<< May 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
amazon
楽天ブックス他
楽天ほか

空飛ぶ広報室 第9話

第9話



芳川士長(南明奈)が出演した空自のPVが新聞に引き続き、
リカ(新垣結衣)が働く帝都テレビのニュース番組でも
取り上げられた。出演者の批判的なコメントに対し、正式に
抗議を表明する空幕広報室。空井(綾野剛)は「絶対に
フォローしてくれる」と信じるが、帝都テレビ側は「ー出演者のー
コメントに対し、謝罪も訂正もしない」という回答を示す。
それを知ったリカは局長などに抗議をするが、そのことが
思わぬ方向に向かい…。




空自のPVは評判も上々で盛り上がる中
気になる新聞記事が。
広報室でも取材にいくリカも
同じものをみていました。

「室長 今日の夕刊です」

「戦争賛美に他ならぬ」

「姑息なイメージ戦略に疑問符」

「就職説明会に持ち込まれた

 航空自衛隊のPRビデオを見てがく然とした」

「若い女性を主人公にその入隊の経緯がまるで」

「父と娘の感動的な話であるかのように」

「紹介されていた」

「しかし やっていることは戦争賛美である」

「今にも世間に軍靴の音が聞こえてきそうだ」

「経済の疲弊は就職難にあえぐ若者を搾取する

 構造を作り上げ」

「どうして!

