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家族ゲーム 第3話

第3話



 夜の山道で車を運転する吉本荒野(櫻井翔)。
助手席に座る沼田慎一(神木隆之介)は不安が募る。
吉本と名乗るこの家庭教師は、東大の卒業アルバムに
写っていた人物とは別人だった。吉本は慎一に
「自分のストーリーの一部を教えよう…」と告げ、とある病院へと
車を走らせていた。
訪ねた病室には“吉本荒野"という患者のプレートがあった。
吉本は、生命維持装置につながれたこの患者こそが本当の
“吉本荒野"であり、自分の弟なのだと、その隠された事実を
語って聞かせる。にわかには信じがたい慎一だったが、
嘘とも思えない。最後に「あなたの本当の名前は?」と聞く。
吉本は「…雄大だ」と答えた。慎一はこの話を弟の茂之
(浦上晟周)にだけ伝えた。そんな子供たちをよそに父・一茂(板尾創路)は
ご機嫌そのもの。浅海舞香(忽那汐里)との出来事を思い出しているのだ。
母・佳代子(鈴木保奈美)は、そんな一茂にイライラを募らす。
 一方、登校した茂之は、吉本からの「遺書」の脅しが効いて
一変したクラスの雰囲気に驚く。吉本は、いっそクラスメイトを招いて
茂之の誕生日会をやろうと言い出す。戸惑う茂之だったが、
吉本の命令は絶対だ。次の日の夜、舞香が一茂の忘れ物を届けに
沼田家にやって来た。一茂は慌てて帰そうとするが、吉本が勝手に
家に上げてしまい、夕食を共にすることに。しかも吉本は舞香を
誕生日会に誘う。吉本はいったい何を企んでいるのか?



吉本の運転する車の助手席にいる慎一。

「♪さよならするのはつらいけど」

 さよならするのはつらいけど

 さよならするの… さよなら…」

「ちょっと。」

「『ドリフの大爆笑』のエンディングで歌われていた

 『いい湯だな』の替え歌の中でもとりわけ さみしいフレーズを

 壊れたレコードみたく繰り返すのは 何かの暗示ですか?

 どんどん 人里 離れていくし街灯も ほとんど ないし。

 僕は いったいどこに向かってるんですか?」

「まくしたてるね〜。怖いの?」

「殺されたくないだけです。」

「いいねえ。

君の中で 僕は えたいの知れない殺人鬼ってとこか。」

「当たらずとも遠からずってところです。

 だいたい 僕は あなたの名前すら知らないんですから。」

「俺が吉本 荒野じゃなかったとして

 それが いったい 何だってんだ?」

「名前が違うんですよ?そんな人に

 全幅の信頼を寄せられるわけないじゃないですか。」

「名前が合っていたところで 君が 一家庭教師に

 全幅の信頼を 寄せるとは思えないけど。」

「論点を すり替えないでください。」

「すり替えてるつもりは ないよ。

 名前が 何だって 俺が 茂之をいじめから救ったのは

 紛れもない事実だ。」

「それは 結果論です。あなたのやり方は 間違ってる。」

「だったら君が正しいと思う やり方で

 茂之を救ってあげればよかったじゃない。

 何もしなかった人間が理想だけを語るなんて

 ひきょうだとは思わないか?

 正直に言えよ。君は 俺が怖いんだろ?

