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明日、ママがいない 第5話

第5話




パチはシャンプーボトルをしっかりかかえて
お試しに。

「ご挨拶は?」

「はじめまして。」

「よく来てくれたね。」

やさしそうな夫婦だけどパチはうつむいたままで
叶の後ろにかくれました。

「すいません。」

「いえ。あっ そうだいいものを見せてあげよう。」

「さぁ 入って。」

飴細工のお店で喜ぶパチ。

「わぁ〜〜!」

「はい どうぞ。」

飴をもらって笑顔。

音楽室にいるピア美とポスト。

「女って いつになっても見栄えが気になるもんよね〜。

 ママもそうだったし。」

「蒸発したママ?」

「そう パパの会社が倒産したら あっという間に

 私とパパを見捨てて出て行ったママ。」

「金の切れ目が 縁の切れ目ってやつ?」

「最低の女。

 まぁ 私にも半分 その血が流れてるんだけど。」

「半分 最低か。」

そこへ見知らぬ女性が入ってきました。

「どっち?」

「えっ?」

「ピアノが上手なほうは。」

「顔見れば分かりません?

 こっちは和太鼓って感じでしょ?」

「おばさん 誰?」

「別に 誰でもいいでしょ?

 さっき仕事終わりにピアノの音が聞こえたから。」

「あっ 給食のおばさんだ。」

「まぁ 何でもいいから間近で聴かせてくれる?」

「ギャラは?」

「お前 給食のおばさんから金取んのかよ。」

「冗談よ。

 何聴かせてほしい?」

「じゃあ あなたには難しいかもしれないけど

 ドビュッシーの『アラベスク第1番』なんてどう?」

「私のフレーズに「難しい」なんて文字はない。」

「言うね〜。」

ピアノを弾き始めるピア美。

「…で?ぶっちゃけ うまいの?」

コガモの家。食堂。

「ごちそうさま!」

「そういえばボンビ!ビッグニュースがあったんだ。」

「ビッグニュース?」

「そう。ボンビが前に言ってたでしょ?

 日本のジョリピのこと。

 実は 私 会っちゃったんだ。」

「そうそう 私も会った。」

「何で?」

「そこで 聞いちゃったの。」

「何を?」

「ジョリピ 子持ちししゃもじゃなかったよ!

 あの いつもいる子は姪っ子で

 2人の子供じゃないんだって。」

「やるじゃん …ってことは?」

「日本のジョリピの子供になる可能性もゼロじゃないってこと!」

「あ〜ん! ジョリピ〜〜!」

とボンビのまねをするピア美たち。

「だから?」

「 「だから?」って…。
 
 あんたの大好きなジョリピの話だよ。

 もっと喜びなよ。」

「ダメダメ。

 たとえジョリピに子供がいなくても

 私達を養子にしてくれる確率なんて低いんだから。

 もっと現実 見ないと。」

ボンビが大人になった・・。

「キャラ変?」

「さぁ…。」

「大人の階段を上ったのね。」

そこへ施設長がやってきました。

「 ハァ…。

 おい お前。

 んっ! 見てみろ。」

ドンキに資料をみせました。

「この人達って…。」

「次に お前が行く家だ。」

「そんな! 困ります 一度お断りしたお家です。」

「そんなことは知ってる!

 だが どうしても もう一度お前をとあちらさんが言うんだ。」

「私を?」

「フン!とんだ物好きもいたもんだ。

 どうすんだ?

 行くというなら学校には うまく言っておく。」

「行きます…。」

「あぁ!?」

「行きます お試し。」

「なら とっとと支度しろ。」

ドンキがいなくなったとにポストに声をかける施設長。

「これで満足か?」

「ああ。」

「えっ? 何? 何?ポスト ドンキに譲ったってこと?」

「別に。ドンキの お古は嫌だっただけ。」

「でもドンキちょっと嬉しそうだったね。」

「…ったく!手間 掛けさせやがって。

 これで決まんなかったらどうするつもりだ。」

「決まるよ。」

「ホントか?」

「さぁ…。

 チッ。」

お試し先に叶とでかけるドンキ。

「中に入ったらまず きちんと頭を下げなさい。」

「えっ?」

「またお試しさせてくれるかどうかは先方が決めることよ。」

「えっ? でももう一度 私をって言ってくれたんじゃ…。」

「聞いてないの?