 どうしてこんな…」

「あのビデオから戦争賛美って かなりムチャだよな」

「よっぽど自衛隊が嫌いなんでしょ」

「つつこうと思えばどっからでもつつけるからな」

「芳川士長に 何て…」

「こんな 楽しくもない記事知らせても仕方ないだろ」

「目に触れないことを祈るだけですね」

取材おわりのリカ。

「本日は撮影のご協力ありがとうございました

 失礼します」

車に載ってもさっきの新聞が目につく。

さらに帝都テレビのニュース番組が・・。

「本日は経済評論家の津川隆志さんと

 ホームレスの就職支援を行っている法人主宰の

 小日向耕三さんにおいでいただいております

 津川隆志さんは「楽して年収が20倍増える」が

 40万部を突破する大ベストセラー

 日本を代表する経済評論家です

 小日向耕三さんはホームレスの就職支援団体

 はたらく市民の会を設立し

 日本経済の疲弊は就職難にあえぐ若者を

 搾取する構造を作り上げているという…」

ゲストが新聞記事を書いていた人だと
気づく空井。

「あッ すいません」

「空井二尉?」

「派遣切りについてご意見を伺ってまいりましょう」

「結局のところ派遣切りというのは

 大企業のそういう横暴を社会が 国が

 暗黙のうちに認めているからこそ起きるんです

 私は雇用のマッチングが最優先だと思います」

「雇用創出という観点からいうと

 マッチングだけで何とかなるなら苦労しませんよ」

「はたらく市民の会での求人は昨年度と比べていかがですか?」

「若干増えてはいますが

 まともな求人ならいいんですが

 先日は自衛隊が来まして

 そのPRビデオが父と娘の美談

 さもいい話かのように作ってるわけです ドキュメンタリー風に

 ああいう手法ってのは便利なもんで

 創作でも本当のことかのように見える」

「創作じゃねえよ」と広報室で反論。

「自衛隊が求人を出すのは違法じゃありませんから」

「そうだ!」

「私はね 資格が取れる 安定してるという美辞麗句や

 感動をあおる姑息なイメージ戦略で

 職がない人を徴用するようなマネが問題だと言ってるんです

 これは就職難にあえぐ…」

ディレクターもよくないと感じたようで・・。

「こりゃダメだな

 CMいくか」

「CMいくよ すぐ」

「阻止しなければならないんです」

CMへ。

「何だよ それ」

 個人の主義主張としては何を言っても自由だけど

 ちょっと 一方的すぎたね」

「司会のフォローがほしかったな」

「印象悪いまま終わっちゃいましたね」

「まだ番組は終わってません

 帝都テレビですよ

 稲葉さんのいる帝都テレビですよ 大丈夫ですよ

 必ず フォローしてくれます」

とリカを信じる空井。

「フォローがあったとしても

 NEWSピープルに抗議の申し入れ

 要点は2ヵ所

 1つ目は うちのPVが

 捏造であるかのような印象を視聴者に与えたこと

 もう一つは 我々の隊員募集活動が

 経済的弱者の搾取であるという

 極めて一方的な意見で語られたこと

 でき次第 持ってきて」

「はい」

そしてはやくも抗議の電話が。

「はい 空幕広報室です

  あッ 今のテレビの件ですか

 いえ まったくそんな…もちろんです

 実在する隊員で 亡くなった父親の話も事実です」

「早くもきたか」

「いえいえ もうそれは…」

「明日の気になる天気を聞きましょう

 お天気の高倉さん」

「明日の詳しい天気を…」

「放送が終わり次第NEWSピープルあてに」

「はい はい その点も」

「分かりました」

「そういった事実はございません」

「はい 空幕広報室です」

「明日のNEWSピープルでは高齢者の孤立死問題を特集します

 それでは また明日お会いいたしましょう」

放送は終了。

「そういうことは一切ございません」

電話におわれる比嘉さんたち。

がっくり肩を落とす空井をはげます室長。

取材おわりのリカ。
留守電に空井からのメッセージ。

「空井です。

 あッ ついさっき

 帝都テレビさんのNEWSピープルに

 空幕広報室から抗議の申し入れをしました

 すいません一応 お伝えしておきます」

局に戻ったリカ。

「阿久津さんは?」

「上の人みんな編成局に呼ばれてます」

問題の映像をみるリカ。
阿久津さんが戻りました。

「ちょっとみんないいか

 今日のNEWSピープルでゲストの発言に対して

 防衛省の空幕広報室から抗議の申し入れがあった

 先方の要求は 番組内での謝罪と

 同様の謝罪文を公式サイトに掲示すること

 ならびに今後の再発防止

 これを受けて編成と報道で会議を行った結果

  帝都テレビとしては謝罪も訂正も行わない」

「「公式サイトでの謝罪文掲示はいたしません」

  「再発防止については以後 留意させていただきます」

 だ そうです」

広報室の反応。

「それだけですか?

