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SUMMER NUDE 第1話

第1話



 三厨朝日(山下智久)は、海辺の街の写真館に勤めるカメラマン。
朝日には、忘れられない恋人がいた。3年前、理由も告げず
突然姿を消した恋人・一倉香澄(長澤まさみ)の帰りを
海辺の街で今もずっと待ち続けていた。
 いつもと変わらないある日、仕事先の結婚式場で、
花婿に逃げられる瞬間の花嫁・千代原夏希(香里奈)に遭遇。
思わず、その決定的瞬間を持っていたカメラに収めてしまった。
そんな最悪にして不幸な事故のような出来事で2人は
出会ってしまったのだった。
 一方、朝日には、高校からの腐れ縁で、いつも1番そばにいて
朝日にかなわぬ思いを寄せ続ける谷山波奈江(戸田恵梨香)がいた。
何度告白しても揺れず、いなくなった香澄のことを今でもずっと
待ち続ける朝日に、懲りずにアタックし続ける波奈江の恋の行方は…。
そんなけなげな姉、波奈江のことを弟の駿(佐藤勝利)も陰ながら
応援しているのだった。 みんなが愛する海の家「青山」に
危機が迫っていた。オープン以来毎年欠かさずに海の家を開いてきたが
この20周年目の大事な節目に、店長である下嶋勢津子(板谷由夏)の
出産により連続開店記録がストップしてしまいそうなのだった。
勢津子の夫、賢二(高橋克典)は今年は無理だと止める。
そんなやりとりを聞いて朝日は夏希に連絡を取る。
夏希が下す決断とは。





海!

自転車で走る朝日。

『三度目の夏が始まろうとしていた』

ビールの広告の看板にうつっている彼女に挨拶。

「おはようございます。」

『彼女がいなくなってから三度目の夏』

海のそばの結婚式場でおこなわれている
結婚式の写真を撮るカメラマンの朝日。

「2人 ベール 上げウエディングキスを。」

「おめでとう。 おめでとう。」

「じゃあ 皆さん。笑顔で お願いします。いきますよ? はい。」
記念撮影のあとは披露宴。

「正直 言いまして私は 彼女に結婚なんかしてほしくなかった。

 それぐらい シェフとして優秀な人材であり

 店長としての手腕は 私は大変 高く評価しております。

 ですから 今後 うちの店の評判が悪くなるようなことがあれば

 それは 間違いなく彼女の責任です。」

「アハハ。」

「新婦の 夏希さん。あなたが シェフを辞めるということが

 どれほどの 覚悟であるか 私にはよく分かってるつもりです。

 ですから 必ず 幸せになると約束してください。
 
 末永く お幸せに。乾杯。」

「乾杯。」

乾杯のあとなのに何か新郎の顔がうかないのに
気づく朝日。

「皆さま。ごゆっくり ご歓談の上

 お過ごしくださいますようお願い申し上げます。」

カメラを手に客席をまわる朝日。

「すいません。お祝いの メッセージ 頂けます?」

「うん?」「はい。 」「はい はい はい。」

「動画?」

「ウエディングドレスめっちゃ 似合ってました。」

「俺ら 見捨てたんですから絶対 幸せになってください。」

「なってくださいよ。」

「店長。 たまにはね旦那さんと一緒に食べに来てくださいね。」

「来てください…。」

「料理は 問題ないかと思うんですけど。
 
 それ以外のことがもう 心配で。」

「今は 男も家事をやるって 時代ですから。

 幸太にも どんどんやらせればいいんですよ。」

「そう言うけど この人うちじゃ 何にも…。」

「すいません。火 あります?」

「あっ。 すいません。持ってないんすよね。」

「だよね?」

「どっかで 借りてきましょうか?」

「ちょっと すいません。」

抜け出した朝日は逃げ出す新郎と
おいかける夏希を目撃。

「待って!ちょっと 待って!ちょっと 待って!

 何で?」

写真を撮る朝日。

「ちょっと!何 撮ってるんですか?」

「いや。 2人の1日を写真に収めるのが僕の仕事ですから。」

「はあ? あなた 今どういう状況か 分かってます?」

「まあ 何となくは。」

「ハァー。」

「でも たぶん 大丈夫ですよ。まだ 愛の炎 消えてませんし。」

「はあ?」

「ねっ?」

「あの。 その火お借りしていいっすか?

 何か たばこ 吸いたいって言ってる人…。 いやっ。」

殴られた。

その後、浜辺にいる朝日と波奈江。

「いってー。」

「エヘヘ。これ どうしたの?」

「殴られたんだよ これ。」

「誰に?」

「聖火ランナー?」

「ムハマド・アリ?」

「だったら 今ごろ俺 死んでるよね?」

「じゃあ誰に やられたの?」

「何か 結婚式で 男に逃げられた不幸な女が いたんだよ。」

「私と どっちが 不幸?」

「お前の どこが 不幸なんだよ?」

「10年も 好きな男に相手にされない女が

 幸せだと思いますか?