 自分の物差しで 測れない存在が不気味で しかたがない。

 裏を返せば 俺という人間が少しでも 分かれば

 安心できるってわけだ。

 だから君に 教えてあげようと思って。

 俺の ストーリーの一部を…。」

ついたのは病院。

「さあ パンドラの箱をあけようか」

病室の名札には吉本荒野。

生命維持装置につながれて寝ている患者。

「彼が 本物の 吉本 荒野。

 俺の弟だ。

  出来の悪い俺とは 対照的に

 弟は絵に描いたような優等生でねえ。

 君たち兄弟とは 逆だな。

 彼は 教師になるのが夢でね。

 東大に入っても両親の反対を 押し切って中学教師になった。

 でも その直後だった。

 事故に遭ったのは…。

 やっと 自分の夢に向かってまい進できるっていうときに

 彼は 全てを奪われた。

 それが 自分のように悔しくてね。

 だから…。

 俺は 弟の夢をかなえるために教師になったんだ。」

「何で 学校の先生じゃなくて家庭教師なんですか?」

「簡単な話だよ。俺は 教員免許を持っていない。

でも…。

 俺は 俺のやり方で弟の名に 恥じぬように

 生徒と 向き合っているつもりだ。

 これでも 茂之を教える資格がないというなら

 ご両親に言ってもらって構わない。」

「本当の名前を 教えてください。」

「雄大。」

「雄大…。」

「でも 俺は…。

 これからも「吉本 荒野」を 名乗り続けるよ。」

翌朝、茂之にだけおしえる慎一。

「そうだったんだ」

「でも 今は まだ父さんたちに話すつもりはない。」

「何か 気になることでもあんの?」

父はご機嫌でAKBの話題をふってきました。
話しながらも思い出すのは舞香のこと。
舞香とホテルの前までいったところで
ドタキャンされたみたいだけど
楽しそうなのはかわらず。

「母さん 新しいワイシャツ出しといてくれる?」

「はい」

口紅のついたYシャツは隠す妻。

「最近帰りが遅いようですけど。」

「しょうがないでしょ仕事なんだから。

 今日も 遅くなると思うよ。」

「はい。」

学校へいった茂之。
吉本の作戦のおかげで
茂之が教室に入るとみんなが
「おはよう」と声をかけてくれました。
いじめグループも知らん顔のうえ
休んでたぶんのノートまでかしてくれる女子。

思わず自宅で勉強中も顔がゆるむ。
その顔を写真にとる吉本。

もうすぐ誕生日の茂之に
誕生会をやろうといいだしました。

「クラスメートと親交を深める チャンスじゃない。

 ねえ やろうよ。やっちゃおうよ!」

「それは ちょっと〜。」

「犬のお前に 選択肢はないんだよ。

 何人 呼ぼうかなあ。

 クラス 全部で 何人だっけ?」

「26人です。」

「じゃあ ノルマ 20人だな。」

そのあと吉本に声をかける慎一。

「あれから 色々 考えたんです。

  昨日の話にはどれも 裏付けるものがなくて

 信ぴょう性に 欠けます。

 だから検証しようと思ったんです。

 あなたが ホントに 吉本 荒野の兄なのかってところから。

 事故についても あなたの人殺し発言を 鑑みれば…。」

「これ以上 詮索しない方が身のためだと思うよ。」

慎一が万引きしている場面の写真をみせられました。

「優等生を演じるのも 

 ストレスが たまるんだろうねえ。

 仲良くしようよ。ねえ。」

吉本のサイトをみている慎一の部屋に
やってきた吉本が頼みがあるといいました。

サウナに入る父と吉本。

「実は 茂之君の誕生会やることにしたんです。

 20人くらい呼んで 盛大に。」

「20人? どこで やるの?」

「もちろん この家です。」

母と主婦仲間にも声をかけ
誕生会でフラダンスを踊ってもらいたいと
頼んでいました。

大学のころフォークソング研究会に 入っていた一茂には
歌を依頼。

茂之の子供のころから今に至るまでの画像をつないで
半生を 語るスライドショーにするのは慎一に。
バックには小田 和正の曲を流すらしい。

父には
「茂之君が聴きたがってるんですよ?

 お父さんのライブが 見たいって。」

とくどきおとす。

「また ギターが弾けるようになれば

 女性も 一発で 落ちますよ?

