん、遅い。

「越前さん! 私達の勝ちです!」

「お〜!」

「何なの?」

はらちゃん 笑顔。

「なんなんですか? あなた達は。」

「すいません。

 徒競走だと思ったものですから。」

「はぁ?何で 私が 徒競走しなきゃならないんですか?」

「一緒に遊びたいのかなって なぁ?」

「はい 誘ってるのかなって。」

「だから やってあげたほうがいいのかなと思って。」

「何ですか? それ。

 何で私が 徒競走に誘わなきゃならないんですか?

 いい年した大人はそんなことしません!」

「大人は しないんですか? 徒競走。」

「はぁ? いや そりゃやる大人もいますけど…。」

「するんじゃんか。」

「私は しないんです!

 大体 嫌いなんです

 子供の頃から大っ嫌いなんです。」

「何でですか?」

「何でって…。」

「遅いからか?」

「そうです。」

「では サッカーはどうでしょうか?」

「女の人は やりません。」

「そうなんですか?」

「へぇ〜。」

「いや やる人もいますし 最近は増えてるっていうか…。」

「やるんじゃんか。」

「でも 私はしないんです!」

「下手くそだからか?」

「そうです!

 スポーツは全部 ダメなんです!」

「楽しいですよ 越前さん サッカーやりましょうよ。」

「「やりましょうよ」ってそういう問題じゃなくて…。」

「じゃあ 何で走ってたわけ?」

「えっ?あっ! 大変なんです!」

「何があったんですか?」

「百合子さんが どこかへ行ってしまうかもしれないの。」

「それは 大変です 捜さないと!そうなんです。」

「ほっときな。

 あいつはさ 私達を殺したんだよ。」

「いや それは…。」

「ユキ姉 それは違います。」とはらちゃん。

「何が?」

「百合子さんは 越前さんの神様。
 
 つまり 神様の神様なんです。

 百合子さんは私達のお母さんなんです。

 百合子さんが私達を生んでくれたんです。

 母 またの名を お母さんです。

 ねっ 越前さん。」

「えっ? はい そうです。」

「あっ あのさ…一応 言っとくけどさ

 何か 俺だけ ちょっと違うっていうかさ みんなとは。

  あの 何ていうのかな…。」

とたまちゃん。

「ごめんなさい。

 その問題は とりあえず今は いいですか?」

「あっ はい。」

「はぁ… しょうがないなぁ。

 すぐ逃げるんだよ あの人は。

  ダメな神様なんだ。

 世話が焼けるよ ホントに…。

 で どこにいるの?」

「あっ あっちです。」

「行きましょう!」

「あっ ちょっと…ちょっと待って!」

百合子のところにやってきたはらちゃんたち。

「結構気にいってたんだけどなあ。」

「神様の神様!

あっ! いました! 神様の神様!」

「あっ!えっ?」

逃げる百合子をおいかけるみんな。

「神様の神様〜!

 待ってください!あ〜。」

「あ〜!神様の神様!

 待ってください!」

「えっ?」

「あ〜! あ〜!」

「神様の神様! あっ!

 待ってくださ〜い!

 神様の〜神様!」

「えっ? あっ…。」

百合子の前にたちはだかるはらちゃん。

「ヘヘヘ…。」

「な… 何?」

「少しお待ちください。

 越前さんの徒競走が遅いものでして ヘヘっ。」

「あっ! 来ました!

