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失恋ショコラティエ 第6話

第6話



えれなの部屋にいった爽太。

「えれな! えれな!」

鍵があいていたので中にはいりました。

「えれな。」

えれなの姿がみえない。

「あっ!? えれな。」

バスルームで手首を切っていたえれなを
みてびっくり。きっと妄想。
すぐに警察官もやってきた。

「うわっ!?」

「はい。 動かないで。」

「いやいや いやいや。 えっ?」

「署に 連行します。」

「えっ? えっ?ちょっ ちょっ ちょっ。 ちょっ。

 俺 殺してませーん。

 ハァー。何? バカなことを。」

妄想でした。

クローゼットの中からえれなのはなをすする音が。

「えれな。

 何やってんの?心配すんじゃん。」

「どっか 狭いとこに隠れたくなって。

 うちで 一番 狭いのここだったから。」

「ハァー。子供じゃないんだから。

 えれな。」

「ちゃんと 告白したよ。

「うん。」

「振られた。

 倉科さん ちょっと離れたとこに 座ってて。

 どうやって 話し掛けようかなって見てたら

トイレに立つのが 見えたから

トイレの前で 待ってたんだ。」

 《ああ。 あの》

 《ああ。 えっと》

 《あの。 偶然倉科さんを 見掛けたのでご挨拶しようかなと》
 《ああ これは ご丁寧に》

 《あの。 いきなり変なこと 言うんで

 気持ち悪がってもらって全然 いいんですけど

 私。 あの 初めて 会ったときから

 よく 知りもしないのに 自分でも 変だなって思いますけど

 好きです》

 《それは どうも。こんな 奇麗な子から光栄っていうか

 もったいないっていうか いや。 うれしいっすよ》
 
 俺…結婚してんすよね》

「何か頭 真っ白になっちゃって。

 つい 「お子さんは?」なんて聞いちゃって。」

 《7歳の娘が 一人。その子が できたときに》

 《ああ。 じゃあ7年以上前に

出会ってなきゃ駄目ってことですね》

 まあ 奥さまにはかなわなかったと思うけど》

 《そんなこと。でも ホントに

 そういうふうに 思ってくれてありがとう》

 《ウフフ》

「でも よかったよ。

 倉科さんと きちんと 話ができて

 やっと 実在する人になった。

 今までは 何か夢の中の人っていうか。

 どっかファンタジーだったから。

 私の恋は 終わったけど

 リアルの 倉科さんが いい人って

 分かって ホント よかった。」

「ねえ?ホントに これで 終わり?」

「えっ?だって 家庭のある人だよ?」

紗絵子さんを思い出す爽太。

 《旦那さんと食べるんだ》
 
 《小動さんですよね?吉岡です》

「あっ。 でも ほら。 紗絵子さん

 まだ 子供が いるわけじゃないし。ねっ?」

『そうかな?

 紗絵子さんに 子供が できたら俺 諦めんのかな?

 っていうか 俺何で 諦めてないんだろ?

 俺にとって 紗絵子さんは出会った 最初の瞬間から

 妖精さんだ。

 時には いい妖精で

 時には 悪い妖精で

 今も ずっと妖精さんのまんまだ』


「フゥー。」

紗絵子さんからメールがきていました。

「えっ? 紗絵子さん?」

 「バースデーケーキすごく 可愛かった!

 可愛すぎて もったいなくて食べられないよ。ありがとう!」

「ケーキばっか 写して自分の顔 半分じゃん。

 フフッ。カワイイなぁ もう。」

返信しようとしたときにえれなの布団がおちたので
スマホはそのままにえれなの方へ。

「フフフ。えれなさん 豪快過ぎ。」

薫子さんの言葉がうかぶ爽太。

 《爽太君が 選ぶのって尻軽な 雌犬女ばっかだよね?》

『みしって 揺れた気がした。

 たぶん 気のせいだったと思うけど』


えれなが目覚めると爽太がキッチンに立っていました。

「おはよう。」

「おはよう。」

「朝ご飯 作ってくれてんの?」

「サラダぐらいだけどね。」

「ありがと。」

鏡で顔をみるえれな。

「案外 泣かなかったなぁ。

 実は 大した恋じゃなかったのかな?」

「そんなこと ないでしょ。」

「爽太君がいてくれたからかな。」

「えっ? 何?」

「何でもなーい。

 うーん。 ああ。やっぱ 手慣れてるね。

 爽太君は いい旦那さんになると思うな。」

「じゃあ えれな 嫁にくる?」

「爽太君が紗絵子さんに 振られたら

  私がお嫁さんに なってあげてもいいよ。」

「それ もう 時間の問題じゃん。」

「ウフッ。 まだ 分かんないよ。

 可能性 信じなきゃかなうものも かなわないって。」

鏡をみつめているえれな。

昔、紗絵子さんにふられたときのことを思い出す爽太。

 《ごめんなさい》

「爽太君。 どうしたの?」

爽太の目から涙が・・。

「爽太君?

