<< January 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
amazon
楽天ブックス他
楽天ほか

半沢直樹  第5話

第5話




『西大阪スチール社長・東田にだまし取られた

 5億の融資を回収するため

 その隠し口座の存在を探る半沢。

 その中で自分の上司である浅野が

 東田と つながりを持っていることを突き止める。

 全ての糸を 裏で引いていたのは上司の浅野だった。

 半沢は その証拠をつかみ5億を回収するために

 東田の愛人・未樹に接触し

 協力を求めた だが』


「半沢はん やられた

 あの女 よりによって国税に寝返りよった」

黒崎と未樹。

「じゃあ あの家のどこかに

 隠し口座の証拠があることは間違いないわよね?」

「いざって時は私に渡すから

 持って逃げろって言われてんの」

「実施班に連絡!明日 朝イチでガサ入れするわよ」

「はい」

「私のことは見逃す約束 守ってよ」

「ずいぶんと東田に貢がせたみたいね

 新しいお店の開店資金 2千万も東田が出してるんでしょ?

 お店の開店資金だけは見逃してあげる

 あなた これ特別よ」

「約束よ」

国税の前にやってきた半沢と竹下。

「彼女は?」

「中に入って ぼちぼち小一時間や

 今頃 東田の情報を話しとんのちゃうか?」

そこから車で立ち去る未樹が
半沢をみて笑っていきました。

「クッソー どないすんねん 半沢はん

 隠し口座 見つけたとしても 全部 国税に持ってかれんで」

「やるだけのことは やりましたこうなったら後は

 運を天に任せるしかありません」

浅野と東田はまた料亭。

「明日 正式に内示が出る。

 半沢には 東南アジアの零細企業に行って
 もらうことになる。

 そうなりゃ もう何を言おうがかやの外だ」

「そりゃ何よりだなあああ

 例のメールと通帳の件 どうなった?」

「こっちが無視してたらあれから何にも言ってこないよ

 やはりマスコミか何かのイタズラだったんだな

 安心したよ」

「これで何もかもうまくいくってわけだな」

「そういうことだな」

「半沢の銀行員生命も

 あと1日だ」

花と半沢。

「占い?」

「よく当たるんだって。江島夫人の占い〜」

回想

「何度やっても引っ越しの暗示が出るわね。花さんには」

「引っ越し?」

「ご主人が転勤になるのかしらね〜。

 お気になさらないで ただの占いですから」


「そんなの ただの嫌がらせだよ」

「そうよ 嫌がらせよ

 いつも江島夫人は 出向が決まった行員の奥さんを呼んで

 面白半分に その占いやるんだって」

「悪趣味だ」

「てことは つまり

 直樹も出向が決まったってことじゃない?」

「隆博が起きちゃう」

「隆博は 幼稚園のお泊まり合宿でいません」

「あッ そっか」

「隆博ね この前 珍しく友達とケンカしたの。

 社宅の子たちに「お前のパパはダメな銀行員だ」って

 バカにされたらしくて

 それでガマンできなくてやり返したんだって。

 ホント 直樹そっくり。

 闘ってるのは 直樹だけじゃないんだからね。

 隆博も私も直樹の力になりたい って

 こう見えてもいつも思ってるんだからね」

「ありがとう。でも大丈夫だ。

 花は 何にも心配しなくていい」

「ごまかさずに きちんと答えて

 出向になるの?」

「ちょっと出ないか?」

夜景をみにきたふたり。六甲かどこか?

「へえ〜。こんなとこあったんだ?

 昔はよく2人で 東京の夜景見ながら

 色んな話 したよね

 考えてみたら あの頃からケンカも しょっちゅうしてたね」

 
「「どうして銀行でそんなに出世したいんだ」って」

 前に聞いたことあったよな?」

「うん 答えてくれなかったけど」

「答えられなかったんだ

  うちの親父が死んだのは過労のせいだ って

 ずっと花には話してたよな?」

「うん」

「あれは嘘だ」

「えッ?」

「工場が銀行から見捨てられ

 融資を取り上げられて経営が苦しくなって

 親父は自殺した

 ごめん ずっと黙ってて」

「その融資を取り上げた銀行って?」

「産業中央銀行 つまり今 俺がいる東京中央銀行だ」

「どういうこと?