 謝罪や訂正もなし?」

「まッ 予想どおりだね」

「抗議した意味ないじゃないですか」

「抗議を表明することに意義があるの」

リカは納得できない。

「そんな…

 納得できません あんなの一方的すぎます

 PVがやらせかのような発言は明らかな事実誤認です」

「かのような発言だ 断定じゃない」

「そういう印象を与えます」

「番組としてじゃないゲストの発言だ」

「でも 番組内での発言です」

「そのような印象を与えたレベルの一ゲストの発言に

 正式な謝罪なんて出せるわけないだろ!」

「ならせめて

 やらせじゃないことぐらい番組でフォローすべきです

 それすらしないで…」

「これが 社の決定だ」

広報室。

「これがもし 警察や消防他の職業だったら

 あんな言われ方しませんよね

 ビデオだってホントのことなのに自衛隊ってだけで…」

「やめなさい

 他の仕事と比べることに意味はない」

広報室の電話はひっきりなし。

「減るどころか増えてきたな」

「いいね いいね 素晴らしい

 これだけの人が直接電話をしてくださってる

 ありがたく対応させてもらおうじゃないの

 みんな 誠実に」

「はい」
「ヨッシャ〜 はい 空幕広報室です」

「はい 空幕広報室です」

「はい 空幕広報室です」

栄養ドリンクを飲んでPCに向かうリカ。

藤枝といるリカは大きなあくび。

「油で揚げてあるので高キャロリーがネックでした」

「カロリー…」

「空自が心配で眠れなかったとか」

「そういう性格に見える?」

「うん 意外と」

「心配してる暇があったらもっと有意義に時間を使います」

「今回の件ネットでかなり拡散してるわ

 泣けるPV やらせだった 

 感動して損した とか何とか 空井君と連絡は?」

「とれるわけないでしょ 何の成果もなしに」

「成果?まさか お前また何かする気じゃ…」

「はい さっさととっちゃおう」

「コラコラコラ…扱い雑!」

「3回以上かんだら今日のランチ 藤枝のおごりね」

「いいか 報道キャスター目指して特訓中の俺は

 2回しか かまない自信がある」

「2回も かむつもりか!」

芳川さんに謝罪に来た空井と片山。

「帝都テレビから これ以上のリアクションを引き出すのは

 難しい状況です」

「うちにも問い合わせがチラホラと」

「空幕広報室の公式サイトにこのような説明文を掲載しました

 問い合わせのメールや電話にはこの形でお願いいたします」

「このたびは誠に申し訳ありませんでした」

「そんなそんな…お2人のせいじゃないんですし」

「PVに所属部隊名を入れたり

 もっと事実であることを
 
 強調する作り方もあったのかもしれません

 不本意ながらこういう形で騒ぎになった以上

 掲出を取りやめるという判断も可能です」

「でも今年のPVはどうするんですか」

「昨年のもので代用します」

「あッ… そういう話もあって初めから

  だから 芳川さんが気にすることなくて ホントに」

「いえ いいです

 そのまま使ってください あのPV」

「えッ…えッ?」

「ここで引き揚げちゃったら

  まるでホントにやらせだったみたい

 大丈夫です 私は使ってください」


芳川さんと飲みにきた空井。

「はい ド〜ン

 片山一尉が これで

 芳川士長と うまいもん食ってこいウィ〜 だって」

「いい先輩ですね」

「まあ ときどきめんどくさいんだけどね」

リカの職場。

「明日の完パケよろしく」

「次のロケスケジュールですけど…」

「後ででいいかな 約束あって」

「約束 空井さん?」

「ううん すぐ戻る」

空井と芳川さん。

「なんだか不思議です。

 こうやって空井さんとお酒飲んでるの

 浜松のころはファミレスだったじゃないですか

 ひたすらお茶とかジュースとか飲んで」

「う〜ん そうだった 懐かしいな」

「ね〜 私 あれからずっと周りの人に恵まれてきて

 仕事で大変なことはあったけど

 でも 好きでやってることだし」

「うん」

「私は自分の仕事に誇りを持っています

 職場の人達を尊敬してます

 でも 世の中には

