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失恋ショコラティエ 第4話

第4話




お店にやってきた関谷さん。

「いらっしゃいませ。あっ。」

「こんにちは。」

「小動ですか?今 呼びますね。」

「井上さん。」

「はい。

「今日 俺と飯 行きませんか?」

「えっ?」

そこへ爽太がでてきました。

「関谷さん。 どうも。」

「どうも。」

「六道さん お元気ですか?」

「あしたから 期間限定のイベントショップをオープンさせるんで
 そっちの準備に 追われてます。」

「へえー。ああ。 へえー。」

「よかったら いらしてください。」

「帝国デパート!?うわー。 すごい すごい。

 今日はどうされたんですか?」

「井上さんと 飯 食いに行こうと思って。」

「えっ!?」

「駄目ですか?」

「いや。 そんな 急に言われても。

 私も。 ほら。 色々 用事が…。」

「行きなよ 行きなよ。」

「はっ?」

「ぜひぜひ相手してあげてください。

 この人 彼氏とか ずっと いなくてチョコばっか いじって…。」

「ちょっ ちょっと。爽太君は 黙っててよ。」

「何でよ?」

「私だって その 色々 用事がある…。」

「用事? 用事って 何よ? 別に大した 用事じゃないでしょ?」

「そうですよね。いきなり お邪魔して

 失礼なこと 言ってすいませんでした。」

「あっ。」

「それじゃ これで。」

「えっ?あっ。 ちょっ。」

関谷さんは帰ってしまいました。

「行けば よかったのに。」

「いや。 よく知らない人だし。」

「知らないから ご飯とか 食べて知り合うんじゃん。

 あの人 すごい 勇気 出して誘いに来たんだと思うよ。

 まあ 恋愛とか興味ないのかもしれないけど。

 でもさ 恋をすると 感性が磨かれて

すごく 生き生きするよ。

 俺 薫子さんにも もっときらきらしててほしいな。」

「あっ。 ごめんね。きらきらしてなくて。」

「いや。 そういう意味じゃなくてさ。」

「だいたいさあの人が どういうつもりで
 誘ってきたかなんてまだ 分かんないじゃん。」

六道さんにメールする爽太。

「ところで 六道さんのとこの関谷さんてどんな方ですか?

 仕事ぶりもですけど性格とか 趣味とか

 あ 別に 引き抜こうとか考えてるわけじゃないんで

 ご心配なく! 俺が個人的に 興味あるだけなんで」

六道さん動揺。

「個人的に 興味。個人的に 興味?

 えー!爽太君も そっちだったの!?