 じゃあ直樹は自分の父親の敵である銀行に

 就職したってこと?」

「そうだ」

回想

「この土地担保に入れたら融資継続するって

 あんたが言うたやないか!」

「離してください」

「お願いしますわ うちは潰れてもよろしいが

関係してる工場や仕入れ先が全部潰れてしまう 頼みます

 産業中央銀行さん それだけは助けてやってください」

でも銀行員は冷たい。

やってきた信金の人。

「例の樹脂ネジの件でお話 伺いにきました 半沢さん」

「内海信金さん来てくれたよ 父ちゃん》
 
 父ちゃん 父ちゃん!」

父の首つり死体を発見した半沢。
回想おわり

「どうして? 復讐するため?」

「そういう気持ちも たしかにあった

 だけど それだけじゃない

 親父を殺したのも銀行なら

 うちの工場を救ってくれたのも銀行だったんだ

 地元の小さな信金が俺と お袋を助けてくれた

 たった一つのネジに可能性を感じて

 親父は いつも言ってた」

「このネジが 日本を支えとんのや」

「ネジが?」

「そうや。今は 何言うてるか分からんけどな

 そのうち必ず分かるようになる」


「こんな ちっぽけなネジが日本を支えてる

  あの小さな明かりの一つ一つの中に人がいる

 俺は そういう人たちの力になれる銀行員になりたい

 ロボットみたいな人間にだけはなるな っていう

 親父の言葉の意味がやっと分かったんだよ

 金のために 誰かが死ぬなんて 間違ってる」

「銀行を変えたいの?」

「それが 今の俺にできる親父への弔いなんだよ

 だけど そのためには銀行員として生き残らなきゃならない

 花」

「うんッ?」

「明日 出向になるかどうか

 全てが決まる」

「話してくれて ありがとう」

「大丈夫 私 覚悟できてるから

 でもさ あんまり遠くは嫌だからね

 特に寒い所は嫌

 ああでも 暑すぎるのも問題だな

  あ〜あ なんで銀行員となんか結婚しちゃったんだろ」

翌日。

未樹に電話する半沢。

東田宅には国税が。

「おい未樹ッ 国税だ!」

「東田さん 大阪国税局です 開けてください」

絵画の中や水槽に隠してある通帳を出す東田。

「そんなとこに…」

「おい未樹!これ持って 庭から逃げろ

 いいか 俺から連絡行くまでホテルかどっか隠れてろ」

未樹は電話には出ず。

玄関に顔を出す東田。

「何や お前ら 朝っぱらから」

「東田満 所得税法違反の疑いで中を改めさせてもらう 失礼」

「何や お前ら勝手に!」

かげからみている竹下。

「あかんわ」

銀行の定例会議。

「これより 定例会議を…」

「待ちたまえ

 半沢くん なぜここにいるのかね?」

「なぜ とは?」

「君は他に やるべきことがあるんじゃないのかね?」

「やるべきこととは何でしょうか?」

「荷物の整理ですよ

「これ以上 言わせないでくれ 君のことを思って言ってんだよ」

「お心遣い いただいてるようですが 私には心当たりがございません

 時間のムダです会議を始めてください」

「君の出向のことを言っているんだよ!」

東田宅。

「何もねえっつってんだろ 貧乏人いじめて嬉しいかよ」

「失礼」

電話をうける黒崎。

「失礼 こちらからは出ません」

「適当に切り上げていいわ 獲物は こっちだから」

未樹は黒崎の乗る車に乗り込み
通帳を渡しました。

「クッソー あの女」

「ご苦労さま」

銀行。

「出向ですか?私はそんな内示を受けた覚えはありません 

 仮にそうなるとしてもその直前まで

 銀行員としての職務を全うする所存です」

「立派な覚悟ですね

 いいでしょう だったら半沢くん

 こんなぬるい稟議を通すわけにはいきませんよ」

「何か問題でも?」

「このネイルサロンの創業計画書だが

 こんなバラ色の計画じゃ…」

「支店長 5ページ目以降に 利益推移の予測をつけておきました

 厳し目に見積もっても半年後には」

「つべこべと 君はまた同じ過ちを繰り返すつもりか?」

「同じ過ちとは?」

「5億のことに決まってるだろう

 しかも それを認めず反省の言葉一つない

 君のそういう反抗的な態度が本部でも問題となり
 
 今回の出向を招いたんだ

 君は この支店全体の信用を傷つけたんですよ

 申し訳ないと思わないのか?」

「信用を傷つけたのは あなたでは ありませんか?」

書類で半沢の顔をはたく支店長。
拾うとする中西。

「半沢課長に拾わせなさい!!

 それを持ってさっさと出て行きなさい

 本日中に 本部より君に内示が出るはずです

 君はもう銀行員じゃなくなるんです」

半沢と部下たち。

「このままでいいんですか?」

「東田には国税のガサが…」

「どのみち 東田の金は回収できない」

「だったら あの通帳で浅野だけでも追い詰めるべきです」

そこへ竹下から電話。

「半沢です」

「俺や さっき あの女が国税に接触した

 通帳やら何やらごっそり渡しとったで

 半沢はん こっちは万事休すや」

「そうですか 分かりました」

もう一度未樹に電話。
そこへバイク便が。

「バイク便で〜す。沢直樹さんにお届けものです」

「私です!」

「すいません こちらにサインお願いします

 まいど」

「何ですか? それ」

差出人は未樹。
中身は・・通帳とはんこ。
海外の銀行の封筒。

「未樹さん ありがとう」

黒崎の車。

「止めて!!