 ラブソングとか歌っちゃって 弾いちゃって。」

主婦たちも了承、一茂もやる気に。

慎一は映像の編集。

「この画像どうやって 手に入れたんですか?」

「お母さんから借りたんだよ。」

茂之は招待状づくり。

「あっ いいねえ。」

「ホントに やるんですか?中3で 誕生会って…。

 しかも 親が 出し物なんて恥ずかし過ぎますよ。」

「そう言うなよ。

 お前の力になりたいんだって。

 愛されてるよなあ。

 うらやましいよ。」

「別に そんなんじゃ…。」


学校。
みんなの机の中に招待状をいれました。
みんな驚くものの反応がいい。

一茂はまた早期退職をすすめ
カラオケ中を写真にとる吉本。
母のフラダンスの練習風景も写真に。
慎一の姿も撮影。

慎一のベッドの下をあさっていた母。

「豊かな人生を贈る本」ほかいろいろ。

そこへ慎一が。

「何してんだよ。

 勝手に 人の部屋に 入んなって言ってんだろ。」

「ごめんなさい。ほこり たまってたから。」

「ハァ〜もういいよ 自分でやる。」

「あのさ…。

 この写真 母さんが撮ったの?」

吉本から渡された写真をみせました。

「どこだろ ここ。見覚えないけど。」

そこにシャッター音。

「玄関のドア  開いてましたよ。

 不用心だなあ。」

「ちゃんと 閉めてたはずだけど。」

一茂は寝室でギター片手に歌の練習。

「誕生会でそれ歌うんですか?」

「悪い?だいたい お前が俺が ギター やってること

 先生に言うから こういうことになっちゃったんだろ。」

「私 言いませんよ?」

「じゃあ 何で 先生が俺 ギター やってること知ってんの?」

「知りませんよ。

 先生に 私が フラ やってること言ったの お父さんですよね?」

「そんなわけないだろ。

 お前の話なんて したことないよ。」

そこへ舞香から「家の前にいます」とメール。

あわててでていく一茂。

「どうしたの?」

「忘れ物 届けに来ましたよ。」

「あっ これ どこに置いてあった?」

佳代子もでていきました。

「どちらさまですか?」

「ああ…。」

「あっ あの 私 パシフィック電機の浅海と申します。」

「主人がいつも お世話になっております。」

「入構証 届けてくれたんだよ。

 これが ないと会社 入れないからさ。

 助かったよ。 ありがとう。」

「はい。じゃあ 私は これで…。」

そこへ吉本が。

「あれ〜?お客さんもう 帰しちゃうんですか?

 あの よかったら一緒に 夕飯でも どうです?」

「あのね 君んちじゃないでしょ?」

「そうねえ。」

「せっかく届けていただいたんだし。」

「あっ どうぞ召し上がってらしてください。」

 ホントに 結構です…。」

「まあまあ 遠慮なさらず。

 さあ さあ どうぞ。」

「じゃあ お言葉に甘えて。失礼します。」

舞香はにっこり。
一茂は焦り気味。

舞香もいっしょに食事することに。

「うん おいしい!お店で食べる 料理みたいです。」

「それは 言い過ぎですよ。

 ねっ? お母さん。」

「そうですね。」

「ホントに おいしいです。課長が うらやましい。」

「浅海さんは結婚されてるんですか?」

「いいえ。」

「でも 恋人は いるんでしょ?」

「まあ いるような いないような。」

「母さん 慎一は どうした?」

「今日は 塾じゃないですか?」

「ああ そうだったね。」

「んっ そういえば さっきギターの音が 聞こえましたけど。」

「ああ お父さんです。

 今週の日曜日 茂之君の誕生会 やるんですけど

 そこで ギターの生演奏…。」

「あっよかったら 聴きに来ません?」

「ホントですか?」

「うん。」

「ぜひ。」

「いや… でも ほら同級生に交じってっていうのも…。」

「別に いいよね?

