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家族ゲーム 第10話(最終話)



 「呼ばれてないのにジャジャジャジャーン!」と帰ってきた
吉本(櫻井翔)。 その時、沼田家ではちょうど母・佳代子
(鈴木保奈美)が夫・一茂(板尾創路)ら家族に向かって
離婚の意思を伝えていたところだった。吉本はそんなことは
お構いなしに『あるモノ』を回収し忘れたと言って勝手に
家の中を探し回り、またも家族を驚かせてみせる。離婚届の
件もウヤムヤにして、まさに嵐のように過ぎ去ろうとした
吉本だったが、帰り際、佳代子に「本当は家族全員で
話し合いたかったんですよね…」と離婚を切り出した真意を
指摘してみせる。そして長男・慎一(神木隆之介)にも
ギャンブルに負けた約束が残っているからと意外な命令を
残していく。
 吉本の言葉が気になる慎一は水上沙良(忽那汐里)と
もう1度会い、8年前のストーリーの続きを聞くことを決意する。
「なぜ田子雄大が吉本荒野として生きているのか?」
「どうして学校の教師を辞め、家庭教師という道を選んだのか?」
「沼田家がターゲットになった理由は何なのか?」
 沙良から語られる吉本の壮絶な想いに触れ、最後には
慎一も涙を禁じ得なかった。一方、その頃、次男・茂之
(浦上晟周)もまた一計を案じていた。
 果たして吉本の真のストーリーとは?そして、1度
崩壊してしまった沼田家の再生はあり得るのだろうか?




サウナにいる吉本。
大勢いた!!

「いいねえ。」


離婚届をみせる佳代子。

「離婚したいの。」

「ちょっと待てよ。このタイミングで…。」

「私にはこのタイミングしかなかったの。

閉じられた世界にいた私にとって

 外で仕事している あなたがうらやましかった。

 私も 外の景色に 触れたら 

 何か 変われるんじゃないかって

 ずっと そんなふうに思ってた。

 だから 飛び出してみたの。
 行けば何かが 見つかると思って。

 でも 何もなかった。

 歩いても歩いても何にも 見つからなかった。

 それで やっと分かったの。

 私自身が変わらなきゃどこにいても 同じなんだって。」

「それで 離婚を?」

「私なりに考えて 下した決断です。」

「よし。」

「じゃあ 離婚したら俺たちは どうなるの?」

「私たちの所が 嫌ならおじいちゃんに頼んでもいい。

 あなたたち2人だったら面倒 見てくれると思うから。」

離婚届を破って食べる茂之。

すると佳代子がかばんからもう一枚出しました。

もう一枚も食べるとさらにもう一枚。

歩いている吉本。

「別にいいんじゃない?父さんが納得できんなら。

 いまさら 家族ぶって止めんのも 違うと思うし。」

「俺は 反対だよ。

 そんなの 駄目だよ。」

またやぶろうとするのをとめる一茂。

「もう 修復は不可能なのか?」

「今のままでは」

「そうか。

書く物 あるか?」


「駄目だって。

 だっ 駄目だ…駄目だって やめろって。」

サインをしようとするのをとめる茂之。

そこへ吉本が。

「は〜い!

 呼ばれてないのにジャジャジャジャ〜ン!

 いいねえ。」

「派手に やらかしましたねえ。」

「「二度と 顔を見せるな」と言っただろ!」

「僕だって 皆さんの顔なんて

 見たくなかったんですけどどうしても
 回収しないといけなくて。」

「回収?」

「これとか。

 これとか。」

「盗聴器と小型カメラ。」

「レンタルなんですよ〜。」

電気の傘のうえにも。

「そんなとこにも あったのか?」

「はい。全部で 10個くらい。

 あっ お構いなく。すぐに 終わりますんで。」

「君ねえ警察に通報したっていいんだよ?」

「そういうことは 100万 返してから言ってもらえます?

 大目に 見てくださいよ〜。

 どうせ…。おお… よっ!

 この家も 売るんだし。」

「何で それを…。だから これですって!」

「そうか。」

「よいしょ。1階は これで 全部かな?