 どういうこと! 全部合わせてもたった数百万にしかならない

 これのどこが隠し口座だって言うのよ!」

「そんなこと私に言われても」

竹下と半沢。

「あの女が国税に寝返ったっちゅうのも

 全部 あんたの描いた絵のとおりやったんかいな?」

「ええ まあ」

回想

「あなたに協力したいけど

 東田が その隠し口座の証拠をどこに隠してるのか

 本当に知らないの」

「だったら 国税に告発してください」

回想おわり

「ガサが入れば 東田が彼女に

 大事な書類を預ける可能性は高かった

 あとは電話で適当な場所を決め
 
 持ってきてもらうよう彼女に頼んだんです

  バイク便で送りつけるとは思いませんでしたが」

「ほお〜 計画どおりやってんな」

「時間のない中ではこれしか方法がありませんでした

 国税もバカじゃありません

 彼女に おいしい交換条件を持ちかけたはずです

 彼女が国税になびく可能性も十分にありました」

「けど あの女は あんたを選んだ

 正々堂々 自分の力で店をやってくと決めたんや」

「ええ」

「ムカつく女やけど おっとこ前やな」

「そうですね」

「種明かしも聞いたところで そん中 見せてもらおか」

「はい 見てください」

口座には12億。

「12億!?あのガキ 人を踏み台にして

 ようも ためこみおったな」

「まず ニューヨークハーバーの東田の口座から

 関西シティの未樹さんの口座へ5千万が振り込まれ

 そして その金は その日のうちに

 浅野の口座へと流れてます」

「ほんまや」

「浅野が 東田から報酬を受け取った証しです」

「これで あいつらも しまいやな」

「いえ そう簡単には終わらせません

 もっともっと追い詰めて

 自分の犯した罪以上の苦しみを

 味わってもらいます」

大和田常務に報告にくる岸川。

「今回の出向候補者リストです」

「後で見とくよ」

「彼も そのリストに入っています」

半沢はマニラの工場。

「ここを乗り切れたら本物だった。

 惜しい!」

自宅。

「今日 出向の内示が出た。」

「そっか やっぱり 江島夫人の占いには勝てなかったか〜

 で 場所は?北海道? あッ 沖縄とか?」

「マニラだ 東南アジアの?」

「ええ〜ッ ま いっか 海外生活も悪くない

 いいよ〜 それ」

「心配しなくていい まだ正式な辞令が出たわけじゃない

 俺は必ず 銀行に残る」

「でも内示が出たってことはほとんど決まりってことでしょ

 結局 支店長とはケンカ別れか

 今度の週末にね

 浅野さん ご家族で水族館に行くんだって

 奥さんも お子さんもすご〜く喜んでるみたい」

「何の話だよ?」

「仕事じゃ色々あるだろうけど 浅野さんだって

 本当は ご家族思いの優しい人なんじゃないかな?

 お互いの誤解が解ければ

 また うまくやっていけるんじゃない?」

「無理だ 浅野を許すつもりはない

 今までのことは 必ず償ってもらう」

「でも そうなったら 利恵さんが悲しむことになるんだよね」