ねえ?ねっ?」

「うん。」

「いいそうです。」

「え〜 うれしい。楽しみにしています。」

舞香まで誕生会にくることに・・。

飛鳥と吉本荒野の病院にいる慎一。

「帰るよ」

「今日も来なかったね 吉本の家族。

 でもさ 吉本 首にするために ここまでする必要 ある?」

「あいつ 茂之の小さいころの画像とか 普通に持ってた。

 親から借りたんじゃない。自分で集めたんだ。

 うちの親戚や近所を 回って。」

「嘘…。」

「親戚の叔父さんの話じゃ俺たちのことを

 根掘り葉掘り 聞いていたらしい。」

「超怪しいじゃん。 親に言いなよ。」

「それが できたら 苦労しないよ。」

舞香を送っていく一茂。

「焦った顔もすてきでしたよ。」

「そんなキラースマイルされたら怒れないじゃない。」

「今度の日曜日に埋め合わせしますから。」

「えっ?」

「誕生会 終わったらこの前の続き しよ?」

「この前の続き?」

「も〜 ホテルですよ。 ラブホテル。」

「ああ…。 フフ。」

洗い物をしながらストレスをためこむ母。

学校。

「あの… 誕生会の参加人数教えてほしいんだけど。」

「ああ ちょっと待って。みんな

 沼田君の誕生会 行く人手を挙げてくれる?」

「はい。」

「全員 参加だね。」

「私 超楽しみにしてるから。」

「俺もサプライズイベントが気になってしょうがねえし。

 行くっきゃないっしょ。」

佳代子は料理の準備。

「あっ お疲れ。シゲちゃん ちょっと ちょっと。

 誕生会の空揚げ揚げてみたんだけど。

 ショウガ きついかな?」

「ううん 大丈夫。」

「そう。 じゃあ これを 20人分で。」

「もうちょっと 来ると思う。」

「ホント?じゃあ もっと 買い足さないと。

 お父さんねもう 誕生会の準備してるの。」

リビングのテーブルを一茂といっしょに
移動させるのを頼まれて茂之も嬉しそう。

吉本荒野の病室の前で待っていた慎一。
そこへ女性が。

「あの 吉本 荒野さんのご家族の方ですか?」

「そうですけど。」

多恵と話す慎一。

「そういうことでしたか。」

「すいません。

ぶしつけに 押し掛けるようなまねを してしまって。」

「いいえ。 でも あなたが心配なさってるようなことは

 何もありませんよ。

 雄大は 確かに 荒野の兄ですし

 この子に代わって教師の道を進んだのも 事実です。

 もちろん 荒野の事故に一切 関係ありません。」

「そうですか。

 不愉快な思いをさせてしまってすいませんでした。

 じゃあ 失礼します。」

でも廊下まででてきて忠告されました。

「気を付けた方が いいですよ。

 あの男は 悪魔ですから。」

夜の教室にいる吉本に多恵が電話。

「慎一君が 来ました。」

「余計なことは話してないでしょうね?」

「指示された内容しか話してません。」

「そうですか。 ご苦労さまです。」

「もう これで勘弁していただけませんか?

 息子は 罰を受けました。

 これ以上私たちに関わらないでください。」

「嫌です。

 これからも 会いに行きますよ。

 忘れてほしくありませんし。

 僕と息子さんは…。

 共犯なんですから。」

誕生会当日。

フラダンスの主婦たちがにぎやか。
吉本はビデオをセット。
外へ友だちを迎えにでる茂之。

「佳代子さんちょっと いいかしら?

