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明日、ママがいない 第8話

 第8話



朝倉家で瞳と先生と楽しくトランプで遊ぶポスト。

「わぁ〜 やった〜!」

「初めて イチ抜けだ〜!

 もう 10連敗だったから2人とも 演技 すご過ぎ。」

「ハハハ…。」

「アハハハ…。」

「よ〜し! どっちにしようかな〜?

「ん? 」

「あれ 怪しいぞ?これなの?」

「ん? 」

「こっちかな?」

「ん〜?」

「ん〜。よし こっちにしよう!

 アハハ! やった〜! ママの勝ち。」

「負けた〜。」

「愛は負け!」

帰宅するポスト。

「すまないね いつも。」

「私も楽しいから。」

「そう言ってもらえると 助かるよ。」

瞳は眠っていました。

川島夫妻といっしょに川の字で眠るドンキ。

「私を生んだ時 痛くなかった?

 痛かった?」

「フフっ 安産だったわよ〜。

 あなたは あの頃から ママ思い フフっ。」

「でもね 大きな声で泣いてた。

  病院中に響き渡るぐらい大きな声で。」

「フフフ…。フフっ。」

「ハイハイしたり立ったり 笑ったり。

 そのたんびに大喜びしてたくさん写真 撮ってた。」

「初めて「パパ」って呼ばれた時は泣いたな〜。」

「フフフ… 泣いてた 泣いてた。

 あなた 幼稚園の入園式でも泣いてたじゃない。」

「えっ バレてたのか?」

「うん フフフ…。」

「そして 9歳になりました。」

「まだ 甘えん坊で 時々こうやって 一緒に寝たがる。」

「私… 2人の邪魔?」

「フフフ… 何言ってんだ 邪魔なもんか。」

「そうよ そんなことあるわけないじゃない。」

帰ってきたポストを待っていた魔王。

「お前!どこ ほっつき歩いてんだ?」

「別に。」

「チッ。」

部屋に戻ったポスト。
窓から外をのぞいてつぶやきました。

「私の…。

 ママ…。」

お弁当屋さんへいったポストとオツボネとロッカー。

「日替わり弁当お待たせしました。

 お弁当を買いに来ただけじゃなさそうね。」

「私達 誤解を解いておきたくて。」

「誤解?ドンキのほっぺたの傷。」

「ドンキ?」

「あれは 魔王がやったんじゃ ない

 あいつが転んで ついた傷だ。」

「あの子が 嘘をついた?」

「嘘っていうか 怒られたから話をオ−バーにしたのかも。」

「言われて来たの? あの人に

 自分のフォローをして来いって。」

「そんなこと死んだって頼むキャラじゃ ない。」

「新しい居場所を見つけることに

 あそこまで こだわる人はいません。

 香織さんに 自己満足だなんて言ってほしくなくて…。」

「魔王とアイスドールだからあんなことするんだ。」

「確かに あの2人 むちゃくちゃだもんね。」

「やっぱり むちゃくちゃなんだ。」

「むちゃくちゃ子供のことを考えてる。」

牧場におためしにきたハンとリュウ。

「大きいでしょ?」

「大っきい 」「温か〜い!」

「温かいね。」

「すご〜い。」

つきそいの魔王と叶。

「牧場を営む夫婦です。

 双子の男の子を受け入れたいと言っています。

 以前にも里子の受け入れ経験があり信頼のおける家庭です。」

「この前はすまなかったな。

 言い過ぎた。」

「いえ。」

「あらためて言う。

 おめでとう。」

「あの…1つ お聞きしてもいいですか?」

「何だ?」

「どうして 「コガモの家」を始めようと思ったんですか?

 刑事だったと 初めて知りました。

 仕事が生きがいだったんですよね?