  川島ご夫妻はあなたが泣くほど

 嫌なら無理強いはしないとおっしゃったのよ。

  私は今日別の子を紹介する予定だった。」

「それって 誰を?

 ポスト?

  私を選んでくれたわけじゃなかったんですね。」

「相手の気持ちも考えなさい。

  子供を欲しがる人の気持ちもデリケートなの。」

「それは…。」

パチを幼稚園におくってきたポストたち。

「じゃあね パチ。」

「どうしたの?」

「何か パチ 元気なくない?」

「そう?」

「また お試し先で何かあったかな。」

「親猫は心配が絶えないわね。」

「ミャ〜オ。」

「何よ それ。」

「アハハ…!」

「待ってよ〜! 待ってよ〜!」

川島家にいったドンキ。

「はい。」とお茶をだしてくれる奥さん。

「ホントに すいませんでした!

 あの時は 私 どうかしてて。

 お2人を傷つけるなんて思ってなくて。

 ただ…。」

「ただ?」

「怖かったんです。

 優しくされて幸せだなって思ってでも それが怖かったんです。

 どうしていいか 分からなくて。

 本当に すいませんでした!

 でも よかったらまた 一緒にいさせてください!」

頭をさげるドンキ。

「頭を上げてくれ。」

「さぁ 座って。」

「はい。」

「実は 美鈴のほうは君をどうしてもと言っていたんだ。

 なのに僕があんなふうに伝えてしまった。

 もう 諦めようなんて。

 僕らも 君達 子供の目から見て

 親にはなれないと思われたかと寂しくなってしまって。

 でもそういうふうに言ってくれて本当に嬉しい。」

「だから言ったでしょ?」

「分かったよ 俺が悪かった。」

「フフ…。」

「ハハ。フフフ…。」

「あのもう1つだけお願いしてもいいですか?」

「何?」

「できるだけ普通にしてほしいんです。」

「普通?」

「家族って いいところだけじゃないと思うんです。

 きっと 嫌なことも面倒くさいこともいっぱいあって

 そういうところも家族なのかなって思って。」 

「分かった。」

「そうよね。

 私達も どうしても気に入ってほしいって

 焦っちゃってたのかもしれない。」

「そうだな。」

「私も普通にします。

 だから お2人も。」

「あ〜 じゃあ後でごはんの準備 手伝ってくれる?」

「はい!」

ピア美を探しにきた音楽の先生。

「よかった〜! 見つけた!」

「先生。」

「ハァ ハァ…。

 あなたピアノコンクールに興味ある?」

「 『ティエナ』のコンクール。」

「 『ティエナ』?何それ。」とポスト。

「日本で一番大きなピアノのコンクール。

 予選を勝ち抜くと全国大会に行けるの!

 ここからプロになった人もいっぱい いるんだよ!」

「知ってるなら大丈夫ね。

 急な話だけどその予選にエントリーしてみる気はある?」

「えっ?『ティエナ』の。

 もちろん出たいです!」

「私が出た 音大の教授が審査員を務める予定でね。

 あなたのピアノを聴いてぜひ推薦したいって。」

「音大の教授?」

「給食のおばさん?」

「あっ!」

「あっ!」

ドンキが帰ってきました。

「で どうだった?」

「続けてみようと思う。」

「いい感じなんだね。」

「うん もともと嫌で断ったわけじゃないし。

 「幸せ過ぎて苦しくなっちゃった」。

 そう言ってた。」

「ありがとう。」とポストにお礼をいうドンキ。

「何が?」

「もう一度 私に。」

「えっ? バレてんの?」

ピア美がポストをよびにきました。

「ねぇ ポスト 付き合って!」

「何を?」

「いいから!」

学校にしのびこむふたり。

「やばいだろ警備員に見つかったら。」

「そのためにあんたを連れて来たんでしょ?」

「はぁ?」

「廊下にいて 誰か来たら大至急 連絡してね。」

「何で そんなこと。」

「分かんないの?