 あと2階か うわ…。」

「ちょっと2階にもあるの?」

「あっ 安心してください。

 茂之君と慎一君の部屋だけなんで。」

茂之の部屋からも回収。
茂之がはいってきました。

「いじめは楽しいか?

 散々 いじめられてきた相手だもんなあ。

 同じ目に遭わせて 清々するだろ?

 よいしょ。」

「そんなわけ ないじゃないですか。

 でも もし やらなかったら

 また 1人になるかもしれないし。

 怖いんですよ。もう 戻りたくないから。」

「お前の友達はその程度のやつらなのか?

 その程度のやつらでも友達でいてほしいのか?

 お前いったい 何を見てきたんだよ。」

慎一の部屋。

「よいしょ。」

「プライバシーも何もあったもんじゃありませんね。」

「俺を刺すなら 今だぞ〜。」

「俺の殺意が そのカメラに映ってたんですか?」

「フフ… びんびん 伝わってきたよ。

 ハハハ。」

「水上 沙良。

 彼女から聞きましたよ。8年前の真相。

 想像を絶するものでした。」

「ハハハハ!

 同情してくれるの〜?

 俺より 自分のこと心配したらどうだ? 優等生〜。

 高校 辞めて親が 離婚のホームレス。

 お前の人生 昼ドラかよ。」

またリビングへ。

「100万円の振り込み先です。

 この家 売れたら お願いしますね。

本気で 別れる気あるんですか?

 これを きっかけにみんなで 話し合って

 家族の絆を再確認しようとした… とか?

 でも 残念〜。この家に 絆なんてないんですよ。」

「用が済んだらな さっさと帰れ!」

「は〜い!

 あっ 振り込み手数料はそちらで お願いしますね。」

吉本はでていきました。

「あいかわらずむかつく男だ。」

吉本を上からみていた慎一。

「そうだ。辞めたから

 俺の言うこと1つ 聞いてくれんだよね?」

「飛び降りて死ねばいいですか?」

「そんな簡単なことじゃないよ。

  家族を再生させろ。」

学校で沙良を待つ慎一。

「来てくれたんですね。」

「言ったでしょ。逃げも隠れもしないって。
 
 で 今日は 何?」

「この前の続きを 聞きたいんです。」

「全部 話したつもりだけど。」

「教えてほしいんです。

 なぜ 田子 雄大が吉本 荒野になったのか。

 普通なら自分を 不幸に追いやった人間に

 成り済ましたりなんかしないでしょ?」

「それが…。

 家庭教師になった理由よ。

 今回の依頼を 受けるときに教えてくれたの。」

回想。

「なんで 家庭教師になんか?」

「俺の教育は学校の教師じゃできないからだ。

 俺は 今…「吉本 荒野」を名乗ってる。

 悪意の体現者として世の中の あらゆる悪を

 生徒に ぶつけるためだ。」

「どうして そんなこと?」

「真田が 自ら 命を絶った後俺は 自分を責めた。

 どうして 吉本のいじめから目を背けてしまったんだろう。

 どうして…

 真田を 救ってあげられなかったんだろう。

 でも一方で こうも思ったんだ。

 もし俺が いじめを防いでいたら

 真田はどうなっていたんだろうって。

 そのときは助けてやれたかもしれない。

 でも 中学を卒業したら

 俺はあいつのそばに いてやれない。

 もしも 高校で 大学で 社会で

 同じような目に 遭っても 

 俺は あいつを守ってやることができないんだ。

 そのことで教師に 限界を感じて

 俺は 学校を辞めた。

 それから2年ほど 世界を回った。

 心のどこかで

  死んでもいいと思っていたのかもしれない。

 わざわざ危険な国や地域を 訪れて…。

 実際 何度も死にかけた。

 でも そこで

 「自分が 強くなるしかない」ってことを 知った。

 それで 思ったんだ。

 世の中の悪意を全て 断ち切ることはできない。

 でも 悪意に立ち向かっていける人間を

 育てることはできるんじゃないかって。

 最期に 真田が言ったんだ。

 「強くなりたかった」って。

 二度と あの悲劇を繰り返してはいけない。

 真田のように純粋で 優しい人間でも

 たくましく生きていけるように…

 俺は…

 吉本 荒野になる。」

回想おわり。

「実際先生は そのときまでに

 3人の生徒を 更生させていた。

 自分が 悪意の体現者となって向き合った結果よ。

 どうして 今回だけ私が手伝ったか 分かる?