 そんなあなたが どうして?」

「むなしくなったからだ。

 人を騙し 傷つけ 果ては あやめてしまう。

 捕まえてみれば どうだ。

 どんな凶悪犯でもどこか共通してるものがある。」

「それは?」

「顔が浮かばないんだ 愛する人の顔が。

 衝動的な事件を別にすれば

 普通の人間は愛する人の顔を思い出せれば

 思いとどまる。

 その人を失望させ 傷つけたくない

 そう思って 思いとどまれる。」

「その顔を… 子供のうちに見つけてあげるべきだと?」

「実の親 里親 養親教師でもいい。」

「愛してくれた人の顔を。」

「決して裏切ることのできない顔だ。

 まぁ…きっかけは 別のことだったがな。」

「お気の毒です。

奥さんとの間の失われてしまった 赤ちゃん。」

香織に頼むオツボネたち。

「もう一度会ってみてもらえませんか?

 もう一度 話 してほしいんです。」

ロッカーとポストはそばでお弁当をたべていました。

「あんたも ひと言ぐらい言えばいいのに。」

香織の反応がよくなく首をふるオツボネ。

コガモの家。夕食の時間。

「ありがとう。」

ピア美が帰ってきました。

「ただいま!よかった!ごはんに間に合った!」

「今日も練習だったの?」

「そう。先生のレッスン超厳しくてさ 参っちゃうよ。」

「 『ティエナ』の全国大会もうすぐだよな。」

「うん 絶対に金賞取る このチャンス 逃さないからね。」

「金賞を取ったら その次は?」

「いろんなコンクールにどんどん挑戦して

 いっぱい賞を取って 天才少女として注目されるの!」

「それで それで?」

「ピアノの腕と この美貌で

 美人ピアニストとして華々しくプロデビュー!

 そして 向こうも立派に成長した 蓮きゅんと…!」

「痛い!」

というドンキ。

「あんたの話 痛いってさ。」

「お腹 痛い…。」

「えっ?」

「うっ うぅ…痛い 痛い…!」

「大丈夫!? 救急車!」

「痛い 痛い…。痛い」

「 うっ… ハァ ハァ…。

痛い 痛い… 痛い…。」

「ロッカー…。」

医者にいきました。

「お大事にどうぞ。」

「ドンキ どうだった?」

「うん 何かね胃が荒れちゃっただけだった。」

「はぁ…。そう。」

「よかった〜。」

ロッカーにおぶってもらっているドンキ。

「ロッカー もう大丈夫だよ。

 重いでしょ? 自分で歩けるから。」

「神経性ってやつじゃない?」

「えっ?」

「あんた 最近ちょっと おかしいから

 それと関係あるんじゃないの?

 あの時の顔の傷は魔王にやられたわけじゃ ない。

 なのにあんたは魔王の奥さんに…。」

「ポスト よく分からないけどまたにしない?」

「ボンビのことハンとリュウをあおって

 ジョリピにチクらせたのもあんただ。

 ロッカーの時も妊娠してる女の人を守るために手を出したって

 どうして言わなかったんだ?

 言ってたらピア美だって あんなふうには…。」

「それは…。」

「もういいよ ポスト。」

「そうだよ 過ぎたことだし。」

「責めてるわけじゃないんだ。

 知りたいんだよ。

 何で そんなことを…?