 ちょっと。 どうしたの!?」

「えれなが 失恋したから。」

「えっ? 私は 大丈夫だよ。何で 爽太君が 泣くの?」

『分かったよ。

 何で 俺が ずっと 紗絵子さんを思うのを

 やめなかったのか。

 怖かったんだ。

 紗絵子さんを思ってた 自分とさよならするのが

 頭の中を いっぱいに満たしていたものを

 手放して空っぽになるのが怖かったんだ。

 俺 とっくに 失恋してた。

 とっくの昔に 失恋してたよ。

 それでも離れらんなかったんだ。

 自分が 自分から

 もう ずっと 前

 あの雪の夜から

紗絵子さんは ファンタジーで

 でも それが 俺の全てで

 ただ その物語を 続けるために

恋をしていたんだ。

 ずっと 一人で。それは ただ…

 俺のために』


翌朝、出勤した爽太。
薫子さんがいました。

「おはよう。」

「おはよう。」

「あっ。 昨日 ごめんね。」

《女の悪口 言う女は大っ嫌いだよ》

「俺 薫子さん 好きだからさ。

 だから 好きな人の口からああいう言葉

 聞きたくなかったんだよね。ひどい 言い方して ごめん。

 ああ。 まあそんなふうに 言われても

 すぐに 許す気にはなんないよね。」

「いや。 別に。」

関谷さんの言葉を思い出す薫子さん。

 《小動さんに告白したら どうっすか?》

 《好きなんですよね?》

  《言っちゃったらいいじゃないっすか?》

「私も 爽太君 好きだから。」

「ああ。 よかった。もう 完全に 嫌われたと思ったよ。

 頼りにしてるんだ。これからも よろしくね。

 あっ。ああ。 そうだ。

 さっき 六道さんからメール 来てさ。」

「えっ?」

「薫子さんと 関谷さんのこと

 すごい 気に掛けてたよ。これ。」

とメールをみせました。

 「もぉ〜 連絡先も交換してないって 本当?

 わたし お節介は焼かないほうだけど

 もうすぐ バレンタインだし

 特別に 関谷のアドレス 教えちゃう!

 2人とも お幸せにね。」

《「ところで 六道さんのとこの関谷さんて どんな方ですか?」》

 《「俺が個人的に 興味あるだけなんで」》

 《爽太君もそっちだったの!?》

六道さん誤解したまま。

「あああー。」

「六道さんって いい人だよね。

 関谷さんの連絡先 書いてあるから

薫子さんに 転送しとくよ。」

「何で?」

「連絡してみなよ。」

「何で 私からしなくちゃいけないの?」

「何も しないよりはいいこと あるよ。

 人って 必ず何かに 気付かせてくれるからさ。」

オリヴィエも気にかけてくれました。

「爽太と 仲直りしたの?」

「えっ? ああ。うん。 大丈夫だったよ。」

「うん。っていうか 爽太君今日 何か 変じゃない?」

「変?」

「変っていうか 何か抜けたっていうか。」

「あっ。 あれかな?