 先生は沼田家を調査していくうちに

 茂之君という第2の 真田 宗多になり得る生徒の他に

 もう1人…。第2の 吉本 荒野がいることに 気付いたの。

 君のことよ。吉本 荒野は挫折を知らずに 育って

 人の痛みが 分からない怪物になった。

 だから 先生はあなたに

 いろんな経験を積ませようとしたんだと思う。」

「だから 俺に あなたを近づけた。」

「こんなやり方が正しいとは思わない。

 でも 罪の意識もなく平気で 他人を傷つける人間が

 多い 世の中でそれは 必要悪とも思えた。

 ここが 宗多の机。」

机の中からノートを出しました。

「これは先生がつづったあなたたちの記録。

 先生は この廃校に来て 

 吉本 荒野になるために自分を 追い込んでいったの。」


「教師が務まんのか!

 また 新たな…

 また 新たな犠牲者を生むだけじゃないのか!

 俺は 社会の悪だ

 悪意の体現者だ

 怒りを ぶちまけろ

 もっと!もっと! もっと!」


「「人を殺したことがある」

 先生あなたに そう言ったんでしょ?

 それを聞いたとき

 あの人の覚悟が やっと分かった。

 先生が「殺した」って言った 相手は…。」

涙を流す慎一。

吉本の病室にきた吉本(田子)。

「沼田慎一の教育は終了しました。

 彼が 吉本 荒野になることはないでしょう。」

「息子を 悪の代名詞のように言うの やめてください。」

「そうですね。

 彼だけが 悪いわけじゃない。

 あなたも 同罪です。

 8年前…。

 彼が 搬送されたときのことを思い出しますよ。

 あなたは 警察に犯人を捕まえるように

 わめき散らしていたくせに
 真相を知った途端 今度は いじめの事実を

 隠蔽してほしいと俺に 泣き付いた。」

「それの何が いけないんですか?

 どんな手を使ってでも

 自分の子供を守るのが親でしょ?」

「本当は 自分を守るためだったんじゃないんですか?

 犯罪者の親だと 周りから

 非難されたくなかったから

 隠したかったんじゃないんですか?

