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SUMMER NUDE 第2話「片想いの連鎖…どしゃ降り雨とうれし涙」

第2話「片想いの連鎖…どしゃ降り雨とうれし涙」



朝。
眠っている朝日。
ラジオの音声。

「では各地の天気です

 みさき市 北部では雲が広がりやすく…」

『朝は決まってラジオの音が 聞こえて

 パンが焼ける においがして

 そして キッチンには香澄がいて』


朝食をつくってくれている香澄。

「できたよ」

起きるとやはり夢。

『あれから何度も見る夢

 当たり前のようにあった時間は

 もう記憶の中にしか 存在しない』


「お楽しみに。 じゃあ本日の 1曲目 いってみよう。

 みさき市に住む ラジオネーム

 ホップステップ ボブサップさんからの リクエスト

 FLYING KIDSで『風の吹き抜ける場所へ』

波奈江と夏希。
また夏希が朝食をつくってくれました。

「はい。 どうぞ。」

「何?」

「私の理想の生活だったのになぁって思ってさ。」

「理想の生活?」

「朝から 腕のいい 料理人の食事に ありつけるなんてさ

 幸せ以外の 何物でもないでしょ?」

「まあ 毎朝 褒めちぎってもらえる日常も

 ホントは 捨て難いんだけどね。」

「ずっと うちにいたっていいんだよ。」

「ありがとうございます。でもねやるって 決めたからには

 徹底的に やらないと気が済まない たちだから。」

「本当に 本当に青山の店長やってくれんだよね?」

「そりゃあさ あんだけ みんなに誘われて 断る方が 大変っしょ?」

「私 すっごい楽しみにしてるからさ。」

「うん。」

朝日は看板の香澄に挨拶。

「おはようございます。」

勢津子の病室にやってきた夏希。

「どこまで お力になれるか分かりませんけど。

 まあ やるからにはお店の看板を 汚さないように

 頑張りたいと思います。」

「うん。やってくれるって 信じてた。

 困ったことがあったら何でも 相談してね。」

「はい。」

「うん。」

「あの。 1個だけ聞いてもいいですか?」

「うん。」

「勢津子さんの 予言ってホントに 当たるんですか?」

「ウフフ。 みんなが適当に 言ってるだけよ。」

「私が この町に残るっていうのも

 勢津子さんの 予言どおりになっちゃったし。」

「まあね。 あんまり外れたことはないかもね。」

「そうなんですか?」

「うん。あなたに 起こることを

 もう一つだけ予言してあげよっか?」

「いや。 そうやって 言われるとちょっと 怖いですね。」

「夏希ちゃんは この夏必ず いい男に 巡り合う。」

「それは ないですよ。

 こないだひどい目に 遭ったばっかりですよ。」

「だから 起きるんじゃない。人生 悪いことが 起きると

 必ず いいことが 起きるようにうまく できてんの。

 だから 楽しみに 待ってなさい。」

「ホントに外したこと ないんですか?」

「ああ。一度だけ あったかな。」

「一度だけ?」

「うん。賢二と 結婚したこと。ウフフ。

 あの人とはさ絶対 結婚することはないって

 言い続けてたからね。」

「へえー。 そうなんですか?」

「そうなのよ。」

夏希は海の家のそばの部屋に引っ越し。

「おいっさ。なあ? 夏希ちゃん。ホントに ここで 大丈夫か?」

「いや。 もう 全然。 十分ですよ。ありがとうございます。」

「探しゃ もっと ちゃんとした部屋 借りられっけどな。」

「いや いや いや。ありがとうございます。

 仕込みのこと 考えると店の近くに いたいし。

 レストランの 見習い時代も住み込みで

 似たような生活をしてましたから。

 すいません。」

「はい。 そっか。 よいしょ。ハァー。」

「あっ。 何ですか? これ。」

写真をみつける夏希。

「毎年 写真館に頼んで撮ってもらってんだ。」

「ふーん。」

「青山が オープンしてからずっと やってる 恒例行事。」

「へえー。」

「ことしも ちゃんと頼んであるから。

 っていっても朝日が 撮るんだけどな。」

「あいつか。」

「ハハハ。」

「あれ?」

「うん?」

「これ 誰ですか?」

「ああ。 それはね勢津子の 前の旦那。」

「えっ?勢津子さんって 別の人と結婚してたんですか?」

「うん。 でも そいつは 海に行ったっきり 戻ってこなくてさ。」

「えっ?」

「で 俺が その後釜。」

写真館にやってきた女性。堀切あおい。
この間朝日が駅で声をかけた、ポスターをみていた子。

「いらっしゃいませ。」

「あの。 写真お願いしたいんですけど。」

「証明写真でよろしいですか?」

「あっ!この前の ナンパの。」

「ああ。 いや。 誤解だって。ナンパじゃないよ。」

「えっ? 何?お二人 知り合い?」