 誕生日に ケーキ取りに来ると 思ってたのに

 紗絵子さんに 会えなくて魂 抜けた?」

爽太がみんなのところへやってきました。

「あのさ。 みんなに 話があるんだ。」

「何?」

「こんなん 別に みんなに言うことじゃないんだけど。

  公言した方が けじめもつくかなぁと思うから 言うね。

 俺 失恋することにした。

 あっ。 変なこと 言ってるって思うよ。

 でも ホントそのまんまなんだよね。

 ちゃんと 失恋を認めて

 現実に足を踏み出さなきゃなぁって。」


「急に まともなこと 言いだしてどうしたの?」

「気付いたんだよ。

どんなに 好きでも

 どんなに 欲しくても 

紗絵子さんは 手に入らない。

 その さみしさとか悔しさとか

 そういうものを受け止めることから

 俺 ずっと 逃げてたんだと思う。

 痛いよね? こんな男。だから 認める。

  俺さ ホントに紗絵子さんが 好きなんだ。

 だから ここで 終わらせて完成させる。」


「完成って?何を?」

「この恋を。」

「どういうこと?」

「滅びの瞬間を見届けるってことかな。」

「それで やっと 完成するんだ。

俺の片思いがね。

 まあ そんなわけだから 

 俺 今度の バレンタインに

 紗絵子さんに ちゃんと 告白する。

 今まで 俺がどんだけ キモい男で

 どんだけ 独り善がりな片思い してきたのか

 洗いざらい ぶちまけて。

 どん引きされるかもしれないけど。

 それで ちゃんと 振られて。

 終わりにする。


 ということで この話はもう 終わりで。

 ああ。 それより 昨日祝賀会 行けなくて ごめん。」

「ああ。 こっちは 全然。

 爽太がいなくても 楽しかったよね?」

「うん。 そうそう。薫子さんもお兄ちゃんが いない方が

 悪口 言いたい放題で。」

《爽太の …野郎!…だし!》

《…し過ぎて…擦り切れちゃえ。 バーカ!》

《はあ? …で。 ハッ。

ちゃんちゃら おかしいんですけど》

 《いや。この人 関係ないから》

 《お前なんか 一生…》

「あれは 悪口っていうか 提言?進言?

 あの。 アドバイスだよ。」

「いや。 俺は いいんだよ。

 悪く言われて当然のことを してるんだからさ。」

「えっ?」

「俺さ 昨日 薫子さんに

えれなのこと 悪く言われて

 すごく 嫌だったんだよね。

 でも ごめんね。それって 俺のせいだよね。

 俺が 半端な付き合いしてるから

 えれなが 悪く思われるんだよね。

  何かそういうことも 含めてさ

 ちゃんと するべきときが来たのかなぁって。

 紗絵子さんに 感じてたような気持ちとは

全然 違うんだけど。

 えれなのこと 大事だって思う。

 えれなが 傷ついているときは

俺も 痛みを感じるし

 えれなが 元気だと俺も 安心する。

 そんなふうに 思えるような相手なら

 人に 堂々と説明できないような 関係に

 置いておいちゃ 駄目でしょ?

 薫子さんが気付かせてくれたんだよ。」


「えっ?」

「ありがとう。」

「あっ。 いや。私は 別に。」

「じゃあ 俺も やろうかな。」

お店で接客をする爽太。

「ありがとうございました。」

「すいません。」

「はい。お待たせしました。」

「ボンボンショコラの…。」

爽太のことを話すみんな。

「爽太もついに 動くんだね。」

「もう 十分でしょう。

 10年以上も

引きずってた方がおかしかったんだし。」

「どんなに 好きな人がいても

 流れは 変えられるってことだね。

 薫子さんが 何か 行動してれば 

 えれなじゃなくて

 薫子さんが

その場所にいたかもしれないのに。」


「そうかな?

 もし そうだとしても私は 何もしない。

 時間を戻してやり直せたとしても。

 私は 絶対に 何もしない。」


紗絵子さんに爽太からメール。

「メール ありがとう。

 昨日は 素敵な誕生日を 過ごせましたか?

 あのバースデーケーキが花を添えられてたら 嬉しいです。

 吉岡さんにもよろしく お伝えください。

 またの ご来店お待ちしています。

 choco la vie 小動 爽太」

まつりとオリヴィエ。

「うちの店 大丈夫かなぁ?」

「どうして?」

「だって お兄ちゃんは紗絵子さんの 思いだけで

 あの店 つくったんだよ?」

「ああ。」

「片思い やめたらさ 

 もう 肝心な チョコレートも作れなくなるんじゃない?」

「まあ それで店が なくなったら
 
  僕は世界一周旅行でも 行くかなぁ。」

「何 言ってんの?うちの店 なくなったら死活問題なんだよ?
 もう。」

そこへまつりにメール。

「あっ。

 あっ。女の子の友達だよ。」

「別に いいんだよ。例の彼でも。うまくいってるんでしょ?」

「うん。 別れた。」

「えっ?」

「私から 言った。別れるって。」

「何で 教えてくれなかったの?