 実はね私のところに 変なメールが来て。」

佳代子にメールをみせる友だち。

ご主人が浮気相手と
仲良く歩いてましたというメール。

「ああ これね。

 あっ この日 主人の会社の子が うちに来たの。

 それで送ってったときのことだと思う。

 でも 誰が こんな嫌がらせ…。」

「そうよね。 ごめんねせっかくの誕生会なのにね。」

「うん。」

一茂も準備万端。
でも時間になっても誰もこない・・・。
主婦たちも帰っていきました。

「何か 痛々しかったですね。」

「けど 1人も来ないって…。せっかく練習したのに。」

「ああ 残念。」

隠れてきいていた茂之。

ひろりで料理を食べている吉本。

舞香からは急用がはいっていけなくなったと
一茂にメール。

「どうしたんですか?」

「何でもないよ。」

「携帯 見せてください。」

「はっ?」

「誰ですか?」

「浅海君だよ。 来れなくなったって。」

「それだけですか?」

「それだけって…。

 「急用ができて行けなくなりました」

  「すいません」 以上。

 ちょっ ちょっと。」

「貸してください!」

「やめなさいよ。

  やめろって言ってんだろ!」

「茂之君…。遅いですよね。

 ちょっと見てきます。

 よいしょ。 行こう。」

慎一の手をひっぱって外にでて
たてかけてあった梯子に登っていく吉本。

「ちょっと…。どこ行くんですか?」

ベランダから中に入りました。

「VIPルームへようこそ  さあ 座って。」

下のリビングの様子が
パソコンのモニターにうつってました。

「これさっきのビデオカメラ…。」

「ほら ここに 「サプライズ」って書いてあるでしょ。

 これが それ。本日のメーンイベント。」

「何を たくらんでるんですか?」

「今日さ ホントに 茂之のクラスメート 来ると思った?」

「当たり前じゃないですか。」

「来るわけないだろう。

 友達なんか いないんだから。」

「じゃあ 何で誕生日会なんて開いたんですか?」

「次のステップに 進むためだよ。」

茂之には吉本から
「とりあえず家に帰ってこい」というメール。

下にいる父と母。

「どこ行くんですか?」

「着替えるんだよ。お前 今日 おかしいぞ。」

テレビに映像が流れ始めました。

「Happy Birthday 茂之君」

BGMは「言葉にできない」

「あれ 俺が編集したやつじゃないですか。

  これの どこがサプライズなんですか?」

「まあ 見てろって。」

音声に一茂と舞香の会話が流れました。

「びっくりしたよ。家に来るなんてさ。」

「どうしても沼田課長に会いたくなっちゃって。」

「この声 父さんと 誰だ?」

「浮気相手。」

「どうなってんだ これは!」

「今度の日曜日に…。」

「何 やってんだ 放せよ。おい 放せ 放せ おい。」

リモコンを奪い合う一茂と佳代子。
佳代子が夫をひっぱたきました。

「この前の続き…。」

「あ〜!」

「この前の続き?」

「も〜 ホテルですよ。 ラブホテル。」

「ああ…。

 日曜日は 君のために歌っちゃおうかな。 ハハハハ。

 「君は Funky Monkey Baby おどけてるよ

 だけど 恋しい 俺の彼女」

「あなたと 浅海さんですよね?」

「いや 違うんだよ。彼女とはまだ そういう関係じゃないんだ。」

「まだ…。 じゃあ いずれそうなるっていうことですか?」

「言葉の あやだよ。

 だいたい 何でこの会話が 盗聴されてるんだ。

 犯罪じゃないか。 誰が…。」

「いちるの望みだったんです。

 今日で 変われるんじゃないか。

 この誕生会で思い描いてた家族になれるんじゃないかって…。

 でも やっぱり 駄目でした。

 どこまで苦しめれば 気が済むの?

 見てください。あなた 1枚も写ってません。

 子供のことは全部 私に 押し付けてきたから。」

「押し付けてって… しょうがないだろ

 仕事が忙しかったんだから。」

「仕事?

 仕事! 仕事!