 えっ? ちょっ ちょっ ちょっ ちょっ。ちょっと 待って。

  えー? この状…。」

すっかり誤解されました。

「返信 来ないな。」

「もう いいよ。

自分が デートに 誘われて浮かれてるからって

 私まで 巻き込まないでよ。」

「だから デートじゃないって。

紗絵子さんの 買い物に付き合うだけだよ。

「でもさ。」

「あの妖精さんの思わせぶりな態度には

 もう嫌んなるくらい 免疫 ついてんの。

 簡単に その気になるほど

今の俺は ピュアじゃないから。」

といいながらすごい舞い上がってる。

「うわー。 何 着てこう?」

「何だって いいじゃん。着てさえ すれば。」

「お茶とか ご飯とか 行くよな。店 決めなきゃ。

 えっと。どんな店に 連れてこう。

 どんな。 どんな。 どんな。どんな。 どんな。

 ううー。 あっ。駄目だ。 考え過ぎて 疲れる。

 仕事しよう。」

『ここまで 長い道のりだった
 
 高1で 紗絵子さんに 出会い一目ぼれ

 19歳で ついに 付き合ってチューを 達成するも

 その2カ月後に 振られ傷心のまま パリへ

 ショコラティエとして修業を積み 華々しく 帰国するも

 紗絵子さんは 人妻に

 そして 傷心のままショコラ・ヴィを オープン

 紗絵子さんを 常連客にすることに 成功したものの

 そこ止まりで膠着状態の日々だった 俺がついに ついに』

「爽太君。 付き合って」

(買い物に)というのが抜けてるw

『ついに紗絵子さんと デートだ』

まつりとオリヴィエ。

「この間は急に あんなことして ごめん。

 勝手に キスしたことは 謝るよ。

 でも好きになったことは 謝らない。」

「えっ?」

「僕は まつりちゃんが好きだよ。」

「いや。 ちょっと 待って。」

「他に 好きな人がいるのも知ってるし。

 それが お友達の 彼氏だろうと誰だろうと

 好きになる 気持ちはしょうがないから 別に 責めない。

 でも まつりちゃんは全然 幸せそうじゃない。

 全然 笑ってないし全然 楽しそうじゃない。

 だから。」

「フフッ。確かに そうだね。

オリヴィエの 言うとおりだよ。」

「じゃあ。」

「でも彼と別れて

オリヴィエと付き合うことなんて できない。

 ごめんなさい。」

爽太に報告。

「振られました。」

「あのバカ。

 まつりの分際で オリヴィエを振るとか ねえから。」

「でも 大丈夫。 これで終わりってわけじゃないから。」

「えっ? まだ 粘る気?あんなやつに?」

「爽太が それ 言うかな?」

「ああ。 そりゃ そうだ。 フッ。」

「だから 全然 気にしないで。」

「うん。」

「あれ? リクドー?」

「ああ。今日 関谷さんが 店に来てさ。」

「わざわざ お知らせに?」

「いや。 それがさ薫子さんを 食事に誘いに来たんだよ。」

「えっ?」

「でも 薫子さん 断っちゃってさ。」

「ああ。 そっか。」

「もったいないよなぁ。

 関谷さんも もう 一押ししてくれりゃいいんだけどなぁ。」

そのショップにでかける薫子さんと爽太。

「帝国デパートと コラボか。

 これで リクドーの ブランド力も不動のものになったね。」

「そうだね。」

「薫子さん。」

「何?」

「普段着だね。」

「ただの偵察で 何でおしゃれしなきゃいけないのよ?」

「分かった 分かった。 あくまで今日は 偵察だからね。 」

「うん。」

行列ができていました。

「すげえ。2時間待ちだって。」

「小動さんですね?中へ どうぞ。」

知り合いなので優先。

「えっ?」

「お待たせしました。ごゆっくり どうぞ。

 こちらになります。」

「イチジクが しっかり 入ってて食べ応えがある。」

「赤ワインが 効いてるね。あと 蜂蜜。」

「うん。 酸味と 甘味のバランスが すごく いいね。」

「でも…。相当 大人向けの味だね。」

「うん。価格設定も含めて相変わらず 勝負してる。」

まわりは女性客ばかり。

「おいしい。」

「それ 何の味だった?」

「フランボワーズ?」

「おしゃれ。これも 食べてみてよ。」

そこへ六道さんが挨拶にきました。

「いらっしゃいませ。」

「あっ。 どうも。」

「初日から ご来店ありがとうございます。」

「あの。 今日 関谷さんって?」

「関谷なら。 あのう。ほ… 本店にいますです。」

また誤解される・・。

「えっ? そうなんですか?何だ。」

爽太をひっぱっていく六道さん。

「爽太君。 あの。ちょっと いい?」

「えっ?何ですか?」

「ねえ? 爽太君。」

「はい。」

「私のこと どう思ってる?」

「尊敬してます。ショコラティエとして。」

「ああ。 いや。そういうことじゃなくて。」

「えっ?」

「あっ。 い…。あっ いや。 何でもない。」

「率直にいうと チョコレートが食べたいって 思ったとき

 みんなが こういうものを思い浮かべるかどうかは

 分かりません。 でも六道さんが 思い描く世界に

 ブレがないのははっきり 伝わってきます。

 人によっては 好き 嫌いがあると思うけど

 誰にとっても 間違いなく

リクドーは特別な店だと思います。」

「ありがとう。」

「私ね チョコレートを 売ってるけど

 一番 売りたいのはやっぱり 夢なの。

 だって チョコを食べたいだけならスーパーで 買うでしょ?

 万人向けの おいしい チョコがいくらでも 売ってるんだから。」

「ええ。 まあ。」

「こんなものは欲しくないとか嫌いっていう人がいても

 それは 別に いいの。私とは縁が なかったってだけだから。

 でも 人間はこの星に 70億人 いるもんね。

 そのうちの 69億9,000万人に嫌われても

 1,000万人と 愛し合えたら

もうじゅうぶん 夢みたいでしょ?