 僕に また 「付き合って」って言われるのが嫌だった?」

「違うよ。 オリヴィエが。

 その。 私のこと好きって 言ってくれたのは

 すごく うれしかったよ。」

「じゃあ 今 もう1回…。」

「駄目。 それは 駄目だよ。

 だって 彼と別れたからすぐ オリヴィエとなんて

 そんなの よくないよ。」

「みんな そうじゃない?」

「えっ?」

「気持ちが 変わればみんな 次に いく。

 当たり前のことだし何も悪くない。

 爽太だって そうでしょ?

 それとも まだ彼のことが 好きなの?」

「違う。 彼のことはホントに もう やめたの。

 そりゃ いきなり大嫌いにはなれないけどさ。

 もう 絶対に 戻りたくないし次に 進もうって 思ってるし。」

「フッ。次が いるよ。」

「そうかもしれないけど。でも やっぱり…。

 オリヴィエみたいな人に私は ふさわしくないよ。」

「そんな言い方 ずるいよ。

 駄目なら はっきりノーって 言って。

 まつりちゃんが ノーって言うなら 僕は 諦めるけど
 
 言わないなら 僕は それをイエスって 受け止める。」

「いや。そんなん むちゃくちゃだよ。」

「じゃあ ノーって 言って。」

「よし。 決まり。まつりちゃん。

 あんまり 深く 考えずに取りあえず 僕と 付き合おう?

 ねっ?