 はぁ…『ティエナ』に出場する子は

 毎日 マイピアノでレッスンしてるのよ。」

「お前 まさか勝つ気なの?」

「当たり前でしょ!」

女子部屋にやってきたパチ。

「パチ どうしたの?」

「ポスト ピア美とどっか行って帰って来ないんだ。」

ピアノの練習をするピア美と
廊下でみはるポスト。

「でも友達が頑張ってるっていいな。

 ピア美 来た!」

「マジで!?」

警備員がきたので撤収。

女子部屋。

「あれ? そういえば パチシャンプーは?」

パチはシャンプーボトルのかわりに
もらった飴を持っていました。

「パチ…。」

ジョリピ夫妻の家をのぞきみするボンビ。

「うわ〜 大きい!」

「レイカにはとうもろこし焼けたかな?」

レイカがボンビ発見。
「何してるの?

 何してるの?」

「えっ?あぁ… 何かいい匂いしてるな〜って。」

「一緒に食べて行く?」

「いや ごはん残すと怒られるから。」

「ふ〜ん。でも おじさまと おばさま喜ぶと思うな。」

「喜ぶ?」

「おじさまと おばさまのお家ずっと赤ちゃんができないんだ。

 マリアおばさまの国ではね

 子供が赤ちゃんを呼んで来るって信じられているの。」

「ふ〜ん。」

「そうだ! 次の日曜日私の代わりにここに来てくれない?」

「えっ!?」

「その日 ピアノのコンクールで行けないの。」

「でも 無理だよ そんなの。」

「お願い!」

「ごめん 帰る。」

「えっ?」

「本当に… 無理だから〜!!」

ボンビ、おおげさなしぐさ。

ケーキをつくるロッカーを手伝うポスト。

「ロッカー これ。」

こっそり食べようとしている男子二人を叱るポスト。

「こら!!」

「撤収!」

パチのお出かけ準備をみてあげているドンキ。

「ハンカチ持ったよね?

 もし何かあった時はどうするんだっけ?」

「んっ!」

コガモの家の連絡先をみせるパチ。

「うん そう。」

そこへ施設長。

「何 グズグズしてる?迎えが来るぞ。」

パチがおいていったシャンプーボトルに気付く施設長。

「うん。おい!!」

「もう… いいみたいです。」

「あぁ?」

「もう… 大丈夫みたいです。」

「そうか。」

「でも ポスト…。」

「そんなことはお前が気にすることじゃ ない。」

ケーキの仕上げをするポスト。

「誕生日ケーキなんだからさもっと派手にさ こう…。

 こう…。

 あっ もう…。」

箱にいれて叶を待つロッカーとポスト。

「普通ならファッションリングとかつけて渡すもんだけど。

 ロッカー 貯金なんてないでしょ?

 でも 大丈夫!ロッカーのケーキなら甘くて とろけるから!」

タクシーからおりてきた叶。

「今日は 本当にありがとう。

 あなた達 ここで何してるの?」

男性もおりてきました。

「知り合い?」

「「コガモの家」の児童です。」

「あぁ… 彼は?」

「彼もそうです 高校卒業後 職員として働いてます。」

「あぁ… そっか。」

「あの…。」

「紹介するわね こちらは岩本さん。」

「彼氏… ですか?」

「ああ さっき指輪を渡したんだ。」

「指輪!?」

「それは…。」

「まだ 返事はもらってないけど。」

「あの いつもお世話になってる叶さんが

 誕生日だって聞いてケーキを持って来たんです。

 これ 「コガモの家」のみんなからプレゼントです!