「いえ。 違います。はい。」

「あの人 有名なんですか?」

「あの人って?」

「駅で 私が見てたポスターの人。

 海に でっかい看板まで あったから。」

「有名ってわけじゃないと思うんだけど。

 じゃあ そこ 立って。」

「知り合いなんですか?」

「どうして?」

「だって 私が あの人と知り合いだと 思ったから

 話し掛けてきたんですよね?」

「まあ 知らないってこともないんだけどさ。」

「モデルさん?」

「ちょっと じっとしてくれないと撮れないよ。」

「何やってる人なんですか?」

「はい。 じゃあ 撮ります。」

小南さんと将棋をしている波奈江。

「お父さん お元気?」

「まあ パパは ゴルフだ接待だって 遊んでばっかり。」

「成り金で攻めてくるところなんざ父親譲りか?」

「うちは 筋金入りの成り金だからね。」

「お金持ち特有の 品のなさが駒の動きに 出ているよ。」

「フフフ。」

「どっちが 勝ってるんですか?」

「そんなの一目瞭然じゃないか。」

「ああ。 お茶 おいしい。」

「参りました。」

「エヘヘ。ちゃんと 約束 守ってよね。」

「はーい。ああ 朝日。 お疲れ。」

「じゃあ 出来上がったら取りに来ますね。」

「全力で 仕上げるから楽しみにしといてね。」

「はーい。 今度はちゃんと 誘ってくださいね。」

「ありがとうございました。

 誰? あれ。」

「ああ。 帰国子女でクオーターで モデルの卵。

 男の願望が そのまんま歩いてるようなもんだね。」

「地元の子なんすかね?」

「ああ。 小学校までこっちに 住んでたって。」

「ああ。 そうなんだ。あっ。 ねえ 朝日。

私 社長に 将棋で勝ったから証明写真 タダになっちゃった。」

「証明写真なんて 撮ってどうすんの?」

「昔から 1回 履歴書作ってみたかったんだよね。

 ちょっと 憧れるじゃん?」

「じゃあ 麻美ちゃんさ 波奈江の撮影 お願いね。」

「えっ? 何でよ?朝日が 撮ってよ。」

「何で 俺が撮るんだよ?」

「だって さっきの子は喜んで 撮ってたんじゃないの?」

「あれは お客さんだから当然だろ。

 じゃあ みさきヶ丘小学校に打ち合わせ 行ってきます。」

「いってらっしゃい。」

朝日、でていってしまいました。

夏希の部屋にやってきた朝日。

「うわっ。」

「こんばんは。」

「ちょっと。 女子の部屋勝手に 見ないでくれる?」

「これ 引っ越しそば。 よかったら。」

「っていうかさ 引っ越しそばって普通 引っ越してきた人が

 近所に 配るもんでしょ?」

「まあ 感謝の印ってことで。」

「何? 感謝って。」

「青山の店長 引き受けてくれてありがとう。」

「あのさ。 感謝すんのは

 無事 店が オープンして繁盛してからっしょ?」

「あれ 写真 飾ってくれてんじゃん。」

「飾ってんじゃないの。

 ただ 貼ってあるだけだし。」

「意味 同じだよね?」

「全然 違うっしょ?」

「どこが?」

「あのね。 飾るっていうのは

 もっと 価値のある写真に向かって

言う言葉なの。」


「もうちょっと 自分のルックスに

  自信持ってもいいと思いますけどね。」

「そういう意味で言ってんじゃないし。

 写真の 出来栄えについて話してるんですけど。」

「あの写真よく 撮れた方でしょ。」

「何せ 被写体 輝いてるからね。」

「ホントだよね。

 あの数時間後に 地獄を見るとは思ってない顔 してるもんね。」

「いや。 そういう意味で言ってないよ。」

「冗談だよ。

 でも 不思議だよね。 あの手紙とこの写真がなかったら

 あんたに電話することもなかったし。

 この家で 生活することもなかったんだもんね。」

捨てられなかった指輪もおいてありました。

『僕たちには 

この先進んでいくために

 どうしても脱ぎ捨てなければいけない

過去があった』

『過去を 脱がしてくれたのは

北風でも 太陽でもなく

 突然 降りだした土砂降りの雨だった』



写真館。
麻美が香澄の写真をもってきました。

「えっ? この人。これって海の看板の人ですよね?

 この写真ってうちで 撮ってたんですか?」

「うん。麻美ちゃんは何にも知らないんだね。

  朝日君が撮った 世紀の1枚じゃないか。」

「えっ? これ朝日さんが 撮ってたんですか!?」

「まあね。」

「うん。 あの看板以外にも彼女を モデルに使った仕事

 幾つか あるんだよ。えっと。」

「社長。 社長 いいっすよ。」

「大丈夫っす。」

「この人 何者なんですか?」

「あっ。 非常に いい質問だね。」

「社長。」

「この町で4年前に 開催された

 第1回 ミス みさきちゃんコンテストで優勝した

  大学生だったんだよ。」

「そうだったんですか。えっ? じゃあ この人

 今も この町に いるんですか?