 じゃあ おやすみ。」

オリヴィエにまんまとおしきられました。

ジョギングするえれなと爽太。爽太バテバテ。

「ちょっ ちょっと。ちょっと 待って! 速くない?」

「何? 何?だらしないなぁ。

 そっちから 言ってきたんでしょ?気晴らしに 付き合うよって。」

「だからって そんな 本気で走んなくたって。」

「失恋した上にお尻まで 下がったりしたら

 立ち直れなくなるもん。」

「その プロ意識は素晴らしいんだけどさ。」

「っていうかね 悲しい現実に 気付いちゃったの。」

「何?」

「最初は 倉科さんって奥さんと 子供思いで

  浮気なんかしない

すてきな人なんだぁとか思ってたけど。」

「うん。」

「それって 別に 私が タイプじゃなかったってだけじゃない?」

「えっ?」

「もっと 男心 くすぐるすてき女子に 告られてたら

 倉科さんだってあっちゅう間に

 抱いちゃってたんじゃないかな?」

「そんな。 えれなはじゅうぶん すてき女子だよ。

 じゃなかったらモデルなんて 務まんないよ。」

「確かに 見た目は 洋服を着て見せるのに 向いてると思う。

 でも 女として 男の人に愛されるかどうかは 別だよ。

 私は そういうとこを もっと頑張らなきゃ 駄目なんだ。

 だから 走る!」

えれな、恋愛にはネガティブだけど
ほかはポジティブ。

チョコをつくる爽太。

『終わりが 近づいてる。

 紗絵子さんへの最後の プレゼントは

 思いっ切りスペシャルなものにするよ。

 7年前の バレンタインより

 何十倍も 張り切ったショコラを作ろう。

 俺も もう 大人だし 今度は 盛大に 振られても

 笑って さよならを言える自信があるんだ。

 今 こうして ここにいるあなたを好きな 自分とも

 手を振って さよならするよ』


診察をうける紗絵子さん。

「目の方も 問題ないですね。」

「ありがとうございます。」

友だちと歩くまつり。

「ユカリンカラオケ 行かないの?」

「ごめん。彼氏が うちに おいでって。」

「えっ? だって彼 浮気してるって

 あんた こないだ泣いてたじゃん。

 えっ?いつの間に より 戻ったの?」

「うん。 何か 相手の女とはもう 切れたみたい。」

「ホント?えっ? よかったじゃん。 ねえ?」

「あっ。 」

「ねえ?」

「ごめん。 じゃあ 先 行くね。」

「うん。」

「バイバイ。」

「バイバイ。」

「彼もさ 結局ユカリンが 一番なんだよ。いいなぁ。

 私も誰かの 一番になりたい!」

オリヴィエとまつり。

「いいよ 使って。もう 出るから。」

「ねえ? オリヴィエ。」

「うん?」

「えっと。 こないだの。 あの。ちゃんと 言わなかったけど。

 えっと。

 私…。付き合う。」

「えっ?」

「オリヴィエと 付き合うよ。

 ウフッ。 それだけ。」

「うん。」

チョコをかんがえている爽太。

「シトロンと 塩キャラメルとショコラアメールの エクレア。

 あと ムースとガトーショコラと。」

「何の話?えっ?」

「紗絵子さんの結婚パーティーのときの?」

「うん。 それを

ボンボンショコラにできないかなぁと思って。」

「いいね。 おいしそう。新作 一気に 増やせそうじゃない?」

「そうだね。 いずれは 商品化も視野に入れたいと 思ってる。

 けど まずは 紗絵子さんへの告白用にと思ってさ。

 これが 最後だから。紗絵子さんには お店では買えない

 特別なチョコレートを 贈りたいんだ。」

「バレンタイン商戦で 忙しいときに

そんな余裕 ないと思うけど?」

「でも 余裕があっても何もしない人は 何もしないし

 余裕がなくたって

やる気があれば結構 できるもんでしょ?

 大丈夫。 お店の商品のこともちゃんと 考えてるよ。

 バレンタインの ボックスもちゃんと 決めたし。

 この箱を ベースに作ろうと思って。

 紗絵子さんの バースデーケーキ作ったとき

 切なさを テーマにしたじゃない?」

「うん。」

「あれって この店の商品のテーマにも なると思ってて。

 バレンタインって いったってさ

 世の中の人 みんなが

 そうそう うまくいってるわけじゃ ないでしょ?」

「そうだね。」

「好きな人がいても思いが届かなくてどっか さみしい。

 そういう気持ちって結構

共感してもらえると思うんだよね。

 使えるものは 使わなきゃ。

 こういう気持ちも

紗絵子さんが俺に くれたものだからさ。」

「シルバーいいんじゃない?

 少し 冷たい色で切ない感じがするし。」

「うん。 後は リボンの色をどうするか 迷ってて。」

「うーん。 切ない色か。何だろ?」

「あっ。 薫子さんの意見は?

 最近 全然アイデア 出してくんないじゃん。」

「あっ。 それは 爽太君が次々 新しいこと 思い付くから

 あえて 自分を出さないようにしてたっていうか。」

「駄目だよ 自分 出さなきゃ。もっと アピールしてよ?

 ねっ?」

「うん。」

「どう?」

「切ない色だと 青とかかな。」

「うーん。 青だとちょっと 冷たくないかな?」

「ああ。 じゃあ…。」

「赤。

 銀色って落ち着いた感じが するけど。

 そこに こう さみしさとか悔しさとか 嫉妬とか

 愛情とかがひっそり 渦巻いてる感じ。」


「いいかもね。」

「冷たい顔して 突っ立ってるけどホントは。

 ホントは抱き付いちゃいたいのにとか。

 他の人 押しのけて

 自分が そこにしがみついちゃいたいのにとか。

 そんな イメージ。」


「いいね。いい感じに 重たいね。

 切ないね。」

「そうだね。」

「ツンデレだね。」

「うるせえ。」

「いや。 褒めてるんだよ。」

「ちょっと オリヴィエ。」

「じゃあ 少し 暗めの赤にしようか。」

「いいね。そういうのも シックで。」

おでこのバンソーコーを隠すのに
帽子をかぶってお店にきた紗絵子さん。

「こんにちは。」

「紗絵子さん。

 いらっしゃい。」

「ごめんね。 まだ オープン前なのに。」

「いいよ。久しぶりだね。」

「うん。 バースデーケーキ予約したとき以来かな。

 ごめんね。色々 忙しくて。」

「ううん。 帽子 珍しいね。」

「あっ。 そう?

 あっ あっ。 外 寒かったから。」

「似合ってるよ。 カワイイ。」

「あっ。 ありがとう。

 あっ。 ケーキ。すっごい おいしかった。

 もう ホントはね ホントはもっと 早く

 直接 お礼言いに来たかったんだけど。」

「外 出たくなかったんでしょ?