 行こう ロッカー!」

ケーキをおしつけてロッカーをひっぱっていくポスト。

走って靴がぬげてしまいました。

「うっ。」

ひろってはかせてくれるロッカー。

「ごめん。気を利かせたつもりだったのに

 まさか アイスドールに彼氏がいたなんて 寒い展開…。

 ロッカー…。

 私が大人になるまで…待てる?」

お試し先の家で飴をつくっているパチ。

「これ 幼稚園の子?」

「「コガモの家」の子?」

「うん!」

「この子のこと好き?」

「うん!!」

「よし じゃ ハートを付けよう。

 ちょっと待っててね。」

楽しそうなパチをみて安心する奥さん。

ひとりでお風呂にはいっているのを
みにきました。

「どう?」

パチの視線の先にはシャンプーボトル。

「無理に 本当のママを忘れなくていいのよ。

 私ができるだけあなたのママに近づくから。

 かわいそうに…。

 始まりは 偽者のママでも

 いつか私があなたの本当のママになれたら…。」

「かわいそう。」

「私も?フフ…。」

また学校でピアノを弾いているピア美。
警備員がきました。

「おい ピア美!

 入り込んでやがる。

 逃げるぞ!」

「誰か いるのか?」

「こっち こっち。」

「おい! 何してる!」

「うっそぴょ〜ん!」

「あっかんべ〜!」

「待ちなさい!」

逃げて帰る二人。でも鍵がかかっていました。

「はぁ… やっぱ閉まってる。」

「ロッカー ロッカー。」

窓からロッカーをよぶポスト。

パパと一緒に撮った写真をみせるピア美。

「私のパパ。

 エントリーした人はホームページに名前が載るみたい。

 パパ…見に来るかもしれないから。

  一応よ 一応!

 もし来たら引き留めておいてほしいの。」

そこへ帰ってきた施設長。

「やばい! 魔王だ!」

「お前ら 毎晩 どこ行ってやがる?」

「バレてる。」

「ピアノのレッスンで音楽室に。」

「チッ。」

写真をとりあげられました。

「あの それ返してもらえませんか?」

写真を破く施設長。

「おい!」

「忘れろ!

 向こうも忘れてる。」

コンクールの日。
控室。

「あっ! 痛い!」

「はぁ… もうみんな殺気立って嫌になっちゃう。」

「お前 平気なの?」

「何が?

 あ〜 もう とりあえず 顔ならぶっちぎりで優勝なのに。」

「ずぶと!」

「金賞か せめて銀賞。

 そうじゃなきゃ 全国に行けない。
 
 何かね すごい子がいるらしいの。」

そこへ入ってきた蓮くん。

「あ?」

「あっ。」

「蓮きゅん!」

「バレちゃったか。」

「バレちゃったかって?」

「男子がピアノなんて恥ずかしくて。

 学校では言ってなかったんだけど 親がスパルタなんだよね。

 今日も 伯母さんの推薦で仕方なく。」

「推薦って まさか…。」

「五十嵐みどりっていう音大の先生 知ってる?」

「伯母さんなんだ。

 じゃ 噂の すご腕って…。」

「金賞 取ったら少しは見直してもらえるかな?」

とポストに言う蓮。

「少しはな。」

「あんたら!

 絶対 取らせないから!」

弁当屋のおばさんの家にきたオツボネ。

「は〜い。

 あら また 来たのね。

 ウフフ…。」

コンクール客席にいるポストと施設長。

「おい どこへ行く?」

「ちっち。」

ジョリピの家をたずねるボンビ。
ブラピのほうが車ででかけようとしていて
車をのぞくボンビ。

「あの〜。」

「あっ 君 レイカのお友達だよね?