 ドンキ。

 友達だから…。」

「ごめんなさい。

 ごめんね ボンビ。

 ごめんね ロッカー。

 私 あのお試し先に行くようになってから おかしい。

 理由は分からない。

 でも 苦しくて どうしていいか分からなくて…。

 どんどん嫌な子になってる。」

「何か 嫌なことがあったの?」

「ううん そんなことない。

 あの2人を 悪く思わないで。」

「好きになっちゃったんだ。

 2人のこと 大好きになっちゃったんだよ。

 だから ものすごく不安になっちゃってる。

 ママみたいに 「やっぱりいらない」って

 言われるのが 怖くて…。」

「そうなの?」

「ドンキ…。」

泣き出すドンキ。
ロッカーがおぶったまま歩いて帰りました。

幼稚園にニッパチを迎えにきたポストたち。

「ニッパチってさ背中のチャック開けたら

 絶対 中年のおじさんが入ってるよね。

「かわいいっちゃかわいいんだけど

 少しずつ ズレがあるっていうか

 それが降り積もると若干 生理的に無理っていうか。」

「かわいそうだよ そんなこと言ったら。」

「じゃあ チュ〜する?」

「いや それは ちょっと…。」

「ニッパチ おかえり。」

「あっ。」

ニッパチがポストの横を通り過ぎてはしっていきました。

「ん?」

「ママ!」

「あ〜!」

「ママ?」

「会いたかったよ。」

「僕も!」

「もう二度とギャンブルなんかしない。」

「ホントに?」

「エヘっ チュ〜!チュッチュッ チュ〜!」

「無理!無理 無理!」

「フフフ…。ごめんね。

 もう離さないからね。」

ニッパチを抱きしめる母。
後ろのポストたちにピースサインを出すニッパチ。

「ニッパチ よかったね。

本当のママが迎えに来て。」

「また預けたりしなきゃいいけど。」

「でも いなくなると思うと寂しいね。」

「全然。」

「最初のパチの時はみんな泣いてたのに…。」

「じゃあ 私 寄るとこあるから。」

「えっ?」

「ロッカーに晩飯いいって言っといて!」

「寄るとこって?」

「きっと 先生のお家。」

「先生って… 朝倉先生?」

「先生の子供 踏切の事故で亡くなったの。」

「えっ ホント?」

「私らと同じ年の子。」

「そうなんだ…。」

「ところが その先生の奥さん ポストのことを

 自分の娘だと思い込んじゃったみたいなの。

 多分 死んじゃったって心が受け止められないのかもね。」

「私 分かるな。」

「ボンビ…。」

「や〜だ 私は もう平気だから。」

「ポスト 元気づけるために

 その子のふりをしてあげてるんだよ  きっと。」

「でも それって いいことなのかなぁ?」

朝倉家にいったポスト。

「おかえりなさい 愛。」

「ただいま ママ。」

いっしょのベッドで眠り
瞳が寝ているのをたしかめてベッドから
抜け出すポスト。

「いいよ 線路沿いを走ってちょいだから 1人で帰れる。」

「何言ってるんだい。

 教え子を1人で こんな夜に帰らすわけにいかない。」

「そう。」

「今は娘でもある。」

「過保護なパパだ。」

「だけど 不思議なんだ。」

「えっ?」

「どうして 瞳はあんなにも君を愛だと思い込めるのか。」

「顔を知らないからかな。」

「顔?」

「私は ママの顔を知らないから。

 こっちもこっちで不思議なんだ。

 私も 初めて誰かのことを素直に「ママ」って呼んでる。

 お試し先でだって

 それだけは 心からなかなか言えないのに。」

「ホントに いいんだろうか?」

「何が?」

「 「何が?」って…。」

「私がいれば ママは死なないそうでしょ?」

「ああ だけど…。」

「誰も不幸にならない。」

「君は?」

コガモの家にきたブラピ。

「あなたもご存じだったんでしょうね。」

「何のことでしょう?」

「今さら 寄付を取りやめるつもりはありません。」

「彼女が自身でしたことです。

 もともと 役所を通したことではありません。」

「子供の嘘を知りながら

 どうして見過ごしたのかということを聞いてるんです。」

「そのことについては 私も本当のことを知りたいです。」と叶。

「私は男の子を望みました。

 彼女は嘘をついて 私の家に来た。

 大人のあなたには すでに結末が見えていたはずです。」

「ジョリピ…。」

とつぶやくロッカー。

「えっ?」

「見せたいものがあります。」

子ども部屋へつれていきました。

「あの子が作って ここに貼った。」

「アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピット…。」