 うん?」

「 あっ。ああ もう こんな時間だ。

 銀行 行かなくちゃ。まずい まずい。 まずいよ。 うん。」

社長、でていってしまいました。

「聞いちゃまずかったんですか?」

「まあ 元気に 暮らしてると思うよ。この国の どっかで。」

「ああ。 あれから 4年 たつんだ。早いなぁ。」

そのコンテストのポスターをみる夏希と波奈江。

「夏希も これ 出なよ。」

「はっ?冗談 やめてよね。」

「うちのパパ 審査員 やってるから

 1票だけなら 何とかなるよ。」

「バーカ バーカ バーカ。」

地元の関係者に挨拶まわり。

「ムツオさん。 紹介すんね。

 せっちゃんが 戻ってくるまで青山の店長 やる 夏希。」

「よろしく お願いします。」

「ああ。賢二さんから 話は 聞いてるよ。

 絶対 毎日飲みに行くからね。」

「ありがとうございます。お待ちしてますから。」

「こう見えてショウさんは 光のパパ。」

「えっ!? そうなんですか?」

「どんな魚でも用意するから遠慮なく 言ってくれよ。」

「ありがとうございます。」

「今日 光は?」

「あの バカはバイト 行った。」

「あっ そう。 じゃあ また 来んね。」

「ああ。じゃあ また。」

「うっす。」

「ねえねえ。」

「うん?」

「バイトって どこで やってんの?」

「レンタルビデオ屋。」

「ビデオ屋?」

「親子なのに 全然似てないんだ あの2人。」

「確かに。」

レンタルビデオ屋へ。

「ここ。」

「ふーん。」

「ここ びっくりするぐらいさえない ラインアップだから。」

光が店員。

「文句 言うなら来なくていいから。」

「でも 心配しないで。この店は ぱっとしないけど

 ショウさんとこの魚は間違いない。」

「うん。 どうも。さっき お父さんには

 仕入れの件で挨拶させてもらいました。

 ありがとう。」

「こちらこそありがとうございます。」

「うん?」

「うちの親父たちにとってもそうだけど。

 俺にとってもあの店 やってくれるのホントに 大きいんで。」

「期待に 応えられるように頑張ります。」

「じゃあ 借りたいもん ないから帰ろっか。」

「はっ!?」

「品揃えが 悪くて申し訳ありませんでした。」

「また あした 来んね。」

「もう 来なくていいから。」

「ちょっと ちょっと ちょっと。

 あっ。 何か ごめんね。じゃあ また。」

アイスを食べながら話すふたり。

「朝日ね あのレンタルビデオ屋で

 ブラックリストに 載ってんだよ。」

「えっ? 何やらかしたの?」

「フフッ。DVDの 延滞料金

ずっと 払い続けてんの。

 しかも 3年も。」


「はっ!? 何? それ。」

「ほら。 看板の香澄 いたでしょ?」

「うん。」

「あの子と そのDVD

見るって約束してたんだって。

 だから 返さずに

ずっと借りたまま 待ってんの。」


「ねえ? あの人ってさ。」

「うん。」

「バカだよね?」

「ハハッ。

  香澄との約束はずっと 覚えてるくせにさ

 私との約束は 全然覚えてくれてないんだよねぇ。」

「どんな約束?」

「二十歳になったら写真 撮ってくれるって約束してたんだけど。

 あれから 5年もたつっていうのにさ

 まだ 一度も撮ってくれたことないんだ。」

「ふーん。そうなんだ。」

学校へやってきました。

「初めて朝日を見掛けた場所がここ。」

「それは いつなわけ?」

「高校1年の 5月6日。

 学校が終わって 帰ろうとしたら

 マラソンから 戻ってきた野球部がいてさ。

 そんときに 声 掛けられた。」

「えっ? それって ナンパってこと?」

「アハハ。 朝日がそんなこと するわけないじゃん。

  「早く 帰った方がいいよ。

今から 雨 降るから」って。」


「へえー。あの人って 初対面の人にもそういうこと 言うんだね。」

「そのとき 美術の授業でやった絵を持ってたのね。」

「うん。」

「それが ぬれちゃうからって思ったみたい。」

「ふーん。 で 降ったの? 雨。」

「家に着いた瞬間 土砂降り。

 その雨の音を聞いて胸が

「どきっ」みたいな。」


「そっか。土砂降りの雨か。」

「夏希は 何か 思い出 あんの?」

「えっ?」

「いや もう。 私のは もう思い出したくもないんだけどさ。」

「えっ? 何?何? 何? 何? 何?」

「えー? いたじゃん?前の あの くそ婚約者。

 あいつとサッカーの試合 見る約束してたの。

 で 朝 起きたら土砂降りの雨が 降っててさ

 中止だと思って そのまま二度寝しちゃったの。」

「えっ? でも サッカーってさ雨でも やるんじゃないの?」

「そう そう そう。それ 全然 知らなくて起きて 携帯 見たら

 「入り口で 待ってる」ってメールが 何件も来ててさ。」

「ああ。 そりゃ そうなるよね。」

「で そっから大雨が降った日には

 必ずメールが 来るようになってさ。」

「うん。」

「あの こういう 傘のマークの絵文字 1個だけなんだけどね。」

「ああ。そういうの 憧れるな。」

「でも 1回だけ 仕事終わりに携帯 見たらさ

 そのメールが 来てたの。」

「うん。」

「で 外 行ったら 傘 持って待っててくれてたの。」

「へえー。 そんときは優しい人だったんだね。

「それが 何でこうなっちゃうかねぇ?」

「まだ その人のこと 好き?」

「はっ? んなわけ ないじゃん。吹っ切れたよ。」

「ホント?」

「いや。 だってさあんな ひどいことされて

 まだ 好きとか 言ってたら気持ち悪くない?」

「うーん。 でもさ 本当に好きな人に ひどいことされても

 嫌いになれなくない?」
「えっ?」

「冷たくされるたんびに思うもん。

  自分の気持ちがどんどん 離れてくれたら

 どれだけ 楽かってさ。」

せつない・・。

賢二のお店。

「ホントだ。 俺と 孝至のワンショットは

 無駄に たくさん あるけどお前のは 1枚もねえな。」

「だから ないって 言ったじゃん。」

「偶然の 1枚ぐらいあっても よさそうなのにな。」

「そうだよね。 うーん。」

「夏希ちゃんもこっちで 飲まない?」

「あっ。 ごめんなさい。今 ちょっと 手が離せなくて。」

「あっ あっ。じゃあ 何か 手伝いましょうか?」

「お気持ちだけ 頂きまーす。」

「はい。」

「早いね。もう 振られてやんの。」

「はっ? 今の どこに振られた 要素があんの?
 言ってみて。」

「脈があるか ないかぐらい分かるでしょ?」

「ハァー。 お前は何にも 分かっちゃいないね。

 最初から 燃え上がる 恋なんてすぐに 消えちまうんだよ。