 話は聞いてるよ でも ごめん。

 今は ゆっくり話してる時間がないんだ。」

「どうしたんですか?」

「マリアが…。

 あっ 妻が離婚届を置いて 出て行った。」

「え〜!!」

車に乗り込んでくるボンビ。

「捜しましょう! 一緒に!」

「えっ?早く!」

マリア発見。

「マリア!

 どうして こんなことを?」

「「もう 病院には行きたくない」。

 そうか。

 不妊治療が辛かったんだね。

 ハァ ハァ…。

 僕は 数%でもほんの少しでも可能性があるならと思って。

 でも 君をそんなに追い詰めていたなんて。

 デリカシーに欠けていた。

  諦めよう。

 子供を諦めよう。

 今のまま 僕達は2人で幸せだ。

 君がいれば いい。

 ただ 君さえ いてくれたら。」

近づくボンビ。

「あぁ この子はレイカのお友達だよ。」

「妻が 君のこと「かわいらしいね」って言ってるよ。」

「自分の子供じゃなきゃダメですか?」

「えっ?」

「あなた達に子供ができないように

 親ができない子もいっぱい いるんです。

 本物のジョリピが何をしてるか知ってますか?

 2人は 世界の恵まれない子を養子にして 幸せにしています。

 幸せじゃない子なんて 日本にだっていっぱい いるんです。

 パパやママに守ってもらえない子も…。

 捨てられた子だって。

 それでも幸せになりたくてみんな… みんな…。

 そういう子のことも知っていてください。」

それだけ言ってかえっていくボンビ。

コンクールは蓮くんの番。

「蓮く〜ん。

 すてき…。

 って言ってる場合か!」

おばさんの家で玉ねぎをきっているオツボネ。

「痛〜い!痛〜い。あ〜 痛いよ〜…。

 あ〜… んっ?」

口に菜箸をはさんでくれるおばさん。

「フフ それで涙が出なくなるわよ。」

「何で?」

「そうすると 唾が出るでしょ?

 涙になる成分が 唾液になって泣かなくて済むの。

 ちょっとしたコツよ。」

「あ〜。
 
 あの…。これからも料理 教えていただけますか?