 だから 私は 縁 あった人を愛しまくってあげたいの。」

「69億9,000万の人に嫌われるのは 怖くないですか?」

「怖くない。そんなことより自分自身の ビジョンが

 消えてしまうことの方が 怖い。

 どんなものが 作りたいのか分からなくなって

 何も できなくなることが怖い。」

「六道さん お幾つでしたっけ?」

「えっ? あっ いや。あっ。 37だけど。

 うん?えっ? えっ? 何よ?」

「いや。さすがだなぁと思って。」

「あっ。 き… 聞けない。やっぱり 聞きたくない!」

「はい?」

「ああ。 ちょっと。 あのう。ほら。 私 忙しいから。 あのう。

 またね。 ゆっくりしてって。

 ちょっと もう 何なの?訳 分かんない。」

『自分自身の ビジョンが消えてしまうことの方が 怖い』

「俺の ビジョン。」

『それは もちろん紗絵子さんを 幸せにする

 チョコレートを 作ることだ』


「私パン・オ・ショコラ 大好きなの」

 爽太君が パン・オ・ショコラ作ってくれたら

 絶対 おいしいと思う」

という紗絵子さんの言葉を思い出し
つくりはじめる爽太。

「パン・オ・ショコラ? えっ?諦めたんじゃなかったの?」

「やっぱり 何とかして リクエストに応えらんないかなぁと思って。

 パリの 一流 ブーランジェリーにいた人がさ

 今 日本のホテルに いるんだよ。

 で その人に 連絡したら特別にレシピ 教えてくれるって。

 でね パン・オ・ショコラは 毎週曜日を決めて

 限定販売にする。

 みんな 限定って言葉に 弱いしさ

 毎日 焼かなくていいんだったら負担が軽くて 済むでしょ。」

「言うほど 簡単じゃないと思うよ。

 それに 他に もっとやること あるでしょ?」

「ないよ。今 俺が やるべきことは

 紗絵子さんのために 究極のパン・オ・ショコラを 作ること。

 それだけだよ。」


『毎週 パン・オ・ショコラを買いに来てくれる 紗絵子さん』

「パン・オ・ショコラ 下さいな」

また妄想・・。

お店にやってきた女優さん。

「お待たせいたしました。」

「どうも。」

「ありがとうございました。」

入れ違いにはいってくるまつり。

「すいません。

ねえ? 薫子さん。今のって 藤本 涼子だよね?」

「そうだったね。」

「ああ。 すごい。やっぱり 女優さんってさ 顔が ちっちゃくて。」

「奇麗だねぇ。」

「何? 何? 藤本 涼子?」

「うん。 フフフ。」

「何だ。 俺も 見たかったなぁ。」

「ねえ? っていうかさ近所に 住んでるのかな?

 また 来てくれるかなぁ?ねえ?」

「おかえり。 まつりちゃん。」

「ただいま。 フフッ。じゃあ 着替えてこよっかな。」

オリヴィエとはまだ少しぎこちないかんじ。

えれなの家にきた爽太。

「ねえねえ。倉科さんと 会えたよ。」

「ホントに? よかったじゃん。えれなのこと 覚えててくれた?」

「うん。 たぶん。挨拶したら「ああ。 どうも」って感じで。」

「うん。 そんで?」

「倉科さん髪 短くなってたから

 「あっ。 今の髪形似合いますね」とか 話して。」

「うんうん。 そんで?」

「えー。以上。」

「えっ? えっ?連絡先 交換した?」

「してない。」

「何で?」

「うーん。だって 緊張しちゃって 何 話していいか

 真っ白になっちゃったんだもん。」

「ああ。 そっか。」

「でも 直接 会って 話したら

 やっぱり この人のこと好きだって思ったよ。

 それだけでも じゅうぶん 幸せ。

 ハァー。なんて 言い聞かせてるけど。

 ホントは ちょっとだけへこんでるかな。

 駄目だね 私。」

「まあ 気持ち 分かるけどね。

 俺も 紗絵子さんの前だと緊張しちゃって

 訳 分かんなくなっちゃうから。」

「あっ。 あしたはいよいよ デートだね?」

「うん。 ヤベッ。また 緊張してきた。

 そうだ! あしたの服まだ 決まってないんだ。」

「別に いつもの奇麗め カジュアルで いいじゃん。

 ただし トップスは 黒ね。」

「黒? 何で 黒?」

「紗絵子さんにとってはいつもの 爽太君は

 白い パティシエ服なわけでしょ?