 小さい火種が じわじわっと燃えていく 恋こそ

 本物なんだよ。 うん。」

「で 火種はもう 付いてんのか?」

「火種は 一方的に こっちから付けるもんじゃないんです。

 男と女の摩擦で自然と 付くもんですから。」

「要するに 付いてないってことね。」

「はっ?」

レンタルビデオ店にやってきた朝日。

「いらっしゃいませ。」

「よっ。」

「1週間の延滞で2,100円になります。」

「はい。」

「もう いいかげん返したら どうですか?」

「俺の延滞金 なかったら今ごろ ここ つぶれてんだろ?」

「そろそろ ホントに返してくれませんかね?」

「何を?」

「そのDVD 借りたいって毎日

来てる 客がいて困ってるんですよ。」


「そんな物好き いるんだ。」

「波奈江ですよ。

返却するのか 買い取るのか。

 どっちか はっきりしてくれないと

こっちも 困るんですけど。」


香澄は母と電話。

「もしもし。荷物ありがとう。」

「ああ。 届いた?」

「うん。」

「ねえ?働くって どういう店なの?」

「ああ。ちょっとした レストラン。」

「海の近くなの?」

「うーん。 うん。海はね ものすごく 近いね。 うん。」

「時間 できたら食べに行くわよ。」

「いや。 いいよ」

「どうして?」

「ほら。 遠いし。 そんなに長く 働くつもりもないからさ。」

「あんまり無茶なこと しないでよ。」

「フッ。子供じゃないんだからそんな 心配しなくて大丈夫だって。」

「心配するに決まってるでしょ。

 あんなことがあった後なんだから。

 うちにいるときはせかすようなこと言っちゃったけど。

 もっと ゆっくりしててもいいんだからね。」

「ありがと。 でもさ ずっと甘えてるわけにもいかないし。

 逆に せかしてくれてよかったって思ってるよ。

 いつまでも 引きずってるわけにもいかないしさ。」

海辺で子どもたちの写真を撮る朝日。

「データは 整理して後日 送らせていただきますので。」

「お願いします。ありがとうございました。」

「ありがとうございます。」

そのあと夏希の海の家にいきました。

「こんにちは。」

「ああ。」

「ああいう撮影も するんだね。」

「学校関係も 多いね。

 うちは 基本的に何でも やるからさ。」

「ふーん。」

「順調?」

「えっ?まだまだ 不安だらけだよ。味の心配もあるし。

 お客さんも 来てくれるかどうかも心配だしね。」

「何か 手伝えることあれば言ってくださいね。」

「うん。」

「ねえ?

 あの看板の 女の子は どんなメニューが 好きだったの?

 この店 大好きだったって聞いたけど。」

そこへ孝至が。

「サーフィン日和。」

「こんちは。」

「こんちは。 チッ。何だよ?お前も 来てたのかよ?」

「あれ? 孝至さんってサーフィン やるんですか?」

「ああ。 やるっていうか生きてく上で 欠かせないもの?

 呼吸 睡眠 仲間。

 サーフィン。」

「25mも 泳げないやつが急に どうした?」

「はっ? はっ? お前 何 言ってんの?

 いいから ちょっと 黙ってて。」

「乗る前に まず ビニール取った方が よくない? これ。」

「はあ?通は 剥がさないで 乗るんです。」

「通って 言うかな?サーファーが。」

波に乗れてない孝至。

「ハハハ。アハハ。 何? あれ。 フフッ。

 ねえねえ。 何でカメラマンに なろうと思ったの?」

「うーん。 生まれて 初めて褒められたのが 写真だったから。」

「何の?」

「海。」

「海。私 思うんだけどさ。
 
 海って誰が撮っても おんなじじゃない?」

「いや いや いや。じゃあさ

 同じ材料と レシピで料理 作ったら 誰が作っても同じ味になる?」

「なるわけ ないじゃん。」

「それと 一緒だよ。」

「一緒かなぁ?」

「撮ってみれば?」

「えっ?どこを撮るの?」

「撮りたいところを どこでも。」

「だから 分かんないから聞いてんじゃん。」

「だから 見てて 撮りたいって思う瞬間が くるから

 そのタイミングを 逃さずにシャッターを 押すだけ。」

「うん。」

カメラのシャッターを押す夏希。

「どう?」

「天才。 超センス ある。」

「あのさ。 何で そうやってバカにするかな?」

「いや いや いや。ホント そんな 悪くないよ。

 カメラ もうちょっと下に 下げて
 
 この水平を 揃えるだけでだいぶ よくなるね。」

「マジ?」

「うん。」

「もう1回 撮っていい?」

「もちろん。」

海の中から二人を気にする孝至。

「あいつ 邪魔だな。」

「ああ!アハッ。 また こけた。

 ねえ? 見本 見せてよ。」

「いいよ。」

「何ていうの? プロの違いってやつ。」

「海なんて誰が撮っても 一緒ですから。」

「あっ。 照れてんの?」

「照れてない。」

「大丈夫だって。 もともと そんなうまいと思ってないから。 」

「はい。」

すごく仲良し・・。

「うーわ。 ホントだ。全然 違う。」

「いやいや。 一緒だって。」

「何か すっごい 悔しいんだけど。

 もう1回 撮っていい?」

「もちろん。」

「ねえ? 何で 波奈江はさ 撮ってあげないの?」

「えっ?」

「波奈江が一人で 写ってる写真は

 絶対 撮ってくんないって言ってたよ。」

「たまたまでしょ。」

「んなわけ ないじゃん。

波奈江じゃ 駄目なの?」

「何が?」

「だってさ10年も 待たせてるんでしょ?」

「別に 待たせてなんかないし。」

「でも 波奈江の気持ちは知ってるわけじゃん?」

「あいつと 俺は もう完全な腐れ縁だから。」

「向こうは そういうふうには思ってないけどね。

 後さ 私 波奈江と あんたのこと

 応援するって言っちゃったんだよね。」

「ホント 余計な お世話だから。」

朝日、カメラをとりもどしました。

「ごめん。

 余計なこと言ってるかもしれないけどさ。

 でも いいかげん 看板の人のこと

 忘れた方がいいと思うよ。」

「分かってんなら黙っててくれます?」

「だって もう3年も たってんでしょ?

 いなくなってから。」

「そっちは どうなんですか?」

「えっ?」

「ちゃんと 婚約者のこと忘れられたんですか?」

「まあ 時間の問題だよね。」

「じゃあ 指輪は もう 捨てたんだ?うん?」

「いや。 まだだけど。」

「人に あれこれ 言う前にまず
 
  自分のことちゃんとしたら どうですか?」

「あんたにだけは そういうこと言われたくないんだけど。

 一緒に見ようって 約束してたDVD

 3年も借りっ放しにしてるんでしょ?