人間には ルーツがある。

 親から そのまた親から受け継がれた教育によって

  今の自分がある。

 つまり 多くの怪物は突発的には生まれない。

 「吉本 荒野」というモンスターをつくり出したのは

 他ならぬ あなたなんですよ。」

「そんなことあるわけないじゃないですか。」

「彼も また被害者なのかもしれません。」

吉本がでていったあと
「荒野」と息子によびかける母親。

離婚届をみている佳代子。

カフェでジュースを飲んでいる一茂。

そこへ勝野が。

「お久しぶりです。

 まだ 決まらないんですか?」

「ああ。」

「うちの取引先だったオット社が

 営業の経験者を募集してるそうです。

 はい上がってみてくださいよ。」

勝野は名刺をくれました。

夜、帰宅した一茂。
家族がそろっていました。

「どうしたんだ?」

「みせたいものがあるんだ。すわって。」

一茂もすわりました。

「なんだ それ?」

「家庭教師記録。

  田子 雄大がここに来て 去るまでの

 一部始終を全て記録したものだよ。」

「何が書いてあるの?」

「家庭教師記録

 生徒名 沼田 茂之。

 初日の家族面談を 迎えた。

 事前に調査したとおり沼田 茂之は
 第2の 真田 宗多になる可能性がある」

「真田 宗多って… あっ。」

「自殺した 田子の生徒だよ。」

「家庭教師記録

 生徒名 沼田 茂之

 担当して 3日が経過した。

 茂之の他にも  家族の問題が浮き彫りになってきた。

 家庭を顧みない 父親
 
 家族に遠慮して踏み込めない 母親

 そして 他人を傷つけることに
 罪の意識を感じていない 長男

 本当の問題児はこの長男 慎一だ。

 彼は 第2の 吉本 荒野になる可能性がある。

 慎一を 更生させるには家族の意識改革が 急務であり

 そのためには 最悪の場合
 家族を崩壊させるところまで追い込まなければ

 ならないかもしれない。

「家庭教師記録 生徒名 沼田 茂之。

吉本の声にチェンジ。

「担当して10日が経過した。

 茂之には極限の痛みを与えることで

 死を意識させて 生きている実感を 味わわせる。

 また その姿を慎一に 直視させることで

 慎一自身が いじめている側の人間だと 認識させる。

「家庭教師記録 担当して 23日が経過した。

 茂之に 誕生会を開かせる。

 そこで 自分には 友達がいない

 親から 見放されているという現実を 思い知らせる。」

「家庭教師記録

 本当の友人を手に入れた 茂之は

 学校生活も安定して受験に 集中できることだろう。

 しばらく 経過を見守りつつ

 ここで もう1人新しい生徒を 受け持つ。

 生徒の名は 沼田 慎一。

 全ては 計画どおりだ。」

「家庭教師記録

 予想どおり 慎一は8年前の真相を 追い始めた。

 まだ 真希が 信頼できる人間だと思い込んでいるようだ」

また慎一の声に。

「家庭教師記録

 最悪の事態が 起きた。

 佳代子が 再び 株に 手を出して1,000万を損失し

 自殺を図った。

 対象者が死に 追い込まれた場合

 先に 命を絶つと 決めていたが

 彼女は 思いとどまったようだ。

 この件が 家族と向き合えるきっかけに なってほしいと

 切に願う。」

「家庭教師記録

 いよいよ全て 打ち明けるときが来た。

 一茂と佳代子は思わぬ真相に 驚くだろうが

 慎一は 俺と真希の関係にうすうす 感づいているはずだ。

 しかしそれを 問いただせないほど

 真希に 信頼を寄せている。

 つまり このネタバラしこそが慎一の最後の試練になる。」

「次で最後」

「家庭教師記録。

 生徒名 沼田 茂之 沼田 慎一 

 総評」


教壇に立つ吉本の姿がみえました。

「沼田家はこれまで

 受け持った中で

 最低の家族だった。

 その印象は 今でも変わらない。

 自分を 悲劇の主人公だと勘違いしている

 登校拒否児の次男。

 優等生を演じながら

 裏で 他人を傷つけている 長男。

 家庭を顧みずメンツが全ての 父親。

 反抗期の息子を 恐れて育児放棄した

 世間知らずの母親。

 この家にいるのは家族じゃない。

 ルームシェアしてるただの 同居人だよ。

 「絆」って言葉が 気軽に 手軽に

 使われている 世の中だ。

 家族の絆だって自然に 存在するもんだと

 思ってたんだよなあ?

 そんなわけねえだろ!

 互いに 膝を 突き合わせて

 自分の思いを口で 手で 目で 心で伝えてこそ

 初めて 存在するもんなんだよ。

 それを 何度も 繰り返して

 築き上げていかなきゃ

 強くならないめんどくさいもんなんだよ!

 いじめられてることも

 自分を偽ってることも

 家に 居場所がないことも

 息子が 何を考えているのか分からないことも

 相手に 伝える努力もしないで

 「家族だから言わなくても分かる」なんて

 お前ら エスパーかよ!

 ハハ!