紗絵子さん 寒がりだから。」

「あっ。」

「よかった。 喜んでもらえて。」

「うん。 ケーキ 他にも 色々 あったけど

 やっぱり 爽太君に頼んで よかった。

 ありがとう。」

「俺 やっぱり紗絵子さんに 褒められるのが

 特別 うれしいよ。」

「あっ。

 ウフフ。 あっ。 今日ねこれ 買いに来たの。 パンデピス。
 
 これ すっごい おいしい。

 あと。あっ。 このオレンジプラリネ。

 このオレンジピールと アーモンドの食感が

 たまらないぐらい おいしい。」

『紗絵子さんのために作った ショコラを

 紗絵子さんが口にしてくれる。

 それは当たり前なんかじゃなくて

 とても 幸せなことなんだ。

 この幸せと 引き換えに

 俺は 他の可能性を失っていたのかもしれないね。

 それでも 後悔してないよ。』


「いっぱい 買ってくれてありがとう。」

「これからも いっぱい 買うよ。」

「久しぶりに 紗絵子さんの顔見られて うれしかったよ。」

「私も。

 じゃあね。 フフフ。」

『俺は この夢が あと

何回かなうか 数え続けるんだ。

 数え終わるときが 来るその日まで。』


「爽太 何か 今日 紗絵子さんに

すっごいストレートだったね。」

「うん。もう 駆け引きとか やめたんだ。

 悔いのないよう 素直に接しておこうって思ってさ。

 そうそう。紗絵子さんが 今日 帽子まで かぶって

 寒そうにしてるの 見てさ 

 また 新しい フレーバー思い付いちゃったよ。」

「どんな?」

「ジンジャーと シナモンの ミルクティー。

 あったまりそうな 飲み物を出してあげたいなぁとか 思って。

 そしたら ぱっと浮かんだんだよね。」

「それを ショコラにするの?」

「期間限定の トリュフにしたらキャッチーじゃない?フフッ。 」

「すごい やる気だね。
 
大恋愛を 終わらせようとしてるのに

 こんなに 生き生きとしてる人珍しいよ。」

「そう?」

「フッ。 フフフ。」

『確かに紗絵子さんへの恋が 終わるのに

 どうして こんなに

アイデアが 出てくるんだろう?