 そんな約束 信じて何の意味があんの?」

「別に 信じてなんかないし。」

「じゃあ 何で 借りてんの?」

「借りたいから 借りてるだけ。

 あなたに 迷惑 掛けてます?」

「掛けてる。」

「はっ? いつ 迷惑 掛けました?」

「見てると 腹が立つ。」

「誰も 見てくれなんて頼んでないし。」

「思い出に しがみついて生きてて 楽しい?」

「人が どうしようと 勝手だろ?」

「そうやって これからも延滞し続けるんだろうね。

 私は 捨てるよ。

 あんたみたいな 惨めな人間になりたくないからさ。」

「自分のこと 棚に上げて
 
 べらべら人に 説教 垂れる人間の方が

 よっぽど 惨めだと思いますけど。」

「ああ。 ホント ムカつく。

 バッカじゃないの?ずっと 延滞しとけ。」

波奈江の部屋でテレビをみている弟。

「よーし。 きた きた きた。ゴール!

ねえねえ。 姉ちゃん。 見た?」

「っていうかさ部活の鬱憤を

うちで晴らすのやめてくんないかな?」

「うっせえな ホントに。」

「で 今日は? 試合 どうだったの?」

「ぼろ負け。」

「っていうかさ 一度も 勝ったって聞いたことないんだけど。」

「勝ったことねえんだから言うわけねえじゃん。」

「でもさ 負けるって 分かってる試合でも 戦うって

 どんな気持ちなの?」

「しょうがねえだろ。サッカー 好きなんだからさ。」

「ふーん。 そんなもんかね。」

「だって 姉貴も 一緒だろ?」

「うん? 何が?」

「朝日君のことに決まってんだろ。

 きた。 ゴール!」

「そろそろ 1点ぐらいは決めたいよね。」

賢二と夏希。

「お疲れさまです。」

「はい。 お疲れさん。」

「これ 冷蔵庫 お願いしていいっすか?」

「OK。 いいよ。」

「重いっすよ。 すいません。」

「OK。 よし。ああー。 疲れた。

 あっ そうだ。 あした 勢津子も店に 顔 出すって 言ってたよ。」

「えっ?もう 退院できるんですか?」

「うん。 まっ 海開きには間に合わせるとは 言ってたけどさ。

 また 予言どおりだ。 うん。」

「ありがとうございます。」

「よし。」

「っていうか あした オープンって気が全然 しないんですけど。」

「フフッ。 夏希ちゃんなら大丈夫だよ。 どうにでもなるって。」

「いいかげんなこと言わないでくださいよ。」

「いや。 根拠は あるよ。だって 夏希ちゃんは

 出会ったころの 勢津子にそっくりだから。」

「えっ?」

「人生の荒波を くぐり抜けて人間としての強さを

  どんどん増してくっていうのかな。

 そういうとこ すごい 似てるよ。」

「いや いや いや。

 私 まだ 言うほどくぐってませんから。」

「同世代の 他の子に比べたらもう かなりの経験値でしょ?」

「勢津子さんって。」

「うん。」

「どうやって 前の旦那さんのこと忘れたんですかね?」

「ハァー。 まっ 聞いたことないから分からないけどさ。

 まだ 忘れてないんじゃないかな。」

「えっ?」

「いや。 俺はそれでもいいって 言ったから。

 だから 夏希ちゃんも無理に 忘れようとしなくたって

 いいんじゃないかと思うんだよな。

 ほら。 まあ そのうちもっと いい男が現れるから。

 ほら。 俺みたいな いい男がね。」

「えっ? どこ? どこ? どこ?」

「えっ?」

「ここ ここ。」

朝日の部屋でサーフィンの練習をしている孝至。

「よっしゃ! 乗った!おお。 よし。」

「頼むから 自分ちでやってくんない?」

「お前 バカか?実家で これ やってたら

 完全に 頭の おかしな人になるだろ。」

「今でも じゅうぶん おかしいけど。」

「ああ。あっ。 そういえばさ

こないだ港区で 飲んでたときにさ

 お前が 波奈江の写真は

絶対に撮らないって 話になったんだよ。

 あれって 何か理由 あるんだっけ?」

「別に ないけど。」

「じゃあ 今度 撮ってやれよ。」

「俺が 写真 撮ったやつってさ

 消えて いなくなっちゃうじゃん?」


「あら? 朝日君。

 いつの間に そんな 自虐的なこと

言えるようになっちゃったの?

 どうしても 撮るの 嫌なんだ?」

「まだ この話 すんの?」

「いや。 だって約束してたんじゃねえの?

 二十歳になったら写真 撮ってやるって。

 覚えてんなら何で 撮ってやんねえんだよ?」

「嫌なんだよ。」

「何が?」

「あいつのこと 喜ばすの

何か 悪い気がしてさ。」


「はっ? 何だ? それ。

 波奈江の気持ちに応えてやれないからって

 むやみに 喜ばせないことが優しさだとか 思ってんの?」

「別に優しさとは 思ってないけど。」

「1枚 撮ってやればそれで 終わりだろ?

 あいつはな それでじゅうぶん 満足なんだよ。

 お前な 10年も空振りを 続けてきた女が

 写真 1枚 撮ってもらったぐらいで勘違いすると思うか?」

レンタルビデオ店にきている波奈江。
まだビデオは貸出中。

「あいかわらず暇なお店ですね。」

「その お店に 毎日 来てるお前は もっと 暇ですね。」

「ヘヘヘ。 ねえ?そろそろ 終わるんでしょ?

 一緒に 帰ってあげようか?」

「はいはい。」

いっしょに看板の前まできました。

「今日は何点差で負けてる?」

「点数なんて そんな 簡単に変わるもんじゃないでしょ。」

「じゃあ まだ 3点差ってこと?」

「まあ そんくらいじゃない?」

「ふーん。

 どうやって 点 取ればいいのか教えてよ。」

「うん?」

「一応 こっちも 色々 作戦 立てて

 攻撃してきたつもりなんだけどさ。

 もう 万策 尽きたって感じ。」

「この写真 頼んだの後悔してんの?」

「えっ?」

「親父さんに頼み込んだんでしょ?