 私達のことを認めてくれない人達も

  いるんですよね

 これが他の仕事だったら

 こんなふうに言われなかった

 あれは あのPVは

 私の お父さんの話です

 お父さんの話です」

悲しそうな芳川さん。

報道局長にあいにきたリカ。

「稲葉です」

「どうぞ」

「失礼します

お忙しいところをお時間いただきありがとうございます」

「いやいや 久しぶりですね

 情報局でご活躍と聞いてますよ」

「報道にいたときはご迷惑をおかけしました」

「いやいや さあさあ どうぞ」

「今日は これを

 私がディレクションした番組です

 今回話にあがった空自のPVと

 同じ女性を取り上げています

 見ていただければ創作ではないとはっきり分かります

 今回の件は 帝都テレビの

 マスコミとしての責任が問われる問題ではないでしょうか

 彼女は亡くなった父親のことを大切に思っている

 ごく普通の女性です

 それが放送のせいで 捏造だと非難される事態に陥っています

  ゲストの発言は徴用だとか 搾取だとか

 偏見に満ちていました

 そういう極端な意見を出す場合

 反対の意見も取り上げなければフェアではありません

 帝都テレビは あの発言に直接関わりはないかもしれませんが

 結果 一方的な意見を放送に乗せたという

 責任はあると思います

 NEWSピープルの中で謝罪なり フォローするなり

  そういった対応があってしかるべきだと思います」

「あなたの意見は分かりました

 よ〜く読ませてもらいますよ」

「よろしくお願いします」

DVDとともに抗議文を提出。

空井からの電話にまだ出られないリカ。

「ごめん。もうちょっと待って。」

「もしもし 空井です また電話します」

広報室の飲み会。

「あ〜 今ごろ空井は秋恵とチョメチョメしてんのかね」

「チョメチョメは古いよ 俺でも言わないよ」

「チョメ山も行けばよかったのに」

「誰がチョメ山だよ」

「狙ってたんじゃなかったんですか」

「狙ってたよ アキエブライアン

 単勝一点買いする勢いだったよ

 でも こんなときは気心知れた2人がいいでしょ」

「珍しくいいこと言うな」

「ホントだ」

「俺だったら慰めついでにお邪魔しますって…」

「わッ いつもどおりだ いや〜 安心した」

「そんなことになったら私 稲葉に顔向けできない」

「チョメ山一尉はともかく」

「誰がチョメ山だよ」

「空井二尉はそうはならないでしょう」

「マジメだからね あいつは」

「今ごろ 罪悪感でいっぱいだろうな」

電車のホームにいる空井。

「目立つということはえてして反発も引き起こす

かといって 平凡なものを作っても効果は薄い

 広報 永遠の課題です」

「いいよ 広報班は好きにやんなよ

 うちら報道班がカバーすりゃいいんでしょ」

「空井にも そう言ってやろう」

「だな 俺達の道に困難はつきもの」

「しばらくすればほとぼりも冷めます」

「よ〜し 当分電話対応 メール対応全力でいくぞ」

「ウィ〜」

「ヨッシャ」

翌日。

「うわッ!」

「お〜 おはようございます」

「おはようございます 早いですね」

「はいおはよう」

「おッ 何だそれ」

「片山さんの企画パクらせてもらいました

 以前の企画書 今使えるように

 内容を置き換えてみたんです」

「へ〜空井二尉 それどこへ?」

「片っ端から回ってやろうと思って」

「営業行脚ってわけ?」

「はい 悪いイメージが立ったなら

  いいイメージを持っていただく機会を

 増やすしかありませんよね

 こういうときこそ勇猛果敢 支離滅裂

 電話とメールの対応皆さんに任せちゃいますけど

 よろしいですか?」

「全然 余裕余裕 ねッ」

「寝癖さえ直れば 余裕です」

「電話なら俺の美声でイチコロよ」

「よろしくお願いしますでは 行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「はい」

「おッ」

「 すいません 行ってきます」

「何だ何だ 朝もはよから」

「攻めの営業だってさ」

「この渦中に?