 そろそろ責任 取ってほしいんだけど。」

「はあ? 責任って 何だよ?」

「ビール おごって。」

「お前のが 金 持ってんだろ。」

「これは お金の問題じゃないの。

 ハートの問題だから。」

「痛いって。痛い。 痛い 痛い 痛い 痛い。」

「そんな 痛くないでしょ?」

「痛いって。 痛い 痛い 痛い 痛い。

分かった。 おごるから。 おごる。」

カップルにしかみえないのに・・。

賢二の店でビールを飲みました。

「かあー! うまい!」

「はい。 お待たせ。」

「サンキュー。」

「いやいや。 まだ 飲み終わってない。飲んだばっかだし。」

「波奈江が ここでお代わりしなかったことがあるか?」

「ホントだよ。ケチ。 最低。」

「人に おごらせといてよく 言うわ。」

「朝日。 今どきなタダで 一緒に飲んでくれる

 若い女なんか いないんだわ。」

「賢二さんには勢津子さんが いるじゃん。」

「お前。 俺 今ね若い女の話 してるわけよ。」

「せっちゃんに 言い付けよ。」

「あっ。 告げ口する女はね口元から 老けるらしいよ。

 ねえ? ほら。 気を付けて。ああっ! ほうれい線。」

「っていうかさ そろそろじゃない?子供 生まれんの。」

「そうなんだよ。」

「ことしは せっちゃんのお店開けるの 厳しいか。」

「勢津子はやるやるって 言い張ってるけどさすがに 無理だろ。」

「でもさ 勢津子さんの料理食わないと

 夏 始まった感じ しなくない?」

「ホント そうだよ。

 だって 私なんて小学校のころから

 せっちゃんの 焼きそばで育ってきたんだからさ。」

「とはいってもさ夏の間

 俺もこの店 閉めるわけにはいかねえしさ。」

「でも やっぱ あの店はせっちゃんしか 無理だよ。」

「そうだよな。結婚して 子供も生まれりゃ

 例年どおりってわけにはいかねえんだな。」

「賢二さんたちって結婚して 何年だっけ?」

「この夏で ちょうど 3年。」

「あっ。 3年か。」

「あれ? 波奈江 結婚パーティー来れなかったんだっけ?」

「私 肝心な日に限って風邪ひく 女だからね。」

「なっ?」

「悪い。」

「ちょっと スクリーン 下ろしてくれ。」

「どっこいしょ。 よっこいしょっと。」

「おい。幾つだよ?」

「よっこいしょ。ほい。」

結婚式のビデオをみせる賢二。

「それでは あらためまして賢二さんと 勢津子さんの…」

「私 これ 見たことある気がする。」

「名作は 何回 見ても泣けんのよ。」

席を立つ朝日。

「じゃあ これ。波奈江と 2人分ね。」

「えー?」

「何だよ? もう 帰んのか?」

「まだ 十分な責任取ってもらってない。」

「じゃあ せっちゃんに よろしく。」

「うん。」

「朝日。 ちょっと。」

「「このたび 晴れてみんなの せっちゃんが俺のものになりました」

 「マジかよ?」「悔しいよ。 おい。おい。 せっちゃん」

「もしかして これって映ってるやつ?」

「お化け的なやつか?」

「違うよ。」

「大丈夫だよ。 あっ」

「キャー!」

「アハハ。 酔っぱらい過ぎでしょ。」

「ちょっとね。」

「ひどい。」

楽しそうなビデオ。

そしてビデオに映る香澄。
うつしているのは朝日。

「フッ。 何 撮ってるの?」

「撮ってないよ」

「撮ってるじゃん。赤いランプ ついてるし」

「フフッ。ちゃんと 食べてる?」

「うん。 さっきお肉 たくさん 食べたよ」

「そっか」

「ありがとね」「何が?」

「連れてきてくれて」

「そんなの 当たり前じゃん」

「フフッ。 どうして?」

「大切な人だから」

「フフフ。酔っぱらってんの?」

「声 入ってるけど」

「ハハハ。 ヤッベえ」

香澄をみつめる波奈江。

そしてまた賢二たちの映像に。

「起きません」

「フフフ。主役が 寝ちゃ駄目でしょ。」

終わった後、波奈江を気遣う賢二。

「何か 悪いな。」

「うん? 何が?」

「いや。 映ってるなんてすっかり 忘れてたからさ。」

 いやいや。全然 平気 平気。

「逆に 闘志 湧いてきたよ。」

「そうか。」

「よし。じゃあ 私も 帰ろっかな。」

「何だよ? もう一杯 飲んでけよ。おごってやるから。」

「また あした 来るよ。」

「そうか。」

「うん。 じゃあね。」

「うん。」

店から出た波奈江。

「まだまだですか。」

ため息をつき看板の香澄にむかって
話しかける波奈江。

「ねえ? いつまで いるつもり?迷惑なんですけど。

 そろそろ出てってくれませんかねぇ?」

夜。
海辺で花火をしているカップルをみて
香澄と花火をしたことを思い出す朝日。

『この3年間 もう 終わったことだと

 毎日のように 言い聞かせてきた

 それは つまりこの 3年間 1日も

  彼女を忘れることができなかった

証しでもあった

 新たな スタートを切らなければいけないのは

 痛いほど 分かっていた

 ただ どこに向かっていけばいいのかも

  分からずに

 時間だけが 過ぎていき

 いつになったら新たな道を 歩きだせるのかも

 分からないままどうすることも できなかった

 まだ このときは気付いていなかった

 この夏の海が 僕たちを少しだけ 無邪気に

 少しだけ素直にさせてくれることを』


新郎からの謝罪のメールをみている夏希。

浜辺で寝ていた朝日。

『まだ このときは信じていなかった

 この夏の太陽が

 僕たちに始まりを 告げることを』


小南さんと麻美といっしょに
写真をチェックしている朝日。

「この余白がね遊び過ぎちゃって もったいないよ。」

「おはようございます。」

「あっ。 おはよう。

 ここを もう少し 詰めれば。ほら。 写真が びしっとするでしょ。

 人間の 天国と地獄を見事に活写した 傑作じゃないか。」

「私だったら立ち直れないなぁ。」

「苦悩の どん底にいる彼女の表情も 興味深いね。」

「これって アルバムとDVDの納品って するんですか?」

「まあ 先方の事情が どうであれ

 われわれは 依頼された仕事を全うする。」

「マジっすか? 納品するんですか?」

「労働の対価を得ずして仕事と呼べるか?

 頂くものはちゃんと 頂きますよ。」

「あっ 社長。 それ 朝日さんのコーヒーなんですけど」

家でごろごろしている夏希。

「いつまで 寝てれば気が済むの?