 この広告の カメラマンあの人にしてくれって。」

「まあ そりゃあ 後悔してないって言ったら

 嘘になるよね。

 朝日に 喜んでもらいたかっただけなのにさ。

 まさか 運命の出会いを提供しちゃうなんてさ。

 フフフ。 攻撃が こんな裏目に出る試合も 珍しいよね。

 いいよな。 こんな 奇麗に撮ってもらっちゃってさ。」

「俺が 代わりに撮ってやろうか?」

「フフッ。また 小難しい

  自主映画でも撮ろうと思ってんでしょ?」

「別に 小難しいのなんて作る気 ないよ。」

「そんな 同情なんて やめてよ。」

「別に 同情なんて してないし。」

「まあ 私も 弱音

 吐かずにもう少し 頑張ってみるか。

 この夏の間に 1点 取るから見といてよ。」


「うん。 」

「フフッ。 」

「頑張れ。」

「うん。 頑張る。」

光も切ない・・。

砂浜で海開き。

海水浴客もいっぱい。

清子と春夫もいて
清子がたちあがって水着をみせました。

「春夫さん。見てくれないのね?」

「ああ いや。 今ちょっと 考え事をしているんだ。」

「私の水着姿は 海の藻くずと何ら 変わりないって 言いたいの?」

「な… 何を言ってるんだ?あっ。 ああ。

 宝物が まぶし過ぎて 目が開けられないだけじゃないか。」

なんだこのカップルはw

「待ちに待った海開きですね。」

「ああ。ついに 海が開いたよ。」

貝も開いてました。
海の家は盛況で夏希は大忙し。

波奈江もいるし 孝司はのりをもってきました。

「あっ。 これ あの 開店祝い。」

「マジ?」

「のりの詰め合わせ。うちの会社の 最高級品だから。」

「へえー。 ありがとうございます。

 助かります。」

そこへ光も。

「日本一 海の似合わない男もご来店です。」

「うちの親父が 開店祝いにこれ 持ってけって。」

「うーわ。 何? これ。何? これ。 何? これ。

 キンメに カツオにヒラマサに カキじゃん。

 使えるもんばっかじゃん。しかも 新鮮。」

「取れたてで うちは質 ばっちりなんで。」

「マジで?早速 使うよ これ。」

孝至をはげます駿。

「俺は 君んとこの のり嫌いじゃないけどね。」

「うちの のりの佃煮みたいに瓶詰めにしてやろうか?」

「ここ いい? 」

「座って。どうぞ。」

「 一緒に 飲もうぜ。」

「おい。 おい お前。お前 ケンカ 売ってんのか?

 さっきの タイミング わざとか? あれ。」

「何の話? ビール?」

ムツオとショウもくつろぎ中。

朝日をみかけて声をかける夏希。

「ねえ ちょっと洗い物やってくんない?」

「やだよ。 俺 客だし。」

「勢津子さんに 常連客は手足のように 使っていいって

 言われてるからさ。」

「常連なら 他にもたくさん いるじゃん。」

「何 ケチくさいこと 言ってんの?」

「俺も 早く 飲みたいから。」

「仕事 終わった後の ビールはもっと おいしいし。」

「今 仕事してきたし。」

「だいたいね もとはといえばあんたのせいなんだからね。」

「はっ?」

結局お手伝い。

「ねえ? もうちょっと 速く洗えないのかなぁ?」

「これでも 最速でやってますけど。」

「おい 朝日。どけ どけ どけ。もう 俺が 手本 見せてやる。」

「そう。 これこれ これこれ。このスピード感。 ねえ? できる?」

「これ やって。 これ これ。分かる?」

「あっ。 いらっしゃいませ。」

「お前さ 洗い物でカッコつけてないでさ

 サーフィンで いいとこ 見せろよ。」

「ういー。」

赤ちゃんをつれて勢津子と賢二もやってきました。

「おいおい。大盛況じゃねえか。」

「ああー」

「赤ちゃん 連れてきて平気なの?」

「おう。 うちの息子が お前こんなところで

 病気に かかるようなやわな遺伝子だと思うか?」

「ねえ?」

「ああ。 そうだよね。

 せっちゃんは 生後 2週間で海 泳いだって 伝説 あるしね。」

「ありますよ。」

「信じたくないけどな。」

勢津子の挨拶。

「ことしも ご来店いただき誠に ありがとうございます。

 無事に オープンすることができて

 心から うれしく 思っています。何より 夏希ちゃん。

  あなたがこの町に来てくれた おかげで

 お店を 開くことができました。ホントに ありがとう。

 1日も早く 戻ってこられるように努力しますので

 その間 お店のことよろしく お願いしますね。

 それから 皆さん。 ことしの夏もレストラン 青山のこと。

 それから 新しい店長の夏希ちゃんのこと。

 温かく 見守ってください」

「はい!」

「ウフフ。よろしく お願いします。」

「グラスを 持って。」

「はい。」

「いきますよ。乾杯!」

「乾杯!」

「ありがとうございます。」

乾杯。
拍手。

みんなそろって記念写真。

「じゃあ いきます。」

「えっ? いきなり 撮んの?