 2人は 親のいない子供を養子として引き取っている。

 そういえば いつか あの子が僕と妻に…。」

「フフっ。」と笑う叶。

「すみません。

 この2人に あなた達夫婦の姿を重ねていたんだなと…。

 子供の頃ってよく そういう妄想というか…。」

「妄想?」

「夢ですよ。

  「ジョリピに もらわれたい」。

 それが あの子の口癖だった。

 ばかげているが

 そう言って 他の里親を拒否し続けていた。

 「ジョリピ以外じゃ意味ない。

 だったら 本当のパパとママが迎えに来るのを待ってる」

 そう言って…。」

「迎えに来るはずは 決してないのに…。」

「複雑な 事情が?」

「いえ シンプルだ。」

「彼女は ご両親 共に亡くなっています。」

「そんな…。」

「こうして ここに貼って 毎日のように腰を振って

 頭を振っては 叫んでいた。

 夢を見て…。」

ボンビのことを思い出すブラピ。

((自分の子供じゃなきゃダメですか?))

((えっ?))

((それでも幸せになりたくてみんな… みんな…))

「どんなふうに?」

「えっ?」

「腰を振って頭を振っていたんですか?

 こんなふうに?

 ジョリピ〜〜!」

とやってみせるブラピ。

ピアノコンクールの日。
トイレにきたボンビ。

「ジョ…。

 もうやめるって決めたじゃない!」

コガモの家をふりかえってつぶやくブラピ。

「バカだなぁ 髪は女の子の命なのに…。」

見送る叶たち。

「もしかしたら まだチャンスが…。」

「さぁな。」

ポストたちのもとへもどったボンビ。

「手 拭いたか?」

「いや〜 ハンカチ忘れちゃって。」

ハンカチを差し出す蓮くん。

「ありがとう。」

「蓮くん!」

「みんな 来てくれたんだ。」

「ピア美の 応援にな。」

「少しは僕も応援してほしいな。」

「フッ 少しだけな。」

「金賞は彼女だよ。」

「えっ?」

「でしょ? みどり伯母さん。」

「あなたには失礼な話だけどね。」

「でも 前は蓮くんが金賞だったじゃない。」

「私が彼女の点を低くつけた分

 この子が僅差で勝ったのよ。」

「マジで!?」

「あの子を天狗にしたくなかった。

 努力を怠ると天才は逃げてしまう。」

「天才…。」

「どこまで伸びるか想像もつかない。」

準備しているピア美。

「あらためて言うけど 顔だけならぶっちぎりで優勝なのに。

何?」

「サイン もらっとこうかな〜。」

「今のうちにね。」

「はぁ?

 ポスト 悪いけど 今日もパパのこと探してくれる?

本選だったら 来てないかな?…なんて。」

「何? あんたもサイン欲しいの?」

「来てると思う。」

「えっ?」

「予選の時 ホントは来てたんだ ピア美のパパ。」

「ホントに?ピア美のパパが?」

「ああ だから今日も来てると思う。」

「何で今まで黙ってたのよ。」

「お前の邪魔になりたくないって

 夢を壊したくないってそう言ってたんだ。

 自分の所に来たら

 食べて行くだけがやっとの生活になるって。

 今日も来てる。

 でも お前の演奏を聴き終わったら…。」

とびだしていくピア美。

「マズいよ ポスト 何も こんな直前に…!」

「苦しかったね ポスト…。」とドンキ。

「言わないでおこうかとも思ったんだ。

 だけど…。」

「天才だって 聞いたからね。」

「それでも負けない 元お嬢様は。」

舞台袖にいるピア美。
蓮くんが弾いていました。

魔王の横にすわるピア美パパ。

「この町から 離れることにしました。」

「離れる?」

「あの子の近くにいると 苦しい…。

 あの子の姿が見られなくなる場所まで…。」

「そうか…。

 住所は?写真くらいは送ってやる。」

「いえ…。

  今日 目に焼き付けて行きます。」

「今生の別れということか。」

ピア美の番。

オツボネあてにきた郵便。

「これ 私の。

 ここを出た後のことそろそろ考えなきゃなって。

 看護学校なら 資格も取れるし

 目のことも勉強できるし 一石二鳥でしょ。

 それに お金は奨学金で何とかなるかなって。

 あとほら 見て。

 ここなら 寮も完備。

 ここを出た後どんなふうに暮らすんだろう。

 合コンとか しちゃったり

 彼氏とか できちゃったりするのかな。

 縁組は叶わなかったけど まぁ 最終的に

 誰かのお嫁さんにもらってもらえればね。

 まぁ まずは…1人で強く生きて行かなきゃ。

 ねぇ たまにはさ…遊びに来てもいいのかな?