 真逆の色で 新鮮。 カッコイイ。きゅーんだよ。」

「おおー。 さすが モデル。ありがとう。 えれな。 」

「うん。」

デートの日。
吉岡さん出勤。

「俺 今日 遅くなるから。」

「そうなんだ。

 お仕事 頑張ってね。」

「うん。」

「うん。」

「いってきます。」

「いってらっしゃい。」

念入りにお化粧する紗絵子さん。

「よし。」

服も選んで靴はヒールの高いブーツ。

「爽太君!

 ハァ ハァ。お待たせ。」

『おおー。 カワイイ

 この妖精さんを 今日 1日俺の 好きにしていいんだ

 いや。 違います

 お買い物に付き合わせてもらうだけです

 分かってます』

「爽太君 いつも カッコイイけど

 今日は すっごく カッコイイね。」

『うわー。 出た。妖精さんの カワイイ 呪文

 引っ掛かんねえぞ。 こら』

「ありがとう。」

「うん。」

「行こっか。」

「うん。 ウフッ。」

プレゼントをえらぶ二人。

「どんなのにするかイメージは あるの?

 結婚祝いだよね?」

「うん。ペアの お皿とかマグカップとかで

 明るい 色使いでお花柄とかが…。

 こういうのも いいっかなぁ?」

「お祝いらしい 感じだね。」

「うーん。 でも いかにもお祝いの品ですって 感じじゃ

 ちょっと つまんないかなぁ。」

「うん。」

「インパクト ある 色柄で。」

「うん。」

「そこそこ カジュアルで丈夫そうなの?」

「うん。 そうだね。 あっ。 うん。」

『あれ?何か 顔が近いんですけど?』

「あっ。 でも プレゼントだからあんまり 安いのってのもね。」

「そう。 そうなの」

『変だな

 いつもこんな 近かったっけ?

 あっ。 ヒールが 高いんだ

 そのせいか。この近距離っぷりは』

「ヒールの低い靴 履いてかれんそうな 演出したり」

と言っていた薫子さん。

「かわいくて安っぽく 見えないのがいいな。

何か そういうの ないかな?」

『ああ。 耳元。声が近い

 薫子さん。 高い靴も 低い靴も使いようだよ。

  薫子さーん』

「あっ。 あっ。 ねえ?」

「うん?」

「アラビアは? 俺 ここの食器結構 好きなんだよね。」

「あっ。 私も好き。

 北欧の食器とか雑貨って カワイイもんね。」

「例えば これとか?」

「うん? あっ。 カワイイ。

 いいよね?えっ? これ いい。」

『あっ。 胸。胸 当たってますよ。 奥さん

 駄目だ。 俺の理性

 弱過ぎる』

「うーん。どうしようっかなぁ?」

紗絵子さんにその場でキスする爽太。
妄想。


「お店の人に 見られちゃうよ。」

「ごめん。 我慢できなくて。

でも 誘ったのは紗絵子さんだよ。」

「誘った?いつ 誰が どうやって?」

「えっ? いや。 だって ほら。顔 こんな 近いし。

 腕も組んだでしょ?ぎゅーって。 ほら。 ぎゅーって。」

「はっ?そんなん 誰にでも するでしょ?」

「えー! そうなの?」

「っていうか男として 意識してないから

 平気で できるんじゃん。

 それを 誘ったとか何 勘違いしちゃってんの?