 そうやって 寝てるだけならご飯ぐらい 作ったら どうなの?」

「家では 包丁 持たないのがポリシーだからさ。」

「ハァー。働いてもないくせに何が ポリシーよ? ほら。」

「うん。」

夏希は元の職場にやってきました。

「ごめん。ご祝儀 返すわ。」

「あっ。取っといてくださいよ。」

「はっ? 何 言ってんの?」

「だって これから色々 大変じゃないですか。」

「あのさ。 私が あんたたちから 

 こんなもん受け取れると思ってんの?

 そんなに 私のこと哀れんでくれるんだったら

 オーナーに 私が復帰できるように

 お願いしといてくんない?」

「いや。 実は…。」

「うん?」

「もう 新しい店長いるんですよ。」

「あっ。」

帰り道。
カラオケの店にはいって歌わずに時間つぶし。

賢二の店にいる波奈江と光。

「みさき東高校 1点 先制。」

「やった。」

「ショート 鮫島のフィルダース チョイスにより

 なおも ワンアウト 一・二塁のチャンスを 迎えております。」

「ねえねえ ねえねえ ねえ。フィルダース チョイスって

 漢字で どう書くか 知ってる?」

「いや。 フィルダース チョイスはフィルダース チョイスだろ。」

「ちゃんと 漢字があるんです。」

「野選だろ?野球の「野」に 選手の「選」」と光。
「野球の「野」に 選手の「選」」

「もう。 何で 光が答えるんだよ?」

「フィルダース チョイス。 なるほどな。」

「文化系のくせに スポーツにまで詳しいのが 腹が立ちます。」

「スポーツ選手だって本も読めば 映画も見ます。」

「えっ?あの人たち 見ないでしょ?」

「そういう偏見やめた方がいいと思うよ。」

「ヘヘヘ。 しかしさ 映画とか演劇に 興味あるやつって

 真っ先に 東京 目指すイメージ あるけど

 お前 ずっと こっちにいるよな。」

「東京 行けばどうにかなるっていう安易な考えは

 小学校の時点で 捨てました。」

「うわー。こんな生意気な がきが生まれたら俺 寝込んじゃうな。 」

「でも ビデオ屋の バイトに未来があるとは思えないけどね。」

「無職のやつに言われたくないけどね。」

「私 無職じゃないもーん。肩書は 会社役員ですから。」

「へえー。」

「週1で パパとご飯 食べれば 給料 もらえるってお前

 そんな夢のような 仕事があるか?」

「月1で ゴルフと カラオケ。

年1で 海外にも付き合わなきゃいけないんだよ?」

「なおさら うらやましいわ。」

「あっ。 ねえ? 光。 知ってた?

 ことし せっちゃんの お店オープンしないんだってよ。」

「ふーん。 そうなんだ。」

「何!? その リアクション。

 あんたも せっちゃんの焼きそばで育ってきた 人間でしょうが。」

「俺は 焼きそばよりカレー派だから。」

「えっ?」

孝至とすれ違う朝日。

「はい。 そこの自転車。よそ見運転 しない。」

「うるせえよ。さっさと 行けよ。」

「看板に 挨拶しようものならばっ…。 あっ。 おいおい。

 罰金だからな。おい! 朝日君!」

「こんちはっす。」

「お前も そろそろ引っ越せよ。」

「お前は さっさと 実家から出て一人暮らしをしろ。」

「実家に 一度 戻ったらもう 出らんないわ。

  飯は うまいし 掃除も 洗濯も自動的に 終わってるし。」

「自動じゃねえよ。 母ちゃんが手動で やってくれてんの。」

「何より お金を使わないで済むのが 一番 でかいね。」

「だったら 一刻も早く1万円 返してくれます?」

「その お金は もう 間もなく君の元に 返ってくるでしょう。」

「間もなくじゃなくてたった今 返せよ。」

「今。」

「今?」

「ナウ。」

「うんうん。 分かったよ。

 でも これだけは 断言しとく。

 福沢 諭吉は 返ってきても一倉 香澄は もう 帰ってこない。

 いいかげん 諦めて 引っ越せよ。

 こんな 無駄な金 払ってんのバカらしいぞ。」

無駄な金・・レンタルビデオか。

夏希の部屋をノックする母。

「夏希 郵便 来てるわよ。」

朝日から写真の請求書185000円。

手紙つき。

「前略。あのようなことがあったにも 関わらず

 料金を頂かなければならないことをお許し下さい。

 写真と DVDですが 

 本来なら そちらに送らせて頂くものですが

 事情も 事情なのでこちらで 保管させて頂きます。

 一日も早く 素敵な笑顔を取り戻して下さいね。

 これからの幸せを心より 祈っております。

 三厨 朝日」

写真をながめる夏希。

勢津子の赤ちゃんが生まれ
病院にやってきた賢二。

「笑ったよ 笑ったよ。」

「ああ。 カワイイね。」

「おい。 おい。 ハハハ。おっ。 何 書いてんの?」

「うん? ことしのね 新メニューに 決まってんでしょ?」

「店 開けるのはどう考えても 無理だろ。大丈夫か?」

「どうして?」

「体だってすぐには 戻んないんだしさ。」

「大丈夫よ。 産む前からねリハビリしてんだから。」

「でもさ。」

「うん?」

「しばらくは この子のことを第一に 考えないと。 なあ? うい。」

「あのさ。」

「うん。」

「この子の将来のことを 考えたら

 無理してでも お店 開けなきゃしょうがないでしょ?」

「何で?」

「あなたの収入だけでどうやって 養っていくのよ?」

そのあと店で話す賢二。

「最後は 担当の先生に来てもらって説得してもらったんだけど

 全然 納得してねえ感じでさ。」

「いや。そりゃ そうでしょう。だって 俺が せっちゃんでも

 絶対 やるって 言ってるし。」

「じゃあ お前 勢津子さんの代わりできんのか?」

「いや。それは 無理だけどさ。

 夏の海に せっちゃんが立ってないなんて想像つかないよね。」

「どうにかならないんですかね?