空井のくせに頼もしいじゃねえか」

「心配することなかったですね」

「でも 今行ってもね〜」

「それもまた 世間の風

 ふんばれ 空井」

リカも取材中。

「稲葉さん 次の空自の取材っていつですか」

「まだ決まってない」

「やりづらいっすよね

 次 どんな顔して会えばいいんすかね」

「大丈夫 何とかなる」

「何とかって?」

「なるんだって」

テレビ局まわりをする空井。

「プロデューサーの泉です」

「空幕広報室の空井と申します」

「どうぞ座って」

「失礼します

 以前 あけぼのテレビさんで

 陸自のレンジャー部隊を取り上げていただいたと伺いまして」

「あの特番 評判よかったんですよ

 航空さんも あまり知られてない分

 面白いかもしれないですね」

「そうなんですイメージとしては陸 海が強いんです

 空は三男坊といいますか…」

「ふ〜ん 航空さん三男坊なんだ」

抗議の件で阿久津によばれるリカ。

「ただいま戻りました」

「稲葉 ちょっと来い

 何だ これは」

「報道局長は何て…」

「会議の決定が一社員のこんなもんで

 覆るはずないだろ」

「なら 編成局長に出します」

「稲葉 お前を空自の担当から外す

 密着取材も中止だ」

「何かの圧力ですか?」

「違う 俺の判断だ

 局長は これをきちんと読んで

 報道局内で俎上に載せてくれた

 お前の この一方的な意見書をな」

「一方的って…」

「お前の視点は 空自に立ちすぎだ

 一方的な批判を展開したゲストの意見も

 一方的にかばう お前の意見も

 極端なことに変わりはない」

「違います 私は…」

「この話は これで終わりだ

 空幕広報室には一度きちんと挨拶してこい

 それからお前の作った「あしたキラリ」

 お蔵入りになるかもしれん」

「納得できませんできなくてもやれ!」

あけぼのテレビの空井。

「これも やったことない企画で面白いと思うんです

あと 画にもなります」

「どれも面白そうではあるんですけどね…」

「はい」

「時期が悪い」

「時期といいますと?」

「今 ネットでも話題になってますよね 捏造の件」

「あれは違うんです 捏造なんかじゃなくて…」

「それはいいんです 問題は…

 今 逆風が吹いてるってことなんですよね

 バラエティーに政治を持ち込むのはちょっとね

 申し訳ない

 ほとぼりが冷めたらまた来てもらえますか

 そのときは何か協力できるかもしれません」

「はい」

「じゃあ 頑張って」

「はい」

「ありがとうございました」

自分のうわさ話をきくリカ。

「ホント ガツガツだよな」

「まっすぐなんですよ」とともみがかばってくれてる。

「そういう問題か?」

「前にも騒ぎ起こしてましたね」

「だから異動させられたんだ

 俺らすっとばして報道局長に直談判なんて

 非常識もいいとこだよ」

「それはそうなんですけど…」

「終わった話 ほじくり返して

 自衛隊の連中なんかの肩持って

 あの女 マスコミの自覚あんのかね」

「それは言い過ぎなんじゃ…」

思わず抗議するリカ。

「自衛隊の連中なんかってどういう意味ですか」

「うん?」

「マスコミの自覚とおっしゃいましたよね それなら

 どうして組織のくくりでしか見ようとしないんです」

「リカ…」

「あそこで働いてるのは

 普通の人達です

 ただ一生懸命自分の仕事をしてるだけです

 誇りを持って働いてるだけです

 いい企画をってことばっかり考えてる人達もいます

 自分達が盾になるんだって頑張ってる人達もいます

 つらい過去があっても 笑って

 それが仕事なんだって言う人もいます

 みんなただ そこで働いてるだけの人達なんです」

「だから?

 だから何

 いい人達だから認めろっていうの?

 いい人達だから謝罪しろっていうの?

 俺は別に 自衛隊に対して何とも思っちゃいないよ

 お前 何なの

 自分の意見どおりに世の中が動かないと

 我慢ならないわけ?

 肯定する人もいる否定する人もいる

 それじゃいけないわけ?

 お前は一体どの立場でものを言ってんの」

「私は…

 自分が取材した女子隊員の話がやらせだって…」

「ホントにそれだけか」

「どういう意味ですか?」

そこへ藤枝が。

「おい 稲葉 ちょっと来い」

「何?」

「こいつ借ります」

「まだ話が…」

「いいから来い」

藤枝がリカをひっぱっていきました。

「なんで止めんの」

「噂になってんだよ」

「噂?」

「お前が 空幕広報室の男に入れあげてるって

 だから自衛隊をかばうんだって」

「それとこれとは…関係ない」

「でも 空井君を好きなのは事実だろ

 お前 今度異動になったら

 もう二度と番組制作に戻れないぞ」

「それでもいい」

「おい!」

「あのPVは嘘なんかじゃないし

 あの発言はいきすぎてた

 ホントのことを伝えられないなら

 この仕事をしてる意味がない」

ともみもいました。

「いい加減にしなさいよ

 実際に今朝 外されるとこだったんだから」

「マジで?」

「この状況で リカの上の

 情報局長が黙ってるはずないでしょ

 それを阿久津さんが抑えた 

 阿久津さんにまで泥かぶせるつもり?

 リカに非がないって言えるの?

 噂が立った落ち度はリカにもある

 実際 そういう関係になってるならなおさら

 リカが何言ったって聞いてなんてもらえない」

そこへ珠輝がやってきました。

「いた!あの…ちょっとまずい感じなんですけど」

「何?」

「空井さん 来てます」

空井のところにやってきたリカ。

「あッ 稲葉さん 会えてよかった」

「出ましょう」

「えッ?」

外へでてベンチにこしかけるふたり。

「稲葉さん?」

「今日は どうして」

「あの 今日は朝から営業回りしてたんです

 あけぼのテレビさん 雑誌社 音楽事務所 あと他にも

 それで 近くまで来たので

 あと・・ 何度か留守電入れたんですけど

 連絡なかったのでどうしたのかなって

 やっぱり NEWSピープルの件気にしてますか?

 うちも稲葉さんのいる帝都テレビに

 抗議なんてしたくなかったんですけど」

「仕方ないです

  そちらの立場なら 当然です」

「稲葉さんは あれどう思いました?