 爽太君 変わってないねぇ。相変わらず 痛ーい。」

「えっ? えっ?ハハハ。

 はっ。 はっ。 はっ。」

『そうだよ。よく考えろ。 小動 爽太

 紗絵子さんにとってこんなこと

 大した 意味ないって知ってんじゃん

 能天気に 喜べるバカさかげん

 結局 いつまで たっても同じだ

 嫌んなる。 マジで』

妄想でまで落ち込む。

「爽太君。」

「えっ?」

「これから うちにお茶 飲みに来ない?」

「えっ?」

「あっ。 お酒もあるよ。

 こないだね赤ワイン もらったんだ。」

「ああ。吉岡さんには ご挨拶したいけど

 10時 近いし ちょっと。」

「いないよ。

 まだ 帰ってこないよ。」

誘ってる?
間が長い・・。

「あっ。 あれだよ? あの。旦那さん

 今は まだ 帰ってきてないけど

 そろそろ 帰ってくると思う。」

「ああ。 そっか。」

「爽太君 来てくれたらすごい 喜ぶと思う。」

「ごめん。

 行きたいけど あしたの仕込みが あるんだよね。」

「これから?」

「うん。そっか。」

「ごめんね。」

「ううん。お仕事の邪魔は できないよ。

 私も 爽太君のチョコを楽しみにしてる

 お客さんの 一人だから。

 今日は ホントに 楽しかった。ありがとね。

 フフフ。 また デートしてくれる?ウフフ。 エヘヘ。」

「別に デートじゃないでしょ。」

紗絵子さんが気を悪くした・・。

「分かってるよ。冗談で 言っただけだよ。

 お仕事 頑張ってね。」

「うん。」

「気を付けてね。」

「うん。 またね。 ウフッ。」

紗絵子さんと別れてその足でえれなの家に。

「爽太君。 どうしたの?今日 デートだ…。」

玄関でそのままえれなを押し倒す爽太。

「ちょっと。 爽太君?」

「ごめん。

 抱かせて。 えれな。」

紗絵子さんが帰宅すると吉岡さんが帰っていました。

「おかえり。」

「帰ってたんだ。」

「誰と 出掛けてたの?」

「みくちゃん。」

「どこ 行ってたの?」

「友達のプレゼント 買いに食器屋さん 回ってた。」

「それから?」

「食事して 帰ってきた。」

「どこで?」

「もう いいでしょ?」

旦那さんしつこくて細かい。

洗面所で顔を洗う紗絵子さんと
眠っているえれなと爽太。

ネットのランキングでショコラヴィが
とりあげられていました。

「ねえねえ。ちょっと これ 見て! ジャーン。」

「うわー。うちのムースが 2位になってる。」

「女優の 藤本 涼子が

うちのムースのこと絶賛してたんだって。

 こないだ 来たよね?」

「うん。 あの人のブログすごい 影響力 あるみたいだよ。

 ねえ? いい タイミングだから

 新作の ショコラの試食 出さない?」

「賛成。」

「いやー。 藤本 涼子さまさまだな。

俺 今日から ファンになる。」

「私も。あの人の悪口 絶対 言わない。」

「言ってたんだ。」

「あっ。 いや。」

「うわー。」

「悪口っていうか。」

「うわー。」

「意見だよ。」

「えー?何て 言ってたの?」

そのおかげでお客さんも多い。

「ムース・オ・ショコラ2つ 下さい。」

「はい。ムース・オ・ショコラですね。」

「ありがとうございました。」

「ありがとうございます。」

そして紗絵子さんもやってきました。

「いらっしゃいませ。」

「あっ。」

薫子さんが接客。

「薫子さん。」

「はい。」

「好きな人 います?」

「はい?」

「好きな人。」

「あっ。 いや。 ああ。 いませんよ。

 いたら いいんですけどねぇ。

 何か 年がいくにつれどんどん 出会いとか減っちゃって。」

「うーん。 出会いか。

「出会いたければ あちこち 行って迷子になってみな」

 って前に うちの お母さんが言ってたな。

  行き先に 迷いなく

ざくざく前進してっちゃう 女の人よりも

 何か 心細そうにうろうろしてる 女の人の方が

 男の人は 寄ってきやすいって。」

「ああ。 」

「あっ。まあ でも 薫子さんはしっかりしてるから

 どこ 行っても迷子になんか ならなさそう。

 ウフッ。私も ついていきたい。」

「いや。 どうだろ?