「結局 どっちかの家族が傷つくことになる」

水族館で楽しんでいる支店長一家。

そこへメールが。

「5千万も、もらったんですね。花」

「どうかした?」

「いや いや あの 仕事のメールだ。先みててくれよ」

家族と離れて返信。

「またあなたですか?

 いったい何のことですか?」

「3月29日 ニューヨークハーバー信託の東田の口座から、

 関西シティ銀行フジサワミキ名義の口座を経由して、

 同じく関西シティ銀行のあなたの口座に振り込まれた、

 報酬5千万のことですよ。」

通帳の写真つき。

「やはり誤解があるようですあなたは誰ですか?

 会ってご説明させてください」

「誤解? そうですか。では本当に誤解かどうか

 警察に調べてもらうことにします。

 あと銀行、それにマスコミにも、口座の取り引き記録を

 送っておきますね。  花」

「ま 待て 待て」

震える指。

「あなたの獄中生活がどんなものになるのか、
 
 想像すると楽しみです。それに、

 あなたの奥さんや子供たちが

 マスコミに取り囲まれるところが早く見たい。 花」

そこへ子どもがやってきました。

「パパ。」

「佐緒里 どうした?」

「はい これあげる」

「パパ大好き お仕事がんばってね」

とかいてある折り紙をわたし戻っていきました。

「あなたの奥さんや子供たちが

 マスコミに取り囲まれるところが早く見たい」

とさっきのメールがうかぶ浅野。

「それだけは勘弁してください どうか 家族だけは」

「だったら あなたのすべきことは一つしかない。

 銀行と部下に対して自分の罪を認め

 償うことです。 あなたをどうするかはその部下が決める」

「部下…半沢」

夫を心配そうな目でみあげる妻。

屋上にいる半沢のところへ中西が
やってきました。

「課長。」

「中西… どうした?お前 今日休みだろう」

「何か 家にいても落ち着かなくて

 どうぞ」

と缶コーヒーをくれました。

「おお サンキュー」

「僕に手伝えること ありませんか?」

「いや これで十分だ」

「うまく言えませんけど

 課長は間違ってないと思います」

缶コーヒーが3本!!
垣内たちもきてくれたらしい。

「まったく あいつら」

いい部下ばっかり!!

竹下と半沢。
まず東田への10倍返しから。

「東田のガキ どうやって懲らしめようかずっと考えとった

 ここや 今まで さんざんええカッコ見せつけてきた

 女のヤツらの前で真っ裸にしたる」

「行きましょう」

キャバクラで豪遊する東田。隣には未樹。

「まったく無能なお役人様ほど迷惑なもん ねえぜ

 人の家 さんざんひっかき回しといて

 「何もありませんでした〜」ってかなわんわ」

国税もいて苦々しい顔をしていました。

そこへはいっていく竹下と半沢。

「いらっしゃいませ こちらでございます」

「さあ今日は飲んだる いっちゃん高い酒持ってきてーな

 今日は祝いや パーッといくで」

「ありがとうございます」

「貧乏人がどうした 競馬でも取ったか?