 そんなもんは単なる 幻想なんだよ。

 残念ながら沼田家は 最後まで

 自分たちを

 超能力集団だと勘違いしていたらしい。

 お互いに責任を なすり付け合う姿は

 怒りを通り越して 笑えたよ。
 家を壊すときでさえ

  みんな背を向け合ってたもんな〜。

 破壊の後に 再生があると信じてるなら

  教えてやるよ。

 絆のない家族に

 再生なんて あるわけがない。

 お前らは俺が 仕掛けたゲームに

 負けたんだよ。

 こんな家族…

 消えてなくなればいい。」


ノートを閉じる慎一。

「聞かなきゃよかったわね。」

「このままあいつの思惑どおりになってもいいのか?」

「絆のない家族に 再生はない。

 そのとおりだ。」

立ち上がって二階にいく茂之。

倉庫にやってきた慎一。
佳代子がいました。

「あっ 慎ちゃん。」

「母さんも?」

「うん。シゲちゃんから。

 あっ。」

一茂もやってきました。

「父さん!」

「おう。何だ? 茂之のやつ

 こんなとこに 呼び出したりして。

 これから 面接だっていうのに。」

いじめ現場でした。

「おい 抵抗すんな! おら!」

「おい!」「おい!」

「あっ ちょっ…。」

声をだそうとする佳代子をとめる慎一。

「おら!」「おっ? お〜い!」

「おい どうした?もう終わりか?」

「立てよ ほら。」

「あの子…。」

「茂之を いじめてたやつだよ。」

「えっ?じゃあ 何で いじめられてんの?」

「おい! おい!」

「いいぞ いいぞ!」

「お〜。」

いじめをとめる茂之。

「放せよ 何だよ!」

「もう やめよう?」

「はっ? 俺たちお前のために やってんだぞ。」

「確かに 山尾には散々 いじめられてきた。

 でも だからってこんなの 間違ってるよ。

 俺は 誰かを傷つけたくて

 いじめから解放されたかったわけじゃないんだよ。

 これ以上山尾を殴るっていうんだったら…。

 俺を殴ってよ。

 殴れよ。」

茂之、よく言った!!

すると園田くんも!!