 案外 今 迷子のような気もするんですけど。」


そこへ関谷さんが。

「あっ。」

紗絵子さんの席にやってきた爽太。

「新作の ボンボンショコラ。ご試食 どうぞ。」

「ウフッ。 ありがとう。

 うーん。 うーん。 おいしい。私 これ すごい 好き。」

「フッ。 だと思った。 最近わりと ショコラ・レ 選ぶよね。

 前は 結構ノワール 好きだったのに。」

「すごい。 ちゃんと分かってくれてるんだね。」

「フフッ。そりゃあ 常連客の好みは

 ちゃんと チェックしてるよ。これでも プロだからね。」

「そっか。そうだよね。」

「うん。」

「じゃあ そろそろ 行かないと。お会計 お願いします。」

「ありがとうございます。

何か 大人っぽい 格好だね。」

「デートだよ。」

「ああ。 ラブラブ 夫婦だね。」

「旦那さんとじゃないよ。」

この間あんなこと言うから仕返しされた・・。


「やっぱり あの女 昔と何も変わってないんだ。

 デートする 相手なんていくらでも いるんだよ。

 買い物デートとか いって舞い上がんなくて よかった。」

「女の子ってさ 同性の子と 出掛けるときも

 デートって いうよね。」

「いいんだよ。 オリヴィエ。

 俺は 俺が作った ショコラを紗絵子さんが 食べて

 幸せになってくれたらそれで いいんだ。

 ハァー。 そうだよ。

 紗絵子さんが 誰とデートしようが 関係ない。

 俺は ただ ショコラ・ヴィでしか味わうことのできない

 究極の パン・オ・ショコラを完成させて

 この店で 彼女を待つだけ。ねっ?」

「うん。」

そこへ薫子さんが。

「今日 ちょっと 早く上がっていいかな?」

「えっ? あっ。いいけど。 何か 用事?」

「デート。」

「デート?」

「嘘。」

「嘘。

 ハッ。 何だ。 びっくりした。ああ。 ああ。 そっか。」

さっきの関谷さんとの会話。

「この間のことなんですが
 
 言葉が 足りなかったような気がしたので

説明しに来ました」

「はい」

「実は うちの六道に言われまして」

「えっ? 何を?」

「狭い世界で 暮らしてないで

 たまには 新しい人と 知り合って

 刺激を受けなきゃ 駄目だって。

 で 次の休みに誰か 誘って食事に行くよう

 宿題を 出されたんです」

「宿題?」

「誰にしようか色々 考えてたら

 井上さんが ぱっと思い浮かんだんですよね」

「ああ。あっ。 なるほどね

 フフッ。 そういうことならぜひ 行きましょう

 私も 今 ちょうど話してたとこなんですよ

 出会いが。 」

「ああ」

「付き合いの幅が広がらなくなってきたねって

 六道さんとの宿題 私も 参加させてください」

準備する薫子さん。

「髪。何か いい感じです」

と言われたのを思い出し
いったんほどいた髪をまた結んでしまいました。
ここで髪をおろしていかないのが薫子さん・・。

「乾杯」

「お忙しい中時間 つくっていただいて申し訳ないっす。」

「ああ。 いえ。」

「あっ。 うちなんかより六道さんとこの方が忙しいでしょう?

 すっごい 人気じゃないですか。

 あっ。 そういえば 期間限定のイベントショップにも

 こないだ 行ってきたんですけど。

 2時間待ちの行列が できててびっくりしました。」

「そうみたいっすね。」

「フッ。 あっ。 あのう。お店も 豪華で きらびやかで

 セレブって 感じですよね。

 この間の パーティーもすごかったもんなぁ。

 私なんか 場違いって感じで気後れしっ放しでしたよ。

 爽太君は物おじしない タイプだから

 どんな場所でも 堂々と振る舞えちゃうけど。

 いやー。 私はね。エヘッ。」

薫子さんひとりでしゃべってる。

友だちとデート中の紗絵子さん。

「ねえねえ。」

「うん?」

「そのバッグって最近 出た 新作?」

「うん。」

「いいなぁ。紗絵子は いい旦那さん持ったよね。

 稼ぎは いいし優しそうな人だし。」

「うーん。優しいかな。

 外づらは いいけど家では 結構 あれだよ。

 取材だとか 接待だとかって言い訳ばっかして

 朝まで 飲み歩いてばっかだし。」

「それぐらいはさ 高給取りなんだから許してあげないと。」

「それにね パートとか 何かお仕事したいって 言っても

 許してくれないんだよ。

 何かさ おうちの中で一人でいると

 私って 何の価値があるんだろって。」

「まあ そういう考えの男はいるよね。
 
 あのね。 今は 暇だからそんなことで 悩んじゃうんだよ。

 子供が できたらそれどころじゃなくなるって。

 今が 一番幸せなんだからさ。」

場面かわって薫子さんと関谷さん。

「だってさ 紗絵子なんて見るからに えげつない女だよ?