 ムダ遣いしたら あかんよ〜」

「ええんや 今日は 記念日やからな」

「何の記念日だよ?」

「お前の破産記念日だ 東田」

「何を言うかと思ったら

 破産宣告申請ならとっくにしたって言ったろうよ」

「何ていいましたっけな? 半沢はん 何とか信託っちゅう…」

「ニューヨークハーバー信託」

「それや どこぞのアホがためこんどりましたで」

「約12億 でもその金は先ほど全額差し押さえました」

驚く国税。

「これはこれは 国税の皆さん

 銀行に来て 偉そうな態度をとる暇があるのなら

 もう少しマシな捜査をしたらいかがです?

 東田の隠し資産は全て差し押さえました

 帰って 黒崎統括にお伝えください

 分け前が欲しければ 頭の一つも下げに来いってな」

黒崎にも10倍返し完了。

「嘘つけ そんなはずはねえよ

 だまされねえぞ

  こりゃ なんのワナだよ!」

「自分で調べてみたらどうやああッ?」

携帯をいじる東田。

アクセス不能。

「どういうことだ?

 未樹〜〜〜!!」

「あんたには感謝してる

  でも あんたがくれたのは金だけや」

「おめえにいくら貢いだと思ってんだよ

 愛人の分際で キレイごと言うな!」

「さよなら」

立ち去る未樹。

「おい ちょっと待てよ」

かばう半沢。

「お約束どおり 5億は きっちり回収させてもらった

 週明けにも裁判所から通知が来るだろう

 ベトナムで進めようとしている事業への投資も

 全て 差し押さえた」

「ふざけんじゃねえ」

「困ります やめてください」

「コノヤロウ」

「やめとけ」「お前離せ!」

「返せ 俺の金 返せ!」

「半沢はん!」

竹下から渡された棒で剣道のかまえでおいつめました。

「おまえはもう終わりや 東田

 ここの飲み代も払われへんのや

 東田 たくさんの会社を見てきた銀行員として

 ひとこと言っておく

 金さえあれば何でもできると思ったら大間違いだ

 お前に人は ついていかない

 お前は 社長の器じゃない」

「クッソー」

うめく東田。

こぶしをにぎりしめ手を震わす黒崎。

「半沢〜〜!」

竹下と半沢。

「みじめやったな  東田のヤツ

 あんまりミジメやったんでこっちが悲しなってきたわ

 次は浅野やな 半沢はん」

「どうするつもりや?もちろん容赦しません

 10倍返しです」

銀行。

「失礼します 本部に確認しました 間違いないそうです

 半沢が 5億回収したと」

「いったい どうやって…」

ふるえる支店長。

「半沢 支店長がお呼びだ」

「課長」

「ケリをつけてくる」

支店長のところにいく半沢。

「5億 回収したそうだな?」

「はい」

「どこから回収した?」

「ご想像に お任せします

 それとも どうしても知りたい理由がおありですか?

 他に 私に言いたいことはございますか?」

「君なのか?」

「何がです?」

「あ いや…」

「何もないのなら これで失礼します」

「待ちたまえ

 すまなかった」

「何のことですか?」

「西大阪スチールの件だ

 君に謝罪したい」

「なぜです?」

「あの5億円は君の責任じゃなかった

 与信判断を急がせた私のミスだ」

「ミス ですか

 もう一度 言ってください」

「訂正する

 私は 私は銀行を この東京中央銀行を

 裏切っていた

 支店長として いや銀行員として

 あるまじき行為だ

 申し訳ない

  このとおりだ 許してくれ」

「あなたを許すつもりは ない

 俺は あんたを刑事告発する

 徹底的に糾弾するから覚悟しておくんだな」

「それだけは どうかそれだけは勘弁してください

 私にできることなら何だってやる

 そうだ どこか異動したい部署はないか?