 その話 ずっとしたかったんです 稲葉さんと」

「あれは… 」

「あの発言て ちょっとひどかったですよね」

「一ゲストの 一発言です
 
  どんな意見であろうと

 ゲストの発言を封じれば言論統制になります」

「それは帝都テレビの見解ですよね

 稲葉さんは?稲葉さんはどう思ったんですか?

 うちを ずっと取材してくれてる稲葉さんなら…」

「私は担当を外れました

 密着取材も 白紙です

 申し訳ありません

 だから もう関係ないんです

 本来なら ご挨拶に伺うところだったんですが

 今まで ありがとうございました

 鷺坂さんや皆さんにもよろしくお伝えください

 新しい担当については

 うちの阿久津が 追って連絡します

 失礼します」

「待って!

 何でも先に行かないでください 説明してください

 聞きますから」

「間違えたんです」

「間違い?」

「間違えました

 間違いでした

 間違いだったんです」

空井と別れていってしまうリカ。

広報室に戻った空井。

「ただいま 戻りました。」

「おう お帰り」

「お帰りなさい」

「はい」

「どうでした 営業」

「うん… なかなか難しいですね また行ってみます」

「こっちはだいぶ落ち着いてきたぞ」

「ネットではまだまだ書かれてますけどね」

「室長」

「お疲れ」

「帰りに帝都テレビに寄って稲葉さんと話してきました

 稲葉さん 空自の担当じゃなくなるそうです」

「はッ?どういうこと?」

「密着取材も中止だそうです

 鷺坂室長と皆さんに

 よろしくお伝えくださいと言われました

 以上です

 あッ…

 メールの対応 まだ残ってますよね

 手伝います」

平静を装う空井。

阿久津さんに電話。

「はい 阿久津

 はい?誰からですか もう一度

 ゴン… ドーフ?」

着信がある携帯を手にするリカ。
柚木さんから。

「ダメだ 稲葉出ない」

比嘉さんと片山さんと槇さんもいっしょ。

「こうなったら乗り込むか 帝都いざ 帝都に!」

「行きません

 室長に何もするなと言われたじゃないですか」

「室長ってどこ行ったの?」

「分からん 消えた」

「比嘉 お前何か…

 お前 何か知ってるな」

「知りません 知りません」

「吐け すぐ吐け!」

「暴れんな!」

「暴れない ほら」

「室長って55歳だよな」

「次の誕生日で56歳」

「一番最初にいなくなるのって室長なんだよな」

自衛隊の定年は早い。

阿久津さんに会いにきた鷺坂室長。

「お待たせしました」

「おかまいなく」

「ゴンドーフ どこの豆腐かと思いました

 ポール・ニューマンですね」

「はい 「スティング」

 伝説の詐欺師

 あの映画 大好きでして」

「ふざけた方だとは聞いてましたが

 ここまでふざけているとは」

「帝都テレビさんで

 今自衛隊を名乗ってアポをとるのは

 ヤボかと思いまして

 改めて 空幕広報室室長鷺坂と申します」

「帝都イブニングチーフの阿久津です

 お座りください」

「失礼します」

「わざわざご足労いただいて申し訳ありませんが

 NEWSピープルの件に関しましては情報局としては

 何も申し上げることはございません」

「分かっております

 稲葉さん

 大丈夫ですか?」

「はい?」

「あの人のことだ

 何か…

 まずい立場になってるんじゃありませんか?」

「そのことでいらしたんですか?」

「稲ぴょんには大変お世話になりましたから」

「イナピョン?」

「稲ぴょん」

「稲ぴょん」

「でも そんなふうに私どもが

 近づきすぎたせいで

 稲葉さんが困った立場になったのだとしたら」

「いや・・それは 稲葉自身の問題です

 むしろ 上司として

 お礼申し上げます

 稲葉はいいものを作るようになりました」


「だとしたら それは

 空井の力です」


嬉しそうな室長。

空井にあいにきた坂手さん。

「あッ」

「おうッ」