 あの店がないと 夏の居場所がなくて 困るんですけど。」

「だよな? 光。」

「お前 この夏一番 いいこと 言った!」

「そうだよ! 困るんだよ!あっ。 朝日? マイペースか?」

朝日には夏希から電話。

「もしもし?」

「あっ。 あの。

 先日 結婚式の写真を お願いした千代原 夏希と申します。」

「千代原さん? あっ。」

「あの。 ご丁寧に お手紙までありがとうございました。」

「いえ。 こちらこそ申し訳ありませんでした。

 うちの社長 お金に うるさい人で非常に 心苦しかったんですが。」

「それは 仕事として当然のことだと思いますよ。」

「あの。この前は 大変 失礼いたしました。」

「いえ。 こちらこそ失礼しました。

 その後 どうですか?」

「えっ? どうって?」

「少しは 落ち着かれましたか?」

「まあ 何とか 生きてます。」

「ちなみに今って どうされてます?」

「どうっていうと?」

「お仕事の ご予定とか。」

「うーん。 前の職場に戻れるのが一番 いいんですけどね。

 なかなか 人生うまくいきませんね。」

「実は お願いがあるんですけど。」

夏希を誘う気の朝日。

電車でやってきた夏希を
駅まで車で迎えにきた朝日。

「遠いところまでおこしいただいて

 ありがとうございます。」

「いえ。 こちらこそ。」

「一度 あなたの料理食べてみたいなと思ってたんです。」

「えっ? 何でですか?」

「会場にいた 皆さん絶賛してましたから。」

「いや。 ああいうところで悪いこと 言う人

 あんまり いませんからね。」

「僕には 単なる お世辞には聞こえませんでしたけどね。」

「ありがとうございます。」

賢二の店につれていきました。

「いやー。よく 来てくださいました。」

「ねえねえ ねえねえ。ホントに やってくれんの?」

「あっ はい。 一応そのつもりで 来ました。」

「ホントですか?いやー。 ありがとうございます。

 いやー。 ありがとう。ホント ありがとう。

 よし。 じゃあ せっちゃんに報告してくる。」

「ちょっ ちょっ。 ちょっと 待って。」

「うん?」

「夏希さんのような美しい方が 店長を引き受けてくだされば

 うちの嫁も 安心して子育てに 集中できますよ。」

「店長?」

「はい。」

「いや。」

「私 そんなこと一言も聞いてないですけど。」

「うん?」

「いや。 詳しい説明はこれから しようと思ってます。」

「私が聞いてるのは困ってる レストランがあるから

 1日だけ 手を貸してくれって。」

「1日? 一夏じゃなくて?うん?

朝日君。 まったく事情が つかめないんだが?」

「お店に関してもこれから 話そうかなと思って。」

「じゃあ 肝心なこと何も話してないってこと?」

「えっ? お店ってここじゃないんですか?」

「うん?」

海の家につれていきました。

「完全に だましたよね?」

「いや。 完全には だましてません。

 レストランは レストランですから。」

「確かに 今まで働いてた店と 比べれば

 多少 見劣りはするかもしれません。」

「多少どころじゃ ありませんけど。これ。」

「アハハ。 でもね
 
 ここにはどこにも負けない 海がある。

 笑顔がある。そして…。

海がある。」

「海 2回 言ったね。」

「海以外にも いいとこたくさん ありますから。」

「私である 必要性をまったく 感じませんけどね。」

「いやいや。 とんでもない。料理も 接客も できて

 なおかつ 調理師免許を持ってる優秀な人材を

  求めていたところ 朝日から

  うってつけの 暇な方が見つかったと 聞きまして。」

「暇で 悪かったね。」

「あっ! もしかして不幸な女って 言ってたの この人?」

「お前  余計なこと 言うなよ。」

「不幸な女ってどういうことですか?」

「朝日が 不幸な女に殴られたって 言ってた。」

「もう1回 殴らせてもらってもいいかな?」

「ちょっと 落ち着いて話 聞いてくださいよ。 ねっ?」

「あなたさ 私のこと何だと思ってるわけ?」

「有名レストランの 元 店長で 料理の腕も 経営手腕も

 申し分ない お方です。
 だから声を掛けさせていただきました。」

「この際 はっきり言わせてもらいますけど。

 料理人だからってね 

 どんな料理でも 作ると思わないでくれる?」

「ずっと 働くのが 無理だったら 店の立ち上げだけでも

 手伝ってもらえませんか?」

「そうだよ。つないでもらってる間に

 せっちゃんも復帰できるかもしれないしね。」

「だから やらないって言ってんじゃん。」

賢二が土下座!!

「お願いします。このとおり。

「この店の窮地を 救うのはこの国で あなたしか おりません。」

「お願いします。」

「ごめんなさい。ホントに 無理ですから。

 ごめんなさい。」

車で送る朝日。

「どうしても無理っすか?」

「無理です。」

「能力が生かせてお金が もらえるんだから

 そこまで 拒絶するような話じゃないと思いますけどね。」

「私が どんな気持ちでこの町に来たか 分かってます?

 その気持ちを あなたは踏みにじったんだよ?」

「苦い思い出があるなんてこっちだって 分かってますよ。

 じゃあ どうして来るなんて 言ったんですか?」

「そんなん 分かんないよ。分かんないけど。

 家で じっと 動かないでいるよりはましだと思ったし。

 うじうじ 引きずってる自分も 嫌だったし。

 だから 何か 手伝おうと思ったんじゃん。

 でも 聞いてた話と 全然 違うし。

 ましてや 何日間も滞在する気なんて さらさらなかったし。

 それを断ることがそんな 悪いわけ?