 私が人事部に言えば望みをかなえてやれるかも

  だから どうか刑事告発だけは」

「どうも分かっていないようだな

 あんたは全てを失ったんだよ

 銀行員としての将来も 父親としての信頼も」

「もうやめてくれ お願いだ許してくれ」

そこへ奥さんが。

「支店長の奥さんが おみえです」

「利恵 何しに来たんだ?」

「すみません 突然お邪魔して」

「東京に戻ったんじゃ?」

「帰る前に差し入れを と思って

 つまらないものですけど皆さんで召し上がってください

 こちらは?」

「融資課長の半沢くんだ」

「あなたが…

 花さんから お話は伺っております

 いつも主人がお世話になっております

 あの…主人のこと よろしくお願いいたします」

「もういいだろう 今 大事な話の最中なんだ」

半沢の手をにぎる奥さん。

「本当に どうか お願いします

 こんな人ですけど

 本当にどうか

 どうか よろしくお願いいたします」

「よさないか」

「お仕事中に すみませんでした」

「すまなかった」

「なぜ謝るんです?

 あなたのことを本当に心配している

 いい奥さんじゃありませんか

 だが あなたはそんな家族を裏切ったんだ」

「株で失敗したんだ

 最初は 小遣いくらい稼げればと軽い気持ちで始めたんだ

 だが つい欲が出て

 これを続ければマンションのローンだって早く返せる

 子供たちに残せるものも増える

 そんな気持ちに 足をすくわれた

 一度失敗したら転がり落ちるように損失は増え

 気づいたら 5千万の借金だ

 だから どうしても金が必要だった

 それで こんなザマに」

「理由なんて どうでもいい」

「それは分かってる」

「だが妻は 家族だけは傷つけたくないんだ

だから どうか告発だけは勘弁してください

 このとおりです 頼みます」

「甘えたこと言ってんじゃねえぞ

 家族がいるのは お前だけだとでも思ってんのか?