越前さ〜ん! 頑張ってください!」

「神様 頑張れ!あと少しです!」

「ハァ… 応援しないで…嫌いなの それ。」

「越前さん! 頑張って!」

越前さんへとへと。

「あっ あの 越前さんがしゃべれない

 ようなので代わりに 私が?」

「うん…。」

「え〜…。何 言いましょうか?」

ユキ姉がいいました。

「 あなたには 私達をつくり出した責任があるのよ。

 神様の神様なんだから。

 逃げないでよ。

 ちゃんと見届けなさいよ!私達のこと。」
 
工場に戻ってきたみんな。

越前さんに水をくんでくれるはらちゃん。

「はい 越前さん。」

「あっ ありがとうございます。」

「じゃあ いただきましょうか。」

「うん。」

みんなも水を飲みました。

「おいしいですね。」「うめぇ〜 うめぇ〜。」

「許してくれるわけないって思ったからさ…。

 私 あなた達を一度 殺したんだし…。」

「誰が許さないって言ったのよ。

 覚えてるのは 私だけだけど…。

 私は あなたが神様で幸せだったわよ。

 居酒屋だけじゃなくて

 いろんな場所を描いてくれたし…。」

「ん?」

「漫画の絵だってずっと上手だったし…。」

「ん?」

「同じことばっかりじゃなくて

 いろんなこと喋れたし…。

 いろんな服だって着れたしさ。」

「そ… そうだったんですね。」

越前さんdisられてるw

「好きだったわよ あなたがつくる世界。

 もう そこに戻れないのは分かってる。

 今の神様は…越前さんだからね。」

涙を流す百合子。

「まぁ あれだよ

 神様の神様

 今の神様を よろしく頼むよ。」

「頼りないんすよね 雑なんすよ いろいろ。」

「そうなんですよ 広がりがないっていうか…。」

「まぁ 力不足だな…。」

「俺は まぁ いろいろあるけど今日は いいや。」

「どうも すみませんでした。」

「私は 越前さんが大好きなので。」

「うるさいです もう遅い!」

「はい。」

「ねぇ…。

 いなくならないでよ。」

「優しいんだね ユキ姉は…。」

「ハハハ ハハハ…。

 水 飲もう。」

「あっ 俺も…。」

「よかったですね 越前さん。」

「はい。」

夜、越前さんちに帰ってきて夕食。

「はい。」「はい マキヒロ。」

「はい たまちゃん。」「笑いおじさん。」

「はらちゃん。」「ユキ姉!」

「笑いおじさん。」「はらちゃん。」

「ユキ姉!」

越前さんの部屋にやってきた百合子。

「あぁ… ありがとね 越前さん。

 私の漫画をあなたが 好きでいてくれて

 ホントによかった。」

「あっ そんな…。」

「いい神様だよ あなたは。」

「えっ? 何か不満だらけみたいですけど…。」

「それくらいが いいんだよ。

 私のはさ クオリティーが高過ぎて

 だから こっちが追い詰められてしまった。

 緩いくらいで ちょうどいいんだよ 世界は。

 不満があるぐらいのほうがさ。」

「はあ…。」

「大丈夫? 越前さん。」

「えっ?」

「不安なんでしょ?