 それって 私が 悪いわけ?」

「別に 悪いなんて思ってませんし。

 もちろん 嘘まで ついて呼んだことに関しては

 ホントに申し訳ないなと思ってます。

 それでも お願いできないかって頭 下げてんじゃないっすか。」

「だから 無理です。」

「俺には 勢津子さんの店がない夏なんて

 考えらんないんですよ。

 ホント 無理なんですよ。」

「それって 私に全然 関係ないじゃん。」

「どうして分かってくれないんすか?」

「分かるわけないじゃん。バッカじゃないの?」

「ハァー。そうですか。 分かりました。

 もう あなたには 頼みません。」

「納得してくれて 何よりです。」

「男が 最も苦手な女性のタイプって

 気が強くて 強情な女だってご存じでした?」

「女からしたら 嘘をつく男なんて 論外ですけどね。」

「だから 逃げられんだよ。」

言ってはならない一言を!

「はっ?

止めて。」

「ごめんなさい。言い過ぎました。」

「早く 止めて。」

車からおりる夏希。

「ホントに ごめんなさい。今の 言い過ぎました。

 ちょっと 待ってくださいよ。これから どうするんですか?」

「帰るに 決まってんじゃん。」

「乗ってくださいよ。駅まで 送っていきますから。」

「ほっといて。」

「駅まで 遠いっすよ?」

「いいから ほっといて。

 もう 私に 構わないでよ!」

賢二の店。

「やっぱり夏希さん 考え直してくれねえかな?」

「まだ 言ってんの?」

「だってよ料理 ルックス 暇。

 ここまで 三拍子 揃ってる女はなかなか お目にかかれねえぞ。」

「まあね。

 せっちゃんの代わりは 誰にでも務まるってわけじゃないからね。」

「うん。 賢二さんの代わりはいくらだって いんのにね。」

「おい。 波奈江。弟の教育は どうなってんだ?」

「うちは 放任主義なの。」

「あっ そう。」

「お代わり。 ルー 多め。なるはやで。」

「うん。」

夏希は駅についたけどもう電車がない・・。
そこに朝日がやってきました。

「だから乗れっていったでしょ?

 乗ってください。」

「東京まで 送ってくれるんだよね?」

「はあ?」

「いや。 もともとはさそっちが 悪いんだから

 送ってくれて 当然でしょ?

 えっ? ちょっと。

 ちょっと! ねえ?送ってくれって 頼んだよね?」

「だから ちゃんと 東京まで送り届けますよ。 港区。」

港区というお店・・。

「ちょっとふざけないでよ。」

「あっ。 朝日君。」

「夏希さん!?考え直してくれたんですか?」

「いえ。 全然 違いますから。」

「電車 なくなって 帰れなくなってさ。」

「ねえ? 誰? 彼氏 いるの?

 どこの人?」

夏希に一目ぼれした孝至。

「後で 説明するから 黙って。」

「はい。」

「だけど 今から どっか泊めてくれるとこなんか見つかるか?」

「波奈江んちに 1日泊めてもらえないかなと思って。」

「ああ。 うちだったら 全然 OK。」

「ちょっと 勝手に決めないでもらえます?」
「うちも 空いてますけど?」

「お前 実家だろ?」

「まあ うちなら 心配しないで。

 そこら辺の民宿よりも10倍 居心地 いいから。」

「姉ちゃんちの風呂 ジャクージ付いてるから。 ジャクージ。」

「ねえ。 誰? 独身?あの。 ご趣味は?

右利き 左利き どっち?」

「お前ら うるさい。」

夏希をつれていく波奈江。

「一つだけ 確認してもいい?」

「あっ?」

「朝日のこと 好きなの?」

「はっ? んなわけ ないじゃん。」

「フフッ。 だよね。

 この前まで 別の人と結婚しようとしてた人だもんね。」

「うん。 えっ? っていうか何で そんなこと 聞くの?」

「その答えによってはうちでの待遇が 変わるから。」

「じゃあ 好きって言ったら?」

「当然 玄関で 寝ていただきます。」

「はあー。あの人のこと 好きなんだね?」

「フフッ。 こっちは 大音量で伝えてるつもりなんだけどさ。

 10年 たっても一度も 振り向かないんだよね。

 まあ 分かってんだけどね。

 振り向くかどうかっていうのは

 音量でも 回数でもないってことぐらいはさ。

 あれが 私のライバル。」

ビールの看板。

「うん?」

「朝日が ずっと 忘れられない人。

生涯 最強の敵だね。」

「確かに 手ごわそうな相手だね。

 えっ?友達なの?