 自分の保身のために

 これまで どれだけの人間を陥れてきたか

 よく考えろ

 俺は お前を許さない

 自分のしたことを

 一生悔やんで生きろ」

部屋から出る半沢。

泣きながら笑う支店長。

自分のこぶしをみてさっきの奥さんの言葉を思い出す半沢。

「こんな人ですけど どうか どうかよろしくお願いいたします」

さらに花の言葉も。

「大丈夫 私 覚悟できてるから」

嘆く支店長。

「佐緒里 怜央・・」

また半沢がはいってきました。

「営業第二部 

 俺を 本部の営業第二部に異動させろ

 グループはどこでもいいが次長ポストだ

 それができたら 見逃してやる」

「営業第二部…しかし あそこは」

「うちの銀行の中枢

 エリートが集う 精鋭集団だ

 あんた自身今までさんざん非難してきた俺を

 あそこに入れるのは容易なことじゃないだろう

 それでも やれ

  できなければお前は 臭い飯を食うことになる

 それと うちの課の連中は全員

 希望のポストにつけてもらう

 いいな

 どうなんだッ!」

「分かりました」

「さて 最後に

 約束守ってもらおうか」

「約束?」

「5億回収したら土下座してくれるんだったよな」

回想

「もし取り戻すことができたら

 そのときは今回の件 土下座して わびてもらいます」

「ハハッ そんなことができるものならな」

涙を流して土下座する支店長。

「すみませんでした」

大和田常務と浅野。

「半沢くんの本部異動の件 なんとか話をつけました」

「はあ ありがとうございます

 常務には ご無理をおかけしてまことに まことに…」

「いえ もう 礼には及びませんよ

 彼は見事に5億を回収した優秀な人材です

 そんな男を本部に迎えられることは

 旧産業中央の先輩としても

 非常に喜ばしいことじゃありませんか ねえ浅野くん」

「は はあ…」

「しかし あそこまで決まりかけてた彼の出向を取り消して

 しかも営業二部の次長として推薦するのは

 さすがに なかなか 簡単ではありませんでしたよ」

「申し訳ございません」

「誰か 彼の代わりを見つけなければねえ

 浅野くん 君 英語は 得意ですか?」

半沢のかわりにマニラにいくことになった浅野。

竹下と半沢。

「なんや 結局浅野のことは告発せんのかいな」

「はい」

「あんた やっぱり ええ人やな」

「私はただ 上に行くために あいつを利用しただけです」

「いや 俺はあんたに救われたんや

 東田から回収した金で

 必ず ここを再建したんねん

 おおきに」

「僕のほうこそ 竹下さんが力になってくださったおかげで

  ここまで来れました

 ありがとうございます」

「今晩パーッと飲みにいけへんか?おごるで」

「かまいませんが 大丈夫ですか?」

「あッ なんや 俺の懐具合心配してくれてんのかいな?

 あんたになら 銀行から金借りてでも おごりたい気分や」

「だったら メインバンクが相談に乗りますよ」

「どっちが おごってもうてるか分からへん

 なあ 半沢はん

 不景気やし 俺らみたいなしょうもない おっさん

 何もええことないかな と思ってたんやけど

 正義は たまには勝つ」

花たちは引っ越し。

「本部への栄転おめでとう 花さん」

「これ つまらないものだけど」

「ありがとうございます」

副支店長夫人に挨拶する花。

「沙苗さん おかげさまで引っ越すことになりました

 沙苗さんの占い 本当〜〜〜によく当たりますねえ

 では皆さん お元気で〜」

「おばちゃん 頑張ってね」

「行こう」

「おばちゃん?」

浅野も引っ越し。

「さあ そろそろいかないと。」

「利恵 こんなことになってしまって本当にすまない

 お前たちにまでこんな迷惑かけてしまって

 申し訳ない」

「怒らないでね 私 ちょっと嬉しいの

 こんなことになった おかげで

 あなたとまた一緒に暮らせるんだもん

 それに 迷惑かけてもいいじゃない

 家族なんだから

 いつか 半沢さんに

  きちんと謝りましょうね」

なんてよくできた奥さん・・・!

東京にやってきた半沢。

『支店長の浅野は 結局

 半沢の代わりに東南アジアへ出向させられた。

 だが 半沢と融資課の者たちを

 希望の部署へ異動させるという

 最後の約束だけは守った。

 垣内は かねてからの希望どおり

 ニューヨーク支店への異動がかなえられた。

 中西は 関西支部最大の難波支店へ

 主任待遇で迎えられ

 角田は ここ大阪西支店に残り

 新融資課長として 半沢の後を引き継ぐことになった。

 自分が支店長だと思い込んでいた江島副支店長だが

 新しい支店長が来ることが決まり

 あえなく撃沈した。

 そして 半沢は』

東京へ。
渡真利と電話。

「あッ 着きました?営業第二部の半沢次長」

「ああ」

「どんな魔法使ったんだよ?」

「日頃の行いが認められたんじゃ?」

「よく言うよ せっかくだからこっち顔出せよ

 詳しい話は それからだ」

「分かった」

大和田常務一行とすれ違い
頭をさげる半沢。

「その次は?サイトウ会長との会食の件ですが

 水曜日ということで…」

過去の回想。

「約束が違うやないか この土地担保に入れたら

 融資継続してくれるってあんたが言うたやないか」

「離してくださいッ」

「お願いします うちは潰れてもよろしいが

 関係してる工場や仕入れ先全部潰れてしまうんですわ

 頼みますわ」

あのときの銀行員が大和田常務!

鋭い目でにらむ半沢!






10倍返し、完了!
ほんとはもっともっと徹底的に
やってほしかったけど
奥さん同士のからみもあって
それじゃ後味悪くなってしまうところだったし
浅野の力をつかって本部に乗り込むことができたから
これでいいのかな。
半沢の野望はまだ先だし。

花も浅野の奥さんもできすぎなくらい
いい奥さんで、仕事ばかりじゃなくて
私生活も幸せなのがいいですね。

一週休んで後半の活躍も楽しみにしています!