 このまま はらちゃん達を

 この世界に とどめておくの。

  あんなに真っすぐで汚れてないのに

 変わってしまうかもしれないもんね。

 この世界の現実に染まって…。

 ほら 映画やアニメだったら

 「幸せに暮らしました

  はい ハッピーエンド」…って

 終われるけどさ

 人は ハッピーエンドの後も
 
 生き続けて行かなきゃならないから。

 たいへんなのは

 ハッピーエンドのあとなのにね」


「はい」

はらちゃんたちはまた工場のそばに
すわっていました。

「来ませんね サッカーの神様。」

「そうっすね。」

「やりたかったな。」

「やりてぇけど 体が痛ぇ。」

「あっ? これ!」

空気の抜けたサッカーボールを発見。

「お〜 素晴らしい!やりましょう!」

「はい!」

かまぼこ工場ではみんな仕事中。

ユキ姉が手伝ってくれました。

「 ありがとう それ じゃあ ここに並べて。

 ユキ姉は こっちでいいの?」

「あっ… 男どもには付き合いきれないよ。」

「フフフ…。」

百合子と仲よさそうなユキ姉をみて
微笑む越前さん。

はらちゃんたちの蹴ったボールが
悪そうな男たちにぶつかりました。

「アハハ…。すいません! 大丈夫でしたか?」

「あ… あの一緒にサッカーやりませんか?」

「はっ? 何だ お前ら。」

「はらちゃんです。」

「マキヒロっす。」

「あっくんです。」

「たまちゃんです。」

「笑いおじさんだ 名前はない。」

「アホか? お前ら。」

「ん? 「アホ」とは…。」

「あっ? ナメてんのか!?」

「 「ナメる」ってのは あれか?」

「ふざけんな ボケ!」

「 「ふざけんな ボケ」とは?」

ボールを海に蹴られてしまいました。

「あっ…。」

「あっ。

  違います サッカーは

 そうやって遊ぶものでは ありません。」

「何だ? お前ら いい年して。」

「「いい年でもやる人もいる」って神様 言ってたよな。」

「はい。ですね。」

「ちょうどよかった 金 出せよ 金。」

「金? あっ お金のことですね。

 私達は持ってません。
 
 あ!?お金が欲しいのでしたら

 『ふなまる水産』で働けばもらえますよ。

 働くのは楽しいですよ フフフ…。」

「ふざけんな この!」

男たちが乱暴をはじめました。

「あぁ!」「 うわっ キャ…。」

「何をするんですか?

そんなことしたら痛いじゃないですか!」

「当たりめぇだろうがよ!」

「あっ…。」

「ど… どうしてそんなことするんですか?」

「うるせぇ!」

「あぁ…。」

「ふざけてんじゃねえぞ! コラ・・」

「あぁ…!」

「オラ!」

「あっ あぁ…。」

「何でですか?

 何で そんなことするんですか!?

 やめてください!」

「邪魔すんじゃねえよ コラ!」

はらちゃんがぼこぼこに。

田中さんや越前さんたちがやってきました。

「やめて!何やってるんですか!」

「何なんだよ てめぇは!」

「あっくん 大丈夫?」

越前さんがモップを持って立ち向かうと
そのモップをとりあげて越前さんを
ひっぱたく男。

みんなが蹴られたり殴られたりして
横たわっているのをみるはらちゃん。

はらちゃんを起こす男を
殴ってしまうはらちゃん。

殴られるとまた殴り返し
男に馬乗りになって殴り続けるはらちゃん。

「てめぇ この野郎!」

「あっ…。」

「何でですか?
 
 これが この世界ですか!?」

「あ〜! あ〜!あ〜! あ〜!」

涙をうかべてみつめる越前さん。

「はらちゃん! もういい!

はらちゃん! はらちゃん!

やめて! はらちゃん!

 お願い… お願い。」

越前さんの泣き声に
ようやく手をとめるはらちゃん。

「ごめんなさい 

 ごめんなさい はらちゃん。

 はらちゃん… ごめんなさい。

 こんな世界で ごめんなさい。」

「越前さん…。

 大丈夫ですか?」

男たちは帰っていきました。

「ごめんなさい はらちゃん

 みんな・・ごめんなさい」

泣き続ける越前さん。

事務所に戻って手当てしてもらいました。
はらちゃんは無表情で固まっていて
拳を開きつぶやきました。

「痛いです 心が・・・。

  とても痛いです。

 越前さん。」

「はい。」

「どうか…。

 私を嫌いにならないでください。

 嫌いにならないでください。」

「なるわけないです。

 なるわけないです。」

「僕は…。

 僕は 帰りたいです。」
 
とあっくん。

「あっくん…。」

「帰りたい…。

 自分の世界に帰りたいです!