 まるで ぱっくり 開いた傷口から

 ひらめきがあふれだすみたいだ。

 染みないわけじゃないよ。

でも それ以上に うれしい。

 何かを生みだせる力が湧くことが うれしい。

 クリエーティブな細胞が騒ぎだすのが

 新しい作品の 出来上がる姿を

 思い浮かべるのが 心地いい。

 だって 俺は とっくに

ショコラの海の 生き物で

 もう 俺自身の力で泳いでいける。

 誰がいても いなくなっても

俺はショコラティエなんだ。』


関谷さんにメールをおくる薫子さん。

「六道さんから 爽太くん経由で

連絡先を 教えてもらいました。

 それで メールしないのも失礼かなと 思うので

 送らせて頂きます。

 関谷さんに言われたからってわけではないですけど

 爽太くんに好きだと 言ってみました。

 ノーリアクションで流されました。

 爽太くんは人妻を あきらめて

 加藤えれなと 正式に向き合うと 言っています。

 くだらない話で すみません。では また」

「何? メール?」

「あっ。 はい。ショコラ・ヴィさんから。」

「ああ。 ああ そう。ふーん。案外 すぐ 送ってきたのね。」

「六道さん。」

「はい。」

「何で 俺の連絡先なんか?」

「ああ いや。 だって ほら。

 ほら。 あなた爽太君に 憧れてるんでしょ?」

「えっ? ああ。 はい。 小動さんはすごい人だと思います。

 あっ。 もちろん六道さんは 別格ですけど。」

「フッ。 当然よ。あのね。

  憧れの人は憧れたままじゃ 出会ってないのも 同じよ。

 ホントに その人のことが好きなら

 その人の内面に 踏み込むぐらい深い 付き合いをしなさい。」

「ああ。 はい。いや。 でも このメールって。」

「駄目 駄目 駄目。後は 自分で考えて 行動する。

 失敗を恐れちゃ 駄目よ。

 あなた まだ 若いんだから。あああー。 ちょっと。」

「はい。」

六道さんずっと誤解中。

えれなと爽太。

「爽太君。 ランチ付き合ってくれて ありがと。
 
 でも よかったの? ここんとこずっと 忙しいんでしょ?」

「うん。 バレンタイン 終わるまで休めないからね。

 最後に 息抜きできて よかった。」

「そっか。じゃあ しばらく 会えないね。」

「うん。」

「うん?」

「あっ。 ううん。 ごめん。

 やっぱ まだ吹っ切れてないのかなぁ。

 一人でいると 考えちゃうんだ。どうせ 私なんかとか。

 女として 大事なもの置き忘れてきちゃったんだとか。

 自虐スパイラルだねぇ。フッ。 仕事でも そう。

 自信なくして 弱ってるときだと

 私なんか 駄目じゃんって

 ネガティブモード 全開になっちゃうんだ。」

「みんな そうだよ。何かで 上を目指してる人は。

 俺も そう。

 ステップアップ すれば するほどすげえ人 いっぱい 見るし。

 自分が何だか 小さく 思えてくる。

 みんな そうだし。

 それだけ えれなが 頑張って高い場所まで 来たってことだよ。」

えれなの手をつなぐ爽太。

「フフッ。

 セフレって いいもんだね。

 振られて クロゼットで泣いてるの 見つけてくれたり

 自虐スパイラルから助けだしてくれたり。

 こんなに いいものだって知ってたら

 もっと 早くつくってたのになぁ。」


「えれな。」

「うん?」

「セフレとか そういうのもう 終わりにしない?」

「えっ?」

「俺さ バレンタイン紗絵子さんに きちんと告白するって

  決めたんだ。」

「えっ? あっ。 そっか。

 そっか。 頑張ってね。きっと いい返事 もらえるよ。

 爽太君 頑張ってたもん。大丈夫だよ。 うん。 そっか。

 じゃあ もう 私とは。」

「告白するのはけじめ つけるためだよ。

 ずっと 好きだった人だから

 自分の中で 何となく終わらせるのは 嫌だし。

 ちゃんと 口にしてちゃんと 振られて。

 終わりにしようって決めたんだ。

 だから…。

 あっ。 あっ。 いや。 ごめん。

 うん。 今の状態で具体的なこと 言っちゃうと

 あれだから 言えないけど。

 そういうのが 片付いたら

 えれなとのことちゃんとしたいと思ってて。」

「えっと。どっちの意味だろ?」

「ごめん。今は 言えないけど。

 でも…。

 きちんと けじめ つけるから。

 そしたら えれなもちゃんと 考えてくれるかな?

 俺とのこと。」

「どうしよう?今すぐ 抱き付いちゃいたいよ。

 でも 今は 駄目だね。

 「うまくいくと いいね」って言わなきゃ。

 あっ。 それにこういうのも 駄目だね。

 他の人に 告白する人と手なんか つないじゃ駄目だね。」

手を放すえれな。

「告白 頑張ってね。

 じゃあ 今日は ここで。またね。」

「うん。 じゃあね。」

バンソーコーをはずしたら傷跡もなく
笑顔になる紗絵子さん。

同じくえれなも笑顔。

「フフッ。」

『これで いいんだって思えるようになったのは

 きっと そういう時期が来たからだよね。

 最高に ストレートな告白をしよう。

 苦くて 痛々しい

 一生 忘れられないバレンタインにするんだ』





爽太とえれなはとってもお似合い。
セフレと言ってるけど普通に恋人同士みたいな
間柄だしこのままスッパリ紗絵子さんのことは忘れて
くっついてしまえばいいけど、旦那がいても
爽太に愛想ふりまくのはあいかわらずな紗絵子さん
だからな〜〜。

原作の展開のどこまでやってどうやっておわるのか・・・。

薫子さんは告白してもLOVEの好きにうけとってもらえず
でもそれはそれでひとくぎりつけられたのかも。
関谷さんとはどうなるかまだ未知数だけど
とにかく動かなきゃ・・だよね。





小動爽太 松本潤 
高橋紗絵子  石原さとみ 
井上薫子    水川あさみ 
加藤えれな   水原希子 
オリヴィエ・トレルイエ  溝端淳平 
小動まつり   有村架純 
関谷宏彰    加藤シゲアキ(NEWS) 
六道誠之助   佐藤隆太 
小動 誠  竹中直人






2014.02.18 Tuesday 09:28 | comments(0) | trackbacks(5) | 
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| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2014/02/19 7:40 AM |
失恋ショコラティエ六話&明日、ママがいない六話感想
■失恋ショコラティエ六話 爽太(松本潤)は、えれな(水原希子)の失恋に駆けつける。えれなの好きな人には妻子がいたので、丁重にお断りされたようだ。だがえれなは、爽太のおかげでそれほど落ち込まずにすんだ。同時に爽太も気づく。えれなのこと、大切にしたいという気
| NelsonTouchBlog | 2014/02/20 10:08 AM |