 もう 結婚してんのにデートに 誘うとかさ。

 「はあ!?」って 感じなんだけど。

 それに ほいほい 乗っかって舞い上がってる男も

 「どうなのよ?」って 思わない?」

「そうっすね。」

「それにさ 紗絵子さん 一筋で純愛 貫いてんなら ともかく

 他の女の子と しっかりやることは やっちゃってんの。」

「アハハ。まあ 小動さん モテそうですしね。」

「なのにさ オリヴィエはさ

 「爽太は もっと 紗絵子を好きになればいい」と
 か言うわけ。 エヘヘ。

 爽太君が 紗絵子さんを好きになったから

 ショコラ・ヴィが 生まれた。

 だから それは価値のある 恋なんだって。ヘッ。」

「そうなんすか?」

「違うよ。

 それだけの才能がもともと あったからだよ。

 フン。 私はね あの女に恋することに

 価値があるなんて絶対に 認めない。

 だいたい 究極のパン・オ・ショコラなんて

 一朝一夕でできるもんじゃないのに

 そんなことも分からなくなっちゃってるなんて

 もう どうかしてるんだよ。

 ああー。 ハァー。」

「小動さんに告白したら どうっすか?

 好きなんですよね?

 言っちゃったらいいじゃないっすか?」

「いや。 いや。 別に。私は 好きとか そんなんじゃ。」

「パーティーでお見掛けしたときから

 そう思ってましたけど。違うんすか?」

「じゃあ関谷君だったら 言う?

 例えば 六道さんを好きだったとして

 100% 振られるって分かってるのに?」

「言うんじゃないっすかね。

 ぐだぐだ めんどくさいこと

引きずんの 俺は 嫌ですから。」

『そうか

 私は ぐだぐだめんどくさいことを

 ひたすら 愚痴ってるだけの嫌な女だ

 この人といても 私ばっかり

くだらないこと 話してバカみたい

 私だって 別に

そこまでしゃべりたいわけじゃない

 相手が 話してくれるのを

 横で 笑って 聞いてられるのが一番 いい

 そうだよ

 私は ただ 爽太君が

バカなことを 言ったりするのを

 横で 笑って 見てたいだけだ

 何だって いいんだよ。

 たとえ それがモデル女の 話だろうと

 お気楽主婦の 話だろうと

 このままで いい

 私は 別に 爽太君の

彼女になりたいわけじゃない

 そんな バカな夢は見ない

 私は いい大人だから』


涙を流す薫子さん。

お店にいた爽太に声をかける父。

「おう。」

「あっ。」

「遅くまで 研究熱心だな。」

「早く 完成させたいからね。」

「なあ?オリヴィエと まつりは?うん?」

「ああ。 うん。
 
 何だよ。 あのバカ娘。

 トレルイエ家の 御曹司なんて俺が 付き合いたいぐらいだよ。」

「ホントだよ。 チッ。

 お前は いい時代に 生まれたな」

「えっ?」

「俺が やってたころは口コミで 評判が広がるまで

 何年も かかったもんだ。

  分かる人にだけ 分かってもらえばいいなんて

  言ってたら あっという間に店が つぶれちまう。

 でも 今は 違う。大勢の人間に こびなくても

 たった 一人の誰かに

  死ぬほど愛してもらうことができれば

 ちゃんと 結果につなげることができる。

 それは すごく 幸せで恵まれた 環境だってことだ。」

「うん。 そうだね。」

「ああ。」

「あっ。 そういえば 六道さんもそんなようなこと 言ってたな。

 69億9,000万の人に 嫌われても

 1,000万人と 愛し合えれば十分だって。フッ。」

「億とか 1,000万とか ずいぶんスケールの でかい話だな。」

「まあね。」

「でも いいこと 言うじゃねえか。」

「でしょ?さすがに 10も 年が上だと

 言うことが 違うなぁって思った。 フフッ。

 うん? えっ? 何?」

「それは 違うぞ。」

「えっ?」

「年は 関係ないだろう。

 じゃあ 俺は 帰るわ。頑張れよ。」


「六道さんってお幾つでしたっけ?」

『俺は 何で あのとき年を聞いたんだろう?』

「いや。さすがだなぁと思って」

『安心したかったから?