 その言葉が 私を壊したんです。

 このころは かわいかった。

 どんなに 腹が立っても

 一瞬の笑顔で 優しさで全て 許せた。

 でも大きくなるにつれて言うこと 聞いてくれなくなって

 愛することさえも義務のように思えてきて。

 今では この子たちが何を考えているのか

 まったく 分かりません。

 理解したいとも思いません。」


茂之もドアの外できいていました。

「うわ。思ったよりヘビーだなあ。

 大丈夫かな 茂之君。」

「嫌なんです。

 結婚しなければ 子供が 生まれなければ

 私には 別の人生が待ってたんじゃないかって。

  そんなことを 思う自分がたまらなく 嫌なんです。

 こんな妻になりたくなかった。

 こんな母親に なりたくなかった」


泣きだす佳代子。

「すまなかった。

 何もわかってやれなくて。

 俺が 悪かった。子供たちに 罪は…。」

「分かってます。

 今日… 今日だけですから。」


手を叩く吉本。

「大人だねえ。

 けど 茂之にとっては

 悲惨な誕生日になっちゃったなあ。」


吉本につかみかかる慎一。

「ふざけんなよ お前。

 あんたのせいだよ。あんたが 全部 ぶっ壊したんだ…。」

「勘違いするな!

 俺は 舞台を用意しただけだ。

 ここで起きているのは全て リアル。

 本音だよ。

 君だって 茂之を祝うために

 ここに来たわけでは なかったんだろ?

 俺の弱みを 探すために参加したにすぎない。

 つまり 君にとっても茂之なんか

  どうでもいい存在だったんだよなあ。」


「違う。」

「いや」

「違う。」

「だったら こういうときに

  茂之がどこに行くのか

  知ってるのか?」


慎一の腹を殴りました。

「親戚のおじさんのほうが

 茂之のこと 詳しかったよ。」

雨の中を歩いている茂之。
クラスメイトにぶつかってころびました。

「あっ ごめん。

 あのさ… いや行こうと思ってたんだけどさ

 山尾が 行くなって。

 ホントだよ?ゲーセンにいるから聞いてみなよ。

 なあ 遺書には 書かないでくれよ?」

ゲーセンにいくとクラスメイトがいました。

「ほんと うぜーよな。沼田のやつ」

「遺書さえなければ今すぐ 死んでくれていいのに。」

「なっ。」

「マジ 早く死ねよ。」

女子生徒もいました。

「ねえ カラオケ 行かない?」

「沼田の誕生会は?」

「行くわけないじゃん。

 中3で 誕生会とかマジ あり得ないんだけど。」

「仕方なく 接してるの 気付かないのかな あいつ。」

「にやにや にやにやしちゃって…。」

「ホント 超キモいんだけど。」

「ねっ 臭いよね。」

ゲーセンからでてきた茂之は大声で
叫んで走りだしました。

おじさんに電話しながら茂之をさがす慎一。

「あっ もしもし叔父さん?

 あのさ 茂之が 落ち込んだときに行く場所って 分かる?」

飛鳥もきました。

「ちょっと! 誕生日会すぐ終わるって言ったじゃん。」

「えっ? 神社の裏? 秘密基地…。」

「何回も電話したのに。」

茂之がいつもの秘密基地にくると
そこに吉本が待っていました。

「よっ!」

「放せ! もう 放せよ! 放せっ…。」

逃げだす茂之は転んでしまいました。

「簡単に 友達ができると思ったか?

 自分で 突き放した家族が変わらぬ愛情を
 注いでくれると思ったか?

 友達が 1人もいない。家族からも 見放されている。

 それが お前の現実だ。

 悔しいか。

 だったらお前が 変わるしかないんだよ。

 立て。

 立てよ!