「坂手さん どうしたんですかこんなとこまで」

「うん? うん…」

DVDを渡す坂手さん。

「えッ?」

「うん 自慢の飛行機いつかまた撮らせてくれ なッ」

「あッ はあ…」

「うん じゃ」

「あッ はい」

リカのところにきた阿久津さん。

「稲葉 例のお前が作った「あしたキラリ」

 予定どおり放送されることになった

 どれだけの人が見てくれるかは分からんが

 少しは火消しに役立つだろ

 俺達にできることは番組を作って 流すことだけだ

 お前も もう今日は帰れ」

坂手さんがわたしてくれたDVDには
抗議しているリカの姿が・・。

「…組織のくくりでしか見ようとしないんですか

 あそこで働いてるのは普通の人達です

 ただ一生懸命自分の仕事をしてるだけです

 誇りを持って働いてるだけです

 いい企画をってことばかり考えてる人達もいます

 自分達が盾になるんだって頑張ってる人達もいます

 つらい過去があっても 笑って

 それが仕事なんだって言う人もいます

 みんなただ

 そこで働いてるだけの人達なんです」


坂手さん、ナイス・・!

ペンをひっくりかえしてしまうリカ。
空井にもらった空自のペンをみて
空井のことを思い出しました。

「互いを近くで感じて五感をフルに使って

 存在を意識しながら同じ場所を目指して飛ぶ

 それが エレメント

 僕と 稲葉さん」

「パイロットが人を殺すために

 戦闘機乗ってるって言うんですか」

「二度と 空は飛べないんだ 俺は」

「飛行機ってバックできないんです」

「色んな人がいて

 色んな気持ちがあって

 キレイな朝焼けを

  一緒に見たいと思える人がいたりして」

「僕にとってT−4は夢 そのものでした」

「稲ぴょん!」

「2秒ください」


泣き出すリカ。

外に走り出る空井。

ペンを握りしめて泣くリカ。






先週の予告から不安だったけど
いらいらが解消されないまま次週へ。
なんなの?あのコメンテーター!!
使う側もダメだわっていうようなお騒がせな人を
呼ぶんじゃない!!

帝都テレビにはリカがいるから
なんとかしてくれる!ときらきらした目で
信じる空井もよかったし
期待を裏切らずしっかり抗議するリカも
よかったですが、そう簡単にいくものではなかったか。
組織というものの中では難しいことがいろいろ。

何もきかされないまま一方的に
きられてしまった空井がかわいそうで
でも坂手さんよくやってくれました!!!!

ドキュメンタリーが流れることで
少しでも事態が好転しますように。

リカと空井、どっちもいい上司に恵まれてる。





稲葉リカ…新垣結衣
空井大祐…綾野剛
柚木典子…水野美紀
片山和宣…要潤
槙博巳…高橋努
比嘉哲広…ムロツヨシ
藤枝敏生…桐山漣
坂手はじめ…渋川清彦
香塚ともみ…三倉茉奈
大津裕一…前野朋哉
阿久津守…生瀬勝久
鷺坂正司…柴田恭兵






2013.06.10 Monday 08:17 | comments(0) | trackbacks(2) | 
<< 進撃の巨人 第10話「応える」 | main | ジャンプ28号感想 >>









空飛ぶ広報室 第9話★F15ボールペンを持って号泣の稲葉(新垣結衣)
空飛ぶ広報室 第9話 つのる想い・あふれる涙 秋恵 (南明奈) を起用したハンドメイドのプロモーションビデオが好評で空幕広報室メンバーが大喜びしている最中、とある囲み記事が彼らに冷や水を浴びせます。 『戦争賛美に他ならぬ 姑息なイメージ戦略に疑問符』 就
| 世事熟視〜コソダチP | 2013/06/10 2:31 PM |
空飛ぶ広報室 第9話:つのる想い・あふれる涙
二重焼きじゃけん!☆⌒(*^∇゚)vブイッ! カメラマンの坂手さんが広島出身だったとはっ! そして最後のグッジョブっぷり! いつのまに稲ぴょんが空自をかばって抗議してる姿を盗み撮り? そしてそれを空井くんに届けてくれるだなんて、いい人だぁ〜〜〜! 思わず駆
| あるがまま・・・ | 2013/06/11 2:12 PM |