 そうだ。 10歳も 年上なら負けても 仕方ない

 俺は あのときそう思って 安心したんだ

 でも それって その時点で

 勝負に 負けてるってことなんじゃないのか?』


「自分自身の ビジョンが消えてしまうことの方が 怖い

 どんなものを 作りたいのか

 分からなくなって何も できなくなることが怖い」

『あの人は すごい。

完全に自分の世界を 構築している

 君臨している。だけど 孤独じゃない

 こびてない。でも…

 愛を売ってる

 俺は あと 10年で

あんなふうに なれるのか?』


朝、出勤してきた薫子さん。

「おはよう。爽太君。 帰ってないの?」

「新商品 試作してみた。ジャン。」

「パンデピス?

 フフッ。 おいしい。スパイスが すっごく 効いてる。」

「うん。 うちで 人気 ある商品ってさ

 フランスではごく普通に 売られてる
 日常的な お菓子ばっかりでしょ?

 その路線で 考えててパンデピス 思い出した。」

「究極の パン・オ・ショコラは?どうしたの?」

「ああ。 あれね。あれは やめました。 フッ。」

オリヴィエもやってきました。

「おはよう。」

「おはよう。」

「オリヴィエ。ちょっと ここ 座って。」

「うん。おっ。 パンデピス?」

「あっ。 私 コーヒー 入れてくんね。」

「うん。」

コーヒーをもってきた薫子さんは
ふたりの会話をきいてそのまま入れない。

「でさ あらためて 考えたんだよね。

 ホントに これで いいのかって。

 紗絵子さんに お願いされたことを

 お願いされたどおりにやってるだけじゃ

 永遠に前を歩くことはできない。

 ついてくだけじゃ駄目なんだって。

 たとえリスクが あったとしても

 紗絵子さんが思ってもみなかったようなものを

 作ってみせないと。」

「それで パン・オ・ショコラから

 パンデピスに シフトしたわけだ。」

「そう。リクエストされる前に

 こっちが先手を 打ってやるぜって感じ?」

「楽しそうだね。 爽太。」

「フフフ。爽太と 紗絵子を 見てると

 まるで

チェスの対戦を見てるようだよ。」


「楽しんでるよ。

 これだって手が 見つかったときは

 わくわくするし ぞくぞくする。

 俺 あの人がいれば

 いくらでも 何でも

できるような気がするんだ。」


「爽太 いい顔してるよ。だから 僕は 反対しないんだ。

 うーん。 おいしい。懐かしいね この味。」

「うん。」

『紗絵子さんが俺にもたらす 感情は

 全てインスピレーションの 源になる

 不思議だね

 だから もっと俺を 傷つけてくれていいよ

 もっと もっとへこませてくれていい

 その痛みが 苦しみが

また 俺を成長させてくれるから

 あなたが 俺を

ショコラティエに してくれたんだ

 そして 今でも

ショコラティエで居続けさせている

 俺は紗絵子さんが 好きだ』




オリヴィエの言うとおり、紗絵子さんが
爽太にインスピレーションをくれるんだから
片思いのままで振り回されても
この恋は幸せなのかもしれない。
紗絵子さんは妖精扱いで思ったこともいえず
えれなの前では素を出せて性欲もそっちで処理・・
ってのもどうかとは思いますが。

紗絵子さんは新婚でもラブラブハッピーに
みえず、あの細かい夫ではストレスもたまりそう。
爽太が妄想通り行動してたら紗絵子さんも
のってきそうなのに。

薫子さんは頭でわかってても
できないんだよねえ・・。






小動爽太 松本潤 
高橋紗絵子  石原さとみ 
井上薫子    水川あさみ 
加藤えれな   水原希子 
オリヴィエ・トレルイエ  溝端淳平 
小動まつり   有村架純 
関谷宏彰    加藤シゲアキ(NEWS) 
六道誠之助   佐藤隆太 
小動 誠  竹中直人






2014.02.04 Tuesday 09:43 | comments(0) | trackbacks(5) | 
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