 冗談よ。

 いい年して ホームシックかって魔王に怒鳴られちゃうもんね。

 でも…。

 やっぱり 私 ここにいたいかも…。

 ここにいたい…。」

泣き出すオツボネ。
オツボネの頭をなでてあげるロッカー。

そこへ電話。

「はぁ…。痛い。ここ 痛い…。

 はい 「コガモの家」です。

 香織さん?」

ピアノを弾くピア美。

((予選の時 ホントは来てたんだピア美のパパ))
((今日も来てる))
((でも お前の演奏を聴き終わったら…))

途中で演奏をストップしました。

「ピア美…。」

「私のせいだ。」

客席にむかって叫ぶピア美。

「パパ〜!!

 パパ! 行かないで〜!!」

座り込んで泣き出すピア美。

「パパ〜!

 パパ〜!!」

ポストたちが舞台までいきました。

「ピア美 いいの?もう一度 弾き直さなくて。」

「そうだよ ピア美の夢なんでしょ?」

「そんなの いらない!

 一緒がいい!

 パパと! 一緒がいい!

  パパ〜!!パパ〜!!パパ〜!パパ〜!!

 パパ〜!パパ〜!!パパ〜!!」

たちあがるパパ。

「聞いただろ? 娘の思いを。

 あれが全てだ。」

「パパ〜!」

「あの叫びを聞いて それでも姿を消すなら

 あんたは父親じゃなくなる!」

「そんなこと分かってる!

 どうしようもないじゃない」

「名前を呼ぶだけでいい。

 ただ それだけで。」

「パパ〜!!パパ〜!! パパ〜!パパ〜!!

  パパ〜!パパ〜…。パパ…。」

「直美〜!直美〜〜!!