「もう この町にいないのに 存在感 抜群でしょ?」

朝日のところにいる幸至。

「早く 見せろよ。」

「駄目だって。 」

「大丈夫だって。結婚式の ビデオなんてな」

 偶然 見掛けることもあるんだから。

「どんな偶然だよ? だいたい式でも 流せてないんだぞ。」

「出し惜しみ すんなよ。」

「俺 見せたって バレたら首だから。」

「バレるわけないだろ。」

「まず 彼女に悪いし。」

「うん。 今度 会ったら。 うん。俺から 説明しとくから。」

「その時点で バレてる。」

「なあ? 頼むよ。 夏希のことをもっと 知りてえんだよ。」
「もう 呼び捨て?」

ビデオをみせてもらいました。

「7歳で出会ったころから

 ずっと シェフになるって言い続けてたんですよね」

 「純粋にカッコイイなって思いました」

 「これからは幸太さんと すてきな家庭を築いてください。

 夏希。幸せになってね」

「俺 決めたわ。」

「うん?」

「この家に 嫁ぐ。」

「はあ?」

「この お母さんは俺が 幸せにするよ。」

「お前 まず 自分の母ちゃん幸せにしろ。」

波奈江の家。

「ふーん。この家 すごくない?」

「さっきの看板の地ビール あったでしょ?」

「うん。」

「あれ 作ってんのがうちのパパの会社。」

「へえー。だから こんな いいとこ住んでんだ。」

「まあね。」

「じゃあさ お父さんに頼んで 

 あの看板違うもんにしてもらうこともできんじゃないの?」

「うん。それね 1回 お願いした。

 でもさ よくよく 考えるとそれってさ

 何か ひきょうな気がしない?」

「何で?」

「親の力 借りて 香澄への意識を薄れさせようっていうのはさ。」

「そうかな?」

「うん。」

「ありがと。」

「どうして 朝日が あんなにもせっちゃんの お店に

 こだわってるか 知ってる?」
「何で?」

「彼女が戻ってきたときに喜ぶからなんだよ。

 あの子も せっちゃんの お店が大好きだったからさ。」

そのビールを飲んでいる朝日。
そばにレンタルビデオがおいてありました。

元彼からのメールをみている夏希。

レンタルビデオ屋にやってきた朝日。
光が店員。

「いらっしゃいませ。」

「よっ。」

「1週間の延滞で2,100円になります。」

「はい。 ちょうどね。」

48時間パート2はいつまでもレンタル中。

帰り道海辺にいる夏希をみかけ声を
かけたら夏希は泣いていました。

「何してんの?」

「ごめん。」

「何で 謝んの?」

「いや。 一人の時間邪魔しちゃったかと思って。」

「あのさ。学生のころ 何か部活とか やってた?」

「高校まで 野球。」

「そっか。じゃあ 目 つぶって。」

「どうして?」

「代わりに 遠くまで投げてほしいものがあるんだけど。」

手を差し出す朝日に握らせたのは結婚指輪。

「いいの?」

「できるだけ遠くに お願いします。」

でも直前でとめました。

「待って!」

「うわっ。 危ない。 痛っ。」

「やっぱ 自分で やる。

 ごめんなさい。」

「こちらこそ。」

家に戻りもう一度夏希のビデオをみる朝日。

翌朝。波奈江の家。

「おはよう。」

「おはよう。

 あっ ごめん。勝手に キッチン 使ってる。」

「おおー。 すごいね。」

「大したもんじゃないけど。

 こんぐらいでしかお礼 返せないからさ。」

「うおー。 すごっ。」

すごい豪華な朝ごはん。

そばにあったレシピノートを手にする波奈江。

「ねえ?」

「うん?」

「これ 見てもいい?」

「いいよ。っていうか汚くて 読めないと思うけど。

 ほら。 レストランって聞いてたからさ

 一応 持ってきたんだけど」

「うん。」

「まあ 私のお守りみたいなもんかな。」

「あのさ。」

「うん?」

「帰る前に 付き合ってほしいとこがあるんだけど。」

駅にいる朝日。

香澄のビールのポスターをみて
「懐かしい〜」という女性 あおい。

「 知ってるんですか?」

「だって これ昔から ありますよね?」

「昔からって ビールのことですね。」

「何の話ですか?」

「ごめんなさい。何でもないです。」

「回りくどい ナンパは成功しませんよ?」

「いや あの。 誤解ですから。」

勢津子の病院に夏希をつれていく波奈江。

「海の家だと思ってちょっと バカにしてた?」

「いや。そういうわけじゃないんですけど。」

「私さ 中途半端が嫌いだから

 やりだすと とことんまでやっちゃうのよね。」

「ふーん。 料理は 全部 お一人で?」

「そう。厨房にさ 他の人が入ってくると

 蹴り飛ばしたくなっちゃうのよ。」

「ああ。 それ 分かります。」

「そこ 分かっちゃうんだ。」

「まあ 無理にとはいわないんだけど。

 ちょっとだけ考えてみてくんないかな?」

「まあ 考えるぐらいなら。」

朝日と電話。

「マジで?せっちゃんに 会ったの?」

「意気投合しちゃってね何か いい感じだったよ。」

「意気投合なんか してません。」

「でさ 朝日は 今 何やってんの?」

「いや。 別に。」

「じゃあさ 後で 砂浜 来なよ。

 賢二さんが 今から青山の開店準備 始めるって
 張り切ってたからさ。」

「勝手に 決めないで。」

「 じゃあね 後でね。」

海の家に夏希をひっぱってきました。

「まあまあ まあまあ まあ。はい。 進んで 進んで。

 はい。 はい はい はい。」

「おっ!救世主が 降臨しましたよ。」

「よっ! われらの女神。そして 希望!」

「私 やるなんて一言も言ってませんからね。」

「でもさ 勢津子が 「あの子は残ってくれる」って 言ってたぞ。」

「昔から せっちゃんの予言は当たるって 有名だったからね。」

「朝日と 香澄の別れも驚くほど 見事に 当ててたもんな。

 『そろそろ 台風 来るよ』」

「おい。 誰なんだ? それは。

「えっ? せっちゃん。」

噂をしたら 本人 来たよ。」

「おっ。」

朝日もやってきました。

「よし。 今日は ちゃちゃっと準備して 祝杯 挙げるぞ。」

「おおー。」

「店長就任 おめでとうございます。」

「だから やらないって言ってんじゃん。」

「いや。 少なくとも 今日は残ってくれて よかったよ。」

「えっ?」

「渡しそびれたもん あったからさ。」

「何? これ。」

「披露宴で 流すはずだった DVD。」

「あのさ。 こんなもん 私がもらって 喜ぶと思ってるわけ?」

「過去の痛みと 向き合うのも人生 大事なことでしょ?」

「大きな お世話。」

「まあ まあ まあ。思い出だから。」

「よし。」

「夏希。 これ 手伝って。」

「何で 私がやんなきゃいけないの?」

結局みんなで準備。
そこへ男女のカップルがやってきました。

「ごめんください。夏祭り実行委員会の米田 春夫です。」

「石狩 清子です。」

「来週から この砂浜で盆踊りの練習が 始まります。」

「おおー。」

「皆さま。ぜひ 振るって ご参加ください。」

「はーい。」

「若い力で この町を盛り上げていきましょう。」

「いいじゃん。」

「お願いします。」

「えっ? 2人はさ付き合っちゃってる感じなの?