何か掛け声とか ねえのかよ?」

「じゃあ いきます。はい。 チーズ。」

「OK。」

「ねえねえ ねえねえ。俺と 夏希ちゃんの写真 撮ってよ。」

「いいよ。 めんどくせえから。」

「何だよ? 」

「めんどくさい。ちょっ ちょっ ちょっ。」

「波奈江。」

「うん?」

「写真 撮ろう。 写真。」

「せっかくだから 2人のがよくない? ねえ?」

「交ぜて 交ぜて。」

「あれ? 光 入んなくていいの?」

「あいつは いいんだよ。これ以上 増えたらな

 ますます写真を撮る 意味合いが 薄くなる。」

夏希と波奈江と孝至の3人

「せっかくだからさ「はい。 チーズ」じゃなくて

 何か 絶妙な掛け声とか ない?」

「何だよ? その無茶振り。」

「自然に 笑顔になれるやつ。」

「うん。」

「あっ。 でもさ チーズといえば夏希ちゃんでしょ?」

「チーズ? 」

「名前 変える?」

「えー。 ゴルゴンゾーラ。

 マスカルポーネ。 リコッタ。」

「あっ。 リコッタ いいね。

 あっ。 「みんな カメラ 見て。リコッタ 笑って」」

「つまんない。」

「掛け声になってねえし。」

「光。 何か ないの?」

「うーん。 べたに モッツァレラは?」

「何だよ? べたにモッツァレラって。 全然 駄目だろ。」

「モッツァレラ。 あっ。 いいかもね。」

「いいんじゃん モッツァレラ。」

「全然 いいよね。」

「お前 どっちなんだよ?」

「じゃあ みんな。 あの。モッツァレラの 「ラ」のとき 笑顔ね。」

「うん。 」

「「レ」じゃなくて 「ラ」ね。」

「もう いちいち うるさい。」

「はい。 もう いくよ?」

「はい。」

「 はい。 せーの。」

「モッツァレラ。」

写真を撮るときに夏希と孝至がしゃがみ
波奈江だけの写真になってしまいました。

「あっ。」

「データ 確保。」と夏希が指示。

「何? 何?」

「よし。」とデータ確保する孝至。

「おいおい おいおい。 おい。」

「データの確保 完了しました。」

「ミッション 大成功。」

「イェーイ。イェイ イェイ イェイ。」

夏希と孝至が仕組んだこと。

「えっ? 何?これ。」

「どういうこと?」

「ずっと 欲しかったんだろ?

 朝日が撮った お前だけの写真。」


「お前ら こんなの ひきょうだぞ。」

「ひきょうなのは どっちだよ?

 約束 守んないで撮るの 避けてきた

あんたの方が

 よっぽど ひきょうじゃん。」


泣きそうな波奈江。

写真館に写真をうけとりにきた波奈江。。

「うーん。この写真はどうかな。

 僕に頼めば もっと 上手に撮ってあげるのに。」

「いいの いいの。うまい 下手の 問題じゃないの。」

「はい。」

「ありがと。」

「うん。」

店にいる朝日は知らん顔。

外へ出て写真を見て笑顔になる波奈江。

そこに声をかける朝日。

「あのさ。」

「ううー。

 もう びっくりした。驚かせないでよ。」

「ホントに その写真でいいの?」

「うん? どういうこと?」

「いや。 お前が いいんだったら別に いいんだけどさ。」

「えっ? ちゃんと撮ってくれる気 あんの?」

「だって 約束したんだろ?」

「「したんだろ?」じゃなくてしたの。

 でも やっぱ いいよ。この写真で。」

「そっか。」

「だって また 約束したら また 期待しちゃうからさ。

 じゃあね。仕事 頑張って。」

「ちょっと 待って。」

「うん?」

店から傘を持ってきた朝日。

「今から 雨 降っからさ。」

「えっ?」

「いや。 写真 ぬれちゃうし。

何だよ? その顔。

 全然 降るって 信じてないだろ?

 あの日も ちゃんと 降ったろ?

 高校んときだよ。お前が 絵 持って 歩いてて

 雨 降るって 教えてやったの覚えてないの?」


またこんなほれなおすようなことを・・。

「覚えてくれてたんだ。

何にも 覚えてくれてないと思ってたよ。

 ありがと。」


傘をかりていく波奈江。

家できれいな写真たてに写真を入れて飾りました。

そこにタイミングよく雨が降り出し
笑顔になり、そのあと泣きだす波奈江・・。

夏希も眠れず元カレを思い出しました。

仕事がおわると彼からメールがきていて
外へでると雨。

「うわー。まだ 降ってるな

 あれ? 何で いんの!?」

「今日 傘持ってきてないと思ったから」

「えっ? それでここに 来てくれたの?」

「俺 得意だから。雨ん中で 待ってるの」

「フフフ。 ごめんなさい」

「はい 行こう」

「ハハッ」

「うわっ。 すごい。何だよ? この雨」

楽しかった彼との思い出。
そこへメールがきてどきっとしますが
お母さんから。
梅干したくさんもらったんだけど食べますか
という内容でした。

写真館。
朝日に夏希から電話。

「あっ。 もしもし?今 仕事中?」

「まあ そうだけど。」

「あのさ。 今日 仕事 終わったら

 ちょっと 時間 あるかな?」

「どうして?」

「見せたいものが あるんだよね。」

そして夕方。

砂浜に夏希と波奈江がいました。

「朝日ー」

指輪を捨てようと決心した夏希。

「これを捨てたからって

 すぐに忘れられるとは思ってないし。

 今でも 正直未練 たらったらなんだけどさ。

 でも やっぱ次に進むためには

 これ 捨てなきゃいけない気がするんだよね。

 やっぱり約束 守らない人は 許せない。

幸せにしてくれるって誓ったくせに。

一生 大切にするって誓ったくせに。

年を取っても 仲のいい夫婦でいようねって 言ったくせに。

口ばっかりで いいかげんで。

約束 守んない男なんか大っ嫌い。

 そんな男に 振り回されてる私も。

 そんな男に まだ未練 たらたらな 私も。

 こんな ひどい目に遭ってんのに

 まだ 連絡 来ること期待してる 私もホントに

 大っ嫌い!