2013.08.12 Monday 08:46 | comments(2) | trackbacks(9) | 
<< Betsucomi (ベツコミ) 2013年 09月号 | main | ジャンプ37・38合併号感想 >>
あんじー (2013/08/12 1:24 PM)
honeyさん こんにちは。

支店長婦人が来た時、ほだされるなよ~ 浦沢直樹~ 10倍返しを忘れるな!とやきもきしちゃいましたよ。
奥さん方については、男の願望がありありとでていると思いましたわ(笑)。

これからも楽しみですね♪
honey (2013/08/12 8:37 PM)
あんじーさん、こんばんは。

あそこであんなこと言われたら
10倍返しがにぶってしまいますよね。
奥さんに救われたとおもいます。









半沢直樹 第5話:半沢が出向に…!?生き残りをかけた戦
大和田だったのかー!Σ(゚д゚lll)ガーン 半沢の父を自殺に追いやった大和田へは何倍の仕返しをするんだろ? 大和田自身は、意外に半沢を高く評価してるようだけど、現時点では彼との因縁には 気づいてないのかなぁ。 第1部の10倍返しが無事終了したのはいいけど、
| あるがまま・・・ | 2013/08/12 8:56 AM |
【半沢直樹】 第5話 感想
甘えたこと言ってんじゃねえぞ。 家族がいるのはお前だけだとでも思ってんのか? 自分の保身のために、これまでどれだけの人間を陥れてきたかよく考えろ。 俺はお前を許さない。 自分のしたことを一生...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2013/08/12 10:52 AM |
半沢直樹 (第5話・8/11) 感想
TBS・日曜劇場『半沢直樹』(公式) 第5話『半沢が出向に…!?生き残りをかけた戦』の感想。なお、池井戸潤氏の原作小説は未読。 “倍返し”は倍返しなりに回収… 「でも、その金は先ほど全額...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2013/08/12 11:14 AM |
半沢直樹 #05
『半沢が出向に!?生き残りをかけた戦』
| ぐ〜たらにっき | 2013/08/12 12:32 PM |
半沢直樹 第5話★土下座の浅野支店長(石丸幹二)はマニラ行き
半沢直樹 第5話 半沢が出向に…!?生き残りをかけた戦 高級料亭の座敷で浅野支店長(石丸幹二)と東田(宇梶剛士)が密談・・・。 東田「これでなにもかも上手く行くってわけだな。」 浅野「半沢の銀行員生命も、あと1日だ。」 悪代官と越後屋、あるいは悪代官
| 世事熟視〜コソダチP | 2013/08/12 1:31 PM |
半沢直樹 第5話
国税局に寝返った未樹(壇蜜)は黒崎(片岡愛之助)と取引し、東田(宇梶剛士)が自らに貢いだ店の開店資金の摘発を見逃してもらう代わりに、捜査協力を約束します。 実際に捜査が入ると、未樹は色んなとこ...
| ぷち丸くんの日常日記 | 2013/08/12 2:40 PM |
「半沢直樹」 第5話
 さて・・・10倍返しとまではいかなかったけど、浅野支店長を土下座させることができたし、 部下共々希望のポジションに異動できたし・・・ま、いっか( ̄▼ ̄)   振り返ってみ ...
| トリ猫家族 | 2013/08/13 12:09 PM |
【半沢直樹】第5話感想と視聴率&「倍返し饅...
「半沢が出向に...!?生き残りをかけた戦」8月14日より「倍返し饅頭」が発売されるそうです。コラボパンもいろいろあります。写真や通販など、詳しくはこちらです。第5話の視聴率は...
| ショコラの日記帳 | 2013/08/13 8:31 PM |
《半沢直樹−第一部》#05
先週は、見ているのも辛いほど、10倍返しどころか窮地に追いやられて言った直樹でした。今週は、とっても気分が良いです♪ 未樹を取り込んだ国税黒崎。竹下があんなに殊勝になったのに寝返ったと言う報告を受けた半沢。 やるだけのことはやったので、あとは『運を天に
| まぁ、お茶でも | 2013/08/14 2:14 AM |