 もう 泣くな。

 今日は 黙って 涙を拭け。」

「でも…。」

「あしたになっても 涙が出るなら

 そのときは俺が 一緒に泣いてやる。

 前に言ったろ。

  「お前の味方だ」って。」

茂之を抱きしめる慎一。

「俺がいる。

 俺が・・お前を変えてみせる」


「もう 泣くな。」

影でみていた慎一と飛鳥。

「なんだ いいやつじゃん。」

「これが本当の狙いだったんだ。

 茂之を 丸裸にして手を 差し伸べる。

 これで 吉本は 茂之にとって

絶対的な存在になった。」


翌朝。

「おはよう」「おはよう」

何事もなかったような夫婦・・。

慎一は学校へ。
笑顔でみおくる母と父。

学校。

「沼田は欠席か」

「おい 大丈夫かよ。

 誕生会 ホントに行かなくてよかったのか?」

「フッ。 心配すんな。

 「自由参加だから 来なくても

いじめに ならない」っつったの

 あの家庭教師なんだから。」
 
秘密基地にいる茂之と吉本。

クラスメイトの写真を手に
悪口をいいながらめちゃめちゃにしているふたり。

吉本を調べる慎一。

「駄目だ。吉本の 過去の生徒を

 調べてみようと思ったけど全部 偽者。

 どれも著作権のない モデル写真だった。」

「詐欺で 訴えれば?」

「いや。あいつは 絶対 何か隠してる。」

「吉本 家庭教師 人殺し」 で検索すると

吉本荒野を訴える会がヒット。

「私の家族は吉本荒野に殺された」
というサイトが!

茂之は吉本といっしょで楽しそう。




そう簡単に吉本の正体はわからなかったか。
あのサイトもあやしいな〜。
慎一は疑ってるけど茂之は完全におちたしね。

それにしても茂之にあの仕打ちはかなりひどいと
思うけど、結局自分がかわらないと問題の根本的な
解決はできないということか。

あの夫婦、あれだけのことをしておいて
翌朝、何事もなかったかのようににこやかに会話。
おそろしい〜〜。

家族改革?はまだまだのようです。




吉本荒野   櫻井翔 
沼田慎一   神木隆之介 
沼田茂之   浦上晟周
沼田一茂   板尾創
沼田佳代子  鈴木保奈美
浅沼舞香    忽那汐里   
最上飛鳥    北原里英 路 



2013.05.02 Thursday 08:15 | comments(0) | trackbacks(8) | 
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家族ゲーム 第3話:誕生日会に家庭教師がクラス全員招待!
訴える会( ‘ jj ’ )/ じぇ!じぇ! だけどこれも、自分の正体を探ろうとしてる慎一がネットで探し出す事を想定して 吉本が準備してたものなのかもしんない・・・ 冒頭で慎一を病院に連れて行き、ベッドに横たわる男を本物の荒野だといい、 自分の名は雄大で彼の兄
| あるがまま・・・ | 2013/05/02 9:13 AM |
家族ゲーム (第3話・5/1) 感想
フジテレビのドラマ『家族ゲーム』(公式)の第3話『誕生日会に家庭教師がクラス全員招待!』の感想。なお、森田芳光監督・松田優作主演映画『家族ゲーム(1983)』、と長渕剛主演ドラマ(1983)は鑑賞済。 ...
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【家族ゲーム】第3話 感想
簡単に 友達ができると思ったか? 自分で突き放した家族が変わらぬ愛情を注いでくれると思ったか? 友達が1人もいない。家族からも見放されている。 それがお前の現実だ。 悔しいか。 だったらお前...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2013/05/02 11:31 AM |
家族ゲーム #03
『誕生日会に家庭教師がクラス全員招待!』
| ぐ〜たらにっき | 2013/05/02 12:27 PM |
家族ゲーム 第3回★悪魔の誕生日会は参加者ゼロ
家族ゲーム 第3回 「誕生日会に家庭教師がクラス全員招待!」 今回は学校から離れ、前回のような執拗で陰湿な《直接的イジメ》が描かれなかったので、反吐が出るような場面は取り除かれて”生理的不快感”は緩和され、見易くなりました。 徐々に吉本(櫻井翔)と
| 世事熟視〜コソダチP | 2013/05/02 2:03 PM |
「家族ゲーム」 第3話
 さて、吉本(櫻井翔)は、「吉本荒野」の写真を突き付けた慎一(神木隆之介)を病院に連れて行きました。 病室の名札は「吉本荒野」。 そこには写真の男性が眠り続けていました ...
| トリ猫家族 | 2013/05/02 5:29 PM |