 「コガモの家」にもロッカーっていう

 料理ができる人がいるんですけど…

 他の子に からかわれちゃうから。」

「料理はいいわよ。

 作ってる時は何にも考えなくていいから。

 何にも。

 言ったでしょ赤ちゃんが お腹にいたって。

 主人と2人で 名前も考えて 服とか オムツとか

  靴下までいろいろ赤ちゃんグ ッズを買っちゃって。

 あの人に血のつながった家族をつくってあげたかったの。

 孤独で 仕事ひと筋で周りを信用しない人だったから。

 きっと 子供がいれば人を抱き締めるぬくもりを

 知ってもらえるってそう思った。

 でもね 突然赤ちゃんが危険な状態になって

 母体を選ぶか 子供を選ぶか選択を迫られることになったの。

 私は主人に頼んだ。

  「たとえ 私はどうなってもいいから

 赤ちゃんだけは助けて」って

 「それだけは お願い」って何度も頼んだ。

 意識を失った時「あぁ 私の人生は

 この子の命と引き換えに終わるんだ」って思って

 幸せだった。

 でも彼は 私の命を選んだ。」

「それは…あなたを 助けるためですよね?」

「そうよ。

 でもあの子を殺した。」

「 「殺した」なんて…。

 きっと ご主人もすごく悩んだんだと思います。」

「そう 分かってる。

 分かってるんだけどどうしようもないの。

 そんなことになって夫婦は

 いたわり合って生きて行くこともあるかもしれない。

 でも 私にはそれができなかった。

 あの人を憎むことしか私にはできなくて…。

 ひどい言葉を投げつけたこともあった。」

「ご主人は?」

「ただ 寂しそうに笑っていたわ。

 やがて それも限界が来て私自身

 自己嫌悪に襲われてもう そばには いられないほど。

 あの人を見ると私の中の赤ちゃんを思い出して…。

 辛くて…。

 本気で死にたくなっちゃうから。」

おばさんの告白の間にうつる施設長の姿。
やはり元夫婦か。

「気の毒です。

 あなたも ご主人も。」

おばさんの手に自分の手をかさねるオツボネ。

席に戻ってきたポスト。

「随分と長い ちっちだったな。」

「あっ。

 はぁ〜…。」

「チッ。

 お前は バカか。

 教壇の教師は後ろで悪さするガキは丸分かりなんだ。

 客席にいればステージに立つガキにも見つかる。」

「それって…。」

「んん。」

ピア美の番。
客席を見渡しパパをさがすも、いない。

「パパ。」

とつぶやいてからひき始めました。

ピア美をみにきたパパをみつけ近づくポスト。
ポストに気付いたパパはホールの外へでていき
ポストはおっていきました。

「パパ。

 あんた ピア美のパパだろ?」

「ピア美?」

「君は?」

写真をわたすポスト。

「預かってたんだ。

 もしかしたらパパが来るかもしれないって。」

「 「コガモの家」の子か。」

「待ってて 演奏が終わったら

 ピア美を ここに連れて来るから。」

「悪いけど 会うことできないよ。」

「どうして?

 会いたいんでしょ?話 したいんでしょ?

 だから こんな所まで…。

何でだよ?ピア美は あんたのために

 あんたと会いたくてこうやってピアノだって。」

「もう よせ!」

施設長もでてきました。

「人がいいのか 能力がないだけか

 二代目を継いだ会社が倒産し女房は蒸発。

  多額の借金を背負って 自己破産。

 その男は 娘どころか自分が生きてくのも精いっぱいだ。」

「お金の問題じゃ ない!」

「金の問題だ!」

「違う! 親子で一緒にいれば…!」

「6畳ひと間に閉じ込めて生活のために働きに出す。

 それを ホントにあいつが望むと思うか!?」

「望むよ! ピア美はパパと一緒ならどんなことだって。」

「だが 親は違う!

 娘を そんな環境に放り込みたくはない。」

「親から見ても…あの子に才能があることは

 小さな時から分かってた。

 あの子は 私に残された最後の宝石なんだ!

 それを…曇らせたくはない。

 せめて 遠くからでいい。

 あの子の輝きを 見つめていたい。

 邪魔を… したくないんだ。」

「邪魔?

 ホントに それでいいの?」

帰っていくパパ。

「チクショ〜。

 ホントに それで…。」

ピア美の演奏終了。

「ピア美…。」

ピア美、銀賞でした。

「ジャ〜ン!」

「ピア美 すごいじゃん!」

「すご〜い!」

「でも 1番じゃないんだね。」

「今日は 蓮くんに譲っただけ。」

「ホントに〜?」「ホントに〜?」

「ちょっと!」

「これって?」

「ピア美のパパ。」

「ハンサムでしょ?私 パパ似の美人なんだ。」

「自分で言うかね。」

「自分でも言う。」

「でも 何でポストが持ってるの?」

「もしかして 今日の会場に 来てないかなって…。」

「いなかったよ あんたのパパ。」

「よく捜したの?ちゃんと捜したの?」

「捜したよ。

 っていうか 客席にいたらあんただって気付くだろ?」

「そうだよね…。

 ごめん。

 でも何か 近くで守られてる気がしたんだ。」

「気のせいさ。

 捜したけど いなかったんだ。」

「そっか…。」

台所仕事をするロッカーに
叶から電話。

「ただ今 留守にしております。」

「ケーキ ありがとう ロッカー。

 ひと言 あなたに謝りたくて。

 わざわざ 「高卒で職員になった」なんて言い方をして…。

 彼 エリートで学歴とか そういうのを

 よりどころにしているところがあって。

 それで 変に あなたのことを勘繰られたくなくて。

 彼と結婚したらこの仕事も辞めて

 家庭に入ることになると思う。

 彼が それを望んでるし。

 やっと 自分の居場所が持てる。

 ずっと その場所にいられるの。

 きっと 彼に守ってもらえる。

 守る…。

 でも私は 一体何を守ってもらうんだろう。

 私に守るものなんて あるのかな?