「もういい。

 終わりにしよう。

 納得できないなら俺も 一緒に殴れ。」

「分かったよ。」

「行こう。」

倒れた山尾に手をのばす茂之。

「よかったら いっしょにどう?」

でもその手を振り払う山尾。

「てめえ!」と怒る友達もまたとめられました。

「何なんだよ お前。」と山尾。

「ある人に 言われたんだ。

 『死を意識して初めて 生きている実感が湧く。

 生きている実感があって

 初めて 人に優しくなれる』

 俺も 君も優しくなれるはずでしょ?」


茂之の手をとる山尾。

「サッカー やろうよ!」

「下手くそのくせに よく言うよ。」

「ホントだよ。」

「しょうがねえな。

 お前ら ボール 持ってこい!」

「お前が持ってこい。」

「何で 俺なんだ。」

「いいから 行くよ 行くよ。」

みんな仲良くでていきました。
振り向いて家族をみて
笑顔をみせていく茂之。

「あいつ あんなに強かったか?」

「俺たちも変われるんじゃないかな。」

「あっ 面接の時間だ。

 いってくる。」

一茂は面接へ。

家に戻ってきた慎一と佳代子。

すわりこんでいた佳代子がたちあがりました。

「よし!!」

「よいしょ。よいしょ。」

ゴミ袋を出して家の片づけをはじめました。
それを手伝う慎一。

トロフィーはそのままゴミへ。
割れた茶碗もひろって
床の落書きも洗剤でこする。

「万引きした本はとってあるの?」

「うん」

「じゃあ 後で一緒に 謝りに行きましょう。

 ねっ?」

「うん。」

慎一、笑顔に。

一茂は面接で榎本とあっていました。

「座れよ。残念だったな。

 もう一度上に 掛け合ってやろうか?」

「いや もういいよ。

 きっと 罰が当たったんだ。

 お前の首を 切ったとき

 内心 ざまあ見ろって思ったんだ。

 お前だけじゃない。

 俺は 営業部のやつらが 憎かった。

 どうして 俺だけ異動させられなきゃいけないんだって。

 みんな 同じことしてるのに。

 でも 今は 分かる。

 そんな俺だから営業から外され
 
 首にまでなったんだって。

 すまなかった。」

「沼田。今のお前ならきっと見つかるよ。」

帰宅

「おかえりなさい。」

「ただいま。」

「お風呂 沸いてます。」

「はい。」

サウナに入る一茂。
そこへ慎一もやってきて
ジュースをもってきてくれました。

「おう。珍しいな。

 あちっ… おっ。」

「あっち!」

ふたりでサウナで並んでジュースを飲みました。

「あのさ…。」と慎一。

「んっ?」

「いや… あの…。」

「お前さ…。」

「んっ?」

「もうちょっと 食った方がいいんじゃないか?」

「えっ?いや… そうかな?」

「無理するな。

少しずつでいい。

 少しずつ 築き上げていこう。」

慎一と茂之。

「本屋に 謝りに行ったんだって?

母さん すっごい うれしそうに話してたよ。」

「うん。

 段ボール いっぱいに入った本持ってってさ。

 すっげえ 怒られた。

 まあ 最後に何とか 許してもらえたけど。」

「よかったじゃん。

家族なんて いらないんだって思ってた。」


「思ってた。」

「じゃあ 何で?」

「あいつに

「間違ってる」って言ってやりたくて。」


「俺さあ…。

 不思議と 先生のこと嫌いになれないんだよねえ。

 何でだろ?」


「俺もだよ。

 だから 言ってやりたいんだよ。」


食卓。

「あっ もう できますから。」

「ああ。」

「離婚届 処分しましたから。」

「そう…。」

「あの子たちが成人するまでは 別れません。」

「じゃあ チャンスは 5年だな。」

「えっ?」

「いや 何でもない。」

「あっ ご飯 できたわよ。」

「うん。

 いただきます。」

「おい ちょっと待て。

 今日はな 記念日だ。」

「誰かの誕生日だっけ?」

「いいえ。」

「じゃあ… あっ 結婚記念日?」

「それは もっと先。」

「今日は…。

  家族記念日だ。」

「フッ…。」

「あ〜あ。」

笑う子どもたち。

「うまく 言えなかったけどさ…。何だ そのリアクション。」

「何? ずっと考えてたの?」

「うん サウナでな。」

「まあ いいんじゃない?」

「私は どうかと思うけど。」

「分かったよ もういいから。

 取りあえず 乾杯。」

「俺たち 水だけど。」

「いや だからそこは 雰囲気でやってくれよ。

 ほら ちょっと お箸 置いて。

 グラス 持って ほら。んっ いい? はい。

 乾杯〜!」

「乾杯〜。」

「もっと楽しそうに 乾杯しろよ。」

そこにチャイムが。

不動産屋か。

「ありがとうございました。」

外から家をながめる一茂。
椅子をもってきて座りました。
佳代子も外へ。

「どうしました。」

「車も・・。ちゃんと売れましたよ。」

笑顔で見つめあうふたり。

引っ越し。

「佳代子さん!佳代子さん!」

 間に合った!」

「あっ どうも。」

「さみしくなるわね。」

「こっちに来たらいつでも連絡してね。」

「色々 お世話になりました。」

餞別も。

「気持ちだから… ねっ?」

「ちょっとだから。」

「気持ち 気持ち。」

沙良もやってきました。

「浅海君… じゃなかった。

立花さん…。」

「でもなく 水上 沙良。」

「えっ? 3つ目?」

「あの人って…。」「あの人よね?」

主婦たちもびっくり。

「よかったら乗っちゃってください。」と引っ越し業者さん。

「あの人って あの人よね」

「慎一くん ちょっといい?