 どうなの?」

「やめとけって お前は。」

「ああ。付き合っちゃってんだ。 あっ。」

「おー! うおー!」

突然叫んで走っていく春夫たち。

「何だ? あの 2人。」

浜辺で水を掛け合うカップル。

「あれって 本当にやるやつ いたんだな。」

準備続行でペンキ塗り。

「厚く塗ると 乾燥するまでに時間が かかるし

 表面が縮んでひび割れしちゃうから

 薄く 2〜3回 重ね塗りして。」

「はーい。」

「これ 東高 映画部の伝統の塗り方だから。」

「はーい。」「はい。」

夏希もしぶしぶペンキ塗りに参加。

看板ができあがりみんなで眺めました。

「OK? OK?」「OK。」「OK」「おおー。」

「いいじゃねえか。 ハハハ。いいねぇ。

 いいよ。青山。」

「オー。 青山?」

「青山。」


海の家で祝杯。

「ことしも 熱い夏になりそうだな。」

「がきが来る場所じゃねえんだよ!」

「おっと。 これ以上 近づくと。チッ チッ。 やけど するぜ。」

「ちょっ お前。 ほら!速い 速い。」

「店長就任 おめでとう。 乾杯。」

「おめでとう。 乾杯。」

「私 一言もやるって 言ってないから。」

「乾杯。 ほら。 おめでとう。」

「おめでとうございます。」

「だから やんないって。」

「おい。 早く 肉。 肉 肉。」

「この肉が 最後だからね。」

「おい。 最後の肉 くれよ。」

「うるせえな。」

「何だよ? うるせえって。どういうことだよ?」

朝日はひとりで浜辺に。

「ねえ?あの人 どうしたんですか?」

「いつものことだから気にしなくていいよ。

 あいつの趣味 たそがれることと 引きずることだから。」

「ふーん。」

「ねえ? いいから飲みましょうよ。 」

「えっ?」

波奈江と光。

「光が飲んでんの 珍しいね。」

「俺は 飲みたいときにしか飲まないから。」

「光は もっと 飲んで笑った方がいいよ。」

「何で?」

「だって もっと 楽しく生きた方がよくない?

  時間が もったいないでしょ。」

「お前もな。」

「えっ?」

「何年 無駄にしてると思ってんだよ?」

視線は朝日に。

浜辺に寝転ぶ朝日。
香澄を思い出しました。

「ありがとね。」

「何が?」

「連れてきてくれて」

「そんなの 当たり前じゃん」

「フフッ。 どうして?」

「大切な人だから」

「フフフ。酔っぱらってんの?」

「声 入ってるけど」

「ハハハ。 ヤッベえ」

ビデオを切った後話すふたり。

「ねえ? 朝日

 私が もし消えたら どうする?」

 えっ? そんなの捜すに 決まってんじゃん」

「それでも見つからなかったら?」

「待ってる。帰ってくるの ずっと 待ってる」

「待たないでいいよ」

「どうして?」

「アハハ。 待ってるって思うと気が重いんだもん」

「ねえ? 消える前提で話すの やめてもらえる?」

「お願い。待たないって 約束して」

「じゃあ 香澄も 約束してよ。

 俺の前から 絶対 消えないって」

 フフッ。消えるわけないでしょ

 だって まだ 『48時間』のDVD一緒に見てないんだし」

「うん。 そうだよね。 PART 2ね」

「うん」

「フフフ」

「何だよ? びっくりした」

『香澄は 約束を破り 1週間後に 突然 姿を消した』

そばで砂をほっている夏希。

「何?これ。あっ」

「幸せを心より祈っております」

と砂に書いてありました。

「私 人に 借り つくんの好きじゃなくてさ。」

「別に 貸したつもり ないけど。」

「私 この手紙の一言にちょっと 救われたんだよね。

 だから あんたにも この言葉

 送ってあげようかなと思ってさ。」

「何か 俺が幸せじゃないみたいじゃん。」

「ほら。 私も 最近同じような経験 してるからさ。」

「同じような経験って?」

「波奈江から 聞いた。あの看板の人のこと。

 まあ 私なんかと 一緒にされたくないとは思いますけど。」

カメラを準備する朝日。

「何?」

「これ あしたになったら消えちゃうじゃん。

俺さ。」

「うん?」

「これを 一生懸命書いてくれてる 姿を見た瞬間

 思ったんだよね。」

「うん。」

「ウミガメの 産卵みたいだなって。」

それはない・・。

「はっ?」

「いや。 汗 かきながらさ両手で 必死になって

 砂 かいてたじゃん?

 マジで 卵 産んでたらどうしようかと思って焦ったよね。」

「バッカじゃないの?」

朝日をつきとばす夏希。

「危なっ。」

「ハハハ。 ざまあみろ。」

「危なっ。」

「ハハハ。」

「危なっ。」

「ちょっと。 やったな?」

「何? 何?」

やりかえす。
そして海辺で戯れるふたり。

「一人で こけんなよ。」

「痛いんだけど ちょっと。」

「私 女子だよ。 女子。」

「ああっ! 」

「ハハハ。バーカ バーカ。 ハハハ。」

「ちょっと 待って。 ちょっと。ああー。

 びしょびしょじゃん もう。」

寝ている幸至。

「うーん。 夏希ちゃん。うーん。 うーん。 うーん」

カップルのように戯れる
二人をみつめる波奈江。
その波奈江をみている光。

砂の上によこたわる夏希。

濡れたTシャツを脱ぐ朝日。

波奈江の家に戻りました。

「へい。 ルービー。」

「あっ。 置いといて。」

「はい。ねえ? 何? この DVD。」

「ああ。 これ?