 帰りたい…。」

「それもいいかもな」とたまちゃん。

「ああ。」と笑いおじさん。

「別の世界ってのはあるんだろうな〜って

 考えてるぐらいが楽しいのかもな。

  ああ 不満はどこにいても あるんだろうしな。

 ああ。」


「マキヒロは どうなんですか?」

「あっくんとは ずっと仲間っすよ。」

「それが…いいのかもね。」

「私は」

涙を流すはらちゃん。

「私は・・・」

越前さんが部屋からでて
ロッカーの中のノートをとりだし
テープをはがしました。

ノートをもって戻る越前さん。

「越前さん・・。」

「はらちゃん」

「はい」

「私たちは 両思いです。

 ほら! 泣くな はらちゃん。」


ノートを開く越前さん。

漫画の世界に帰っていくみんな。

ノートを開く越前さんは笑顔。

すわりこんでしまう清美の肩に手をおく田中さん。

越前さんの家。

「そう〜 帰っちゃったの。

何か 寂しいわねぇ。」

「宇宙に帰ったんだろ。」

「フフっ そうかも。」

「フフフ やっぱりな〜! 宇宙かよ。」

「お母さん。」

「ん?」

「冴えない娘で ごめんね。」

「えっ?」

「フフっ。ひろし。」

「ん?」

「冴えないおねえちゃんでごめんね。」

「いや〜 こちらこそバカな弟で すいませんね。」

「ホントだよ。」

「ハハハ…。」

「変なおかあさんで ごめんね。」

「ハハハ… やっぱ そう 変だよ。」

「 ハハハ…!」「ハハハ…!」

そのままテレビをみて大笑いする母とひろし。

「おやすみなさい。」

「おやすみ 」

「おやすみ〜。」

「おやすみ。」

居酒屋にいる百合子。

「はぁ・・。まさか!」

何か思いつき急いで店からでていきました。

部屋で漫画を描く越前さん。

楽しそうなみんな。
その下にもうひとりキャラを。

「はじめまして。」

ノートを閉じる越前さん。

「お願い。」

ノートを開くと
越前さんが漫画の世界に・・・!

「おう〜。」

「はあ〜。」

越前さんをみてみんなびっくり。

「えっ?越前さん?」

「来ちゃいました。」

「え〜!?」

「フフっ」

部屋にやってきた百合子と母とひろし。
ノートをみつけました。

「あれ? 姉ちゃ〜ん。」

「いい笑顔だわ あの子」

♪〜 世界じゅうの敵に降参さ
♪〜 戦う意思はない
♪〜 世界じゅうの人の幸せを
♪〜 祈ります
♪〜 世界の誰の邪魔もしません
♪〜 静かにしてます

「いいの?」

「はい。

 だって 子供の頃から漫画の中の世界で

 はらちゃん達とずっと一緒だったらいいのにって

 思ってたし。

 あの世界は もともと 好きじゃないんです。」

「そう…。」

「はらちゃん!」

はらちゃん、笑顔。

「はい!」

「ずっと一緒に いましょうね。」

「はい!」

「フフっ。」

♪〜 だから お願いかかわらないで
♪〜 そっとしといてくださいな
♪〜 だから お願いかかわらないで
♪〜 私のことは ほっといて

「ヤァ〜!」





はらちゃんたちがこの世界で傷ついていくのを
みたくない。でもいっしょにいたい。
だから自分がマンガの世界へ・・。

二次元の世界にいきたい人は
この世にごまんといますが
本当にいっちゃったらしゃれにならない。
いろんなつらいことやいやなことは遠ざけて
自分の好きな人たちと居心地のいい世界で
ずっといられたらそれは幸せだろうけど
この世界に生まれてきたのだから
ちゃんとこの世界で生きないと。

はらちゃんと越前さんをいっしょにいさせて
あげたいけど、漫画の世界にはいって
ハッピーエンドにはなりません。





はらちゃん  長瀬智也
越前さん   麻生久美子
田中くん   丸山隆平
紺野清美   忽那汐里
マキヒロ    賀来賢人
ひろし     菅田将暉
あっくん    清水優
長沼さん    稲川実代子
警官      小松和重
笑いおじさん 甲本雅裕
たまちゃん       光石研
ユキ姉     奥貫薫
秀子      白石加代子
矢口百合子  薬師丸ひろ子








2013.03.16 Saturday 23:06 | comments(0) | trackbacks(9) | 
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