「うん。」

「じゃあ 先 乗ってるから。」

「じゃあ お世話になりました。」

「あっ どうも。あっ じゃあ お元気で。」

「お元気で。」

「元気でね。」

「引っ越すんだ。」

「別れの挨拶ってわけじゃなさそうですね。

実は 田子先生について

 1つ 思い出したことがあったの。

 5月26日なら会えるかもしれない。

 その日は 宗多の命日なの。

 去年 宗多が 命を絶った山小屋に行ってみたら

 お花が 置いてあったの。」

「教えてくれて ありがとう。」

「じゃ またね。」

引っ越しの荷物運びをする

「おう…。」

「あっ。」

「おい ぶつけるなよ お前〜。」

「じゃあ 自分で持てよ。」

「取りに行くんだよ お前 何だよ…。」

「何してるの?」

一茂も飲食店で仕事。

「見習い期間を 終えたら店長として 働いてもらうから。

 じゃあ 沼田さん。」

「はい。沼田です。よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

慎一はバスに乗って飛鳥のとなりに。

「どうしたの?」

「この間は ごめん」

「いいよ もう。」

「あのさ 俺が こんなこと言える立場じゃないんだけどさ…。

 もう1回 俺と 付き合ってほしい。」

「えっ…。」

「何 言ってんの? こんなとこ…。」

「俺と 付き合ってほしい。

駄目かな?」

「 駄目って 言えない自分が 憎い。」

手をとってなかよし。

はりきって仕事する一茂。

「お待たせしました。

 はい こっち お願いします。

 えっと 満月ハンバーグ え〜…。」

図書館にいる飛鳥のところにいく慎一。
高校の編入試験の合格通知をみせました。

「やったじゃん!」

「シッ!」

「よかった。」

ファミレスにいった4人。

「よし。今日は みんな 好きな物 食え。」

「おっ。よっしゃ〜 じゃあ 俺 ステーキ。」

「お前は 駄目だよ。慎一の編入祝いなんだからさ。」

「じゃ 俺 ステーキでいいんだよね?」

「お父さん。」

「んっ?」

「全員 きのこ雑炊だ。」

「えっ?何でだよ。」

「嫌なら 帰るぞ?

 きのこ雑炊 4つで… 」

メニューのとりあいに。

「お前ら。」

「いいじゃないかよ。俺の編入祝いだろ?」

慎一が茂之の家庭教師。

「お前 こんなんも解けないで

 成邦館 受けようと思ってんの?」

「教え方が 悪いんだよ。変なんだよ これさあ…。」

「変じゃないだろ!?」

「ケンカしないの もう。

 ほら おやつ。」

神社にお参りする佳代子。

茂之の受験。

お守りを買う佳代子。

「これ お願いします。」

「はい」

合格発表。園田くんといっしょにみにいきました。

「早く 遅えよ。見てないよね?」

「見てない 見てない。OK。」

「あった! よっしゃ!あった!?」

「あった!俺も!」

「はい はいはいはい!いいねえ!」

「沼田君! 園田!」

さくらも合格したようす。

佳代子に電話。

「えっ?受かった?」

「受かった?」

「受かったって!」

「受かった?」

「よ〜し よしよし… お〜!」

「書類ねちゃんと もらってらっしゃいね。」

「合格!」

「よ〜し よしよし…。」

「よかった〜!ハハハハハ…。」

「すごい すごい。」

「あ〜 よしよしよし…。」

「よしよしよし…。」

3人で手をあわせて大喜び。

笑顔の家族の写真を飾る佳代子。

「あれ?佳代子 俺の靴下 知らないか?」

「そこ 出しときましたよ?」

「いや ないよ。」

「あっ 持ってんじゃん。」

「あっ。」

「やだ。」

「ハハハハ。いや ハンカチが2枚あんのかなと…。

 靴下か これ。不思議なことも…。」

「んっ! ヤバっ。」

「あ〜 お弁当…。」

「はいはいはい。じゃ いってきます。」

「いってらっしゃい。」

「あっ 俺もだ。いってきます。」

「いってらっしゃい。」

「茂之 ほら ほら…。」

「じゃあ 私も そろそろ…。」

「パート 今日からだっけ?」

「うん。頑張ります。」

「頑張って。」

茂之は学校へ一茂は仕事に。
佳代子も仕事。

5月26日。

慎一はカッターを手にとりました。

宗多のなくなった小屋へ。

中に吉本がいて花束をそなえ
手をあわせていました。

「よっ。」

ナイフをつきつける慎一。
でもナイフを投げ捨てました。

「あんたを 殴りに来た。」

「いいねえ。」

吉本に殴りかかる慎一。

「あ〜!

 この!