何か 披露宴で 流すはずだった映像だって。」

「へえー。」

「こんなものさ 渡してくるなんて あの男 ホント 性格 悪いよね。」

「ねえ?」

「うん?」

「これ 見てもいい?」

「いいけど。 私は 見ないよ。」

ビールを飲みながらビデオをみる波奈江。

「これ 中身 違うんじゃない?」

「えっ?」

「相手の男 出てこないよ。」

「何? これ。」

「7歳で出会ったころから

 ずっと シェフになるって言い続けてたんですよね。

 で 久しぶりに成人式で 会ったときに

 料理の世界に進んだって 聞いたときは

 もう ホントに びっくりした。純粋にカッコイイなって思いました。」

「こんなこと 言うの恥ずかしいんですけど。

 専門学校時代に 私 大失恋して家に 閉じこもってたんです。

 そしたら 夏希が 食材と お酒を大量に買って うちに来て

 何も言わずに料理を作り始めたんです。

 で それから 三日三晩 失恋話をずっと 聞き続けてくれて。

 あの恩は生涯 忘れないと思います。」

「夏希が 物心 付く前に主人が亡くなって。

 ああ。あの子には もう ホントにつらい思いばかりさせてきました。

 私が 仕事で 遅くなっても文句 ひとつ 言わないで。

 それどころか ご飯 作って待っててくれてるんですよ。

 だから 私 あの子が料理の世界を 目指すって聞いたとき

 少し 胸が痛かったんです。

 家庭環境のせいで好きなこと

 やらせてやれなかったんじゃないかなと思って。

 でも あの子が ずっと 憧れてたロッソネロの 店長になって
 
 初めて お店に招待してくれたときに言ってくれたんです。

 『お母さんが 毎日 おいしいって言ってくれた おかげで

 今の私が あります。産んでくれて ありがとう』って。

 そのときは言えませんでしたけど。

 私も ずっとおんなじ気持ちで います。

 私の娘として生まれてきてくれて
 ホントに ありがとう。

 夏希。幸せになってね。」

「ホントに 夏希には助けてもらいっ放しだったね。」

 これまで 一緒にいてくれてありがとう。」

「困ったことがあったらいつでも 連絡しろよ。」

「一生 友達でいてね。」

「夏希のことはいつだって 応援してます。」

「いつまでも きらきらした夏希で いてね。」

涙を流す夏希。

「朝日には 分かるんだろうねぇ。

 大切な人に いなくなられた人間の心の痛みがさ。」

最後には

「私たちはいつも夏希の味方です」

というテロップ。

「あ〜あ まだ 当分 やめられそうにないな。」

「何が?」

「やっぱり 私あいつのこと 好きだ。」

「フッ。 まあ 確かに悪そうな人じゃないしね。」

「でしょ?」

「うん。

 頑張んなよ。私 応援するからさ。」

「それは 心強いね。フフッ。」

「乾杯。」

自転車で走る朝日。

指輪を手にして自分で海に投げようとする夏希。
それを見守る波奈江。

「 無理することないって。

 そりゃ そうでしょうよ。

 簡単に踏ん切り つかない人だから

 結婚しようと思ったんでしょ?

 まだまだ 時間なんていくらでも あるんだからさ。」

『いつか 忘れられるときが

来るんだろうか?

 彼女の姿を思い出し

 心が 揺さぶられない日なんて

 本当に 訪れるんだろうか?』


看板の看板に挨拶。

「おやすみ。」

『まだ このときは信じることが できなかった

 目がくらむほどまぶしい 夏の夜明けが

 すぐ そこまで迫っているということを』

 



夏で海で美男美女がいっぱい。
いかにもな夏ドラマで、これから目がくらむほど
まぶしい夏がみられるのかと思うと楽しみ。
ただ可愛い子いっぱいだったけど
誰一人水着になりそうにないよね。

一話目みたかんじでは波奈江が一途で切ないですね。
この先も朝日が振り向いてくれそうな気がしない。
波奈江のことをずっと見守ってる光が行動おこして
そっちとくっつくほうが幸せになれる気がしますが
波奈江自身がふっきれないことには・・。

夏の大三角関係wなので夏希と朝日も
この先接近?
初回からすでにカップルみたいだった。
10年間ずっと隣でみつめていて、香澄ならともかく
ここで別の人に朝日の気持ちがいったら
波奈江がやっぱりかわいそうーー。

そもそもいきなりいなくなった香澄の設定がよくわからない。
実家は近くにないの?まったくの行方不明なら家族も
捜索願とか出してそうなものだけど、そういう事件性の
あるものとは無関係でただ家をでていったにしても
家族にも連絡なしとか。
ただ町を出て行った、朝日はずっと待ってる、
でも看板にはいつも笑顔の彼女がって・・。
朝日の気持ちが揺らいできたあたりに
ひょっこりあらわれるのかと思うと!

じめじめせずに夏のキラキラを
楽しませてもらえるのを期待。



三厨朝日: 山下智久 
千代原夏希: 香里奈 
谷山波奈江: 戸田恵梨香 
矢井野孝至: 勝地涼 
桐畑光: 窪田正孝 
谷山駿: 佐藤勝利(Sexy Zone)
堀切あおい: 山本美月 
米田春夫: 千葉雄大 
石狩清子: 橋本奈々未(乃木坂46) 
一瀬麻美: 中条あやみ  
一倉香澄: 長澤まさみ  
下嶋勢津子: 板谷由夏 
下嶋賢二: 高橋克典




2013.07.09 Tuesday 08:45 | comments(0) | trackbacks(9) | 
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