 ねぇ ロッカー。

 私達に守るものは…。」

留守番メッセージがきれました。

朝。

「おはよう!」

「おはよう!」

ポストのベッドにつくった飴をおくパチ。

朝ご飯の食卓。

「いただきま〜す。」

「ロッカー パチの分 ないじゃん。」

「あいつの分は もう必要ない。」

「パチ! パチ!」

部屋に戻るポスト。
ドンキたちもやってきました。

「パチ 縁組 決まったの。

 あめ細工のお家。

 お泊まりも済んで。」

「みんな 知ってたのかよ。

 私だけ?」

「言えなかったんだよ。

 ポストがショックを受けちゃうと思って。」

「ショック?」

「パチも…。

 だから ポストには…。」

「パチ…。」

「無理やりじゃ ないよ。

 パチが自分で行きたいって決めたの。

 祝福してあげようよ。」

「祝福?」

「こう言っちゃ何だけど

 パチは ポストのシャンプーボトルじゃないんだから。」

パチを抱きしめるポスト。

「いいパパなの?」

「うん。」

「いいママなの?」

「うん。

 そう…。

 男のくせに泣くなよ。

 私はいいんだ 女だから。

 おめでとう。

 パチ。」

階段にすわってきいている施設長には
魔王そっくりの飴が・・。

「フッ。」

パチの出発。

「行くわよ。」

「じゃあね。」

「じゃあね。」

「お行きなさい。」

「バイバイ。」

「バイバイ。」

「元気でね。」

「幸せになってね。」

「バイバイ。」

玄関でみおくるみんなの中にポストはいない。

車の通り道で待っていました。

「窓の外を見て。

 いるわよ。

 つかの間だったけど あなたの小さなママが。」

ポストとロッカーがいました。

「ポスト!

 ポスト!

 ポスト〜!」

ポストの手にも飴。

「これ 私かよ?」

「ポスト〜〜!

 ポスト〜!」

「似てねえ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

そっくり。




あっちもこっちもいい話でまとまりつつある。
パチはシャンプーボトルを手放せるくらいに
なつくおうちの子になるし、ドンキもあのやさしい
夫婦の家でやっていけそう。
ボンビは現実をみるようになったけど
ジョリピ夫妻に上手にアピールもしてた。
ピア美はその才能で生きていけそう。
あんなコンクールにでる子は毎日マイピアノどころか
先生のレッスンをうけてるのにそれなしで自力で
あそこまで弾けるなんてすごい。
オツボネは施設長のもと奥さんと仲良しになって
施設長には不本意かもしれないけど
オツボネとすごすことで奥さんが和やかな人生を
すごせるのならば問題ないでしょう。
108人達成したらもう一度あいにいくつもりだったのか?

ロッカーとアイスドールは・・
叶、手もつなげないのに結婚できるの?
手はつなげないけどキスは平気そうだけど
手もつなげないような相手といっしょに暮らせるの?

クレームなんかつけようのないくらい
すっかりいい人ポジションの魔王。
パチも大好きだからあんなそっくりの飴を
つくってくれるんだよね。

パチとポストの別れのシーン。
泣かせにきてるってわかってても
泣けました。


ポスト  芦田愛菜
真希   鈴木梨央
ボンビ   渡邉このみ
ピア美   桜田ひより
ロッカー 三浦翔平
水沢 叶 木村文乃
オツボネ 大後寿々花
東篠祐樹 城田優
?      鈴木砂羽
佐々木友則  三上博史
パチ    五十嵐陽向




2014.02.13 Thursday 10:05 | comments(0) | trackbacks(4) | 
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