 あ〜!」

でもかわされました。

「沙良さんから あんたが

 吉本 荒野になった理由を 聞いたよ。

 あんた 言ったよな?

  「人を殺したことがある」って。」



「先生が 「殺した」って言ってた

 相手は真田 宗多のことよ。」


「でも 彼を 追い詰めたのは

 吉本 荒野ですよね?」


「その言葉は 吉本 荒野として 

言ったものよ。」



「真田 宗多の 死を

そんなふうに平然と

 口にできるのは

 あんたがそれだけ 吉本 荒野として

 生きてるってことだ!

 それが 何を意味するのか。

 彼女が 悲しそうに言ってたよ。

 あんたが ホントに殺したのは…。

 田子 雄大!

 あんた自身だよ!

 あんたは 第2の 真田 宗多

 吉本 荒野を 生まないために

 8年前 ここで 自分を殺した!」

「そして 悪意の体現者として

 俺たちの目の前に 現れた。」



「現実は お前が思ってるよりよっぽど 残酷なんだ」


「そして俺たちを 容赦なく 壊していった。」


「絶望を 思い知らせてやる」


「家族を崩壊させといて

 それが いまさら俺たちのためだなんて

 納得ができると思うか!?」



「お前を壊してやる」


「あんたのやり方は間違ってんだよ!」


「子供が 大人になれないんだよ。

 いいかげん 気付けよ!」


「あんたのやり方は 間違ってる!」


「家族を再生させろ」


「 間違ってんだよ!

 あんたのやり方は 間違ってんだよ!

 何で そこまでするんだよ。

 何で そこまで自分を犠牲にすんだよ!

 あ〜!

 あ〜!」


吉本にまた殴りかかりました。

「贖罪のつもりか!?

 それで 罪を償ってんのかよ!

 間違ってんだよ!」


でも振り払われました。

「全部 あんたのせいなんだよ。

 全部 あんたのせいだ。

 あんたのせいで 家を失った。

 あんたのせいで 

 俺は 高校を辞めることになった。

 あんたのせいで家族が 壊れた!

 あんたのせいで…。

 あんたのせいで…。

 家族に…。

 家族に 絆が生まれた。

 ありがとうございました!」


深く頭をさげる慎一。

『吉本荒野 昭和57年1月17日生まれ

 AB型

 悪意の体現者として生徒と向き合う。

 ずっと そうして生きてきた。

 けど 今日 久しぶりに笑った。

 田子 雄大として…

 心から 笑った。』




ED



「あの・・

 どうしても腑に落ちないことががあります。

 沙良さんに 会えたのは

 あなたの部屋に置いてあった

 劇団のチラシが きっかけでした。

 それで想像力を働かせてみたんです。

 もし あなたが わざとチラシを置いてったとしたら…。

 俺が 8年前の あの胸を打つエピソードに

  共感して 

 家族の再生に 乗り出すところまで

 予測できたんじゃないかって。

 彼女が教えてくれた8年前の真相は

 本当に 真実なんですか?」

「いいねえ。」





素晴らしくきれいな終わり方。
EDへの入り方が秀逸!

沼田家はゲームに勝つことができたけど
勝たせることができた(家族を再生させた)
吉本もまたゲームの勝者のような気がする。

どん底になってから初めて
最初からはぐくんでいった家族の絆。
表面だけじゃない仲良し家族の笑顔。
幸せそうな一家になりました。

第二の吉本荒野になるのを阻止された慎一は
教え子への償いのために自分を殺して生きてきた
吉本の痛みがわかるくらいにまで成長。
最後の「ありがとうございました」とお辞儀が
ものすごくよかった。

櫻井くんも神木くんも他の家族のみなさんも
熱演でした。
リメイク版も名作ドラマの仲間入りしたと思います。






吉本荒野   櫻井翔 
沼田慎一   神木隆之介 
沼田茂之   浦上晟周
沼田一茂   板尾創
沼田佳代子  鈴木保奈美
浅沼舞香    忽那汐里   
最上飛鳥    北原里英 路 



2013.06.20 Thursday 08:16 | comments(0) | trackbacks(9) | 
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