「パパ…。

 パパ〜!」

舞台にあがってだきあう親子。

「直美…。直美…。」

「ひどいよ〜!」

「ごめんな… ごめんな…。

 パパが悪いんだ…。」

「もう… いなくなったりしない?」

「ず〜っと一緒だ ず〜っと一緒だ。
 
 ごめん… ごめん…。

 ごめんな… ごめんな…。」

みんなも貰い泣き。

会場から出た魔王に電話。

「はい。」

帰り道のポストたち。

「ピア美 幸せそうだったね。」

「ああ。」

「6畳一間だけど。」

「お前 どうしてそういうこと言うかな。」

「本当のパパか…何か うらやましくなっちゃった。」

「本当のパパと 6畳一間だけど。」

「しつこいっての。」

「アハハ…。」

ドンキの母が待っていました。

「真希〜! ハハっ!」

「ママ…。」

香織にあう魔王。

「お前から連絡をもらえるとは思わなかった。」

「子供達が来たの。

 私は あなたを誤解していると。」

「この店…。」

「覚えていた?」

「懐かしい…。

 忘れるもんか。

 お前は ちょうど今 座ってる席にいた。」

「私は 友達の結婚式の帰り 

 何だか 人当たりしちゃって2次会の誘いを断って…。」

「だから カクテルドレスを。」

「オレンジ色の…。」

「夕日のような。

 俺は 通りを歩いていて…君を 見初めた。」

「見初めた…。

 そう あなたは 夕日に染めると かけたのよ。

 いきなり 私の前に座って そんなこと言って

 何なの この人 頭おかしいの?って思った。」

「「怪しい者じゃ ない」。」

「ええ そう言って 警察手帳を出した。」

「それが 始まりだった。

 長い 長い…。」

「物語の 始まり。」

「もう一度 やり直させてくれ。」

結婚式の衣装合わせにきている叶。

「キレイだよ とても。」

「ありがとう。」

「私のほうは 両親はもちろん 親戚さえも…。」

「それは聞いたけど 何ていうか

 やっぱり 格好がつかないから

 上司や恩師 なるべく たくさんの人を

 式には呼んでもらいたいんだ。」

「あの…。」

「ん?」

「1つ お話ししたいことが。」

「何だい?」

「結婚後も 仕事を続けてもいいでしょうか?」

「ハハっ 約束が違うなぁ。

 君には家庭に入ってもらいたいんだ。」

「もう少しの間だけでいいんです。」

「無理だよ。

  僕の両親も 君がそうしてくれると言ったからこそ

 了承してくれたんだ じゃなければ…。」

「親のいない私との婚姻は 反対された…?」

「そうは言わないけど 妻として

 ゆくゆくは 子供の母として

 新しい生きがいを見つけてもらいたいんだ。」

「ええ 私も そういうつもりでした。」

「何なんだよ…。

 急に何だってんだ。

 ただのマリッジブルーじゃないの?

 僕のこと愛してるよね?」

「愛…?」

魔王と香織。

「あなたは…強い人ね。

  私がメソメソしていた間

 すぐ 何をすべきか考えて 実際に行動を起こした。」

「だから それはもう一度 お前と…。」

「違う。

 あなたは 私とのことがなかったとしても

 何かに突き動かされるように目的を持って生きる人。

 常に 迷いがなく前を向ける人…。

 その間…私は 何をしていたと思う?」

「俺は お前を愛してる。

 愛してる!」

店をでていってしまう香織。

魔王が帰ってきました。

「あぁ…。魔王 何してたんだよ!

 何度も電話したのに何で出ないんだよ!」

「何なんだ?」

「ドンキのママが!」

涼香は魔王ににっこり挨拶。

荷物をつめるドンキ。

「何してんだよ?」

「ママね あの彼氏と別れたんだって。

 やっぱり 私のことが一番大事だって言ってくれたの。」

「お前 そんなの…。」

「電車の時間があるの。」

「ドンキ。」

「さようなら 2人とも。

  元気でね。」

川島家をたずねたロッカー。

「 あら。」

「あっ! 君は確か…。」

「ハァ ハァ… てください…。」

「えっ?」

「一緒に… 来てください。」

頭をさげるロッカー。

書類にサインする涼香。

「以上で こちらの手続きは終了です。」

「いろいろと ありがとうございました。」

「真希〜 行くわよ〜。」

「ドンキ…。」

「魔王!」

「手続きは終わった。」

「渡しちゃうのかよ!

 ドンキ また同じような目に遭うよ。」

「決めつけんのは よせ。」

「あんただって そう思うんだろ?」

「他の手続きは 正常に済んでる。

 実の親が迎えに来たら文句は言えない。

 だから あのチビだって…。」

「嘘だ! ニッパチのママとは違う!

 そんなの分かってるくせに!」

「どうしようもないんだ!」

川島夫妻はロッカーといっしょに
コガモの家に向かいました。

「しかし 実の母親が迎えに来たというのなら

 私達には どうすることも…。」

「でも せめて…お別れぐらいは言いたい。」

コガモの家を去るドンキ。

「ほら ご挨拶は。」

「今まで…ありがとうございました。」

「ドンキ…。」

そこへ川島夫妻が到着。

「チッ バカが… 余計なことを。」

「誰?」

「私の お試し先の…。」

「あぁ 里親候補とかそういうの あったんだったわね。

 娘が お世話になったそうで。」

「いえ…。」

「でも もう必要ありません。」

ドンキの手をにぎってみつめる川島夫妻。

「すいません 電車の時間が…。

 真希 行くわよ。」

ドンキの手をひっぱる涼香。
川島母のほうが手をはなしました。

「うっ うっ… 痛い!」

迷うドンキにアドバイスするポスト。

「ドンキ!