 もう うんざりなの!」

指輪を投げました。

夏希を見守る朝日と波奈江。
ふりむいた夏希はVサイン。

「ほんとすっきりした。」

「偉い! ホント 偉いよ。 夏希。」

「えー。 お二人の おかげで

 無事に何とか 捨てることができました。

 ご清聴 ありがとうございました。」

「勇気 あふれる素晴らしい ピッチングでした。」

「いや。 でもね ホントは もっと

 遠くまで 飛ばしたかったわけ。」

「あっ そう。でも じゅうぶん 飛んでたよ。」

「マジで?」

「女にしとくのはもったいないほどいい肩 してたよ。」

「ホントに?」

「ホントだよ。」

「でもね 私の人生ん中で 

 指輪を 海に投げ捨てるなんて

 まったく 予定になかったよ。」

「そりゃ そうだよね。」

朝日と波奈江。

「夏希 がんばったよね。

 私さ 投げられなかった姿も 見てたから

 余計 感動しちゃったよ。」

「うん。あのさ。」

「うん? どしたの?」

「やっぱ お前の写真 撮るよ。」

「えっ?」

「うちの社長も 言ってたけど。

 この前の あんまりいい写真じゃないから。」

「ホント? 絶対?」

「うん。 約束は 約束だし。

何 にやにやしてんの?」

「してませんし。」

「してるし。まだ してるし。」

「えっ?場所は どこでもいい?」

「まあ 遠くなければ。」

「えっ? じゃあ国内しか 駄目ってこと?」

「当たり前でしょ。何なら 市内しか 駄目だし。」

「えー! 市内じゃ記念になるような場所 なくない?」

「何? 急に。」

「えっ? だってせっかく 撮ってくれるって言うんだからさ

 こっちも ベストを尽くすのが礼儀ってもんでしょ?」

「じゃあ 気を付けてな。」

「うん。じゃあね。」

「うい。」

「おやすみ!」

「おやすみ。」

波奈江が嬉しそうに手をふりました。

自転車をとめてふりむくと
まだみている波奈江。

「朝日 おやすみー」

そのあとまた看板のところへ。

おやすみを言わなかった朝日!

部屋でDVDをみつめる朝日。
香澄のことを思い出しました。

そこへ夏希から電話。

「もしもし?もしもし? ねえ?

 波奈江の写真撮ってあげるんだって?」

「情報 早過ぎでしょ。」

「アハハ。波奈江 すっごい 喜んでたよ。」

「ああ。 そうですか。」

「これで もう DVD返せるんじゃないの?」

「今 返しに行こうと思ってたところ。」

「えっ? ホントに?」

「ホントです。 これ以上 あなたに

 惨めな人間だと思われたくないんでね。」

「ふーん。 一緒についてってあげよっか?」

「結構です。 一人でちゃんと 返してきますから。」

「あっ そう。何かさ 波奈江 もうエステとか

  美容院の予約入れたとか 言って。

 何か あの子の ああいうとこすっごい 乙女じゃない?

 あと 写真写りがよくなるように

 今晩から シートパックか何かやるとか」

ラジオの音声。

「また あしたもみさきFM…をお聴きください。

 それでは 本日最後の曲になりました。

 みさき市に お住まいのラジオネーム

 嬉しー悲しー グレイシーさんからのリクエスト

 フジファブリックで『若者のすべて』」

『若者のすべて』を鼻歌で歌っていた香澄。

「この歌 好きなの?」

「うん。 大好き

 歌詞が 超よくない?」


「でも これってさ

 別れた男女の 切ない歌だよね?」


「えっ? 違うよ」

「いや。 そうだって。

 別れた彼女と偶然の再会を 期待して

 思い出の花火大会に 来たけど

 会えないって 歌だよ」


「ううん。その彼女と

  花火大会の日に偶然 再会する歌だって」


「いや。 違う。絶対 間違ってるって それ」

「ちゃんと聞いてないでしょ?」

「聞いてるよ。俺も この歌 超 好きだし」

「最後まで よく聞きなよ。

 まったく 会えることを

 期待してなかった 彼女に

 最後の最後に 会って

 一緒に 花火を見てるから」


「いや 再会なんか してないでしょ」

「してるの

 彼女は 戻ってくるの」


香澄が戻ってくるという考えに
また戻ってしまった・・。

「ねえ? 聞いてる?もしもーし?」

「ごめん。」

「えっ?」

「やっぱ無理だ」

と言って電話をきりました。

「何だ?」

『いつか 戻ってきてくれると信じ続けて

  3年が過ぎた』


服選びをしている波奈江。

「ねえ? どっちがいいかな?」

「えっ?」

『過去を脱ぎ捨てなければ

 いけないのは重々 分かっていた。

 それでも 脱ぎ捨てることができなかったのは

 この先 香澄以上の人に巡り合うことなんて

 できないという 確信があったからだった』


ラジオから流れる「若者のすべて」

「花火が 終わったら僕らは 変わるかな」

「同じ空を 見上げているよ」


タクシーに乗ってその歌を歌い
空をみあげている香澄。




香澄、元気そうじゃないの!
帰ってくる気がないのなら
きっぱり別れを告げて出ていけばいいのに!

せっかく朝日がDVD返して気持ちにけりをつけようと
してたのになんというタイミングで流れる懐かしのメロディー。
あの歌詞がタイミング悪すぎで、また元に戻ってしまった。

切なさナンバー1の波奈江とナンバー2は光かな。
たとえ香澄をふりきっても朝日が波奈江になびくとは
思えない・・。
きちんと写真撮ってきちんと振ってあげてほしい。
あそこでまた傘の話するとか・・・
天然タラシ系か!

壁に無造作に写真を貼る夏希と
フォトフレームにいれて「飾る」波奈江。
ほんとに大事なものなのがよくわかるだけに
いっそう切ない。



三厨朝日: 山下智久 
千代原夏希: 香里奈 
谷山波奈江: 戸田恵梨香 
矢井野孝至: 勝地涼 
桐畑光: 窪田正孝 
谷山駿: 佐藤勝利(Sexy Zone)
堀切あおい: 山本美月 
米田春夫: 千葉雄大 
石狩清子: 橋本奈々未(乃木坂46) 
一瀬麻美: 中条あやみ  
一倉香澄: 長澤まさみ  
下嶋勢津子: 板谷由夏 
下嶋賢二: 高橋克典





2013.07.16 Tuesday 09:48 | comments(0) | trackbacks(6) | 
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