  言わなきゃダメだろ!

 もしもまた捨てられちゃうぐらいなら

 一度 捨てられたママのほうがまだ耐えられる。

 大好きになっちゃった2人に

 「いらない」って言われたくない。

 そうなるぐらいなら… だから!」

川島夫妻がドンキをみつめていました。

「真希。」

「真希ちゃん。」

「真希 いいかげんモタモタしないで行くわよ!」

ドンキをひっぱっていく涼香。

前に歩き出す魔王。

「ちょっと… 待ってください。」

叶も到着。

水たまりがあるその場に膝をつき
頭を地面につけて土下座する魔王。

「魔王…。」

「私は コウノトリです。

 少子化の日本とはいえ 私達の数も足りず

 てんやわんやの忙しさです。

 言い訳するつもりはありませんが

 時々 間違えてしまうことがあるんです。

 時々 間違えて 赤ちゃんを

 別の人の所に届けてしまうんです。

 そこで あなたに もう一度ホントのママを

 選び直していただきたいんです。」

「ちょっと 何言ってるの? あなた。」

ドンキに近づき訴える魔王。

「産んだのが親ではありません。

 いっぱいの愛情を持って

 育て上げるのが 本当の親なんです!

 事実の親と 真実の親は違うんです!」

叶も魔王の横で同じように頭をさげました。

「私は コウノトリです。

 どうか お願いします。

 もう一度この子を届けるはずだった

 正しい親の元へ戻す機会をお与えください。」

ロッカーも無言で横に座って土下座。

「何なの? あなた達。

 一体 何のまね?

 ふざけないで!!

 真希 行こう。

 ちょっと 真希!

 真希…!」

「ドンキ。」

「ポスト…。」

うなずくドンキ。
母の手をふりはらって川島夫妻の方へいき
抱きつきました。
泣き出すドンキ。

叫ぶ涼香。

「あ〜!!

 なんて子なの!?

 誰が産んであげたと思ってんのよ!」

ドンキの耳をふさぐ川島父。

「恩知らずにも程があるわ!
 
 勝手にすればいいわ。

 どうせ私の足手まといになるだけなんだから。」

涼香は書類を捨てて帰って行きました。

川島母にしっかり抱きしめられるドンキ。

「うん…。」

「大丈夫よ よしよし。」

「ありがとうございました。」

「大切に… 大切に育てますから。

 大丈夫 大丈夫…。」

ドンキたちを見守るみんな。




魔王がわかりやすくいい人すぎる・・。
最初からきっといい人だったんだろうけど
「むちゃくちゃこどものことを考えてる」まっすぐな人で
108の煩悩がどうのとかもうどうでもいいかんじ。
まさかあそこで土下座くるとは驚きでした。
コウノトリ。
しかも訴えるのは涼香じゃなくてドンキ自身に。

産んだだけでほったらかしにするような親よりは
愛情持って大事にしてくれる親。

お金なくて不自由な生活しかさせてやれなくても
大好きなパパ。(ピア美渾身の泣きの演技)

ジョリピ〜〜〜と腰をふってくれるブラピには
女の命をはらった代償は期待できるのでは。

ハンリュウもうまく片付きそうで
ニッパチも母のもとにもどり
ポストは・・?
自分の娘を亡くしたことをうけいれたうえで
あらためてポストを自分の娘としてひきとるのなら
きれいにおわりそう。





ポスト  芦田愛菜
ドンキ   鈴木梨央
ボンビ   渡邉このみ
ピア美   桜田ひより
ロッカー 三浦翔平
水沢 叶 木村文乃
オツボネ 大後寿々花
東篠祐樹 城田優
佐々木香織 鈴木砂羽
佐々木友則  三上博史




2014.03.11 Tuesday 09:29 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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